2011年3月23日

◎ 鳥インフルエンザ,ヒト-インドネシア,エジプト(患者の分析)
リーシュマニア症、内臓-コロンビア 輸血
リーシュマニア症、イヌ-アルゼンチン(サシチョウバエの解説)

◎ 鳥インフルエンザ,ヒト-インドネシア,エジプト
インドネシア
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (30): Indonesia (WJ)
Archive Number: 20110323.0921
 情報源 Bird Flu Information Corner、2011年3月23日。
検査機関 The Laboratory of Biomedical and Health Basic Technology Research Center での検査で、西ジャワ州 Bekasi, West Java province の生後 22か月の女児が、鳥インフルエンザ bird flu H5N1 [avian influenza A/(H5N1) virus infection] に感染していることが判明した。2日に咳と発熱の症状で発病した。East Jakarta の鳥インフルエンザ専門病院に搬送され、隔離病棟で鳥インフルエンザの標準的治療を受けた。全身状態が回復し、肺のレントゲン像も改善したことから退院した。患児の自宅付近で、観賞用のトリが飼育されていたことがリスクファクターとされ、トリから採取された検体について検査機関 The Indonesian Research Center for Veterinary Science in Bogor で行われた検査により鳥インフルエンザ H5N1 [avian influenza] が確認された。WHO に報告された。
[Mod.CP- WHO によって確認されれば、2011年初からインドネシア国内で確認された、鳥インフルエンザ avian influenza A/(H5N1) virus 患者数は 4人となり、うち 3人が死亡したことになる。2005年の流行開始以来のインドネシア国内での患者数は、この患者をいれて 175人、うち死者 144人となる]

