2011年1月10日-11日

黄熱 ウガンダ

● 黄熱 ウガンダ 
PRO/AH/EDR> Yellow fever - Africa (05): Uganda 20110111.0123
 情報源 AllAfrica, The Monitor (Uganda) report 、2011年1月10日
感染流行が確認されて以来、[黄熱 Yellow fever ウイルス感染により] 50人近い死者と、約190人の感染者が発生した。政府当局が対策に必死になる一方で、ワクチン未接種者への接種証明書の売買が行われている。たとえば南アフリカ大使館では、ビザ申請の必要書類10件中6件が偽造であり、感染が発生していない他国への拡大が懸念されている。市議会のすぐとなりにあるカンパラ Kampala 市議会病院での黄熱カード売りは、忙しく、儲かる商売である。病院でワクチン接種を受け、証明書を発行してもらうのに約 20USD かかるところ、にせの接種証明書は 6.40USD で購入できる。
[Mod.TY- The 31 Dec 2010 edition of The Monitor は、新たに12人のYF 患者が発生し、死者はなく、合計患者数190人・死者48人と伝えている。ワクチン到着が2週間遅れるというニュースの後、新たな情報がない。発生地域が、10 districts in northern Uganda に限局されていることは、唯一の良い知らせである。Uganda officials や health and immigration officials in other countries の fake cards 対策に期待する]

● ハンタウイルス チリ
PRO/AH/EDR> Hantavirus update 2011 - Americas (02): Chile, conf.
Archive Number: 20110111.0132
 情報源 Terra, Agencia Orbe report [in Spanish]、2011年1月11日
現地衛生当局は、the Puerto Montt Base Hospital で4日、ハンタウイルス Hantavirus 感染症により患者1名が死亡した事を確認した。この43歳の男性は、農村部の Caracol, Los Muermos の農夫で、薪の切り出しをする55歳の兄と暮らしていた。
地図 Chile showing the location Los Muermos
関連項目 20110106.0077

● チクングニア熱 インド
PRO> Chikungunya (01): India (GA Goa) 20110111.0131
 情報源 The Times of India (TOI), Times News Network (TNN) 、2011年1月11日
2011年の最初の1週間だけで、13人がチクングニヤ熱の検査で陽性となった。検査された42検体中、13検体が陽性となった。3 are from Vasco, 2 each are from Aldona primary heath centre, Canacona, and Panaji urban health centre. The others are from Valpoi, Colvale, Mapusa, and Casarvarnem....
地図 Goa, on India's west coast 

● 麻疹 ニュージーランド
PRO/EDR> Measles - New Zealand: in-flight exposure, alert 20110111.0129
 情報源 TVNZ, ONE News report 、2011年1月11日
保健省は、先週(1月3日から)ドバイ Dubai 発オークランド Auckland 行きの Emirates flight の搭乗客らに対し、機内に麻疹患者がいたことが判明したため、自身の健康状態に注意するよう呼びかけている。Emirates flight EK406 便は、3日にドバイ Dubai を出発し、メルボルン Melbourne を経由して、4日オークランド Auckland に到着した。メルボルンで降機した乗客1名が麻疹に感染していたことが判明した [Flight EK406 is operated by a B777 aircraft seating between 350 and 420 passengers according to configuration.]

● インフルエンザ エジプト、フランス
PRO/AH/EDR> Influenza (03): Egypt, France 20110111.0128
[1] エジプト: H1N1/H5N1 fatality rates
 情報源 UN Integrated Regional Information Networks (IRIN) News 、2011年1月10日
the governorates of Gharbia, Port Said, Ismaillia, and Monofiya で新たに5人が、 the [A/(H5N1) avian influenza] virus 感染のため死亡した。保健省は4日、2010年12月中に838人の H1N1 ウイルス感染が確認され、同10月以来の患者数が2171人に達し、死者は24人であることを発表した...H5N1 ウイルスによる死者は40人で、致死率は約34%である一方、H1N1 による死者は2171人中24人で、1.1%となり、H5N1 の1/30以下である。
[2] フランス: H1N1 fatalities, 2009-2010
Specific features of influenza related deaths during the A(H1N1) pandemic in 2009-2010 in France
 情報源 BEH (Bulletin Epidemiologique Hebdomadaire) 2011, no 1 、2011年1月11日
結果:パンデミック期間中に349人のインフルエンザ関連死亡が報告された。死亡患者の平均年齢は59.4歳であったのに対し、それ以前のインフルエンザシーズンの死亡患者の平均年齢は81.7歳だった..
結語: Influenza related deaths in 2009-2010 は、それ以前のものと比べ、非典型的な人口統計学的特徴を有し、より若年者に影響があった。一方、the co morbidities of the deceased people(死亡患者の合併症、死因?)に変化はなかった。

