2011年2月22日

Mayaro virus disease ブラジル

● Mayaro virus disease ブラジル
PRO/AH/EDR> Mayaro virus disease - Brazil: (AM) 20110222.0587
 情報源 Noticias NX [in Spanish]、2011年2月20日
マナウス Manaus [Amazonas, Brazil] では、デング熱に症状が似たウイルス感染流行が発生し、都市部に多く生息しデング熱のベクターであるネッタイシマカ the _Aedes aegypti_ mosquito に適応するようになったことから、国内で感染が広がる恐れが現実的になっている。今回の研究結果は、2011年末に発行される the journal Vector Borne and Zoonotic Diseases に掲載されることになっている。マナウス在住で、高熱のあった600人の患者からの血液検体について調べたところ、33件の検体で the presence of Mayaro virus が確認された [血清学的診断? ウイルス分離? PCR?]。4人の患者には軽度の出血が認められた。これまで Mayaro fever で出血が報告されたことはないと述べられている。ブラジル国内には 210種類のアルボウイルス different types of arboviruses [arthropod-borne viruses] が存在し、蚊族や節足動物により媒介されている。the Instituto Evandro Chagas, in Para [state] によると、Mayaro virus の患者数は、デング熱、黄熱、オロプーシェ熱 Oropuche (also in the Amazon region) に次いで4番目に多いとされている。初めて患者が報告されたのは1955年で、Para 州で感染流行が発生した。これまで数千人の患者が報告されているものの、都市部での発生報告はない。Mayaro virus [infection] による死亡例の報告はないが、一部の患者では、デング熱よりも重い症状であることが報告されている。現在まで、the cases of Mayaro [virus infection] の発生が the Amazon region に限られていて、全国にリスクが拡大する徴候もないと、保健省は見ている。
[Mod.JT- Mayaro fever は arbovirus による人獣共通感染症である。Mayaro virus (MAYV), of the Alphavirus genus, Togaviridae family は、南米の熱帯地域 (Trinidad, Suriname, French Guayana, Brazil, Peru, Bolivia and Venezuela) で確認されている。The transmission cycle は黄熱ウイルスの感染サイクルに非常に似ており、霊長類を保有宿主とし、ベクターは _Haemagogus_ mosquitoes である。ヒトでの感染は、ベクターの生息域である多湿の森林環境への曝露と関連して起きる。この記事には、確定診断された患者らに non-urban forest environments への曝露があったかについての記載はない。これまでに urban outbreaks of Mayaro fever が報告されたことはないが、培養実験で MAYV がヒトスジシマカの細胞 _Aedes albopictus_ cells [C6-36 cells] 内で増殖する能力を有することが示されている。また、適当な量のウイルスを経口的に与えたあとにハムスターに感染させる実験の条件下で、ネッタイシマカ _Ae. aegypti_ への感染が観察されている。MAYV が urban transmission を発生させるかどうかは、ネッタイシマカのウイルスへの感染の起こりやすさとともに、ヒトでのウイルス血症の程度や期間に大部分が依存する。しかし、この肝心な点についてのデータが得られていない]
[Mod.TY- MAYV 感染とデング熱の臨床症状が似ていることから、南米の熱帯地方で検査による確定診断が行われないため、どれくらいの MAVY 感染が見逃されているのだろうか。大きな氷山の一角を見ているかもしれない]

● 麻疹 スイス、フランス
PRO/EDR> Measles - Switzerland (GE), France (Rhone-Alpes)
Archive Number: 20110222.0588
 情報源 World Radio Switzerland 、2011年2月22日
Measles outbreak hits Geneva
the canton of Geneva および周辺のフランスとの国境地帯で、2008年以来となる新たな麻疹 Measles の感染流行が発生した。今回の患者の60%が成人である。2011年初以来、ジュネーブでは26人が感染した。隣の Rhone-Alpes area of France では、およそ2000人が感染したと報告されている。麻疹は、麻疹ワクチンの接種を受けていない、あるいは完了していない人だけに感染する。
[Mod.CP- 1976年以降、スイス国内では麻疹の定期接種が勧奨され、1987年からは the MMR (measles, mumps and rubella) triple vaccine がキャンペーンとして実施されている。1996年からは、4歳から7歳までの間に MMR ワクチンの追加接種が行われるようになった。接種率も、当初の70%台前半から、近年は80%後半にまで高まっている。ジュネーブ周辺地域は、海外からの観光客が常に流入することと、ワクチン接種を否定する一部の社会的活動グループの存在のため、感染性の強い疾患に曝露しやすい]
地図 the Rhone-Alpes region of France and the city of Geneva

