2011年2月27日

鳥インフルエンザ、ヒト -インドネシア 疑い,イラク 否定
ポリオ (02)-コンゴ民主共和国、アンゴラ、パキスタン

● 鳥インフルエンザ、ヒト -インドネシア 疑い,イラク 否定
インドネシア
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (15): Indonesia (WJ) susp.
Archive Number: 20110227.0653
[1] 生後7か月と対策担当者の2人に感染の疑い
 情報源 Indonesia TV News, Metro TV [in Indonesian]、2011年2月26日。
生後7か月の乳児が、咳、発熱、呼吸困難などの症状を発症し、26日に the Dr Slamet [hospital] in Kabupaten Garut, West Java 病院に急送された。自宅 (Kampung Cangkuang, Desa Bagendit, Kecamatan Banyuresmi) 周辺で、多数のニワトリが 鳥インフルエンザ [avian (A/(H5N1) influenza virus infection] により突然死していた。この乳児は病鳥との接触があったことが報告されている。The Head of the Livestock Division of Kecamatan Banyuresmi 地区の畜産部長も、鳥インフルエンザ Avian influenza 感染が疑われ現在治療中である。いずれの患者にも集中治療が施されている。鼻と咽頭のスワブ検体がジャカルタ Jakarta の保健省検査室に送付されている。
[2] 感染対策の担当者、鳥インフルエンザの症状で入院
 情報源1 Indonesia newspapers Garut News [in Indonesian]、2011年2月26日。
 情報源2 Okezone [in Indonesian]、2011年2月26日。
Banyuresmi の 5つの sub-districts (Kecamatan) で鳥インフルエンザ (A/H5N1) が発生し、約1000羽のトリに加え、1人が感染し、5000人に感染リスクがある。発生があったのは Desa Karyasari, Banyuresi, Sukaratu, Sukamukti and Bagendit と説明されている。当局は一斉処分を行っている。49歳の Head of the Livestock Division of Kecamatan Banyuresmi が鳥インフルエンザに感染した疑いがあるとして the Dr Slamet hospital で治療を受けている。Perum Cempaka Indah RT 02 RW 16, Kelurahan Lebak Jaya, Kecamatan Karangpawitan, Kabupaten Garut 在住のこの患者は、体温 38.6 C で白血球減少が認められている。現場で病鳥対策に当たっていた。娘によると24日に発熱と呼吸困難があった。タミフル、抗生物質、ワクチン、酸素による治療が行われているが、依然として呼吸困難があり酸素を必要としていると入院先の ICU 職員が説明した。鼻と咽頭のスワブ検体、胸部レントゲン写真、採血検体が、病院からジャカルタ Jakarta の保健省に送付されている。約 5000人に感染リスクがあり、1673人の健康監視と163人の検査が行われた。
[Mod.CP- 2011年 (as of 19 Feb 2011)、エジプトで 3人、カンボジアで 1人の avian A(/H5N1) ウイルス感染が確認されている。確定診断されれば、この 2人の患者はインドネシアで 2011年のはじめての患者となる。累積患者数は 173人(死者 141人)となるが、2006年のピーク時から徐々に減少しつつある]

イラク 否定
PRO/AH/EDR> Avian influenza (20): Iraq, NOT 20110227.0649
20110226.0635 に関し
 投稿者 イラク・Kurdistan Regional Government、Talib Murad Ali Elam, DVM, Ph.D、2011年2月27日。
over 142 cases of avian influenza (H5N1) in Iraq の記事を見て驚いた。そのような深刻な状況であるとの情報を一切受け取ったことはない。the Ministries of Agriculture in Baghdad and Erbil and the Directors of Veterinary Services に連絡を取ったところ、獣医学局長から the avian influenza strain は H1N1 であるとの回答を得た。
[Mod.AS- 保健省からの情報であったので、the 142 H1N1 positive results とはヒトの感染に関する報告ではないだろうか。H1N1 については数か国から動物での感染報告があるが、鳥類での報告は少ない (チリとカナダ) ]

