2011年2月12日-13日

Q 熱 オランダ
マラリア 新たなハマダラカ属,西アフリカ

● Q 熱 オランダ
PRO/AH/EDR> Q fever - Netherlands: human, animal
Archive Number: 20110213.0490
[1] オランダの感染流行は、5年目に突入した
 情報源 Examiner.com、2011年2月12日
オランダ国内で2007年に始まった (Q 熱) 感染流行は、5年目に突入した。2011年に入り、2日までに新たに8人の患者の診断が確定した。2007年以降、4000人以上の患者と多数の死者を記録しており、2010年の死者は11人だった。全国で患者の発生が確認されているものの、the US Centers for Disease Control and Prevention (CDC) は、国内南部の Noord (North) Brabant, Gelderland, Limburg, and Utrecht Provinces の各州で多くの患者が発生していると指摘している。CDC はオランダを旅行するアメリカ人に対し、以下の点に注意するよう呼びかけている (FORTH) :
-発生地域の農場に立ち入らない
-やむを得ず立ち入らなければならない場合は、飼育小屋には近づかず、動物にも触れない
-動物が汚染した土や埃を吸い込むことで発病する可能性がある
-ミルクと乳製品は、殺菌されたものだけを口にする 生のものは避ける
-石鹸と水でよく手洗いをする(なければ60%以上のアルコールを含む消毒薬を使用) ...
Q 熱は、the obligate intracellular pathogen (偏性細胞内寄生病原体) の, コクシエラ菌 _Coxiella burnetii_ を原因菌とし、ミルクあるいはエアロゾルを通じてヒトに感染する。患者の多くが軽症であるため、多くの国々(大陸) で報告されている患者数は、実際の感染者よりもずっと少ない。Animal reservoirs of _C. burnetii_ として、ヒツジ、ウシ、ヤギ、イヌ、ネコなどがいる。これらの動物がいる地域では、獣医師、生肉包装業者、農業労働者などのQ 熱感染例が発生している。 また、バイオテロ兵器 agent of bioterrorism. としての可能性も示唆されている。CDC によると、Q 熱は、曝露から2-5週間後に始まる、原因不明の発熱として症状が現れ、時に肺炎や肝炎が合併する。急性Q 熱の致死率は低く (1-2%) 、ほとんどの患者は軽症で、1-2週間で自然に治癒する。ただし、抗生物質による治療によって病期は短縮され、合併症のリスクも軽減される。慢性Q 熱の発生は、まれ (急性患者の1%以下) であるが、生命に関わる心臓弁膜症 (心内膜炎) をおこす可能性がある。
[2] Q fever in the Netherlands: The animal health aspects.
 情報源 IMED 2011, Vienna, Austria, 4-7 Feb 2011. Session 17 "Q Fever in the Netherlands," abstract 17.001 、2011年2月6日
[3] Q fever in the Netherlands: The public health aspects.
 情報源 IMED 2011, Vienna, Austria, 4-7 Feb 2011. Session 17 "Q Fever in the Netherlands," abstract 17.002 [edited]、2011年2月6日
[4] Q fever in the Netherlands: _Coxiella burnetii_, laboratory aspects.
 情報源 MED 2011, Vienna, Austria, 4 - 7 Feb 2011. Session 17 "Q
Fever in the Netherlands," abstract 17.003 、2011年2月6日

● マラリア 新たなハマダラカ属,西アフリカ
PRO> Malaria, new Anopheles mosquito - West Africa 20110212.0480
 情報源 BBC News、2011年2月3日
New mosquito type raises concern
アフリカのマラリア Malaria を感染伝播する _Anopheles gambiae_ の subgroup に属する新たな蚊族が発見された。Science magazine の中でこの蚊族がマラリア原虫に容易に感染する very susceptible ことへの懸念が示されている。この蚊族の生息域は、通常研究者らが蚊族採取を行うヒトの居住域から離れていたため、これまで発見されずにいた。仏・パスツール研究所の研究者らは、4年間にわたりブルキナファソ国内の集落付近にある池などで蚊族の採取を行ってきた。この中に、従来知られていたどの _A. gambiae_ insects とも遺伝学的に異なる、多数の蚊族が含まれていることが、検査室での検査で確認された。

● 麻疹 台湾
PRO/EDR> Measles - Taiwan: alert
Archive Number: 20110212.0483
 情報源 Taipei Times、2011年2月11日
CDC reports 1st case of measles in 2011, 467 at risk
台湾国内では1978年以降、麻疹・ムンプス・風疹ワクチン the measles, mumps and rubella [MMR] vaccine が行われているにもかかわらず、未だにワクチンを受けない人々がいる。The Centers for Disease Control (CDC) は9日、2011年の麻疹第1号患者が報告され、(患者が受診した) 救急室に居合わせた、他の患者、医師、看護師ら467人が監視対象となっていることを明らかにした。 台湾北部の大学に通う28歳のスイス人男性が、麻疹と診断された。

● インフルエンザ
PRO/EDR> Influenza (14): WHO update 127 20110212.0482
 情報源 World Health Organization (WHO), CSR, Influenza、2011年2月11日
Influenza activity is increasing on the European continent, particularly in the central, south and eastern part.

