2011年1月23日-25日

急性弛緩性麻痺 ハイチ
原因不明の出血熱、クリミア・コンゴ出血熱 インド

● 急性弛緩性麻痺 ハイチ
PRO/EDR> Acute flaccid paralysis - Haiti (02): ?post cholera, RFI
Archive Number: 20110125.0307
 投稿者 Praecipio InternationalWashington-Houston-Port au Prince、James M. Wilson V, MD、2011年1月22日
The report below highlights additional cases beyond the 5 cases the HEAS (Haiti Epidemic Advisory System) brought to their initial attention. We await laboratory results.
12日に行われた病院医師への聞き取り調査の内容:患者情報など。
 - Cases were 1st admitted to the CTC [cholera treatment center] for cholera treatment.
 - Cases 1-4 were in hypovolemic shock when admitted(入院時,体液減少性ショックの状態).
 - All cases presented similar symptoms of paralysis within 72 hours of recovery(72時間以内に麻痺症状が改善).
 - Symptoms consisted of: ascending bilateral flaccid paralysis leading to difficulty in speech, loss of consciousness and then respiratory distress.
 - All cases died except cases 4, 6 and 7.
Case 1~7 の情報など。
関連項目
Acute flaccid paralysis - Haiti: RFI 20110121.0256

● 原因不明の出血熱、クリミア・コンゴ出血熱 インド(3件)
PRO/EDR> Undiagnosed hemorrhagic fever - India (03): (MA), RFI 20110125.0305
 情報源 TopNews New Zealand 、2011年1月24日
Crimean-Congo hemorrhagic fever suspect tested negative
Bhiwandi の住民1名は、クリミア・コンゴ出血熱 Crimean-Congo haemorrhagic fever (CCHF) virus infection の検査が陰性となり、主治医や家族らは安心した ... Ahmedabad ではこれまでに3人が CCHF により死亡している
[Mod.CP- 今回報告された入院治療中の患者は、第1例目の感染疑い患者と同じ地区の患者で、この第1例は現在、感染症ではないと考えられている。上記の2例目の疑い患者は、依然として、原因不明のウイルス性出血熱による患者ということになっている]

PRO/AH/EDR> Crimean-Congo hemorrhagic fever - India: (GJ) 
Archive Number: 20110123.0285
[1] ヒトの死亡
 情報源 DNA (Daily News and Analysis) 、2011年1月22日
Ahmedabad でこの2週間に3人の死者が出ている、the Crimean Congo haemorrhagic fever (CCHF クリミアコンゴ出血熱) の新たな患者が21日に確認され、確定された患者数は5人となった。1人は第1例目の患者の夫で、もう1人は、瀕死の感染患者が治療を受けていた Shalby Hospital の男性看護師だった。男性看護師については、国立ウイルス研究所でウイルスが確認された。
[Mod.CP- これまでに(初発患者の) 主治医と集中治療室の看護師が CCHF ウイルスに感染して死亡したことが報告されていた。患者の夫であるこの感染した患者は、同じ病院で治療を受けていたが、男性看護師の患者とともに死亡したことが判明した。CCHF の致死率はおよそ30%で、発病から2週間目に発生する。回復例では、発症から9ないし10日目に症状が改善し始める。CCHF 患者が入院した場合、院内感染拡大のリスクが生じる。過去にも、このような形での深刻な集団発生例がある]
[2] Presence in ticks
 情報源 The Times of India 、2011年1月23日
クリミアコンゴ出血熱 the deadly Crimean-Congo haemorrhagic fever (CCHF) の原因ウイルスが、Ahmedabad [Gujarat state] 各地で採取されたダニで高頻度に確認されている。ダニはヒトと違い、感染しても死ぬことはなく、ウイルスを伝播する役割を果たす。the National Institute of Virology [HIV] (Pune) の研究者らは、今や (インド国内の) 環境中の至るところでウイルスが感染循環しており、国外の常在地域からインドに持ち込まれたのではないと考えている ...
地図 Ahmedabad in the state of Gujarat

