2011年1月6日

ロスリバー/ Barmah 森林ウイルス-オーストラリア
髄膜炎、水頭症,アシネトバクター -ウガンダ
原因不明の出血死-インド

● ハンタウイルス-チリ、米国
PRO/AH/EDR> Hantavirus update 2011 - Americas: Chile, USA
Archive Number: 20110106.0077
[1] チリ (Los Lagos)
 情報源 El Repuertero [in Spanish)、2011年1月6日。
the Health SEREMI [Regional Ministerial Secretariat] Los Lagos の調査チームは、hantavirus cardiopulmonary syndrome [HPS ハンタウイルス肺症候群].により、43歳の患者が死亡したとの報告を受け、the Chaquihuan sector of the municipality of Los Muermos での調査を行っている...この男性は、4日 、 the Hospital de Puerto Montt.で死亡した...夏季は、旅行や作業の関係で、the long-tailed mouse [long-tailed pygmy rice rat, _Oligoryzomys longicaudatus_] との接触が多くなるため、当局はごみを放置しないなど、注意するよう呼びかけている...
写真 the long-tailed pygmy rice rat (_Oligoryzomys longicaudatus_), the sigmodontine rodent host of Andes hantavirus 
地図 Los Muermos is within the ecosystem where Andes hantavirus is endemic in its rodent host. 
[2] 米国 (ニューメキシコ New Mexico 州)
 情報源 News Channel 9 、2011年1月6日。
The New Mexico Department of Health 当局は6日、 McKinley County の51歳の男性1名が、州内で今年 [2011年]初めての hantavirus pulmonary syndrome の患者と診断され、 UNM Hospital in Albuquerque (アルバカーキ) に入院したことを明らかにした。ウイルスの感染経路について、調査されることになっている ... 同州において、[Sin Nombre] hantavirus の the main reservoir は、 The deer mouse [_Peromyscus maniculatus_] である。

● ロスリバー/ Barmah 森林ウイルス-オーストラリア
PRO/AH/EDR> Ross River/Barmah Forest viruses - Australia: (VI Victoria) 20110106.0075
 情報源 The Border Mail 、2011年1月6日。
Gooramadda, near Rutherglen に設置された、The 20 "sentinel chickens" は、Ross River fever, Barmah Forest virus そして死亡することもある Murray Valley encephalitis などの蚊族媒介性ウイルス検出のため、毎週検査が行われている。Murray River 沿いの Cobram and Wodonga などの各町に、10群のうちの1群がそれぞれ置かれ、ヒトへの危険を早期に察知するためのシステムとして運用されている。ニワトリは、蚊族が多く、ヒトに近い場所を選んで配置されている。蚊族の繁殖に申し分のない条件が整ったこの3か月間に、the Border and North East. 一帯の蚊族の個体数は爆発的に増えた。過去3週間で、the Hume region から、3 cases of Ross River fever [virus infection] and one of Barmah Forest virus [infection] が報告された。
[Mod.TY- .. 20100513.1560 について]

● 黄熱-ウガンダ
PRO/AH> Yellow fever - Africa (04): Uganda, north 20110106.0074
 情報源 International Rescue Committee 、2011年1月5日。
The International Rescue Committee (IRC) は、ウガンダ北部でこれまでに50人が死亡した、黄熱感染流行への対応を開始した。 the northern districts of Kitgum and Lamwo の当局者らのトレーニングと教育、政府による vaccination campaign の支援、 IRC ambulance による isolated communities から病院までの患者移送、などの活動 ... 
地図 The affected districts

● 麻疹 フィリピン,カナダ
フィリピン
PRO/EDR> Measles - Philippines: (DN Davao del Norte) 20110106.0071
 情報源 Xinhua News Agency 、2011年1月5日。
フィリピン南部の Mindanao's Davao del Norte province にある、 Talaingod and Kapalong towns で発生した麻疹感染流行により、少なくとも3人の子どもが死亡した。この地域で起きた洪水と地すべりで、15人が死亡している。Talaingod town では、麻疹に感染した30人以上が入院しており、うち8人は検査で確定されている...近郊の Kapalong town でも流行が報告されているが、治療中の患者は5人にとどまっている。
[Mod.CP- 1990年までは、フィリピンは大洋州でも最も麻疹感染の報告が多い国だったが、その後ワクチンの使用で激減した。2004年6月から 2006年12月までの期間は、麻疹患者がまったく報告されなかった...]