● B型肝炎、C型肝炎 インド
PRO/EDR> Hep B & C - India: (Punjab) 20110212.0477
 情報源 The Tribune online, Bathinda edition、2011年2月10日
Cases of hepatitis B & C reported in Moga villages
the Baghapurana and Nihalsinghwala sub-divisions of the Moga district 内の数か村で、多数のB型肝炎およびC型肝炎肝炎の患者が報告されている。the Baghapurana sub-division では、142人の患者が報告された。
地図 

● 腺疫 カナダ
PRO/AH> Strangles, equine - Canada: (PE) 20110213.0489
 情報源 CBC.ca、2011年2月11日
Prince Edward Island (PEI) のウマ農場1箇所で、感染力の強い腺疫 strangles が発生したため、self-imposed quarantine 自主隔離が行われている。Giddy Up Acres in Orwell Cove in Queens County のオーナーは、腺疫の症状である発熱をチェックするため、1月の間、1日2回、18頭のウマの体温を測定していた。

● 口蹄疫 北朝鮮
PRO/AH> Foot & mouth disease - North Korea (04): OIE 20110213.0487
Foot and mouth disease, Korea (Dem. People's Rep.)
 情報源 OIE-WAHID interface、2011年2月11日
感染開始時期 2010年12月25日
前回流行時期 2007年3月7日
原因ウイルス foot and mouth disease virus Serotype: O
新たな感染流行
発生地 Total outbreaks: 48 原文参照
Outbreak statistics (rates (apparent), expressed as percentages):
Species / morbidity / mortality / case fatality / Proportion
susceptible animals lost*
Cattle/ 36 / 1 / 3 / 1
Swine/ 57 / 49 / 87 / 49
Goats/ 100 / 0 / 0 / 0
* Removed from the susceptible population through death, destruction
and/or slaughter

● 慢性消耗性疾患 米国
PRO/AH> Chronic wasting disease, cervid - USA (05): (MD) 20110212.0486
 情報源 Maryland Department of Natural Resources、2011年2月10日
Chronic wasting disease found in a white-tailed deer in Maryland
The Maryland Department of Natural Resources (DNR) に対し、Maryland で射殺された a white-tailed deer が慢性消耗性疾患 chronic wasting disease (CWD) 検査の結果、陽性であることが10日判明したとの報告が入った。

● 原因不明の致死性疾患、ウシ ラオス
PRO/AH> Undiagnosed fatal disease, bovine - Laos (02): (CH) RFI 20110212.0485
[1] Foot-and-mouth disease kills over 1600 cattle in Champassak province
 情報源 KPL Lao News Agency via Laovoices.com、2011年2月11日
the 10 districts of Champassak province において、この1か月間に1600頭以上のウシが死亡した。11日、the outbreak of the disease ではないと当局から発表された。
[2] Over 200 cattle in Champassak die of foot-and-mouth disease
 情報源 KPL Lao News Agency via Laovoices.com、2011年2月8日
2010年12月から1月にかけて、Champassak district, Champassak province で、 89 buffaloes and 131 cows からなる合計200頭以上が、Foot-and-mouth disease 口蹄疫により死亡したと、同地域の農業当局者から発表された。この間、8800頭が感染した 

● 口蹄疫 日本 ウシ(2件,否定)
PRO/AH> Foot & mouth disease - Japan (02): (IS) bovine, not 20110212.0484
 情報源 ?
Cows in Ishikawa not infected with foot-and-mouth disease
FMD-like symptoms が認められた石川県のウシは、ウイルス感染についての遺伝子検査で陰性となったことが、11日農水省から発表された。

PRO/AH> Foot & mouth disease - Japan: (IS) bovine, susp, RFI 20110212.0476
 情報源 The Mainichi Daily News、2011年2月12日
Cows in Ishikawa Prefecture show signs of foot-and-mouth disease
石川県で12頭以上のウシに口蹄疫 foot-and-mouth disease [FMD] の症状が認められたものの、同ウイルスの感染による可能性は低いと見られると、12日農水省が発表した。

● ブルセラ症、ウシ 米国
PRO/AH> Brucellosis, bovine - USA: (WY) 20110212.0481
 情報源 Wyoming Business Report、2011年2月10日
Wyoming cow found with brucellosis
the Wyoming Livestock Board は11日、Montana 州の動物衛生当局から、Montana auction に出された Wyoming cow 1頭が、ブルセラ症の血清学検査陽性であったとの報告を受けた。