● 鳥インフルエンザ、ヒト カンボジア
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (12): Cambodia (BM), susp. 20110222.0585
 情報源 The Phnom Penh Post、2011年2月22日
Doctors fear bird flu outbreak
Banteay Meanchey 州当局は、2週間前に死亡した母子とその他7人の入院患者について鳥インフルエンザ outbreak of avian influenza (H5N1) との関連を恐れている。13日に死亡した21歳の母親と、15日死亡した生後11か月になる患者の子どもから採取された検体が WHO に送付され、まもなく結果が判明することになっている。WHO の公衆衛生専門家は22日中に結果が判明することを願っていると述べた。director of Banteay Meanchey province's health department の局長は、この母子は感染したニワトリの摂食後に発病したと説明した。いずれも、咳、発熱、呼吸困難を生じたあと、死亡したと述べた。この母親の遺体の埋葬処理を手伝った村人7人が、発熱や咳の症状の治療のために入院となったと説明した。
[Mod.CP- 2003年から2011年2月18日までの期間、世界中で15カ国の520人が鳥インフルエンザ avian A/(H5N1) influenza virus infection と診断され、このうち307人が死亡 (致死率 CFR 59%) している。10人以上の患者を報告している国の中で、最も高い CFR はインドネシアの82.5% (141 out of 171) である。年齢分布は、生後3か月から81歳まで (median 19 years, n=499) で、0-9歳の患者が他の年齢層に比べて多い。CFR が最も高い (73.4%) 年齢層は10-19歳で、最も低い (25.0%) のは70歳以上だった。Exposure to diseased poultry has been a common theme である。(WPRO)2011年のこれまでに、カンボジア国内において avian A/(H5N1) virus infection 感染が確定診断された死亡患者は Benni の1人で、合計の死者数は9人となっている。上記の感染が疑われている2人の患者が確定診断されたなら、カンボジアで確認された感染者は13人、死者11人と非常に高い CFR となる]
地図 the provinces of Cambodia, showing Banteay Meanchey province in the far north-west

● リーシュマニア症 アルゼンチン
PRO/AH/EDR> Leishmaniasis, outbreak - Argentina: (CB) 20110222.0584
 情報源 Diario El Litoral [in Spanish]、2011年2月21日
[* Errata: Corrientes (not Cordoba,CB) に訂正された]
Leishmania in Capital, northern Argentina
Capital でリーシュマニア症 Leishmaniasis の感染流行が発生し、これまでに3つの地区で13人の患者が確認されている。対策にあたる当局は、深刻な感染状況が reservoirs for Leishmania である複数種の動物が生息する La Olla community でおきていることに対し、懸念を示している
関連項目 20100211.0483