カナダ フィリピンから
PRO/EDR> Measles - Canada (02): (ON Ontario) ex Philippines 20110106.0063
 投稿者 加 ・ Ottawa Public Health / Sante Publique Ottawa、Nadine Sicard MD MSc FRCPC、2011年1月6日。
5日現在、オンタリオ州オタワ Ottawa 市内で確定診断されている (麻疹)患者は、合計 6人である。初発患者は、旅行中に麻疹に感染した可能性が最も高い。これにつづき、二次感染の患者 5人を確認している。across 2 generations of transmission があった。これらの患者は、統計学、臨床症状、予防接種状況などから、想定内の広がりにとどまっている。5人は、以前の麻疹ワクチンの接種歴がなく、1人は MMR ワクチンを1回接種されていた。

● 髄膜炎、アシネトバクター -ウガンダ 感染後水頭症
PRO/EDR> Meningitis, postinf. hydrocephalus, Acinetobacter - Uganda 20110106.0070
 情報源 Eurekalert.org 、2011年1月3日。
[ウガンダおよび他の途上国における] 小児の水頭症 Hydrocephalus の発生には季節性があり、家畜動物との関連性や、先行する細菌感染が関与するもののあることが、ウガンダと米国の研究者らからなる国際調査チームにより明らかにされた。同チームは、予防が最善の対処法だとしている。途上国の乳児水頭症(の原因)は、大きな医学上の謎であると、Penn State Center for Neural Engineering の教授が述べた。水頭症とは、脳組織を取り囲む液体が、通常より量が増加した状態を指す。脳圧の亢進により、脳組織が膨張したり障害を受けたりする。液体を灰益するためのシャントを設置するなどの治療が行われるが、シャントはいずれ閉塞し、アフリカなどの地域では常に緊急の対応が行えるとは限らない...水頭症について...sub-Saharan Africa の乳児水頭症の多くが、生後1か月以内の感染性髄膜炎が原因だと見られている。研究者らは、2010年1月、7月、10月に連続して、25人の乳児水頭症患者から、3セットずつの髄液を採取し、原因を調査した。ウガンダの Mbale にある、 the CURE Children's Hospital に、急速に頭囲が拡大する乳児を両親が連れてきたときには、すでにもとの感染症は消えていて、培養により細菌を確認することはできなかった。その代わりに研究者ら利用したのは、すべての細菌に存在する、 16S ribosomal DNA を検出する DNA sequencing という方法だった。今回の研究結果は、最新の the Journal of Neurosurgery: Pediatrics [Association of bacteria with hydrocephalus in Ugandan infants. J Neurosurg Pediatrics 2011; 70:73-87. ] に掲載されており、この中で、94%の検体で bacterial remnants が確認された と述べられている。この研究者らは、検体による季節性の違いに気づいた:乾期を代表する感染症は、Betaproteobacteria であり、雨期の代表は Gammaproteobacteria 感染だった[Betaproteobacteria is a class of Gram-negative bacteria in the phylum Proteobacteria, which includes _Burkholderia_ and _Neisseria meningitidis_, and Gammaproteobacteria is a class of Gram-negative bacteria in the phylum Proteobacteria, which includes _Pseudomonas_, _Escherichia_, and _Acinetobacter_.] 。雨期の感染症後の患者のほとんど [paperでは95%] が、_Acinetobacter_ 感染だった...米国をはじめ先進国では、乳児水頭症の主な原因は、先天性奇形、もしくは低体重出生早産児の血管未熟性による脳出血である。かつては、Group B _Streptococcus_ (B群連鎖球菌) が、先進国における感染後水頭症の主な原因であったが、現在では、産科医が母体の検査を行い、出生前に抗生物質により治療してしまうため、発生はまれである。驚くべきことに、今回の研究で、the remnant DNA in the infants の中に、 Group B _Streptococcus_.由来のものは1件も確認されなかった。アシネトバクタの感染源の調査で分かったこととして、住民らの小屋の床には、水とアリ除けのための牛糞が塗りこめられ、植物が刈り取られた小屋の周りの patio (中庭)にも、ヘビ除けに牛糞が置かれていた。生まれたばかりの赤ん坊のそばには、動物がいるだけでなく、その排泄物にも取り囲まれた環境に入れられることになる。床や、直接ウシやヤギ、ニワトリから取った糞の検査で、乳児から検出された細菌と同じ遺伝子配列(の細菌)であることが確認された。伝統的に、東アフリカの一部の住民らが、臍帯の切断面の止血に牛糞を使用することが、新生児感染症の原因となってきた。このような事例は少なくなってきたが、新生児が家畜のそばに置かれる環境は、依然として劣悪に分類される...
[Mod.ML- ... viable organisms. が得られない、PCR 検査の結果の解釈には慎重さが必要。GBS も髄膜炎菌もほとんど検出されていない一方で、common contaminants である _Acinetobacter_ と _Burkholderia_ は湿度の高い環境では検出されやすい ... ]

