2011年2月1日-2日

黄熱 ウガンダ,コートジボワール
ロスリバー/バーマ森林ウイルス-オーストラリア

● 黄熱 ウガンダ,コートジボワール(2件)
ウガンダ
PRO/AH/EDR> Yellow fever - Africa (12): Uganda (north)
Archive Number: 20110202.0387
 情報源 Allvoices、2011年1月27日
ウガンダ保健当局は、黄熱 Yellow fever 感染流行により、2010年末以降10地区で53人死者224人感染が発生している北部で、yellow fever [YF] vaccination drive を開始した。23日に開始した、保健省による今回のキャンペーンで、およそ100万人が接種を受けることが期待されている。2010年からの黄熱感染流行は、当初エボラまたは肺ペストと考えられていたが、しばらく原因不明の時期があり、その後になって保健省が黄熱と診断を決定した。初めて感染が確認されたのは Abim and Agago districts であったが、その後 Kitgum and other 10 districts in northern Uganda に感染が拡大した。合計174人が黄熱に感染した。45人の死者の発生した10地区は、Abim, Lamwo, Kitgum, Pader, Gulu, Arua, Kaabong, Nebbi, Agago, and Lira districts であった。ウガンダ国内では、およそ40年間、黄熱の発生は確認されていなかった ... 全在外公館は自国民に対し、ワクチン非接種者の北部への渡航を自粛するよう呼びかけている ... 今回のウガンダの感染流行の原因となった、黄熱ウイルス株の遺伝子塩基配列解析の結果、the East African Couma-Ethiopia genotype に98%一致していた。ケニア、コンゴ民主共和国、スーダンでは、1992-1993年に感染流行が報告されており、最近では2003年にスーダンの感染流行が報告されている。
[Mod.TY- 1月27日の報道で北部のワクチン接種開始が伝えられている。1月22日に始まったこのキャンペーンは、5地区の100万人以上をカバーし、29日までに完了する予定であると、26日に関係者が述べている。2010年10月以来、Northern Uganda はこの疾患に苦しんできた。感染開始以降、51人以上が死亡し、200人が感染した。政府当局が、必要なワクチンのうちの半数を確保するのに、2か月近くを要している。情報ごとに患者および死者数が異なっているのはなぜか?]

コートジボワール WHO
PRO/AH/EDR> Yellow fever - Africa (11): Cote d'Ivoire (central, north) WHO 20110202.0386
 情報源 WHO Global Alert and Response (GAR) 、2011年2月2日
Yellow fever in Cote d'Ivoire - update
WHO および UNICEF からの支援を受けた、コートジボワール Cote d'Ivoire 保健省が最近実施した、緊急ワクチン接種キャンペーンにより、70万人以上が黄熱の予防接種を受けた。1月21日から28日にかけて行われた今回のキャンペーンにより、(接種者の数は) Katiola, Beoumi (中央部), Seguela, and Mankono (北部) の対象人口の88%に達した。キャンペーン翌日に行われた WHO の現地調査により、高いワクチン接種率であったことが確認された。1月3日にコートジボワール政府当局から、黄熱感染の疑いのある患者についての通報があり、同17日に、地域照会検査機関である、 Institut Pasteur in Dakar (ダカール) での検査により診断が確定された。今回のアウトブレイクは、Seguela (14 例, うち10例死亡)、Mankono (1 case)、 Beoumi (18 例うち9 例死亡) および Katiola (46例うち16例死亡) の各地区で発生した。

● ロスリバー/バーマ森林ウイルス オーストラリア
PRO/EDR> Ross River/Barmah Forest viruses - Australia (03): (SA) 20110202.0385
 情報源 TopNews、2011年2月2日
South Australia における、the Ross River virus (RRV) もしくは Barmah Forest virus (BFV) 感染例の急増が、市民や当局を不安に陥れている。The River Murray の水位上昇による stagnated water (みずたまり) の発生が、蚊族繁殖を助長し、多くの水系感染症を増加させる要因となったと見られている。保健当局は、350 cases of Ross River virus (RRV) and Barmah Forest virus (BFV) を確認している。2010年の患者数はわずか16例であった 
関連項目 20110113.0149 
関連情報 FORTH

● 麻疹 ニュージーランド,ロシア
ニュージーランド
PRO/EDR> Measles - New Zealand (03): in-flight exposure
Archive Number: 20110201.0381
 情報源 Western Leader 、2011年2月1日
Measles warning issued by Auckland Regional Public Health Service
7人の若年者 young Aucklanders の麻疹 Measles 感染が確認され、このうちの1人が Waitakere Hospital's emergency care centre を受診していたことから、the Auckland Regional Public Health Service は市民に対し注意を呼びかけている。患者の年齢は3から16歳で、患者のうちの4人は、1月11日に Brisbane から Auckland に向かう飛行機に搭乗していた。ある一家が海外で感染した。1人が重症のため入院となっている。New Zealand 国内では、the MMR (measles, mumps and rubella) vaccine は無料で接種することができ、生後15か月ごろの幼児に接種されたあと、4歳で2回目の接種が行われる。2回の接種で99%有効である 

ロシア
PRO/EDR> Measles - Russia: (KX Krasnoyarsk) 20110201.0379
 情報源 newslab.ru, Internet newspaper [in Russian]、2011年1月26日
Measles control in Krasnoyarsk
2011年のこれまでに、クラスノヤルスク Krasnoyarsk で検査により確定診断された麻疹患者数は9人である。市長事務局は、小児及び18-35歳の年齢の95%がワクチン接種を受けているため、大規模な流行発生は免れるとの見方を示している。しかし、移民のワクチン接種カバー率の問題があり、集団内の接種率は53%以下と見られている。18-35歳の市民へのワクチン接種は、1月31日までに終了すると見込まれている。公衆衛生当局者らは、市内14か所の大規模市場で、移民に対するワクチン接種活動の強化 (向上) に取り組んでいる。
*Krasnoyarsk city は、Krasnoyarsk Krai (territory) の行政の中心地で、シベリア第3の都市で人口はおよそ95万人である。活発な経済活動と the Trans-Siberian Railway の要衝であることが migrants を惹きつけている 