● コレラ 世界各国,ベネズエラ ドミニカ共和国から(2件)
世界各国
PRO/EDR> Cholera, diarrhea & dysentery update 2011 (04) 20110222.0582
[1] コレラ-ハイチ (UN update)
 情報源 Associated Press (AP)、2011年2月18日
全国的に減少傾向が見られるが、農村部での死亡率は依然として高いことが、18日に国連機関から報告された。ハイチ政府当局が発表した、2010年10月の発生開始以降の患者数231070人および死者4549人との数字から、今回のような複雑な状況が明らかになった。コレラ Cholera 感染による全国の死亡率は、以前の9%という高い数値から、2%にまで下降したが、一部の農村部では、感染した10人に1人が死亡している。Sud Est region では、9日現在の致死率が10.7%にまで達し、このほかにも Nippes 6.7 percent and in the Grande Anse region, 5.9 percent となっている。WHO によると、致死率は1%未満に抑えなければならない ...
[2] コレラ-ドミニカ共和国
 情報源 NAM News Network (NNN), Prensa Latina 、2011年2月19日
今週、全国各地から21人のコレラ患者が報告されたことが、18日に公衆衛生省から発表された ...
[3] 下痢症、アメーバ赤痢-サウジアラビア (Makkah Province)
 情報源 Arab News、2011年2月9日
1月26日にジェッダ Jeddah で発生した洪水後、多数の患者が赤痢の治療を受けている。正確な数字は判っていない。薬局には、下痢用の薬を求める多くの患者が訪れている ...
[Mod.LL- 様々な原因による下痢症の患者が混在しているようだ]
[4] コレラ-パプアニューギニア
 情報源1 Radio New Zealand International、2011年2月16日
パプアニューギニアの保健当局によると、約500人が長引いているコレラ感染流行により死亡した。2009年8月に初めての感染流行が発生してから、483人が死亡し、1万人以上の感染が確認されている。これまでに首都ポートモレスビー Port Moresby をはじめ、7つの地域で発生が確認され、死者300人が記録されている、Western Province で最も被害が深刻となっている。
 情報源2 (Morobe) Pacific Islands Development Program/East-West Center, PNG Post-Courier report、2011年1月28日
Morobe Province では、1月23日以降、19人の感染が報告されるなど、再びコレラによる被害が発生している。Mandok Island in Siassi district から1人の患者が報告され、18人が Lae city から報告されている ... East Taraka, Uniblock, Situm, Nawae Block, Salamander Tais, 12 Mile, Bumayong, Tanam, 6 Mile, 1 Mile, Talair Compound, and 2nd street などから、患者が報告されている。当局者によると、Morobe Province は dry season にあり、 clean drinking water の不足や、屋外や路上での食品の販売が再開されるなど、コレラ感染のリスクが非常に高まっている
[5] コレラ-ザンビア
 情報源 Lusaka Times、2011年2月19日
ルサカ Lusaka's Chipata Compound において、コレラ感染により1名が死亡し、14人が治療を受けている。感染の発生があった地域は、Lusaka's Matero Compound, Sinamalima area in Sinazongwe district in Southern Province, and Nsumba village in Northern Province である。
[6] コレラ-南アフリカ
 情報源 UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs (OCHA), ReliefWeb, Government of Belgium report、2011年2月17日
ラニーニャ現象 "La Nina" の影響で、2010年12月以降、アフリカ南部では異常な降水量が記録され、大きな洪水を発生させている。南アフリカでは、南部の9州のおよそ2万人が深刻な被害を受けており、これまでに70人の死者が発生している ... この影響で汚染された水による病気のリスクも高まっており、リンポポ Limpopo 州ではコレラ感染が報告されている。
[7] コレラ-ガーナ (Greater Accra)
 情報源 Ghana New Agency (GNA)、2011年2月11日
The Regional Health Directorate of Ghana Health Service (GHS) は11日、アクラ Accra の、コレラ感染流行による死者が6人に達したことを受け、市民に衛生に注意するよう呼びかけている。これまでの感染者は505人に達している。
[8] コレラ-コートジボワール (Lagunes)
 情報源 UN Integrated Regional Information Networks (IRIN) News、2011年1月31日
コートジボワールの主要都市アビジャン Abidjan で乾期に発生したコレラ感染流行は、不衛生な環境に、ごみの堆積が加わったことが原因であると、衛生専門家や市民らが不満を漏らした。61人が感染し、このうち8人が死亡している。Abidjan's Adjame District で初めて感染流行が報告されたのは、1月中旬のことである; まとまった雨が降ったのは、2010年11月が最後だった。コレラは、the district of Williamsville にも広がっている。
[9] コレラ-ナイジェリア
 情報源1 (Kogi) AllAfrica, Daily Trust report、2011年2月3日
Ette community in Kogi Local Government Area of Kogi State の住民らによると、1月29日の週末以降、10人がコレラ感染流行のため死亡した。一方、行政議会への電話インタビューでは、死者は3人しか確認されていないとの回答だった ...
 情報源2 (Kano) AllAfrica, Daily Trust report、2011年2月2日
Kano でコレラ感染流行が発生し、感染症病院だけで30人の患者が記録されていると、1日当局者が発表した。

PRO/EDR> Cholera - Venezuela (04): ex Dominican Rep. banquet 20110222.0580
 情報源 Agence France-Presse (AFP)、2011年2月21日。
ベネズエラ政府当局は、ドミニカ共和国での結婚披露宴出席者の間でおきた、コレラの集団発生が終息したと発表した

