2011年5月23日

ベロ毒素産生性大腸菌-ドイツ

● デング熱/デング出血熱 (21) カンボジア、ブラジル、パラグアイ、ベネズエラ、中国
PRO/EDR> Dengue/DHF update 2011 (21)
Archive Number: 20110523.1569
[1] カンボジア
 情報源 Alert Net、2011年5月17日。
カンボジアはデング熱 Dengue のシーズンに入り、24ある州のうちの4州で outbreaks が発生し、当局 the National Dengue Control Programme (NDCP) は、約4万人の入院患者を出した the 2007 epidemic の再来の可能性があるとして恐れている ... 2010年中期に、デング熱ウイルスの型が、DEN2 から DEN1 に移行したことが確認され、2011年のはじめの4ヶ月間のデング出血熱 dengue hemorrhagic fever (DHF) の患者が増加したことも懸念材料とされている; 2010年は約50%であったが、2011年は2/3となった。DHF 患者の増加は、新たな serotype の存在を示唆する徴候である、と説明されている。カンボジアでは、デング熱の患者数のピークは6月から7月にかけての時期であり、3-5年毎に大規模流行が発生している 
[2] 各国
ブラジル、in Portuguese
 - Brazil 22 May 2011.34歳の成人1名がデング熱により死亡した
 - (Ribeirao Preto). 19 May 2011. 2011年に4人の死者が報告されている
 - (Bauru). 19 May 2011. 3040人の感染が確認されている
 - (Rio Clar). 16 May 2011.635人の感染が記録されている
 - (Sorocaba). 16 May 2011. 2011年初以来、確定診断された患者数が1345人となった
 - (south of Rio de Janeiro state). 21 May 2011.
 - (Niteroi and Rio de Janeiro city). 20 May 2011. 確定されている4型デングウイルス感染患者は8人。
 - (Ceara). 21 May 2011. Fortaleza で小児2名がデング熱により死亡した。2011年の患者数は合計20357人となっている
 - (Andradas). 20 May 2011. 州南部の Andradas 市でこの二ヶ月間に0人以上のデング熱患者が報告されている
 - (Mato Grosso do Sul state). 20 May 2011. 先週報告されたデング熱患者数は392人で、2011年の合計患者数が11698人となった
パラグアイ in Spanish
20 May 2011. パラグアイ保健省は、2月から4月にかけてデング熱感染流行が発生し、53人が死亡し、21334人の患者が記録されたことを公表した。
ベネズエラ in Spanish
20 May 2011. Vaticano street, Los Olivos sector [of Ciudad Guayana] の住民らは、4人の感染者が発生したデング熱感染の拡大に不安を抱いている
中国 (香港) 18 May 2011. 保健当局 The Centre for Health Protection (CHP) of the Department of Health は18日、関連性のある2例の輸入デング熱患者について調査を開始した

● クリミアコンゴ出血熱-カザフスタン
PRO/AH/EDR> Crimean-Congo hem. fever - Kazakhstan (02): (KA) 20110523.1568
 情報源 Knews.kz、2011年5月16日。
非常事態省広報担当者が,1988年生まれの男性1名がクリミアコンゴ出血熱 Crimean-Congo haemorrhagic fever (CCHF) により the Kyzylorda region の病院に入院したと発表した。Kambash village in Aral region に住むこの患者は、14日に地区の感染症病院に入院し、医師は重症型であることを確認した。最近、South Kazakhstan region で同じ病気により1名が死亡している。この患者は、ヒツジの毛刈り中にダニの刺咬を受けていたことが、保健当局により明らかにされている ...
[Mod.CP- Crimean-Congo haemorrhagic fever (CCHF) は、ブニヤウイルス科ナイロウイルス属 the genus _Nairovirus_ of the family _Bunyaviridae_. のウイルスの感染による出血熱で、ヒトに感染すると、高い致死率を伴った重症感染症となる。幸い、動物の感染は非常に多いが、ヒトの感染はまれである。ベクターであるダニと同様、ウイルスは広い地理的分布を持つ。基本的に人獣共通感染症であるが、ヒトにおいて、弧発例や集団感染の発生も認められている。アフリカ、欧州、アジアの多数の国々に常在する。今回の (? during this time) CCHF の感染患者は、家畜の血液や感染組織と直接接触したことでウイルスに感染したか、または、ダニの刺咬によりウイルスに感染した可能性もある。患者の大部分が、農業従事者、食肉処理業者、獣医師などの畜産業に関係する人々である。CCHF virus infection は、中央アジアのこの地域の農業関係者にとって、職業上のリスク an occupational hazard となっている]