エジプト 患者の特徴,PLoS One
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (29): Egypt 20110323.0920
 情報源 CIDRAP News、2011年3月22日。
エジプトの H5N1 インフルエンザ患者について、分離ウイルスの遺伝学的分析も含めた調査が行われ、患者のほとんどが小児または女性であることが示されたが、他国に比べて致死率がかなり低いことの原因は説明できなかった。掲載された雑誌 the open-access journal PLoS One の中で著者らは、エジプトは2009年から2010年の感染多発地域 the epicenter of human H5N1 cases となっており、世界中で報告された 121人の患者のうち68人が発生したと報告した。しかし、国内の致死率 H5N1 case-fatality rate (CFR) は 34%で、一方、他の国々では 60%であった。エジプトの鳥インフルエンザウイルスが、他の地域に比べて毒性が弱い less virulent ように見えることから、よりヒトに適応しているのではないかとの懸念がもたれている。2006年から2010年までにエジプトで 119人のhuman H5N1 cases が報告されたが、死者は 40人だった (CFR, 34 percent) と報告されている。2006年の発生のピークは春で、その後の4年間もにピークがあった。この間、3 family clusters [?] totaling 7 cases が発生している。患者の 62%が 18歳未満で、60%が女性だった。全患者の平均年齢 The mean age は 10.0歳で、1歳から75歳までの患者がいた。若い年齢層に多かったのは、エジプトの人口動態もしくは家禽との接触の度合いを反映する可能性があるとされている。また、女性が家禽の庭先飼育の主な担い手である点も指摘されている。しかし、この点について調査では、年齢とともに死亡率が高くなることと、女性の死亡率が男性の3倍であることが分かった。5才未満の死亡率 4%が、5-9歳で 10%となり、10-18歳では 53%にまで上昇した。49歳以下の成人では 61%、さらに高齢になると 75%となる。女性の死亡率が 47%であるのに対し、男性では 15%と大きな差が見られた。また2009年は 10%と特に低かったが、その後 2010年に 45%まで上昇している。2009年の感染患者のほとんどが5才未満の小児であったが、年齢分布の違いを考慮しても、この年は有意に死亡率が低かったことが回帰分析により示されている。発症から入院までかかった時間が、死亡リスクの重要な決定要因であった。発症から2日以内に入院となった患者の致死率は 8%だったが、それ以降の入院では 54%と、かなりの違いが見られた。著者は(鳥インフルエンザ感染と)気づかれていない未知の患者の割合があるため、34%の致死率は実際よりも高い数字 overestimate であると考えられるとしている。ヒトにおいて発生する the pattern of H5N1 cases は、発生頻度と重症度の双方の点で、家禽での感染パターンを反映する傾向にあることを明らかにしている。家禽の間で軽症である場合は、ヒトでも軽症の感染となると報告には記載されている。たとえば、2009年にヒトでの致死率が低下したが、同時に家きんでも死亡数の減少が観察されたと述べられている。遺伝学的側面で言えば、エジプトでは複数の亜系統 sublineages of H5N1 clade 2.2.1 が報告されており、そのうち少なくとも3亜系統については今も感染循環が続いている。著者らにより、彼らが新しい sublineage と捉えられ Egypt-G と呼ぶ、4件の分離ウイルスを代表するウイルスが同定されている。しかし彼らは、ヒトでは感染循環するが鳥類には感染しない、あるいはその逆の、特定の系統のウイルスは確認できなかった。すなわち、宿主適応性変異 "host-adaptation mutation" は確認されなかった。また、死亡率の変化に結びつくようなウイルスの特異的変化も見出すことはできなかった: ウイルスの病原性の低下が、エジプトにおけるヒトでの死亡率の上昇や低下の主因であることを確かめることはできなかった、と述べている。2006年に最も病原性が高く、何らかの変異が病原性低下につながったと思われるとしている ...
原著 "The epidemiological and molecular aspects of influenza H5N1 viruses at the human-animal interface in Egypt.", PLoS One, published 21 Mar 2011 10.1371/ journal.pone.0017730 
要約
" 2006年3月から2010年12月までに 119人の患者が発生し、エジプトは世界で2番目に多くの human H5N1 influenza virus infections を報告している。2009-2010年の間、エジプトでは新たに 68人の患者が報告され、新たな感染多発地域 the new epicenter for H5N1 infections となった。エジプト国内の発生状況をより詳しく理解する目的で、疫学および分子学的解析を行った。新規の感染患者発生のピークは、毎年、冬季から春季の数ヶ月間にあり、大部分が the Nile Delta region の患者の報告であった。ほとんどの患者が18歳未満 (62 %) か女性 (60 %) だった。全体の致死率は 34 % で、年齢が上がるにつれ有意に上昇する。女性と男性の致死率に有意の差が見られた。2009年、他の年の致死率 (36-56 %) と比較して、大きな低下(10 %) が見られた。発症から 2ないし 3日以内に入院となった場合は、有意に致死率が低かった。分子学的解析により、エジプト国内で分離されたウイルスでは、鳥類から分離されたウイルスも、ヒトから分離されたウイルスも、ともに変化 variations が認められたが、特に 2009 viruses で顕著であった。エジプトの感染患者の疫学的特徴が、他国の患者の特徴と異なっていることから、著者らが明らかにした、avian H5N1 influenza viruses の発生頻度、まん延状況、ヒトでの感染の病原性の決定因子を検証する、研究計画 prospective studies の速やかな実施が望まれる。"
[Mod.CP- CIDRAP に要約されている、エジプトの avian A/(H5N1) virus infection 患者についての解析は、未解決の問題がいくつも残されている。しかし、著者らによる系統解析により、これまでのところ、host-adaptation mutation の証拠は確認されなかったというのは安心材料であり、このことはすなわち、エジプトでの主要感染経路 the main transmission route of H5N1 は依然として、他国と同じく、感染した鳥類との接触によるものであることを意味する。ヒトの間で起きた avian influenza A (H5N1) virus infection の疫学上の特徴とは、家禽の飼育でも、感染後の処分においても、関わった大勢のヒトでは、顕性感染がほとんど欠如していることである]

● ポリオ (03) コンゴ共和国、パキスタン
PRO/EDR> Poliomyelitis - worldwide (03): Rep. Congo, Pakistan, Africa 20110323.0919
[1] コンゴ共和国
Notes from the Field: Poliomyelitis Outbreak --- Republic of the Congo, September 2010--February 2011
 情報源 Morbidity & Mortality Weekly Report (MMWR), 18 Mar 2011, 60(10);312-313 、2011年3月18日。
2010年11月4日、港湾都市 Pointe Noire でコンゴ共和国では 10年ぶりとなる野生株 1型ポリオウイルス wild poliovirus type 1 (WPV1) による感染患者 1名が確認された。この患者から分離されたウイルス The WPV1 は、2010年にアンゴラで分離されたウイルスと、遺伝学的に非常に近い関係にあった ...
[2] パキスタン
 情報源 The News、2011年3月22日。
シンド Sindh 州で新たに 2例のポリオ患者が確認され、州内では 5人目、全国では 20人目の患者となった、と当局が発表した。まれな例であるが Tando Muhammad Khan の 17歳の少年がポリオに感染していることが分かった。さらに District Badin の1歳の女児は、すべてのポリオワクチン接種を完了 6 routine and 3 supplementary doses していたにも関わらず、ポリオウイルス感染と診断された。17歳の少年は一度もワクチンを接種されたことがなかった。以前、2008年に the Punjab の27歳の男性がポリオに感染した例があり、成人の感染例としては 2人目のケースとなる ...
[3] Progress Toward Interrupting Wild Poliovirus Circulation in Countries With Reestablished Transmission --- Africa, 2009--2010
 情報源 Morbidity & Mortality Weekly Report (MMWR) 18 Mar 2011, 60(10);306-311 、2011年3月18日