PRO/AH/EDR> Undiagnosed hemorrhagic fever - India (02): (MA) 20110123.0284
[1] Kasturba Hospital の患者
 情報源 The Times of India 、2011年1月23日
Bhiwandi resident の一家6人が、 ward no. 14 at Kasturba Hospital near Chinchpokli. の外に立っていた。患者の息子は、国立ウイルス学研究所の検査結果が出るまで誰とも話をしたくないと語った。父親とは24時間面会できず、人工呼吸器の装着の有無についても知らされていないと言う。父親はきっと助かると思うと述べたこの家族全員が、予防的に Ribavirin を服用している。この48歳の父親が出血熱に感染したとのニュースが広まり、the Bhiwandi-Nijampur Municipal Corporation's (BNHC) Health Department からの医師が the Gokul Nagar area の視察を行い1000人近くをチェックしたが、クリミア・コンゴ出血熱 Crimean-Congo haemorrhagic fever (CCHF) の症状を示す患者は1人もいなかった ... しかし、この家族が15日前に Rajasthan を訪れ、帰路、この2週間に3人が CCHF により死亡している Ahmedabad [in Gujarat state] に立ち寄ったとの近所の人の証言があり、さらにこの患者はムンバイ Munbai に移動して Bhatia Hospital に入院する前に発病して現地の医療機関で治療を受けていたことも分かった。Kasturba に搬送される前に Jaslok Hospital に入院していた。Jaslok Hospital の医師は、脳出血に腎不全を伴っていたが、完全隔離のため、感染症の診断に必要な採血を行えなかったと述べている。
[2] ムンバイの患者の CCHF 検査陰性
 情報源 The Times of India 、2011年1月23日
Crimean-Congo haemorrhagic fever [CCHF] outbreak に関し、市内については心配する必要はないようだ。プネ Pune の国立ウイルス学研究所は22日、ムンバイから送付された2検体のうちの1つが [CCHF の?] 検査陰性であったことを明らかにした。BMC [Brihanmumbai Municipal Corporation] officials により送付されたもう1件の結果は、23日に判明すると述べた。診察に当たっている Kasturba Hospital の上級医は、中脳出血が見られるものの、その原因は (CCHF だけでなく) 多岐にわたると説明した。 
[Mod.CP- ムンバイの症例は感染症ではないようだ]
地図 the states of India

● デング熱 ペルー、ホンジュラス、ボリビア、パラグアイ、ブラジル、フィリピン
PRO/EDR> Dengue/DHF update 2011 (04)
Archive Number: 20110124.0292
[1] ペルー (Iquitos)
 投稿者 ペルー ・ Hospital Regional de Loreto医師、Juan Carlos Celis Sainas、2011年1月18日。
the Peruvian Amazon region において、初めての The epidemic of dengue [virus]-2 Asian/American [genotype III] 感染が確認されてから、1か月半が経過し、現在では流行レベルに達している ... 3例の死亡が確認されている ...
[2] 世界各国
 - ホンジュラス [in Spanish]、 21 Jan 2011.
In the 1st weeks of the year (2011), at least 78 cases. 30年ぶりの最悪の状況となった 2010年, 66 646 confirmed classical dengue fever cases with another 3099 DHF cases that caused 83 deaths.
 - ボリビア [in Spanish]、 (Beni).
1 According to the Ministry of Health, 336 positive cases of dengue in Beni . To date since December 2010, 7 deaths in the region. 3 dengue virus serotypes circulating, dengue viruses - 1, - 2 and - 3.
2 the cases in Beni, confirmed 178 cases in 5 of the 9 regions of the country as of the 1st week (of 2011).
地図 the administrative divisions of Bolivia
 - パラグアイ (border area with Argentina and Brazil). [in Spanish]、 21 Jan 2011.
Paraguay the 1st dengue death so far in 2011, in the Iguazu Falls area along the borders of Brazil and Argentina. 
 - ブラジル (Parana). [in Portuguese]、22 Jan 2011.
On 21 Jan 2011, the Parana nearly 300 suspected and 7 confirmed dengue cases in Londrina. In all of Parana (state), 925 cases 
地図 the states of Brazil
 - フィリピン (Santiago City). 19 Jan 2011.
A dengue outbreak in Santiago City in Isabela province. A total of 19 cases from 1-14 Jan (2011); one of the patients died due to dengue shock syndrome
地図 the provinces in the Philippines

● ハンタウイルス 米国
PRO/AH/EDR> Hantavirus update 2011 - Americas (05): USA (NM) 20110124.0289
 情報源 Big Medicine 、2011年1月23日
The New Mexico Department of Health 当局は23日、McKinley County の51歳の女性1名が Albuquerque アルバカーキの病院 UNM [University of New Mexico] Hospital に入院中で危険な状態にあることを明らかにした。女性は2011年の同州内で2例目のハンタウイルス肺症候群 hantavirus pulmonary syndrome [HPS] の患者と診断されている。同局公衆衛生獣医師は、春や夏に比べて冬季のハンタウイルス患者の発生は多くはないが、多くの場合,寒さのために家屋などの建物内に居場所を求めるげっ歯類が原因であると説明している ... ニューメキシコ州内のハンタウイルス Sin Nombre virus の主な宿主は deer mouse である
[Mod.TY- 同郡では、2010年5月にも発生(20100509.1509) しており、 20110106.0077 を合わせると、9か月間で3例目の HPS 患者となる]

