2011年3月6日

デング熱/デング出血熱 (10) クロアチア
狂犬病-ロシア,ウクライナ

● デング熱/デング出血熱 (10) クロアチア
PRO/EDR> Dengue/DHF update 2011 (10)
Archive Number: 20110306.0743
[1] クロアチア (Peljesac peninsula)
 情報源 Eurosurveillance, vol 16 No. 9.、2011年3月3日。
要約
ドイツにおいて、クロアチアで感染したデング熱 Dengue の1例について報告され、クロアチア国内の医療関係者や市民に感染状況の調査と蚊族駆除対策の強化への注意喚起が行われた結果、同地域内で2例目の国内感染が診断されるとともに15人が過去に感染していたことが判明した。クロアチアへのデングウイルス導入の経緯については今も不明のままである
導入
クロアチアで初めてヒトスジシマカがザグレブ周辺地域 the area surrounding Zagreb で確認されたのは2004年のことで、それから2年以内に北は Istria から南は Dubrovnik までのアドリア海沿岸地域の全域で確認されるようになった。定期的モニタリングでは、大陸地域では確認されていなかった。
議論
フランスに続き、クロアチアは欧州で2番目の国内デング熱感染の発生国となった。欧州内では、1925年から1928年までのギリシアでの流行以降、国内感染は確認されていなかった。ドイツ人旅行者が、the region of the Peljesac peninsula でデング熱に感染したのではないかとの仮説は、2例目の感染となる海外渡航歴のない現地住民の感染が確認されたことで確定した
[2] 世界各国
 - フィリピン (Pangasinan). 1 Mar 2011. Pangasinan province で患者数増加 、total of 157 people
 - インドネシア (Jakarta). 4 Mar 2011. Since January to March 2011, in North Jakarta reached 485 or lower compared to [2010] by 723 cases.
 - サウジアラビア (Jeddah). 6 Mar 2011. In Jeddah, 33 cases of dengue fever
 - 米国 (Miami, Florida). 2 Mar 2011. The 2nd locally acquired case of dengue fever in Miami-Dade County
 - ホンジュラス 5 Mar 2011. a "significant reduction" in dengue since 1 Jan [2011] to date, 680 cases, and during that same period last year [2010], 2880. : URL なし
ブラジル [in Portuguese]
 -  (Sorocaba, Sao Paulo state). 5 Mar 2011. 1週間で倍増
 -  (Bauru, Sao Paulo state). 4 Mar 2011. Bauruで新たに45例、合計435例に
 -  (Araraquara, Sao Paulo state). 3 Mar 2011. Araraquara で新たに33例、146例に
 -  (Itu, Sao Paulo state). 28 Feb 2011.4例が地域内感染
 -  (Cambe, Parana). 4 Mar 2011.853例が記録されている
 -  (Parana). 3 Mar 2011.  12703例のうち、2193例の感染が確定
 -  (Rio de Janeiro state). 3 Mar 2011. 市内で 3640 [dengue] cases
 -  (Volta Redonda, Rio de Janeiro state). 4 Mar 2011. 市内は "medium risk"
 -  (Amazonas). 3 Mar 2011. 史上2番目に最悪の流行
 -  (Ceara). 3 Mar 2011. 10例に達した
 -  (Rio Grande do Sul). 1 Mar 2011. 288例が報告されている

● 旋毛虫症、死亡-スペイン イノシシ肉
PRO/AH/EDR> Trichinellosis, fatal - Spain: (AR) wild boar meat 20110306.0735
 情報源 Diario ABC, Agencia EFE report [in Spanish]、2011年3月6日。
Huesca [Autonomous Community of Aragon] で旋毛虫症 Trichinellosis の集団発生があり、いずれも Huesca に住む、52歳から 58歳の男性 5人と女性 1人が感染した。このうちの 1人が狩猟で捕獲した、獣医学的検査の必要のない野生のイノシシ肉を使ったソーセージを摂食し感染した。この6人の患者らは2月5日に発病し、当初は入院を必要としなかったがその後状態が悪化し、翌日入院となった。このうちの 1人の54歳男性が死亡した ...
[Mod.EP- 欧州の野生動物には旋毛虫感染のリスクがあり、急性感染では死亡することもあることが再認識させられた。ソーセージは、旋毛虫感染の最も多い感染原因である。スモークでは寄生虫を死滅させるのに十分な温度まで加熱できないことが多いためである]

● 鳥インフルエンザ (27) -バングラデシュ インド,香港 H5N1
PRO/AH/EDR> Avian influenza (27): Bangladesh, India 20110306.0745
[1] インド
 情報源 Bombay News Net、2011年3月6日。
Tripura において、新たに1か所の養鶏場で鳥インフルエンザ Avian influenza の感染が確認され、7日に処分作業が開始される予定となっていると、6日当局者が述べた。1日以降、the Gandhi Gram government poultry farm において少なくとも400羽の家禽が死亡した。死亡したトリの検体を検査した当局が H5 亜型鳥インフルエンザを確認した。詳細な検査のため、the Eastern Region Disease Diagnostic Laboratory (ERDDL) in Kolkata and the High Security Animal Disease Laboratory (HSADL) in Bhopal に検体が送付された。6日に結果が判明することになっている ...
[2] バングラデシュ
 情報源 BD News 24、2011年3月5日。
H5N1 virus が確認されたため Gazipur と Noakhali で約 2000 羽のニワトリが処分された 