● リーシュマニア症、内臓-コロンビア 輸血

PRO/EDR> : Leishmaniasis, visceral - Colombia: blood transfusion 20110323.0914
 情報源 Transfusion [subscription required for full article]、2011年3月10日。
 原著 Transfusion-transmitted visceral leishmaniasis caused by _Leishmania (Leishmania) mexicana_ in an immunocompromised patient: a case report; Transfusion (Mar 10; 2011. doi: 10.1111/j.1537-2995.2011.03092.x.)
背景:内臓/皮膚リーシュマニア症の常在地域では輸血関連リーシュマニア症が問題となっている。
症例報告 
ループス腎炎による腎不全末期の42歳の男性に、腎移植と複数回の輸血が行われた後、輸血による _Leishmania (Leishmania) mexicana_ を原因とする致死性の内臓リーシュマニア症 visceral leishmaniasis (VL) が発生した。コロンビアで、通常はリーシュマニア症の形を取る _L. (L.) mexicana_ を原因とする、輸血による内臓リーシュマニア症が報告されるのは初めて。
[Mod.EP- 輸血による VL は少数の報告がある: ギリシャの症例(Septic shock due to visceral leishmaniasis, probably transmitted from blood transfusion. J Infect Dev Ctries. 2009; 3(6): 479-83) VL は欧州南部と北アフリカに常在し、シチリア Sicily で行われた血清学的検査では献血者の 0.75% が抗体陽性で、0.25% が PCR positive だった。 (Asymptomatic _Leishmania infantum/chagasi_ infection in blood donors of western Sicily. Trans R Soc Trop Med Hyg. 2008;102(4): 394-6) 輸血関連の VL がまれにしか報告されないことから、通常は感染性の血液製剤の受血者は感染しないと考えられる。今回の症例のように免疫能が低下した患者では事情が変わるのかもしれない]

● ハンタウイルス-チリ
PRO/EDR> Hantavirus update 2011 - Americas (14): Chile (ML) 20110323.0907
 情報源 Maulee.cl [in Spanish]、2011年3月19日。
Maule で初めてのハンタウイルス Hantavirus 感染が報告された。患者は the Casa Blanca de Molina area の37歳の農業に従事する男性で、徐々に回復しつつある。心肺症状を示さず、若いために軽症であった。春から夏にかけてハンタウイルスに感染する患者が増加するが、この地域からの報告は今回の症例に限られている。the Institute of Public Health において診断が確定されたことを受け環境調査が行われている ...
[Mod.TY- 特定されていないが、今回の症例の原因ウイルスとして最も可能性が高いのは、 Andes virus で its rodent host は the long-tailed pygmy rice rat である]

● アフリカ豚熱(豚コレラ)-ロシア OIE
PRO/AH/EDR> African swine fever - Russia (06): (LN) new outbreak, OIE 20110323.0915
[1] Rosselkhoznadzor reportASF outbreak in the Leningrad Oblast [Region}
 情報源 Federal Service for Veterinary and Phytosanitary Surveillance (Rosselkhoznadzor) News 、2011年3月18日。
レニングラードの当局者 the Chief State Veterinary Inspector of the Lomonosovsky Rayon [district], the Leningrad Oblast に16日、OOO "Detstvo" の代表から、飼育する 43頭のブタのうちの 8頭が死亡したとの連絡が入った。the Leningrad Interregional Veterinary Laboratory の専門家が、死亡したブタの遺体からアフリカ豚熱 African swine fever virus [ASFV] genetic material を確認した ...
[2] OIE report
African swine fever, Russia follow-up report no 53
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2011; 24(12)、2011年3月22日。
感染開始時期 2009年9月11日
原因ウイルス  African swine fever virus
新たな感染流行
発生地  Mukhovitsy, Lomonosovsky, [Leningrad Region] 農村
感染した種 Species / 頭数 / 症例数 / 死亡 / Destroyed / Slaughtered
ブタ Swine / 43 / 43 / 10 / 12 / 0
 