● 麻疹 ナイジェリア
PRO/EDR> Measles - Africa (02): Nigeria (BI) 20110124.0291
 情報源 The Sun News online 、2011年1月24日
Bauchi State 内の20か所の local government areas から、2000人を超える麻疹 Measles 患者が報告されていることを、WHO の専門家が明らかにした。Bauchi, Katagum and Toro local government areas で最も多くの患者が発生している。

● 鳥インフルエンザ 中国,日本 H5N1(2件)
PRO/AH/EDR> Avian influenza (08): China (HK Hong Kong.), H5N1, wild birds 20110125.0306
[1] Oriental magpie robin(コマドリ)
 情報源 Hong Kong Agriculture, Fisheries and Conservation Department (AFCD) press release 、2011年1月19日
Yuen Long で死亡して発見された1羽の oriental magpie robin の予備検査で、H5 亜型鳥インフルエンザウイルスが陽性となったと、the Agriculture, Fisheries and Conservation Department (AFCD) の広報担当者が19日に発表した。1月17日に、refuse collection point (ごみ収集箇所) at Fairview Park, 付近で、トリの死体が発見され回収された。The oriental magpie robin は、香港 Hong Kong でよくみかける在来種である。周辺の3箇所の家禽農場での異常は確認されていない
[2] Oriental magpie robin, large-billed crow
 情報源 Hong Kong Agriculture, Fisheries and Conservation Department (AFCD) press release 、2011年1月21日
死亡した野鳥に行われている鳥インフルエンザサーベイランスで、Tai O で死亡して発見された1羽の large-billed crow の検査の結果、H5N1 が陽性であることが判明したことを、AFCD の当局者が明らかにした。 Sun Ki Street, Tai O で18日に発見されたこの死体は、損傷が激しく、21日になるまで鳥インフルエンザの確認ができなかった。半径 3km 圏内の農場で、トリの死亡は確認されていない。The large-billed crow is a common resident bird in Hong Kong.である 

PRO/AH/EDR> Avian influenza (08): Japan (MZ), H5N1, poultry, wild birds 20110125.0303
 情報源 Wall street Journal 、2011年1月25日
県内でおよそ41万羽のニワトリが処分されることとなった。23日に20羽のニワトリが死亡し、簡易検査で6羽中5羽から H5N1 ウイルスが確認された。南部にある宮崎県は、国内有数の農業県で、家禽生産トップの1つである。21日に8.5km離れた別の農場で36羽が死亡して発見され、10200羽のニワトリが処分されたことに続くものである ... 2010年11月に、家禽の感染例としては国内では3年ぶりとなる、島根県での H5N1 高病原性鳥インフルエンザ感染発生後の不安がさらに広がった。さらに、日本だけではなく、韓国や中国でも発生が確認されている。
[Mod.AS- 今回の宮崎での流行は、2010年11月29日の流行開始以来4件目の発生となった。日本政府当局より直ちに OIE への報告が行われ、以下のような疫学的コメントが含まれている: 
"1月21日、農家からの通報を受け、すぐに現地獣医学担当者が農場に入り検体を採取した。同22日、宮崎県は、RT-PCR 法により、H5 亜型インフルエンザA 陽性を確認し、23日、同農場内で飼育されていた全てのニワトリの処分を行った。 "23日に、第1の農場から8.5km離れた別の農場で採取された検体でも、 RT-PCR 法によって influenza A subtype H5 が確認され、敷地内の12棟のメンドリ飼育小屋の全てのニワトリに感染の疑いがあるとして、処分が開始された。 "国立動物衛生研究所は24日、第1の農場から単離された中に、高病原性H5N1鳥インフルエンザウイルスが含まれていることを確認した。同ウイルスは、島根県及び富山県、鹿児島県のウイルスと近い関係にあった。もう1つの農場のウイルスについては現在調査中である "21日と23日に、それぞれの農場の半径10km県内の移動制限を指示した”  
2010年12月16日以降、長い日本列島の各地から、5件の野鳥での H5N1 感染の報告 があり以下のコメントが付されている:
"2011年1月19日に北海道浜中町の湿原付近で弱っていた1羽の whooper swan について、北海道大学において HPAI virus subtype H5N1.が確認されたのに続き、ほかに死亡して発見された4羽の野鳥 (2 whooper swans, 1 northern pintail and 1 wild duck (_Aythya_ genus)) でも、HPAI H5N1 が確認されている "湿原付近に4か所の農場があるが、道当局は、これらの施設では感染がないことを確認している" ]
写真 Northern pintail

