2011年1月13日

◎ サル痘-コンゴ民主共和国

◎ サル痘(M 痘)-コンゴ民主共和国
PRO/AH/EDR> Monkeypox - Congo DR: (ET) 
Archive Number: 20110113.0148
Equateur province: 114 cases with 5 deaths due to monkeypox reported in Bikoro
 情報源 Radio Okapi [in French]、2011年1月12日。
monkeypox あるいは monkey variola と呼ばれる疾患が、Equateur province の北部及び南部で猛威を奮っている。少なくとも3つの health zones で発生が確認されている。the Bikoro health zone では 114人が感染し、5人が死亡している。the WHO Equateur provincial branch によると、the Bikoro health zone における 114 cases の多くは、Mbandaka からおよそ 82km の the Mooto health area で発生している。the Gbadolite health zone でも類似する疾患が確認されている。the WHO/Equateur regional medical officer は、患者検体が送付された the INRB (National Institute for Biomedical Research) in Kinshasa での検査により、monkeypox virus と診断されたことを明らかにした。同疾患は Boende health zone の患者についても検査で確認されている。Equateur 全体の感染者数は今も把握されていない。保健衛生当局は発生地域の農家に対して、森林内のサル、リス、pangolins など、同疾患を伝播する可能性のある動物の死体に触れないよう呼びかけている。
[Mod.CP- A recent investigation で the smallpox (天然痘) vaccine によって免疫が付与される monkeypox virus は、天然痘根絶と予防接種の中止により、少なくとも20倍以上、感染が増加したことが示唆されている (For a detailed discussion see 20100901.3124 and Major increase in human monkeypox incidence 30 years after smallpox vaccination campaigns cease in the Democratic Republic of Congo. Proc Natl Acad Sci USA. 2010; 107(37): 16262-7)。 monkeypox virus infection は smallpox と比べ、いくらか重症化しにくいものの、瘢痕が残ったり死亡したりする可能性がある。そして smallpox と違い、ヒトだけでなく ウイルスを保有する小動物 (such as rodents, squirrels, and monkeys) などとの接触によっても感染する可能性がある。従って感染対策はより困難となる。The virus species _Monkeypox virus_ は the genus Orthopoxvirus_ の仲間である。ヒトでの Monkeypox virus 感染の症状は天然痘に似ており、中央アフリカの流行ではかなりの死亡率を伴ったが、2003年に米国において African rodents が持ち込まれたことをきっかけに発生した流行では死者は1人も出なかった。monkeypox virus と smallpox virus (variola virus) の違いは、variola virus ほど monkeypox virus は効率的にヒト-ヒト感染しないことである。monkeypox virus は、基本的には齧歯類とリスに保有されている (resident) が、人獣共通感染症として他の種に感染が広がることがある。the species _Monkeypox virus_ は、系統発生学的に the species _ Variola virus_ から最も離れたウイルス種に入る。実際 variola virus は monkeypox virus よりも camelpox virus に近い。したがって、変異や淘汰によって monkeypox virus が a variola-like virus に進化することはあり得ない。それでもなお、ヒトの間で重症化する可能性があり、限定された状況下での天然痘ワクチン vaccinia virus vaccine の再使用の検討も必要となるかも知れない]
厚労省検疫所 FORTH

● 麻疹-パキスタン
PRO/EDR> Measles, fatal - Pakistan: (PB Punjab) 20110113.0154
Measles outbreak in Dera Ghazi Khan, Punjab province
 情報源 The Express Tribune、2011年1月13日。
Kot Hebat Busti Doom Wala で起きている麻疹 Measles 流行に、数百人が感染した。今現在の感染者は小児11人である。このうち1人は11日に麻疹感染がもとで死亡し、2人が危険な状態となっている。現地の医療支援不足を嘆く声が上がっている。

● 鳥インフルエンザ、ヒト (04) ー エジプト
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (04): Egypt, 120th case 20110113.0153
Avian influenza situation in Egypt -- WHO update 41 更新41
 情報源 World Health Organization (WHO), CSR, Disease Outbreak News 、2011年1月13日。
エジプト保健者は、新たな H5N1 鳥インフルエンザの患者について発表した。Giza Governorate の10歳の少年が5日に発病し、8日に入院となった。現在、状態は落ち着いている。感染源の調査で、家禽への暴露があった事が分かっている。the Egyptian Central Public Health Laboratories, a National Influenza Center of the WHO Global Influenza Surveillance Network (GISN) で感染が確定診断された。エジプトでは120人の患者が確認されており、うち40人が死亡した。
地図 the governorates of Egypt
厚労省検疫所 FORTH

● 風疹-台湾
PRO/EDR> Rubella, adult - Taiwan 20110113.0152
German measles cases confirmed; Taiwan CDC urges timely vaccination for children
 
 情報源 Centers for Disease Control, ROC (Taiwan), press release、2011年1月10日。
2010年12月後半、Taiwan CDC [Centers for Disease Control] は、Songshan District, Taipei City のクリニックから、German measles [rubella] 風疹が疑われる症例について報告を受けた。最近の渡航歴がない40歳の男性で、12月18日に発熱、発疹、頭痛などの症状を発症した。その後、Taiwan CDC で風疹感染と診断された。感染源の調査を行ったところ、同じ地域内の44歳の女性1名が、11月中旬に同じような症状を示していたことが判明した。受診した医療機関で上気道炎と診断されていた。この女性に関しても、後から CDC が風疹であった事を確認している。感染が発症した前後に日本と台湾と行き来していたため、女性がどの国で感染したかを決定することはできなかった。発症時期の違いから、同じ地域に住んでいるものの、両者が直接関係していることはない。

●  インフルエンザ A (H1N1) 2009-英国 シチメンチョウ
PRO/AH/EDR> Influenza A (H1N1) 2009, animal: UK, turkey 20110113.0150
H1N1 found in turkeys 
 情報源 DEFRA (UK Department for Environment, Food, and Rural Affairs) News 、2011年1月12日。
Cheshire の農場1か所で、定期監視活動によりシチメンチョウの H1N1 influenza が確認された。現在感染循環する、the human pandemic H1N1 strain に非常に近いウイルス株であった。

● ロスリバー/バーマ森林ウイルス-オーストラリア
PRO/AH/EDR> Ross River/Barmah Forest viruses - Australia (02): (SA South Austaralia) 20110113.0149
 情報源 Sky News 、2011年1月11日。
South Australia において、蚊族によって媒介されるウイルスが増加している。現地保健当局は、住民や余暇の旅行者らに対し、Riverland area では蚊族の刺咬から身を守るよう呼びかけている。The Advertiser の報告によれば、2010年12月に the Ross River and Barmah Forest viruses に感染した人の数は70人で、1年前より28人多かった。公共エリアでは、蚊族駆除対策が行われる予定である。
[Mod.TY- eastern South Australia state の the Murray River に沿った the Riverland area に、洪水に関する注意は現在出されていないが、予報では13日も降雨が続くと予測されている。 Ross River and Barmah Forest viruses のベクターである蚊族の繁殖場所が、さらに増えることが見込まれる]
関連項目
Ross River/Barmah Forest viruses - Australia: (VI) 20110106.0075