● 食中毒、死亡 ジャマイカ
PRO/EDR> Foodborne illness, fatal - Jamaica: sodium nitrate 20110111.0124
 情報源 The Gleaner 、2011年1月9日
2週間前にフィッシュアンドポテトを食べて死亡したアルゼンチン人旅行者の解剖の結果、saltpetre が発見された。Sodium nitrate (saltpetre、硝酸ナトリウム) は、肉の処理によく使われる物質で、英語のあまり通じないこの旅行者が、食塩と間違えて購入した疑いが持たれている。食事の際に大量に使用していたことが報告されており、St Mary.の宿泊先の villa に遺されていたビンが半分空になっていたことが確認されている。この旅行者は、日本在住のジャマイカ語の大学教師の女性と1年前に日本で結婚し、renew their wedding vows のために、夫婦でジャマイカを訪れていた。

● デング熱/デング出血熱
PRO/EDR> Dengue/DHF update 2011 (02) 20110111.0122
[1] ペルー (Loreto)
 投稿者 ペルー・Hospital Regional de Loreto、Juan Carlos Celis Salinas、2011年1月3日
the Peruvian Amazon にデング熱が再導入されてから、20年目にしてはじめての outbreak of dengue-2 が発生し、異常な数の重症患者が出ている。第1例目の死者も報告された。Iquitos [Loreto region] では、1-4型まで全ての serotypes のデングウイルスが感染循環していたが、軽症例と dengue hemorrhagic fever (DHF) I-II の散発的な報告に限られていた。しかし、今回の流行では、危険な兆候(嘔吐と腹痛に加え、超音波検査で腹水の血管外漏出所見)が、小児を中心に認められている。ブラジルで発生し、重症例の増加と致死率上昇をもたらせた、 dengue-2 genotype III Asian/American [virus] が持ち込まれたためと考えられている。
[2] カンボジア
 情報源 Xinhua News Agency 、2010年12月31日
2010年のカンボジア国内で、12347人のデング熱患者が報告され、小児を中心に37人が死亡したことが、31日に保健当局者から報告された。2009年の11652人と比較して、6%の増加だった。大部分は、5月から10月の雨期の発生であった。死者数は、2007年の407人から、65 in 2008, and 37 each in 2009 and 2010 と大きく減少した..
[Mod.SCM- the Western Pacific region by country from WHO's Regional Office for the Western Pacific (WHO/WPRO) dated 11 Oct 2010 ]
[3] Cases in various countries: Brazil (Amazonas), Argentina/Brazil/Paraguay (border area), Bolivia (Beni), Venezuela (Zulia), India (Delhi)
 - ブラジル (Amazonas、in Portuguese), 5 Jan 2010: the city of Manaus and Amazonas state
registered the 1st case of dengue virus 4 infection in a 13 year old child.
 - アルゼンチン/ブラジル/パラグアイ (border area、in Spanish), 3 Jan 2011: a possible outbreak of dengue in Corrientes province
 - ボリビア (Beni、in Spanish), 8 Jan 2010: in Beni, where at least 7 municipalities recorded 321 positive cases
 - ベネズエラ (Zulia、in Spanish), 4 Jan 2011: the fishing village of Barrio Adentro, 7 cases of DHF
 - インド (Delhi), 7 Jan 2011: Delhi reported a total of 6259 dengue cases last year (2010); over 4000 in October and September. Unlike the usual trend, this year [2010] dengue cases were reported much before the commencement of monsoon season and continued to be reported even after the winter set in.