● 鳥インフルエンザ (32) -台湾 LPAI H5N2 OIE
PRO/AH/EDR> Avian influenza (32): Taiwan (CH) LPAI H5N2, native poultry, OIE 20110323.0913
Low pathogenic avian influenza (poultry), Chinese Taipei immediate notification
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2011; 24(12)、2011年3月21日。
感染開始時期 2011年3月2日
前回流行時期 2011年2月11日
原因ウイルス  Low pathogenic avian influenza virus Serotype H5N2
新たな感染流行
発生地  Sikou Township, [Chiayi] 農場
感染した種  native chicken breeder
4900羽中 20羽 死亡 0

● 大麦の病気,ウドンコ病-オーストラリア
PRO/PL> Powdery mildew, barley - Australia: new strain 20110323.0912
 情報源 SeedQuest、2011年3月18日。
大麦に被害を与える真菌の薬剤耐性と戦う中、Grains Research and Development Corporation (GRDC) funded survey にとって、South Australia (SA) や Western Australia (WA) からの多数のサンプルが必要となっている。これらのサンプルの検査により、真菌の耐性獲得パターンが明らかとなり、ウドンコ病 Powdery mildew に強い新たな品種の大麦の開発につながる、と当局者は説明している。今回のサーベイは、2010年に triazole 耐性の barley powdery mildew が発見されたことを受けて行われている。豪の大規模農業で、抗真菌剤に耐性の作物の病原菌が発見されたのは初めて ...
[Mod.DHA- Powdery mildew は、真菌の _Blumeria graminis_ f. sp. _hordei_ を原因とする、大麦にとって最も重要な病気の1つ ... ]

● 口蹄疫ーブルガリア,ロシア
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease - Bulgaria (17): (BR) update, RFI 20110323.0911
FMD in Bulgaria: new outbreak, urgent fax 
 情報源 Fax sent by Directorate D - Animal Health and Welfare, EU Health & Consumers DG, Brussels, to CVOs [chief veterinary officers] of all member countries and Iceland, Switzerland, and Norway [summ., edited]、2011年3月21日。
the Sedert municipality, at a distance of 42 km [26 mi] from the last outbreak in Gramatikovo [Burgas] で18日、口蹄疫 FMD の疑われる症状が確認された。19日に、the National Reference Laboratory で FMD が確認された (PCR positive, ELISA antibody negative) 。トルコとの国境から7kmの、municipality of Sedert の Strandja Mountain 西側で、感染が発生した。

PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease - Russia (ZB): OIE, serotype O, SEA topotype 20110323.0910
Foot-and-mouth disease, Russia immediate notification
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2011; 24(12)、2011年3月21日。
感染開始時期 2011年3月13日
前回流行時期 2010年10月11日
原因ウイルス  Foot and mouth disease virus (SEA topotype) Serotype O
新たな感染流行
発生地  Village Us't-Imalka, Ononsky, [Zabaykalsky Krai] 農場
ウシ 117/1518、ブタ 1/73、ヒツジ 0/2865

● 小反芻獣疫-アルジェリア: ヒツジ、ヤギ OIE
PRO/AH/EDR> Peste des petits ruminants - Algeria: ovine, caprine, OIE 20110323.0909
Peste des petits ruminants, Algeria immediate notification 1st occurrence
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2011; 24(12)、2011年3月20日。
感染開始時期 2011年2月23日
原因ウイルス Peste des petits ruminants virus
新たな感染流行
発生地 Total outbreaks: 7 [outbreaks reported from the wilayas (provinces) of Bechar (2), Naama (2), Tindouf (1), Adrar (1), and Tamanrasset (1); for details on each outbreak please refer to the OIE report at the source URL above. - Sr.Tech.Ed.MJ]
感染した種 Species / 頭数 / 症例数 / 死亡 / Destroyed / Slaughtered
ヤギ Goats / 734 / 61 / 0 / 0 / 0
ヒツジ Sheep / 579 / 88 / 0 / 0 / 0