● リフトバレー熱 南アフリカ
PRO/AH/EDR> Rift Valley fever, ovine - South Africa (02): vaccination policy, RFI 20110125.0304
 情報源 Knysna Plett Herald via ShowMe 、2011年1月24日
The Western Cape Provincial Veterinary Services 当局は、the Great Brak River area 内でリフトバレー熱 Rift Valley fever [RVF] の感染例が発生したことを報告した。2010年に発生した大流行以来となる、2011年の第1例目の報告である。2010年には、26人と8500頭以上の動物が、同疾患により死亡している。2011年の雨期に再興したことを当局は重く見ており、感染拡大防止のため、農家に対して家畜へのワクチン接種を確実に行うよう呼びかけている。
[Mod.AS- 20110119.0224 にある、南ア政府当局の the "no vaccination" policy に相反する内容である]

● 口蹄疫 韓国、イラク(2件)
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease - S. Korea (06): vaccination 20110124.0290
[1] ワクチン国内生産への取り組みを指示
 情報源 Arriang News, Korean Global Television 、2011年1月24日
韓国国内での口蹄疫 the massive outbreak of foot-and-mouth disease [FMD] により、ブタ200万頭、ウシ13万頭が処分された。大統領は、唯一の海外承認ワクチン製造メーカーを持つ英国とオランダに続いて、抗 FMD ワクチンの国内生産に取り組むと発表した。
[2] 大統領声明など
 情報源 Korea Times 、2011年1月24日
[3] vaccine antigen banks
 情報源 Zenopa Animal Health Supplier News 、2011年1月24日
Merial Pirbright の vaccine antigen banks のおかげで、韓国やザンビアからのワクチンのオーダーに速やかに対処できている
[4] 海外への支援要請
 情報源 Vets Web 、2011年1月24日
数か国に対し、FMD ワクチンの供与を要請し、ベルギーなどが支援を表明

PRO/AH> Foot & mouth disease - Iraq: susp. RFI 20110123.0282
 投稿者 イラク・Talib Murad Ali Elam, DVM, Ph.D、2011年1月23日
Foot and Mouth Disease and other TAD's Reporting System in Iraq and Near East Countries
20101229.4585 のRFI に答えて
正直に言って、周辺諸国でこの TAD (Transboundry Animal Disease 越境性動物疾患?) が相当数発生していることについて、深く憂慮しているところであるが、少なくとも各国は、熱心に自国内の発生状況を熱モニターしている。イラク政府当局が、2年間 WRLFMD (Pirbright UK) に検体の提出を行っていないことへの疑問に対する答えは以下のとおりである:
1.イラク国内で FMD は一切発生していない : 動物の病気への遭遇に transparent な (透明性がある) トルコやイランの状況を考えれば、その可能性は極めて低い。他国についてのコメントは差し控える。
2.FMD の感染疑い症例を検出できないか、無視している。
いずれにしても、国内にいる家畜は少数であり、それらを守るためにも、受け入れることはできない。現在、イランとトルコの獣医学当局は、イラクに比べより進歩しているが、それでも他の国々と同じように、Pirbright-UK facility に診断を委ねている。なぜイラクが提出を行っていないのか?FAO Regional Officer であった時期に、イラク以外の、すべての中東と北アフリカの施設について知ることができたが、今イラクに在るが(得られる情報の)状況は変わらない。

● 狂犬病 インドネシア
PRO/AH/EDR> Rabies - Indonesia (03): (Bali), Penida, alert 20110123.0281
 情報源 Bali Discovery Tours 、2011年1月22日
Nusa Penida Islands on Rabies Alert
the Klungkung regency of Bali の The District government of Nusa Penida に対し、狂犬病 Rabies に関する "extraordinary situation" (status kondisi luar biasa 非常事態) が宣言された。The district of Nusa Penida は、the islands of Nusa Gede, Nusa Ceningan and Nusa Lembongan からなる。これは、最近発生した住民2人の狂犬病感染による死亡を受けて出されたもので、それまで当局は、この地域が近隣のバリで発生中の狂犬病感染とは無縁だとしていた ... 17日に Nusa Penida に対して狂犬病への注意喚起を行った the Bali Health Office の責任者である医師は、この数か月間に17件のイヌによる咬傷が発生しているが、同島内に狂犬病感染のイヌはいない、との誤った認識のもと、未治療で放置されることへの懸念を示した
[Mod.CP- 10日、Nusa Penida 島民2人が、バリの病院で狂犬病による死亡の疑いと診断されたことが報告されている。今回、感染が確定され、これまで狂犬病がないとされていた the island of Nusa Penida でのイヌによる咬傷が原因であることが分かった。バリへの旅行者については、本島と周辺の島々を含め、この地域内で狂犬病の発生がないところはない [全域で感染の危険がある] ことに留意すべきである]