● 鳥インフルエンザ、ヒト (03) -エジプト WHO
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (03): Egypt, WHO 20110106.0067
Avian influenza situation in Egypt - update 40
 情報源 World Health Organisation (WHO), GAR, Disease Outbreak News 、2011年1月5日。FORTH
2010年1月5日 エジプト保健省は、新たに4人の鳥インフルエンザA(H5N1)に感染した患者を公表した。
Sharkia県の56歳の女性は、12月22日に発症し、同23日入院、オセルタミビルにより治療。同30日に退院。感染経路調査中。
Qena県の25歳の女性は、12月19日に発症し、同27日に入院、同29日に死亡。家禽との接触が判明した。
Ismailia県の27歳の男性は、12月23日に発症し、同28日に入院し現在治療中。感染経路について調査中。
Dakahlia県の40歳の男性は、12月25日に発症し、同30日に入院、2011年1月2日に死亡。家禽との接触が確認。
いずれもH5N1ウイルスが確認された。エジプトで確認された119例の患者の内、40例が死亡した。
地図 the governorates of Egypt
 
● 狂犬病、ヒト-インドネシア
PRO/AH/EDR> Rabies, human - Indonesia: (Bali) 20110106.0066
Bali allots funds for anti-rabies vaccines

 情報源 The Jakarta Post, Denpasar 、2011年1月3日。
2011年のバリ島での狂犬病増加に備え、 the Bali Health Agency 当局は、anti-rabies vaccines for humans 確保のために 144万USD の予算を配分することを約束した ...

● 原因不明の出血死-インド
PRO/AH/EDR> Undiagnosed hemorrhagic deaths - India: (MA Mandya) 20110106.0060
Children died of slow blood clotting: Docs

 情報源 The Times of India 、2011年1月3日。
Ragimuddenahalli of Mandya district において、3日に発生した 2人の小児の死亡については、医師も原因がわからず、謎が深まっている。2日に血を吐いた後、死亡した。2日に入院した、同じ症状の3人の小児は危機を脱したとされている。ウイルス疾患や脳炎が疑われたが否定された。医師は、血液凝固時間が 90-120秒と延長(通常 15-20秒)しており、殺鼠剤誤食や出血患者で見られる症状だと説明した。現在治療中の 3人は、3歳未満で、殺鼠剤入りの bondas を食べた可能性があるが、5人がいっぺんに同じものを食べた可能性は低い、と話した..
[Mod.TG- Bondas は、ポテトなどの野菜が詰まった spicy or sweet treat(おやつ) で、小麦粉に混入したとすると、ほかの場所でも起きるはず。殺鼠剤や抗凝固剤により凝固時間は影響を受けるが、同じ場所と時期に起きたことは奇妙である。ほかの子どもに比べて影響を受けやすいような持病がなかったのだろうか]

● バナナの病気,Bacterial wilt-タンザニア
PRO/PL> Bacterial wilt, banana - Tanzania: spread 20110106.0076
 情報源 DailyNews 、2010年12月30日。
The Ministry of Agriculture, Food Security and Cooperatives
は、 Banana Xanthomonas Wilt (BXW) がすでに、 Mara, Mwanza and Kigoma Region に発生し、早急な対処が必要であると述べた。初めての流行時 [20020105.3162] に、農家に注意を呼びかけていたが、隣国からの病気の植物の輸入をやめなかったと述べた...
[Mod.DHA-_Xanthomonas campestris_ pv. _musacearum_ は、中央アフリカの banana bacterial wilt の起因菌となっている (BXW; bacterial wilts due to _Ralstonia_ species are present elsewhere)...]

