2011年3月7日-8日

チクングニア熱-ニューカレドニア
ハンセン病-ガーナ

● チクングニア熱-ニューカレドニア
PRO/EDR> Chikungunya (06): New Caledonia
Archive Number: 20110308.0759
 情報源 Les Nouvelles Caledoniennes [in French]、2011年3月4日。
3日、初めてのチクングニア熱の地域内感染例 The 1st case of "autochthonous" [locally acquired] chikungunya の診断が下された: この患者はヌーメア Noumea 在住で、the Territory から出ることなく感染した。全体としては3人目の感染患者である。初発例がインドネシアから戻り、訪れた Farino. で他者を感染させ、ウイルスを保有したその患者が、ヌーメアの蚊族に刺され、3人目の患者が感染した

● 麻疹 オーストラリア、米国、スペイン、ナイジェリア
PRO/EDR> Measles update (03) 20110308.0757
オーストラリア
[1] Australia (VIC) 
Re: Recent measles outbreak in Victoria
 投稿者 豪・Department of Health、Lucinda Franklin、2011年3月2日。
州当局 the Victorian Government Department of Health は、近年の麻疹 Measles 感染の輸入例増加についての調査を続けている。1日現在合計16例の麻疹感染が報告されている。12か月未満が3例、5から16歳までの患者が3例、20から37歳の患者が6例で、残りの患者は、45歳から66歳までの患者であった。13例はワクチンを接種されたことがなく、3例については接種歴が不明だった ...
関連項目 20010216.0309
[6] Australia (NSW)
Measles scare at Gold Coast tourist spots
 情報源 The Courier Mail, AAP report、2011年3月4日。
Queensland の10歳代の麻疹感染患者が、2か所の Gold Coast tourist spots の、White Water World および Coolangatta Airport で、感染を広げた可能性を懸念している ...
米国
[2] USA (MA) UMass Boston professor may have measles
 情報源 Boston Globe, via boston.com 、2011年3月1日。
マサチューセッツ大学ボストン校 University of Massachusetts (UMass) Boston の教授1名が麻疹に感染した疑いが持たれており、この2週間で麻疹感染が確認されたり感染が疑われたりした患者の数が5人となった。40歳代のこの教員はおよそ45人に対して講義を行っていた ...
[3] USA (WA Washington) Clark County investigates second child measles case in a month
 情報源 oregonlive.com、2011年3月2日。
Clark County で1か月のうちに2人目となる麻疹感染患者が確認された。学齢期の小児1名で、現在当局が調査を行っている ...
関連項目(1例目)20110216.0512
[4] USA - multistate alert, clarification
20110301.0677 について
 投稿者 New Mexico Department of Health、Paul Ettestad DVM, MS、2011年3月3日。
[5] USA (MN) Minneapolis baby treated for measles
情報源 The Star Tribune、2011年3月4日。
ミネソタ Minnesota 州当局が、最近病院に入院したミネアポリスの乳児 Minneapolis infant 1名について調査を行っている ...
スペイン
[7] Spain (Seville) Outbreak of measles in Seville
 情報源 ADNs.es Sevilla [in Spanish]、2011年3月8日。
Seville の麻疹感染流行により感染した小児の数が39人に達した ...
ナイジェリア
[8] Nigeria (Adamawa) Measles outbreak hits Adamawa
 情報源 Nigerian Compass、2011年3月8日。
ラッサ熱発生からわずか1か月の Adamawa State で、州内全21地域中16か所で麻疹感染流行の発生が発表された ...

● ニパウイルス、ヒト-バングラデシュ
PRO/AH/EDR> Nipah encephalitis, human - Bangladesh: (RP) (05) 20110308.0756
情報源 The News Today、2011年3月5日。
Rangpur Medical College Hospital (RMCH) で 5日、新たに幼い男児 1名がニパウイルス脳炎 Nipah encephalitis により死亡し、この地域における死者が 35人となったことが保健当局者の話で明らかになった。患児は Sherpur village under Taraganj upazila [sub district] in Rangpur の6歳の男の子で、5日死亡した。2月19日に入院した Singria village under Atoari upazila in Panchagarh の 40歳の男性患者は退院し、現在院内にニパウイルスの患者は残っていない。
[Mod.TY- ニパウイルス感染による死者は2月15日の 33人から、今回の報告では 35人に増加した。感染経路がウイルス保有動物である giant fruit bats (_Pteropus_) により汚染されたフルーツだったのか、パームジュースだったのかについては記載がない]
関連項目
Nipah encephalitis, human - Bangladesh (04): (RP) 20110226.0633