◎ リーシュマニア症、イヌ-アルゼンチン

PRO/AH/EDR> Leishmaniasis, canine - Argentina: (CN) 20110323.0908
 情報源 El Litoral [in Spanish]、2011年3月20日。
2011年初から発生している the city of Corrientes におけるリーシュマニア症 the leishmaniasis outbreak に、秋が近づいて気温が下がったことによる直接的な影響はなく、引き続き感染拡大のリスクは高いままであると専門家が述べた。リーシュマニア症の原因となるサシチョウバエ the sandfly とデング熱のベクター蚊への対策を続けるべき、としている。2011年のこれまでに市内で 31例のイヌ内臓リーシュマニア症 canine visceral leishmaniasis が確認されている。the Juan de Vera, Centro, Fray Jose de la Quintana, and San Cayetano communities などで採取された検体の検査が行われており、近く新たな感染例が確認される可能性がある。
[Mod.TG- 旧世界サシチョウバエ The phlebotomine sandflies, _Phlebotomus_ spp (Old World sandflies) および新世界サシチョウバエ _Lutzomyia_ spp (New World sandflies) はともに、the family Psychodidae の仲間に属する。これらの flies は基本的には世界中の熱帯と亜熱帯に存在する。これらの属の仲間は小型で、体長約 1.5-4 mm long のガに似たハエ moth-like flies である。手足はアンテナのように長く、beaded, hairy appearance の外観を持ち、16分節から成っている。一般的に sandflies, moth flies, or owl midges などと呼ばれることが多い。外形で見分けるポイント the key morphologic feature は、体が細かな毛で被われていることである。メスには piercing mouthparts があって、ヒトを含む様々な種類の温血動物から吸血する。爬虫類から吸血するものが多い。オスの sandflies は、水分なら何でも吸い、ヒトの汗 (蒸散 perspiration) も吸うと言われている。 夜間だけ活動する傾向にあり、black flies と比較して飛ぶ力が弱い; 弱い風にも流されてしまう。日中は、地面の裂け目や洞窟、草の間、暗い建物などに身を潜めている。げっ歯類やアルマジロの巣に隠れる場合もあり、これらの動物が reservoir hosts の役目も果たしている。内臓リーシュマニア症 Visceral leishmaniasis は、慢性で重症の、ヒトとイヌ、ある種の歯類の寄生虫感染症であり、皮膚または粘膜皮膚病変、リンパ節腫脹、体重減少、貧血、歩行困難、腎不全、鼻出血や眼病変などの症状を特徴とする。Canine leishmaniasis は人獣共通感染症で、適当なベクターがいる環境では、ヒトにとって、イヌは寄生虫の宿主となる。潜伏期間にはかなりの幅があり、3か月から数年に及ぶこともある。臨床症状にも大きな差がある: 皮膚病変 ... (ヒトと同じ) が主な症状である。一部のイヌで、慢性の下痢や肝不全が認められることもある。最も多く見られる皮膚病変は、激しい乾燥性落屑を伴う脱毛症で、頭部から始まり全身に広がる ... いずれの症状も経過は緩徐であるが進行性である。血液や尿検査の結果も一様ではない。多くの動物は、ポリクローナルの高蛋白血症が認められる。50% のイヌに、再生不良性貧血 ? Non regenerative anemia が認められる ... 以下、動物の感染症状の説明続く、省略 ... canine leishmaniasis の最も信頼できる診断法は、直接、骨髄かリンパ節の擦過標本中に寄生虫を見つけることである ... 治療薬は、五価アンチモン誘導体、特に N-methylglucamine antimoniate (80-100 mg/kg/day, IM (intramuscular) or SC (subcutaneous) [not approved for use in dogs in the USA]) and sodium stibogluconate (75 mg/kg, SC, bid [available only from the CDC in the USA]) である、以下、具体的な用量と投与法など ... the sandfly の駆除も重要ある。繁殖場所の特定が困難であることから、幼虫への殺虫剤噴霧は不可能であることが多い。生い茂った草を刈ることで繁殖を減らすことができる。家屋内に残留性の殺虫剤を噴霧することが、サシチョウバエ対策の柱となっている: しかし、家屋ではない場所での刺咬対策には役立たない。一般論として、蚊族対策を一生懸命やれば、その結果サシチョウバエの数も減るといえる]