● 原因不明の致死性疾患、大量死 パキスタン、米国(2件),チリ
PRO/AH> Undiagnosed lethal disease, camels - Pakistan: diff. diag. 20110106.0073
 投稿者 William Taylor 、2011年1月6日。
PPR with sudden camel death in Sudan (ref.) の報告もあり、事実、パキスタンに PPR が蔓延している
参考文献  An outbreak of peste des petits ruminants (PPR) in camels in the Sudan. Acta Tropica, Vol 116 (2), 161-165.

PRO/AH/EDR> Undiagnosed die-off, avian - USA (03): (KY) 20110106.0062
 情報源 MSNBC 、2011年1月5日。
トリでいるのも楽じゃない。12月31日には、central Arkansas で花火に驚いたとされる blackbirds が家や車に激突し、300マイル離れた Louisiana では電線によりおよそ450羽が死亡し、Baton Rouge 付近の高速道路に死体が散乱したと見られている。5日、 Kentucky ケンタッキー州の野生動物当局者が、週西部で先週、数百羽の grackles, red wing blackbirds, robins and starlings の死体が発見されたと述べた ...
大腸菌か? 1999年、ルイジアナ州北部で、数千羽の grackles が空から落下し、身をよじりながら死亡した事件が起きた。5ヶ月かかって到達した診断結果は:気嚢の大腸菌感染だった ...

PRO/AH/EDR> Undiagnosed die-off, avian - Chile: sooty shearwater 20110106.0061
 情報源 The Ghost Theory 、2011年1月4日。
約 1500羽のハイイロミズナギドリ 'Sooty Shearwater' (_Puffinus griseus_ 絶滅危惧種で保護動物) が、チリ沖で死亡しているのが発見された。the sectors of Mela and Colmuyao 付近で、当局者により発見されたもので、以前にも数件のこのような報告がされており、2010年におきた死亡例は、持ち込まれた植物による中毒だと、the website ElMostrador.cl で報告されている。
写真 the Sooty Shearwater
 
PRO/AH/EDR> Undiagnosed die-off, fish - USA (02): (MD) 20110106.0058
 情報源 Baltimore Sun 、2011年1月5日。
the Chesapeake Bay で発生した非常に大規模の魚類死亡について調査中の当局は、死亡した原因が、水質の問題ではなく、寒さが原因との見方を示している。the Bay Bridge から南の Tangier Sound にかけて、約200万匹の魚が死亡したと報告されている。調査に当たっているメリーランド州 the Maryland Department of the Environment [MDE] によると、死亡した魚の多くが adult spot (スポットの成魚) で、一部に juvenile croakers (幼魚) が含まれていた..当局は、"cold-water stress" が原因と見ている。

● 口蹄疫-韓国
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease - S. Korea (02): update 20110106.0072
 情報源 Korea Times 、2011年1月6日。
韓国政府当局は 6日、これまでに 100万頭の家畜が処分され、今後数日間でさらに 100万頭の処分を行って、 国内に急速に拡大する口蹄疫 the outbreak of foot-and-mouth disease (FMD) に対処することを明らかにした。

● アフリカ豚熱(豚コレラ)-ロシア
PRO/AH/EDR> African swine fever - Russia: (LN Leningrad) 20110106.0068
African Swine Fever in Russia, January, 2011: Preliminary Outbreak Assessment
 情報源 DEFRA International Disease Monitoring, Ref VITT/1200 、2011年1月4日。
1. Disease Report ロシア政府当局より the European Union に対し、EU との境界に近い、 レニングラード Leningrad region (St Petersburg サンクトペテルスブルグ) において、 African Swine Fever [ASF アフリカ豚コレラ] が疑われる症例が発生したとの報告が寄せられた [上記URL に掲載されている] 地図を参照のこと。鶏糞肥料工場 poultry manure farm 1か所で死亡したブタの死体の検査から、予備診断が下された。
以下、2. Situation Assessment、3. Conclusions。