◎ ハンセン病-ガーナ

PRO/EDR> Leprosy - Ghana: (TV) cases increase 20110308.0755
 情報源 Ghana News Agency (GNA)、2011年3月5日。
the Ho Leprosarium の当局者が 4 日、the Volta Region で確認されたハンセン病患者数 leprosy cases が、2009年の73人から2010年には120人に増加したと報告した。皮膚症状のある患者は、医療機関を受診して検査を受けなければ、気づかないうちに他者を感染させてしまうと警告した ... 患者支援団体の活動など。

[Mod.ML- 治癒しても一般的な社会生活を送ることが難しい現状を報告している。
the WHO Leprosy fact sheet no. 101 : "Leprosy は、抗酸性桿菌 acid-fast, rod-shaped bacillus の _Mycobacterium leprae_ による慢性感染症で、_M. leprae_ の増殖速度が非常に遅いため、感染からの潜伏期間はおよそ 5年である。さらに症状として表れるまでに20年かかることもある。Leprosy の感染力はそれほど強くない not highly infectious 。治療を受けていない患者と頻繁に濃厚な接触があったときの、鼻や口から出される飛沫により感染する。治療されないままだと、皮膚、神経、四肢、眼球に、進行性で永久的な障害を残す"。多剤併用療法 multidrug therapy (MDT) により治療可能であり、早期治療により障害を予防できる。1995年以降、世界中のすべての患者に対し MDT (dapsone, rifampicin, and clofazimine) が無料で提供されている ... 1991年、WHO は2000年までに Elimination of leprosy as a public health problem を達成することを決意した。これは人口 1万人あたりの患者発生が 1人以下と定義されている。ガーナ政府は2005年に prevalence rate of 0.36 per 10 000 population をもって、全国のほとんどの地域で the leprosy elimination target を達成したと報告している; 当時、発生率が1人を超える endemic の地域は 6ヵ所と報告されている。2010年の1万人対発生率は 0.29 で、人口 2400万人超に対し703人と試算できる。今回、ガーナ全 10州の 1つ ヴォルタ州 (Volta) で人口163万人当たり 120人の leprosy が発生したとしても、prevalence rate of 0.73 per 10 000 であり、the leprosy elimination target よりも低い。ヴォルタ州での患者数増加は、積極的な患者発見によるものか、感染が広がりつつあるためなのかは判らない。小児での感染が確認されるかどうかが ongoing transmission in the community の指標となるだろう]
地図 The Volta Region

● ハンタウイルス-チリ
PRO/AH/EDR> Hantavirus update 2011 - Americas (10): Chile, susp 20110308.0752
 情報源 Radio Bio-Bio [in Spanish]、2011年3月7日。
地域保健当局者 the Health SEREMI [las Secretarías Regionales Ministeriales de Salud; Regional Ministerial Secretariat] から寄せられた情報によると、the La Calera community において、ハンタウイルス Hantavirus 感染が疑われる患者1名が確認されているとのことである。感染の有無を判断するための検体が the Public Health Institute に送られ検査が行われることになっている。この感染疑い患者は the Los Leones de la Calera Clinic で治療を受けている。この当局者によれば、1995年から現在までにこの地域内でハンタウイルス感染が確定診断された患者は 14人で、発生率は全国平均よりわずかに 2% 高く、最新の患者は2010年に the Maitenes en Casablanca locale で1名が報告されている。この40歳の女性患者は "hantavirus cardiopulmonary syndrome" と呼ばれる重症患者で、死亡している。
[Mod.TY- おそらく Andes virus によるもので、げっ歯類の宿主は the long-tailed pygmy rice rat である]
地図 the Biobio area

