2011年1月8日

ダイオキシン-ドイツ

● ダイオキシンによる飼料汚染-ドイツ (02) : 農場および食の不安
PRO/AH/EDR> Dioxin feed contamination - Germany (02): farms & food concern
Archive Number: 20110108.0096
[1] Germans Fear Dioxin Has Contaminated Small Farms
 情報源 NY Times 、2011年1月7日。
ドイツ政府は、ニワトリやブタの飼料の一部からダイオキシン Dioxin が検出され汚染の拡がりが懸念されるとして、4700か所以上の小規模農場からの販売を停止した。韓国とスロバキアの政府当局は7日、ドイツ産動物性食品の販売を差し止め、英国とオランダでもマヨネーズなどの輸入食品の摂取に問題がないか調査が開始されたと報じられている。農場からの販売停止命令に伴い、市場から数百万個のタマゴが回収された。検察当局は、飼料供給会社が製造した rapeseed oil 菜種油のダイオキシン汚染が、どのような経路で発生したかについて調査中である。ダイオキシンは、ヒトにおいて発がん性や流産の危険のある物質である。3日の週の始めに、この問題が明らかになった後、最大で3000トンに及ぶニワトリの飼料の添加物にも、微量のダイオキシンが混入していることが、農業省の報告で分かった。これまでも度々、食の安全を脅かす問題が発生するとヒステリーや買い占めが起きてきた国で、当局は早い段階から、ダイオキシン濃度は低く、健康上のリスクを及ぼさない程度であると市民に説明してきた。今回の問題は、ドイツ国内からオランダに波及する可能性も出てきた。ドイツ政府農業消費者保護局の報道官は、合計136000個のタマゴがオランダ国内の1社に配送されていると述べた。すでにオランダと EC には報告されており、EU 内の他国への流通はないと言う。動物飼料の規則の厳格化も検討されている...今回の騒動は、ドイツ北部 Schleswig-Holstein 州の Harles and Jentzsch 社が、汚染のあった工業用の脂肪酸3000トンを、動物飼料メーカーに供給したとされることに端を発している。同社は、動物の飼料への dioxin-laced industrial fat の混入は1件にとどまっており、当局へも届け出ているとしている。問題の飼料は、主にブタやニワトリを飼育する農場に流通し、一部の農場からは、オランダにもタマゴが輸出されていた。約8000羽のドイツのニワトリが処分される結果となった ... 補償問題など。
[2] Report Claims German Company Knew of Dioxin for Weeks
 情報源 Speigel On line 、2011年1月7日。
... ダイオキシン濃度は許容量の10倍... 原文参照願います。
[3] Dioxin scare: German feed fat 'contains 77 times limit'
 情報源 BBC 2011年1月7日。
ドイツ北部の the Harles und Jentzsch plant(工場)について明らかにされた、新たな検査結果によると、有毒化学物質ダイオキシンの濃度が、これまで予想されていたよりも高い、許容量の77倍に上ることが分かった。この工場は、製紙などに使用される油脂と、動物用飼料の栄養価を高めるための油脂を同時に生産していた。ダイオキシンを含む産業油脂が、動物用飼料の成分に混入した。当初ドイツ国内だけの問題であったが、その後になって、タマゴがオランダや、さらに英国にまで流通していたことが判明した。精製されたタマゴは、マヨネーズやケーキ、キッシュなどのあらゆる食品の製造に使われている ... Schleswig-Holstein's agriculture ministry によると、問題の油脂に含まれるダイオキシンの濃度は 58ng/kg であった。許容濃度は 0.75ng/kg に定められている。同当局は、2010年3月まで遡って、検査で高濃度のダイオキシンが認められていたことを確認したが、12月までこれを把握していなかった。検察当局は、当局の監視から逃れるために、同社が登録を行わず違法に営業していた疑いで、現在証拠を差し押さえている...
[4] German contaminated egg scare spreads to British supermarkets
 情報源 The Guardian 、2011年1月7日。
食品当局は、高濃度のダイオキシンが含まれた液状タマゴ原料が、ケーキやキッシュに使用されて、英国内で販売されていることを確認した。The Food Standards Agency は、ヒトでお健康への影響は小さいとしながらも、念のため、スーパーマーケットに対し、店頭から商品を撤去するよう勧告している。同局報道官は、 the liquid egg は、消費期限の短いケーキやキッシュに使用され、ほとんどの大手スーパーなど様々な小売店に流通していると説明した。製品名は明らかにされていないものの、the FSA によると、問題の原料タマゴの供給先は、Kensey Foods in Cornwall, a division of Samworth Brothers, and Memory Lane Cakes Ltd in Cardiff, a division of Finsbury Food Group.とされている。ケーキやキッシュを販売した店の全てのリストではないが、Tesco and Morrisons の2店がその中に含まれているとしている .. まだ続きます。
[Mod.TG- ...今後の人生の長い乳幼児への影響が最も懸念される ... 基準値を超えてはいるものの、1976年のイタリアで起きた経験と比較すると very very tiny で比べものにならない。20110105.0053 の moderator's coment に、ダイオキシンについての概説を示したが、ダイオキシン関連の歴史においても触れておくべきだろう。イタリアの Seveso は、今回よりずっと高濃度(約50mg) のダイオキシン放出の被害を受けた。直接の被害として chloracne (塩素による座瘡)と動物の死亡がみとめられたものの、その他の影響はほとんど確認されず、1990年代前半に行われた調査でも、ダイオキシンの影響のなかった地域と比較して、死亡率や発がん率に差がない ことが示されている。50mg は、今回の問題となっている濃度 [58ngのこと?] の約5000倍 [1000倍?] である。Chloracne とは、acne-like eruption (ニキビのような発疹)で、 塩化ダイオキシンや dibenzofurans などのハロゲン化芳香族化合物に過剰に曝露した場合におきる。1990年代後半にも、欧州ではもう1件、このようなミルク、タマゴ、肉の汚染が判明し、店頭から撤去された。この事件後も、発がんや死亡の増加はおきていない]

● 鳥インフルエンザ 韓国 H5N1、確定
PRO/AH/EDR> Avian influenza (02): S. Korea (GN, CB) H5N1, conf., update 20110108.0097
2nd bird flu confirmed

 情報源 Korea Times、2011年1月7日。
South Jeolla Province のダック農場1か所で7日、新たな鳥インフルエンザ感染流行が確認された。政府当局は、 Yeongam にあるこの農場で、強毒性H5N1鳥インフルエンザの検査を行い、陽性となったと発表した。感染力の強いこの病気については、わずか1週間前の2010年12月31日に Iksan, North Jeolla Province, and Cheonan, North Chungcheong Province で確認されたばかりで、全国への波及が懸念される