● リーシュマニア症-コロンビア
PRO/AH/EDR> Leishmaniasis - Colombia: (ST) 20110227.0651
 情報源 Eltiempo.com [in Spanish]、2011年2月25日。
全国各地に医療チームを派遣する難事業を開始後、5年目にして初めてのリーシュマニア症 Leishmaniasis の患者1名が Alas para la Gente (Wings for People) Foundation の医師団により確認された。ジャングルで多く見られる寄生虫による疾患で、患者は8歳女児である。Tienda Nueva village (Santander) を最近訪問した26人の医療専門職らによって診断された。2日間の検診で、コミュニティの1000人以上の住民らが診察を受けた。この小児は両腕の発疹のために受診したが、医師はリーシュマニア症と診断し直ちに社会福祉省に報告した。両親に対し医療費を補償するとともに、感染経路などの調査が開始された
[Mod.EP- コロンビアは cutaneous leishmaniasis の endemic な地域とされている。実際より報告される患者数が少ないことが示唆される。
The Ministry of Health of Colombia reported 12 292 cases of cutaneous leishmaniasis up to week 50, 2010, 12-18 Dec 2010:最も人口あたりの発生率が高いのは Guaviare with 781 cases per 100 000 inhabitants であった]

● ポリオ (02)-コンゴ民主共和国、アンゴラ、パキスタン
PRO/EDR> Poliomyelitis - worldwide (02): Congo DR, Angola, Pakistan 20110227.0650
[1] コンゴ民主共和国 DR Congo - Kinshasa
 情報源 Le Potentiel [trans. ]、2011年2月26日。
Ward 7 in N'Djili town のある the Bosembo Professional Institute 学校の生徒2名が、急性弛緩性麻痺類似の症状により死亡した。保健当局は感染流行であることを確認した。1か月あまりの間に死亡した2人の生徒の症状は、上下肢の麻痺、排尿障害などであった。まだ診断されていない3人目の患者も入院中である。市長は25日、現地保健当局がおそらく advanced form of poliomyelitis によるものとの見解を示していることを明らかにした ...
[Mod.MPP- confirmation of WPV activity があるものと考える]
[2] アンゴラ - Kuando Kubango
 情報源 Times Live 、2011年2月19日。
アンゴラ政府当局は2011年初のポリオ Poliomyelitis 患者が登録されたと発表した。一旦は排除されたと考えられていた疾患の、再燃への不安が再び持ち上がった。患者は生後15か月の幼児であった。アンゴラの保健大臣は2月、ポリオ感染がアンゴラからコンゴ民主共和国及びコンゴに拡大したものであったことを認めていた。WHO は2011年に DRC の the provinces of Bandundu, Katanga and Bas-Congo, all of which border Angola, and in the capital, Kinshasa で、7人のポリオ患者が発生したと発表している。コンゴでは2011年公式な患者登録は行われていない。3年間にわたって新たなポリオ感染の発生が排除されていたアンゴラで再び感染が発生したのは2005年のことである。27年間続いた内戦が2002年に終結し、再建プロジェクト開始によって雇われたインドの労働者が持ち込んだと考えられている。2010年にアンゴラでは新たに32人のポリオ患者が確認され、ともに排除されたと考えられていた the DRC 93 and Congo 50 の3か国で懸念が広がっている。
[Mod.MPP- The following information from the polio eradication より。
24日の週現在、新たなポリオ患者の報告はなく、2011年は1名のままであり、2010年は33人である。最新の患者の発症は1月7日である (WPV1 from Kuando Kubango province) ... 2010年、ポリオは、アンゴラから the Democratic Republic of the Congo (DR Congo) and the Republic of Congo へと感染が拡大した; この最新の症例が発生したのはナミビアとザンビアとの国境付近の地域であり、2006年にこの地域からナミビアにポリオ感染が広がり、成人を中心に死者を含む多数の患者が発生した]
地図 Kuanda Kubango borders with Namibia and Zambia. 
[3]  パキスタン-FATA Federally Administered Tribal Areas
 情報源 Polio eradication website、2011年2月24日。
先週新たに4人の患者 (all WPV1s, from Federally Administered Tribal Areas -- FATA, Khyber Pakhtoon -- KP, and Sindh) が報告されたことにより、2011年の合計患者数が8人となった。2010年の患者数は144人で変わりはない。最新の患者(WPV1 from Khyber, FATA) の発症日は、2月3日である。
[Mod.MPP- 2010年のパキスタンにおけるポリオ患者144人中、74人が Fata で発生し、2009年にも84例の発生があった]
地図