● プリオン病 英国、フランス、米国、台湾、イタリア
PRO/AH/EDR> Prion disease update 2011 (01) 20110110.0119
[Mod.CP- vCJD or CJD (new var.) の報告数が減少傾向にあることから、ProMED-mail では今後、 vCJD, に加え、other forms of CJD: sporadic, iatrogenic, familial, and GSS (Gerstmann-Straussler-Scheinker disease) も含める]
以下、いずれも原文参照願います。
[1] 英国: National CJD Surveillance Unit - monthly statistics as of Mon 10 Jan 2011 - no new vCJD cases
 情報源 UK National CJD Surveillance Unit, monthly statistics 、2011年1月10日
[2] フランス: Institut de Veille Sanitaire - monthly statistics as of 4 Jan 2011 - no new vCJD cases
 情報源 IVS - Maladie de Creutzfeldt-Jakob et maladies apparentees [in French, trans.]、2011年1月4日
[3] 米国: National Prion Disease Pathology Surveillance Center - cumulative case numbers for 2010 up to 1 Nov 2010 - no vCJD cases
 情報源 US National Prion Disease Pathology Surveillance Center、2010年11月1日
[4] 台湾: vCJD 疑い、英国から、保健省報告
 情報源 Taiwan Today 、2010年12月9日
Department of Health (DOH) は8日、36歳の台湾人男性1名が、Creutzfeldt-Jakob disease により死亡した疑いがあることを明らかにした。2010年5月に死亡したこの患者は、1989年から1997年までの間、英国に滞在していた。当時英国内では、ウシの bovine spongiform encephalopathy (BSE) 騒動の真っ最中であった。台湾国内で感染した可能性は低いと、同省は説明している...
関連項目 20101206.4364
[5] 台湾 : [4]と同じ症例について
 情報源 Focus Taiwan, Central News Agency (CNA) report 、2010年12月8日
原著要約 Probable variant Creutzfeldt-Jakob disease in Asia: A case report from Taiwan and review of two prior cases. Psychiatry Clin Neurosci, 64(6): 652-8. doi: 10.1111/j.1440-1819.2010.02151.x. published online 25 Nov 2010 
[6] イタリア: 2nd vCJD case
 情報源 Adnkronos Inernational (AKI) 、2011年1月6日
北西部の港町 Livorno の病院で44歳の女性1名が死亡し、イタリア国内で2例目の、ヒトの脳を冒す 'mad cow' disease の犠牲者となった。6日、現地当局が報告した。この女性が死亡したのは5日で、2010年7月から variant Creutzfeldt-Jakob disease (vCJD) の末期状態で入院していた。イタリアで第1例目の患者はシチリアの女性 Sicilian woman で、感染から1年後の2002年に死亡した

● 狂犬病 インドネシア
PRO/AH/EDR> Rabies - Indonesia (02): (Bali) 20110110.0121
[1] ワクチン接種者が1日20-30人に減った
 情報源 Malay Peninsula Standard、2011年1月10日
the Rabies Control Team at the Sanglah Hospital [Bali] によると、2011年に同院を受診したイヌ咬傷の患者数は、前月比で減少した。これまで、1日当たり40人以上の患者が、VAR [抗狂犬病ワクチン接種] を求めて受診していたが、1月に入りおよそ20-30人に減少した。バリ島内の、およそ7万バイアルの VAR の備蓄によりカバーできるのは、よくもって4月までと述べた...1月が始まって2週間で、4人が狂犬病で死亡した。島内の狂犬病による死者数が118人に達した。
[2] 2人の狂犬病感染が疑われる患者が死亡した
 情報源 Radar newspaper, Bali、2011年1月10日
the Sanglah Hospital [Bali]. で2人の狂犬病感染が疑われる患者が死亡した。いずれも Klungkung regency の住民で、1人は 狂犬病のない小島 Nusa Penida から来た患者だった。43歳と58歳の男性で、1か月前と3か月前にイヌの咬傷を受けていた。いずれもワクチンを接種されていなかった。
[Mod.CP- the Bali Animal Welfare Association. からのコメント : "2009年に Nusa Penida のすべてのイヌに不妊手術を行った。当局はその後、2度にわたって全頭処分を推し進めた。手術を行ったわれわれにとって、イヌの捕獲とワクチン接種は容易なことであった。全頭処分を認めることはできなかったが、当局は強く主張した"。 暴露後接種の受診者は減っているようだが、死者数は、3日に報道された107人から118人となり、増加が続いている]
地図 the Regencies of Bali, showing the location of the island of Nusa Penida 