香港
PRO/AH/EDR> Avian influenza (26): Hong Kong, H5N1, goose 20110306.0742
 情報源 Government of Hong Kong, Prevention of Avian Influenza, Press release、2011年3月4日。
農業当局 the Agriculture, Fisheries and Conservation Department (AFCD) の広報担当者が 4日、Lantau で発見された 1羽のガチョウの死骸について行われた H5N1 検査の結果が陽性であったことを明らかにした。このガチョウの死骸は、1日 Sham Shek Tsuen, Lantau に近い海岸で発見され回収された。発見時に死骸の損傷が激しく、4日にH5N1 鳥インフルエンザの感染が確認されるまでに多くの検査が必要であった。死骸の発見現場から半径 3km 以内に家禽を飼育する施設はない。職員の調査でも、庭先飼育を行っている家庭は確認されなかった ...
[Mod.AS- 2月3日、Tai O の海岸で1羽のダックの死骸が発見された先の香港の H5N1 感染例の再現である; このときも死骸の損傷が著しく、H5N1 鳥インフルエンザ確認までにいくつもの検査を要している]

◎ 狂犬病-ロシア,ウクライナ

ロシア
PRO/AH/EDR> Rabies - Russia (03): (BA) bovine, human exposure 20110306.0740
 情報源 RIA Novosti [in Russian]、2011年3月5日。
ウシの間での狂犬病 Rabies 感染の発生が知られている Mihaylovka 村で、狂犬病ウイルスに曝露した疑いのある住民ら 6人が入院となった。the Russian Epidemiological Surveillance Centre in Buryatiya の責任者によると、この6人は狂犬病のウシとその感染源と見られるキツネと接触した疑いがある。ウシに狂犬病を感染させたキツネはすでに殺処分されている。接触のあったウシ 3頭が発病し安楽死処分となり、the Irkusk Veterinary Laboratory で行われた検査で狂犬病感染が確認されている。
[関連項目 20101009.3668 Mod.AS より
"一般的に、ヒトと同じく草食動物 herbivores の狂犬病感染は dead-end disease である。所有者、調教師、診察した獣医師らは、窒息した動物の原因となった異物を素手で調べたなら、自身も狂犬病ウイルスに曝露したことになる。
ウシの狂犬病の症状の表れ方には、2種類ある。
激情型 the furious form では、おとなしいはずの docile 動物がヒトや他の動物を襲うが、咬むことはまれである。乳牛の場合は、突然泌乳が止まる。ウシは非常に易刺激性となり、音や物の動きに強く反応する。間歇的に異常なうなり声 abnormal bellowing を上げたり、うなろうとしても声を出すことができず、あくびのように見えることもある。一度でもその声を聞けばすぐにそれとわかる。
麻痺型 the paralytic form の初発症状は咽頭麻痺である。流涎、歯ぎしり、首の伸展運動、膨満感 bloat なども表れる。窒息することもある。喉頭麻痺により声の調子が変わり、前出の abnormal bellow が聞かれることもあるが、the furious form で見られることがより多い。後ろ足 the hindquarters の脱力が起こることもあり、この場合は常にその部分の感覚脱失を伴う。肛門やオスのペニスの麻痺が起こることもある。最終的には横臥の状態となり、こうなれば他を攻撃することはなくなる."]

ウクライナ
PRO/AH/EDR> Rabies - Ukraine (02): (KV) feline, human exposure 20110306.0744
 情報源 Komsomolskaya Pravda, Ukraine [in Russian]、2011年3月2日。
最近の Kharkov における狂犬病はすべてネコが関係している。地域内の1地区の獣医院で、1匹のネコが狂犬病のため死亡した。適切な予防策を行っていなかった獣医師1名を含む、5人が現在監視下に置かれている。今回のケースは、2011年初以来、Kharkov で4件目の感染例である。
[Corr.VM - ウクライナでは深刻な狂犬病発生状況にある。the Kharkov region では 2011年のはじめの 2か月間ですでに Chernigov など各地から狂犬病が報告されている。Kharkov の4例については、すべてその狂犬病の感染源がネコだった]

● 口蹄疫-南アフリカ OIE
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease - South Africa (02): (NL KwaZulu-Natal) OIE 20110306.0741
Foot-and-mouth disease, South Africa immediate notification

[1] OIE Immediate Notification, KwaZulu-Natal
 情報源 OIE, WAHID weekly disease information 2011; 24(9)、2011年2月25日。
感染開始時期 2011年2月1日
前回流行時期 2001年3月31日
原因ウイルス  Foot and mouth disease virus Serotype: pending
新たな感染流行
発生地 Jozini [Umkhanyakude district], KwaZulu-Natal
感染した種 Species / 検査頭数 / 症例数 / 死亡 / 廃棄 / 処分
Cattle / 473 / 224 / 0 / 0 / 0
Affected population: no clinical signs of disease. Sero-positive results counted as cases.
Epidemiological comments: the affected area is partially situated in the FMD Free Zone of South Africa, ...

● 水疱性口内炎、ウマ-ベーリーズ OIE
PRO/AH/EDR> Vesicular stomatitis, equine - Belize: (CY) OIE 20110306.0739
Vesicular stomatitis, Belize Immediate notification
 情報源 OIE WAHID Disease Information 2011; 24(9)、2011年3月6日。
感染開始時期 2011年2月21日
前回流行時期 2007年4月20日
原因ウイルス Vesicular stomatitis virus Serotype New Jersey
新たな感染流行
発生地 (BZE1101) Central Farm, Central Farm, CAYO 農場
感染した種 Species Equidae
Susceptible 3
Cases 1
Deaths 0
Destroyed 0
Slaughtered 0