● 炭疽-インドネシア
PRO/AH/EDR> Anthrax, human, livestock - Indonesia (02): (CV) 20110227.0647
 情報源 The Jakarta Post、2011年2月26日。
Surakarta, Central Java にある The Moewardi hospital 病院で現在5人が炭疽 Anthrax 感染の治療を受けている。病院の広報担当者が25日、患者らは23日から治療を受けていると説明した。予備検査で炭疽感染が疑われている。眼の下、腕、足の傷に、炭疽の症状が見られると述べた。患者からの検体が検査機関に送られており、3日以内に結果が判明する。5人の患者は the Karangmojo village in Boyolali の住民である。皮膚炭疽の患者で、注射、軟膏、経口薬等により改善していると述べた。
[Mod.MHJ-はじめの報告とずいぶん違う]
関連項目 20110221.0572

● 水疱性口内炎、家畜-ベリーズ
PRO/AH/EDR> Vesicular stomatitis, livestock - Belize: (CY) 20110227.0652
 情報源 7 News Belize、2011年2月24日。
Cayo のウシと Stann Creek のブタに、現地では sore mouth と呼ばれる水疱性口内炎 vesicular stomatitis の症状が確認され始めたことから、the Belize Agricultural Health Authority (BAHA) により Cayo and Stann Creek 両地区が厳重な監視下に置かれている ...
[Mod.TG- Vesicular stomatitis はウマ、ウシ、ブタのウイルス性疾患で、原因ウイルスの VSV の宿主の範囲は広く、ヒツジやヤギにも感染する]

● エキノコッカス 多包条虫、キツネ-スウェーデン 
PRO/AH> Echinococcus multilocularis, fox - Sweden (03): comment 20110227.0648
 投稿者 フィンランド・Finnish Forest Research Institute、Heikki Henttonen 2011年2月27日
極北ロシア、the Archangel Oblast の the White Sea の東の地域の多包条虫 _Echinococcus multilocularis_ (EM) の発生については、1995年に報告されている。 the frozen White Sea から northernmost Fennoscandia へのEM の感染拡大の可能性は、かなりの確率で起きていると考えられる。スウェーデン南西部の調査では、条虫はデンマーク、すなわち欧州起源であって、シベリアに由来するものではなかった。スウェーデンとデンマーク間の船旅の旅行者に同伴する、ペットのイヌにより持ち込まれた可能性が最も高い。一方、スバールバル Svalbard の推定される感染源は、pack ice に乗って、Novaja Zemlja or Siberia から来た migrating arctic foxes と報告されている。フィンランドで、長期間行われているいくつかの監視プログラムの一部に、_Echinococcus_ surveillance が組み込まれている。ラップランドでは、ロシア北部からの感染拡大経路である、the Kola Peninsula の西で、この10年間に 1200 red foxes 捕獲したが、指摘のあったとおり、the worm burden が very low な場合、感度が十分ではない方法によるスクリーニングである。フィンランドの南東部国境は、Leningrad Oblast (Sankt Petersburg) に対峙しており、2001-2010年の期間中に、多数の red foxes and raccoon dogs の検査が行われたが、すべてのこれらイヌ科動物で陰性だった。さらに、フィンランドの生態系において話題となっている、strong vole cycles の調査で、フィンランド各地からの数万頭の voles and lemmings について、liver parasites (e.g. Taenia cysts are common) を対象とした、詳しい寄生虫学検査が、30年以上も行われている。少なくとも well-developed EM infections なら気づかれているはずであるが、No positive voles have been found.という結果であった。エストニアなどのバルト海諸国では、EM は発生している。感染のあるキツネが、冬期間にフィンランドまで、今年のように結氷した海を渡って来ることは容易なことである。Information on EM in Leningrad Oblast is missing