● 口蹄疫 ブルガリア(2)、韓国(3件)
PRO/AH> Foot & mouth disease - Bulgaria (04): (BR Burgas) stock, st O, OIE 20110111.0125
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2011; 24(2) 、2011年1月11日
Foot and mouth disease, Bulgaria
感染開始時期 2011年1月4日  follow-up report no 1
前回流行時期 1996年10月
原因ウイルス Foot and mouth disease virus Serotype: O
新たな感染流行
発生地 Kosti village, Tsarevo municipality, Burgas、village
Affected animals
Species / Susceptible / Cases / Deaths / Destroyed / Slaughtered
ウシ / 194 / 1 / 0 / 0 / 0
ヤギ / 149 / 12 / 0 / 0 / 0
ヒツジ / 117 / 14 / 0 / 0 / 0
ブタ / 72 / 8 / 0 / 0 / 0

PRO/AH> Foot & mouth disease - Bulgaria (03): (BR Burgas) bovine 20110110.0120
 情報源 The Sofia Echo 、2011年1月10日
ブルガリア政府当局は10日、the Burgas village of Kosti において、37頭の家畜の感染が報告され、 foot and mouth disease (FMD 口蹄疫) 感染の拡大が見られると発表した。周辺地域でも感染が確認されている。同地域では1頭だけの感染であると、当局者は述べた。the villages of Rezovo and Malko Turnovo での検査では、感染は確認されていない。the Burgas municipality 及び南東部の Haskovo and Yambol 地方で1600頭が検査され、500頭が処分されることになっている
地図 Bulgaria

PRO/AH> Foot & mouth disease - S. Korea (03): spread, vaccination 20110110.0117
[1] ワクチン接種活動強化 Enhanced vaccination
 情報源 Korea JoongAng Daily 、2011年1月10日
韓国政府当局は9日、foot and mouth disease (FMD 口蹄疫) への対策を強化し、国内で4箇所となった virus-free provinces : North and SouthJeolla, South Gyeongsang, and Jeju Island への波及を阻止するため、感染が発生した地域のすべての動物にワクチンを接種することになった。当局の発表では、ウシ217万頭 [2009年の数字によると、ウシでは国内総頭数の約60%] とブタ61万頭 [同10%弱] にワクチンが接種される。
[2] 処分と動物の福祉問題 Culling and animal welfare issues
 情報源 Times Live (South Africa), Reuters 、2011年1月9日
動物保護団体の Compassion in World Farming は、この行為は、韓国政府が5年前に支持した、ヒトによる処分の国際ガイドラインにまったく矛盾する行為だと非難している...
[3] OIE: follow-up report no 8
Foot and mouth disease, Korea (Rep of)
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2011; 24(2) 、2011年1月7日
感染開始時期 2010年11月26日 follow-up report no 8
前回流行時期 2010年6月19日
原因ウイルス  Foot and mouth disease virus Serotype: O
新たな感染流行 36件、詳細は原文参照願います
Total animals affected
Species / Susceptible / Cases / Deaths / Destroyed / Slaughtered
Cattle / 1307 / 33 / 0 / 1307 / 0
Swine / 171 231 / 46 / 0 / 171 231 / 0 ...
[4] Commentary and request for information
 投稿者 PNG・Secretariat of the Pacific Community、David Thomson、2011年1月7日
20110106.0072 に関して
日本で起きた感染流行との類似点など