● デング熱 ブラジル、ボリビア、ペルー、オーストラリア、インドネシア
PRO/EDR> Dengue/DHF update 2011 (08) 20110222.0579
 - ブラジル (Alagoas、in Portuguese), 20 Feb 2011: the number of reported dengue cases has reached 648 since the beginning of the year (2011)
地図 the states in Brazil
 - (Amazonas、in Portuguese), 19 Feb 2011: the number of dengue infected people in Amazonas as of 18 Feb 2011 was 4183 confirmed cases, of which 3966 were in Manaus.
 - (Rio Grande do Sul、in Portuguese), 21 Feb 2011: 156 (suspected) dengue cases
 -  (Ceara、in Portuguese), 19 Feb 2011: Ceara has 2559 people with dengue
 - (Rio Grande do Norte、in Portuguese), 19 Feb 2011: since the beginning of this year (2011), 233 dengue cases have been reported in the capital
 - (Minas Gerais、in Portuguese), 18 Feb 2011: in Minas Gerais, 7.6 percent of the population had been infected by dengue (virus) this year (2011).
 -  (Votorantim, Sao Paulo state、in Portuguese), 19 Feb 201: after having passed 7 months with no dengue cases, Votorantim city now has tallied 6 confirmed dengue cases
 - (Sorocaba, Sao Paulo state、in Portuguese), 18 Feb 2011: since 1 Jan 2011, 435 suspected dengue cases have been registered with 17 confirmed.
 - (Campinas, Sao Paulo state、in Portuguese), 18 Feb 2011: the municipality has 65 confirmed (dengue) cases
 - (Ribeirao Preto, Sao Paulo state、in Portuguese), 16 Feb 2011: Ribeirao Preto (313 km from Sao Paulo city) confirmed 984 confirmed dengue cases in 2011) with 743 in January
[Mod.LJS- 2011 will be another [dengue] epidemic year in Brazil. At this point there are no effort, taskforces, or similar things to resolve the situation ... ]
 - ボリビア (La Paz department、in Spanish), 18 Feb 2011: the dengue epidemic in the north of La Paz (department) declined 2 percent following a fumigation and cleanup campaign.
 - (Santa Cruz department、in Spanish), 21 Feb 2011: 2 cases of (dengue) deaths in the Santa Cruz department due to DHF
 - ペルー (Piura、in Spanish), 18 Feb 2011: 16 confirmed dengue cases
 - オーストラリア (north Queensland), 16 Feb 2011: East Innisfail において、20 人が2型デングウイルスに感染したことが確認されている。また、5人が4型デングウイルスに感染していた。およそ12人が検査の結果を待っている。 Queensland Health spokesman は、the type 2 strain of the mosquito-borne virus was "vicious ( 病原性が高い )" と述べた。"感染者のおよそ半数が、sheer exhaustion ( 急激な悪化 ) により入院が必要となったと説明した。
関連情報 FORTH オーストラリア、クイーンズランド州政府 2011年2月16日
 - インドネシア (Jakarta), 17 Feb 2011: intensified activities of the mosquito-nest eradication program (PSN) reduce dengue fever cases to only 877 cases in January 2011 compared to the same period of last year (2010), reaching 1486 cases

● 原因不明の疾患、ラクダ ケニア
PRO/AH/EDR> Undiagnosed disease, camel - Kenya: RFI 20110222.0586
 情報源 The Standard (Nairobi)、2011年2月18日
Government urged to act to curb mysterious camel disease
Pokot の牧民らは、郡内で9頭のラクダが死亡した原因不明の病気の解明をい、政府当局に求めている。牧民の生活改善を目的とした、政府による camel project の成功が、病気発生により脅かされている。the North Rift Kenya Camel Association によると、今回の病気発生により、8万頭以上のラクダが死亡する可能性がある。ラクダの死亡があったのは、Nakuyeni village in Pokot North District とされている ...

● アフリカ豚熱(豚コレラ)ロシア
PRO/AH/EDR> African swine fever - Russia (05): (NZ Nizhegorod) spread, OIE 20110222.0581
 情報源 Rosselkhoznadzor (Federal Service for Veterinary and Phytosanitary Surveillance) News、2011年2月18日
ASF outbreak in the Nizhny Novgorod Oblast [region]
The permanently affected area (the Southern Federal District and the North Caucasian Federal District) in the Nizhny Novgorod Oblast の地域外で、新たなアフリカ豚熱 outbreak of African swine fever (ASF) が報告された。18日、Dzershinsk 市から報告があった ...

● 青酸中毒 米国 ornamental tree、ムース
PRO/AH/EDR> Cyanide poisoning, cervid - USA: (AK Alaska) ornamental tree, moose 20110222.0578
 情報源 CNBC, Associated press (AP) report、2011年2月16日
3 moose confirmed dead from chokecherry, yew
アンカレッジ Anchorage 土着 native の植生に影響を与えると見られていた人気の ornamental flowering tree に、新たな問題が持ち上がっている: ムースの死亡につながっているのである。州の野生生物当局者により、現地では Mayday trees or chokecherry と呼ばれている、European bird cherry の芽、枝、実などを食べて、3頭のムースが死亡したことが判明した。また、ムース1頭が、毒性レベルに達するまで Japanese yew(イチイ)を食べていたことも分かった
写真 the Japanese yew