2011年2月20日

◎ ペスト,肺ペスト-マダガスカル
狂犬病-ノルウェー、ホッキョクギツネ

◎ ペスト、肺ペスト-マダガスカル
PRO/AH/EDR> Plague, pneumonic - Madagascar: (Antsiranana) RFI
Archive Number: 20110220.0555
 情報源 La Tribune online, Diego Suarez, Madagascar [In French]、2011年2月20日。
Ambilobe を中心とするマダガスカル北部で、数週間にわたって肺ペスト Plague, pneumonic の流行が発生している。この流行でこれまでに16人が死亡した。Diego Suarez の the "Chancellery detached from France" に掲載されたこの記事は、嘱託医からの以下のような情報に基づくものである : "Diana から Ambilobe Ambanja にかけての地域の、特に Beramanja (65km) の東で、肺ペストの感染流行が発生しており、1月27日に初めて発生が疑われた後、29日には初めての死者が確認され、現在死者が16人に達した"。Diego Suarez の保健当局と the Pasteur Institute から、それぞれのチームが現地入りした。
[ModLL- (自然感染の中で1%以下の)原発性肺ペストは、腺ペストや敗血症ペストの二次性肺合併症が発生したときなどに産生される感染性エアロゾル内のペスト菌を吸入した結果発生する ... 肺ペストの説明 ... マダガスカルでは1995年に多剤耐性ペスト菌が分離されている (Multidrug resistance in _Yersinia pestis_ mediated by a transferable plasmid. N Engl J Med 1997;337: 677-81)。この菌は chloramphenicol, streptomycin and tetracycline に耐性を示したが、fluoroquinolones and trimethoprim as well as other aminoglycosides に対しては感受性が残されていた。しかし自然発生した同菌が生存または拡大しているかどうかについては明確ではない]
[ModJW- 当局はネズミの駆除を実施しているようだが、ノミの駆除を優先しなければ、感染性のノミがネズミの死体からヒトに移ることになるので事態はさらに悪化する。空気感染する病気として、今回の流行は極端に遅いペースで進展しているようであり、"曝露から24時間以内に抗生物質による治療が行われない場合は死は免れない" (actually within 48hrs) とされる病気による死者が3週間でわずか16人にとどまっている]
関連情報 FORTH

● Ranavirus、カエル-オランダ OIE
PRO/AH/EDR> Ranavirus, frog - Netherlands: OIE 20110220.0561
 情報源 OIE, WAHID weekly disease information 2011; 24(7)、2011年2月18日。
Immediate notification (Final report)
感染開始時期 2010年9月19日、初報告
Resolved 29 Nov 2010
原因ウイルス Ranavirus
感染流行発生地 (Rana 2010-01) Dwingelerveld, Drenthe、淡水湖
感染のあった種 Affected animals
Species: 有病率 / 致死率 / 個体数 / 症例数 / 死亡 /Destroyed / Slaughtered
Marsh Frog (_Rana ridibunda_): 100 percent / 100 percent / 1 / 1 / 1 / 0 / 0

● スクレイピー、ヒツジ-英国 : 対策
PRO/AH> Scrapie, sheep - UK: control 20110220.0560
 情報源 Farmers Weekly Interactive、2011年2月17日。
農場環境中の Scrapie prion pathogens が、長期間、ヒツジやウシの感染源となりうることが、ADAS scientists により発表された。スクレイピー Scrapie の風土病感染の詳しい歴史を持つヒツジ農場1箇所で行われた調査で、感染動物が接触してから少なくとも3週間は、scrapie-causing proteins が、金属ゲート、水桶 water troughs, 餌場 feed troughs, 囲い penning structures and plastic and wooden fence posts から検出されることが示された。一方、scrapie-free のヒツジを飼育する別の農場の、同じ構造物からは(pathogen による ) 汚染は確認されなかった ...

● 狂犬病-ノルウェー、ホッキョクギツネ
PRO/AH/EDR> Rabies, arctic fox - Norway: Svalbard 20110220.0559
 情報源 Eurosurveillance, Volume 16, Issue 7、2011年2月17日。
2011年1月4日、1頭の Arctic fox (_Vulpes lagopus_) が a group of 4 dogs を襲った。北極圏のノルウェー領 the Svalbard archipelago 南東部の小島 Hopen 島で発生した。この格闘で、キツネが死亡するまでに2頭のイヌが咬傷を受けた。スタッフらはその攻撃的な行動振りから、キツネが狂犬病ウイルスに感染していたのではないかと疑った。スタッフの中に咬傷を受けたものはなかったが、3人がキツネの死体に触った。キツネは、やせた若いオスだった。死体は the Norwegian Veterinary Institute (NVI) in Oslo に送られ、脳内の7箇所から採取された検体について、direct fluorescent antibody test (FAT) and reverse transcription polymerase chain reaction (RT-PCR) による検査が行われ、All samples were positive for rabies virus だった。ウイルスの核酸蛋白遺伝子 the viral nucleoprotein (N) gene の 571 base pair fragment 1個について塩基配列解析が行われた: BLAST search against the GenBank database により、北極で検出される狂犬病ウイルスに 99 % 一致した。スタッフは狂犬病のワクチン接種を受けていなかったので、post-exposure prophylaxis が行われた。イヌに対しては、毎年狂犬病ワクチンが接種されていたので、1回の additional inactivated rabies vaccine. が行われている (the protocol of the CDC and WHO に従った)。北極圏の大部分に狂犬病は地方感染すると考えられていて、この40-50年間にも、カナダ、ロシア、グリーンランドの北極圏で、複数の流行が報告されてきた。The Arctic fox が主な保有宿主であり、生息域全域で同一の the same arctic virus variant に感染していると見られている。the fox population でいかにしてウイルスが保持されているかについては、よくわかっていない。スバールバル Svalbard ではじめて狂犬病の診断が下されたのは the Arctic fox population で outbreak が発生した1980年のことである。1980 年から 1999 年まで、島内では計25件の動物の狂犬病が発生し、3 reindeer (_Rangifer tarandus platyrhynchus_) and one ringed seal (_Pusa hispida_). も含まれていた。このあと、今回のケースまで発生の報告はなかった。Mainland Norway については現在も rabies free の状態が守られている。
写真 rabid arctic fox attacking the dog