● 鳥インフルエンザ、ヒト (20) エジプト WHO
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (20): Egypt, WHO 20110308.0751
Avian influenza situation in Egypt - WHO update 45
 情報源 WHO CSR, Disease Outbreak News、2011年3月7日。FORTH
エジプト保健省は、2人の鳥インフルエンザ A(H5N1) ウイルス感染の確定例を公表した。第 1の症例は Sharkia 県の 32歳の女性。2月 10日に発症し、同 14日に入院。治療中だが危篤状態である。第2例の症例は Kafr Elsheikh の 2歳の男児。2月18日に症状が出現し、同 20日に入院し、状態は安定している。感染源の調査により、これらの症例は鳥インフルエンザにかかっていたことが疑われる家禽への暴露を受けていたことがわかった ...
[Mod.CP- 2011年、これまでに12人の鳥インフルエンザ A/(H5N1) virus 感染が確認され、うち 5人が死亡した。このうち 8人がエジプトの患者で、現時点で死者は 1人である。これ以外に患者が確認されている国は、カンボジア 3人、インドネシア 1人である。]
地図 the governorates of Egypt

● アフリカ馬疫-南アフリカ
PRO/AH> African horse sickness - South Africa (02): (WC) RFI 20110308.0758
African Horse Sickness Outbreak

 情報源 The Horse、2011年3月7日。
the Western Cape region で合計12頭のアフリカ馬疫 African horse sickness (AHS) が確認された。南アフリカ国内の他の地域で90頭以上が感染した流行に続く、感染発生である

● 鳥インフルエンザ (28) -イスラエル
PRO/AH/EDR> Avian influenza (28): Israel (JS Judea and Samaria) H5N1 20110307.0749
H5N1 Avian influenza suspected in Rosh Zurim; preliminary notification
 情報源 Circular 2011/4/a, Veterinary Services & Animal Health, Israel [in Hebrew]、2011年3月7日。
the Kibbutz Rosh Zurim, district BetLehem, province of Judea and Samaria のシチメンチョウの飼育場1か所で、H5 亜型鳥インフルエンザが確認された。この農場では、13400羽のシチメンチョウが飼育されている。隔離措置とサーベイランスが直ちに開始された。発生のあった農場から10km圏内の他の家禽飼育施設で、異常な死亡発生は確認されていない。
[Mod.AS- イスラエル獣医学当局から提供された情報: PCR 法により、H5N1 が確認された。ウイルスの分離は、まだできていない。感染が発生した、13400羽の 14週齢の群れの中で、約 1000羽に症状が見られ、そのうちの 200羽が死亡した。同じ農場で飼育されていた、他の 2つの群れ (6週齢と 4日齢、各 14000羽) は、直ちに殺処分された]

● White nose syndrome、コウモリ-米国
PRO/AH> White nose syndrome, bats - USA (02): (NC) 20110307.0748
White nose syndrome shows up in Yancey County
 情報源 Citizen-Times、2011年3月1日。
ノースカロライナ North Carolina 州で 3か所目となる場所で、white nose syndrome の発生が確認された。Yancey County で 2月 21日の週に感染が確認された。これ以前に、廃坑となっている Avery County Mine と Grandfather Mountain State Park 内の洞窟で、発生が確認されていた

● 原因不明の疾患、ウシ-メキシコ (02) 
PRO/AH> Undiagnosed illness, bovine - Mexico (02): (SL SAN LUIS POTOSI)  20110307.0747
20110305.0724 に関して
 投稿者 PNG・ David Thomson、2011年3月6日。
鑑別診断のための情報が不足しているが、bovine babesiosis が候補となると思われる ...
[Mod.TG- 元となった記事には数百頭が感染したとあるが、どの程度の期間かの情報が書かれていない。それほど長い期間ではないようだが、数週間の可能性もある。そうでなければ(非常に短期間なら)、急速に感染が拡大するウイルス、細菌あるいはトキシンなどが想定される。脳バベシア症 Cerebral babesiosis は鑑別診断に入れておくべきだろう。バベシア症は、テキサス南部やメキシコで多くの種類の動物の間に感染が広がっている。数週間にわたって続いているのであれば、特に吸血コウモリによる狂犬病の可能性が高くなるし、短期間ならその可能性は低い。リステリア症もヒトを含む多くの動物に感染する ... 症状の説明 ... トキシンとしては、植物、飼料、 salt intoxication/water deprivation (脱水) や殺虫剤などの化学物質もある]