2011年2月3日

コレラ-カナダ ハイチから
原因不明の脳炎-バングラデシュ

● コレラ-カナダ ハイチから
PRO/EDR> Cholera - Canada: (QC) ex Haiti
Archive Number: 20110203.0396
 情報源 Leader-Post、2011年2月3日。
ケベック Quebec 州で初めて、ハイチでの感染流行によるコレラ Cholera 患者が確認された。当局は "retransmission" の危険性はないとしている。コレラに感染した女性1名が、重症の下痢症のため、1月前半に Ste. Justine Hospital に入院したと報じられた。この女性に最近のハイチへの旅行歴があったことから、救急室の医師がコレラ感染を疑い、重症下痢症の患者の標準措置どおりに患者は他の患者と隔離されていた。抗生物質の投与と脱水の補正が行われ、数日後には退院となった。最後にケベック州でコレラ感染患者が記録されたのは2007年である。

● 原因不明の脳炎-バングラデシュ
PRO/AH/EDR> Undiagnosed encephalitis - Bangladesh: (RP) RFI 20110203.0393
[1] Undiagnosed disease with fever and CNS symptoms
 情報源 bdnews24.com (Bangladesh) 、2011年2月2日。
Hatibandha in Lalmonirhat [ランプル Rangpur division] で小児3名を含む4人が死亡した原因不明の病気に関する調査が開始されている。the Institute of Epidemiology Disease Control and Research (IEDCR) のチームが2日、現地に向かった。同研究所の所長は、高熱の原因は脳感染症によるとの見方を示している。1日の午後に、1人は病院内で、後の3人は自宅もしくは搬送途中に死亡した。この2日間に30人以上の患者が発生している。主な症状は、ある間隔をおいて発生する体温上昇と、急激な解熱後の死亡である。
[Mod.EP- マラリアは small outbreaks として発生することはあまりない: 髄膜炎か脳炎 -- たとえばエンテロウイルス、 Chandipura virus、 Nipah virus, or Japanese encephalitis -- などの可能性がある。インフルエンザ菌性髄膜炎 Haemophilus influenza meningitis は通常 outebreaks を起こすことはなく、髄膜炎菌性髄膜炎では皮膚症状を伴うと考えられる]
[2] 脳炎と臨床診断された死者の数が17人となった
 情報源 The Daily Star、2011年2月3日。
脳炎と臨床診断された死者の数が17人となった。専門家らは3日、この原因不明の疾患を臨床的に脳炎と診断した。2日から3日にかけて Lalmonirhat and Rangpur [Rangpur division] でさらに5人が死亡した。4日に the Disease Control and Research (IEDCR) laboratory での検査結果が判明する。死者数は現在17人である。死亡した患者らの年齢と発生地域は次のとおり: 10 and 40, of South Goddimari village; 23 of West Bejpur; 50 of Tongbhanga; and another 8, of local bus terminal area in Hatibandha upazila [sub-district] of Lalmonirhatである。
[Mod.TY- 日本脳炎によるものと判明した場合、ProMED-mail で初めてのバングラデシュからの感染流行報告となる。しかし、同国内で発生が繰り返されている Nipah ニパウイルス感染については ProMED-mail に複数の投稿がある。同じ日の The Daily Star には、2日 Hatibandha and Pirgachha upazilas sub-districts] of Lalmonirhat and Rangpur district において小児を中心とした8人の患者が原因不明の疾患により死亡し、死者数が12人に達したとの別の記事も掲載されている。検査を行っている the Institute of Epidemiology, Disease Control and Research laboratory の所長は、症状から日本脳炎もしくはニパウイルス感染を疑っており、また同国にとってウイルス性脳炎は新しい病気ではないと述べている。毎年冬になるとたくさんのヒトがこの蚊族媒介性疾患に罹患している。この8例が [2] の記事にある17人に含まれるのか別なのか,不明である]

● 口蹄疫、ウシ-リビア OIE
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease, bovine - Libya: (TR) OIE 20110203.0398
Foot and mouth disease Libya
 情報源 OIE WAHID Disease Information 2011; 24(5) 、2011年2月3日。
感染開始時期 2010年12月22日
前回流行時期 2009年4月2日
原因ウイルス Foot and mouth disease virus Serotype O 
新たな感染流行
発生地 Tajura 2 および 1, Tripoli, TARABULUS [Tripoli District] 
いずれも農村でのウシの感染