● 口蹄疫 ブルガリア(2件)
PRO/AH> Foot & mouth disease - Bulgaria (12): (BR) genotype 20110201.0380
[1] EU mission report
EU veterinary emergency team - Mission on FMD in Bulgaria 17-21 Jan 2011
 情報源 EU Standing Committee on the Food Chain and Animal Health (SCFCAH) meeting 1-2 Feb 2011、2011年2月1日
全21項目の報告 (the 29-slide presentation)
[2] WRLFMD, genotyping
Foot and mouth disease - Bulgaria
 投稿者 英 ・ Institute for Animal Health、Nick J Knowles、2011年2月1日
The FAO/OIE/DEFRA Reference Laboratory for FMD at the Institute for Animal Health (UK) は、2010年12月以降、ブルガリアで発生中の FMD outbreak において分離された、representative serotype O FMDV isolate の全遺伝子配列をの解析を終了した。Turkish Thrace との国境に近い、south eastern Bulgaria から3例の FMD が報告されている; the 1st case of FMD in Bulgaria in a wild boar-このウイルスは the Middle East-South Asia (ME-SA) topotype (PanAsia-2 lineage, ANT-10 sub-lineage) に属し、トルコ及びイランで確認されているウイルスに近い。the ANT-10 sub-lineage of the PanAsia-2 lineage は、アフガニスタン、イラン、パキスタン、トルコ [Map] に広く分布する

PRO/AH> Foot & mouth disease - Bulgaria (11): (BR) 3rd focus, OIE 20110201.0373
 情報源 OIE/WAHIS, FMD in Bulgaria, follow-up report No 3、2011年1月31日
新たな感染流行
発生地  Gramatikovo, Gramatikovo, Malko Turnovo municipality, Burgas
38頭のヒツジの検査で、3頭が陽性となった
110頭のヤギの検査で、10頭が陽性となった

● リフトバレー熱 南アフリカ (2件)
PRO/AH> Rift Valley fever - South Africa (05): ovine, vaccine policy 20110201.0377
 投稿者 南ア・Department of Agriculture, Forestry and Fisheries、Dr Boitshoko Ntshabele、2011年1月28日
20110125.0304 に関し
South Africa において、リフトバレー熱 Rift Valley fever [RVF] は notifiable disease であるが controlled disease ではない。すなわち、担当部署 (責任) は the State Veterinary Services だけではない。当局はワクチンを配布するが、接種の責任は農家にある。ワクチンは安価であり、すぐに手に入る。outbreak 発生後の接種頭数については、州当局が行う数より、農家や個人の獣医師らによる接種数がはるかに多いため、実数を把握することはできない

PRO/AH> Rift Valley fever, animal - South Africa (02): camelidae 20110201.0374
 投稿者 南ア・Department of Agriculture: Western Cape、Dr Sophette Gers、2011年1月31日
Rift Valley fever in alpacas in South Africa
20110129.0350 に関し
2010年の the Western Cape における the initial RVF outbreak in Alpacas ならびに2011年に他の農場で発生した流行の診断に diagnostic veterinary pathologist の1人として関わった。どのアルパカの群れにも RVF ワクチンは接種されていなかった。2010年の流行では、感染した動物のほとんどが、yearling (生後1年の個体) だった。2011年の最新の流行では、mature male animals オスの成獣がより多いようである。知りうる限りでは、これまでにアルパカにおける RVF 感染流行の報告はなく、また、ラクダ科の動物への使用が認められているワクチンもないと思う。
[Mod.AS- 20110129.0350 に以下のコメントを付した;
 "アルパカの年齢、臨床症状についての情報が望まれる。アルパカは、ワクチン接種対象になっているのだろうか。"
Dr Gers より以下の要約 (Veterinary Pathology Online (subscription): Abstract 165 2010 47: 3S Vet Pathol.) が寄せられている; "Rift Valley fever (RVF) は家畜反芻動物の acute to peracute zoonotic disease の1つで、a single serotype of a vector-borne RNA virus (Bunyavirus) of the genus Phlebovirus の感染を原因とする。Floodwater で繁殖する Aedes species (ヤブカ属) が、異常な降水量の後の流行発生における主なベクターとなっているが、 Culex (イエカ属) や Anopheles (ハマダラカ属) species の蚊族、さらには重要性は少ないものの biting flies も epidemic vectors として関わる可能性がある。South Africa (SA) においては、不規則な間欠期をはさんで RVF が発生している; 一番初めの報告は1950年代で、 1974-76 に大規模な流行があり、1981 および 1999 年にも小さな限局した流行が発生している。 2008年に再発し、これとは別に2009年にも発生があり、引き続いて2010年に an extensive epidemic が発生し、SA のほとんどの地域に感染が拡大した。2010年春、the Western Cape Province of SA の農場1か所で飼育されていたアルパカ sub-adult alpacas 4頭が死亡し、RVF と診断された ... 臨床経過説明 ... 様々な年齢のアルパカが飼育されていたが、感染は the yearling group に限られていた。筆者の知る限り、the 1st reported case of RVF virus infection in alpacas と考えられる"]
2010年の感染流行の報告 (OIE、合計489 outbreaks が報告された)