● 鳥インフルエンザ インドネシア,日本
PRO/AH/EDR> Avian influenza (12): Indonesia (JA Jambi) poultry 20110203.0397
 情報源 Xinhua 、2011年2月2日。
インドネシア ・ Jambi 州において H5N1鳥インフルエンザ Avian influenza 感染流行が発生し、Kerinci regency で数千羽のニワトリが死亡したことが、2日報じられた。4000羽以上のニワトリが死亡したと当局者が述べた。
[Mod.AS- 何年間にもわたって動物とヒトでの HPAI virus H5N1 の感染循環が続いているのは、エジプトとインドネシアの2か国である。2006年9月に、インドネシア政府当局は endemic (地方感染) であることを宣言した。全国各地に感染が広がっている。2005年にインドネシアで the N1 outbreak が始まってから、171人が感染し、このうち141人が死亡した。最新の患者は、2010年12月前半に Bandung City, West Java Province で発生した。家禽での最新のアウトブレイクは、FAO のデータによれば、2010年11月に記録されている。surveillance and control の改善のため、海外の専門家の協力を得て、インドネシア政府当局は、 the "participatory disease surveillance and response" (PDSR) programme を実施しているが、これは、(庭先飼育を中心とした) village-type poultry production systems を対象として、農村環境内のウイルス感染循環の兆候を報告するものである。PDSR's data によると、Jambi は、2010年3月に感染が報告された州の1つであった。全体として、the coverage area 内の1000か村あたり、およそ1.5か村から新たな HPAI 感染流行が報告されているが、発生頻度は州ごとに大きく異なっている。最も発生数の多い4つの州は Kepulauan Bangka Belitung (13.3), Yogyakarta (9.1), Lampung (7.2) and Jambi (4.6) (see) である]
地図 Jambi is in central Sumatra

PRO/AH/EDR> Avian influenza (11): Japan (KS, AI, MZ), poultry, wild birds 20110203.0391
 情報源 The Japan Times 、2011年2月2日。
宮崎県は1日、宮崎市の1か所の養鶏場で191羽のニワトリが死亡し、予備検査を行った7羽中6羽で鳥インフルエンザが陽性となったと発表した。さらに詳しい検査による確認を行っている。県内で7件目の感染流行となる可能性がある。鳥取県では、先の検査で鳥インフルエンザの感染が陽性だった2羽の野鳥で、強毒性 H5N1 ウイルスが確認された。感染したのは、1月に米子市内で弱っていたところを発見された tufted duck と hooded gull 各1羽で、鳥取県内でこの冬2例目の強毒性鳥インフルエンザウイルス感染となった。当局は、野鳥が発見された場所から10km圏内にある、18か所の農場の92万4千羽のニワトリに、今のところ異常は確認されていないとしている。北海道では、1月中旬に浜中町で回収された whooper swan の死骸の詳しい検査で、H5N1 ウイルスが陽性となり、道内で6羽目の野鳥の鳥インフルエンザに感染例となった。愛知県豊橋市の2か所のウズラ農場では、養鶏場での高病原性鳥インフルエンザ感染流行の発生を受けてトリとタマゴの移動が禁止されてから6日後に、初めてウズラのタマゴの出荷が再開された。感染防止策が徹底されているとして、県当局は、発生地点から10km圏内のウズラ農場からの出荷再開を決めた。

● White nose syndrome、コウモリ-米国 
PRO/AH/EDR> White nose syndrome, bats - USA: (IN) 20110203.0394
White nose syndrome appearing in caves across Eastern
US
 情報源 The Indy Channel、2011年2月1日。
インディアナ Indiana 州南部 Endless Cave in Washington County [Indiana] で調査を行っている研究者らが、2頭の little brown bats に典型的な症状を認め、1頭のコウモリが検査の結果、white nose syndrome [WNS] に感染していたことが、the Indiana Department of Natural Resources [DNR] の話で分かった。
地図 Washington County in Southern Indiana
 
● 狂犬病-アルゼンチン ウマ、吸血コウモリ
PRO/AH> Rabies - Argentina: (CN) equine, vampire bat 20110203.0392
 情報源 Mi Mercedes [in Spanish]、2011年2月1日。
the Curuzu Cuatia department [of Corrientes province] の第5 section である The Perugorria locale では最近、吸血コウモリによると見られるウマの狂犬病 Rabies 感染例が多発し、不安が広がっている。Perugorria の症例については、初期検査 immunofluorescence [IFA] test が陽性となり、生物学的検査 [mouse inoculation? PCR detection of rabies virus RNA?] が現在行われている。動物に対してワクチンの一斉接種が行われる予定である。この地域で感染のあった動物や市民との接触者へも、予防ワクチンの接種を行う。感染動物が確認された地点の周囲10kmに、focal [epidemiological] barrier を設けるための、関係部署の会合が開かれた。コウモリの群れへの対策も実施される。
[Mod.TY- この記事では、1997年から Corrientes province で初めて発生が確認された、ウシの感染が中心の vampire bat (_Desmodus rotundus_) transmitted rabies epizootic についても記載されている。初発の Chaco province から Corrientes province に場所を移して、持続的だが散発性のヒトでの感染が継続している]
地図 the Perugorria area