● 手足口病-香港、保育所
PRO/EDR> Hand, foot & mouth disease - Hong Kong, nursery school 20110523.1567
 情報源 7thspace interactive、2011年5月23日。
香港の保健当局 the Department of Health's Centre for Health Protection (CHP) は、5人の手足口病集団感染 an outbreak of hand, foot and mouth disease (HFMD) が発生した The Christian and Missionary Alliance Lei Tung Nursery School に対し、6月6日まで2週間、園を閉鎖するよう勧告した。13日から、3歳と4歳の男女5人が発病したが、いずれも入院は必要とされなかった。患児2人の便検査の結果、enterovirus 71 (EV71) が陽性となった

● ベロ毒素産生性大腸菌-ドイツ
PRO/AH/EDR> E. coli VTEC - Germany: RFI 20110523.1566
[1] 10人が入院、4人は集中治療室
 情報源 Monsters and Critics、2011年5月23日。
死亡する危険性のある大腸菌に感染した2人の患者が、現在人工呼吸器を装着されていることが、23日、フランクフルト Frankfurt の病院の話で分かった。ドイツ国内各地の病院からも、同菌の感染が増えていることが報告されていた。腸管出血性大腸菌 EHEC, or entero-hemorrhagic _Escherichia coli_ は強毒性腸内細菌 a virulent strain of gut bacterium で、激しい腹痛、下痢の原因となり、ときに貧血や腎障害をきたすこともある。フランクフルトではこれまでに10人が入院となり、このうち4人は集中治療室にいる。さらに50人の軽症 EHEC 感染患者が報告されている。ハンブルグ Hamburg でも合計40人の患者が治療中で、その大部分が女性である。北部 Rostock 市では、重症例を含む4人の患者が経過観察されており、 Lower Saxony, Bremen and Schleswig Holstein の各地からも症例報告があった。毎年ドイツ国内でおよそ800から1200人の EHEC 感染例が記録されており、その多くが小児である。今回の感染流行は、成人の重症例が見られる点が異例である。この細菌は、生や十分に加熱されていないひき肉やミルクから感染することが多いが、今回の流行に、生野菜 uncooked vegetables が関与している疑いがある、と専門家は指摘している。
[2] 約80人が感染
 情報源 The Local、2011年5月23日。
ドイツ北部の公衆衛生当局は、およそ80人が感染してその多くが集中治療を受けている、死亡する可能性のある下痢症流行の、原因調査を行っている。Lower Saxony and Bremen で約25人の感染が確定診断されており、Schleswig-Holstein and Hamburg でもそれぞれ約 20人の感染が確認されている。Hesse で16人、Mecklenburg-Western Pomerania でも4人の感染が疑われている。患者のほとんどが入院して治療されている。患者の多くが女性であり、女性は食品を調理することが多く、野菜などの食料品を洗ったりする時に感染したのではないかと、The Robert Koch Institute の専門家は見ている。肉や未殺菌のミルクによる感染の疑いも持たれている。

● ハンタウイルス-チリ、アルゼンチン、米国
PRO/AH/EDR> Hantavirus update 2011 - Americas (26): Chile, Argentina, USA 20110523.1562
[1] チリ Chile (Biobio)
 情報源 Cooperativa [in Spanish]、2011年5月20日。
the Biobio region の保健当局は、この地域で2011年の第6例目のハンタウイルス Hantavirus 感染患者を確認した。4人目の死者となった。the Canete community in Arauco 在住の64歳の男性1名で、感染源は現在調査中である 
 - Chile (Maule)
 情報源 La Tercera [in Spanish]、2011年5月19日。
the Maule region で新たなハンタウイルス感染患者が報告された。the Longavi community, Linares province から報告された。この38歳の農夫は、the Curico Hospital の集中治療室で、重症ながらも安定し、人工呼吸を必要としない状態にあり、まもなく Linares の治療センターに転院する予定になっている
[2] アルゼンチン (Entre Rios)
 情報源 El Argentino [in Spanish]、2011年5月22日。
州疫学担当者によるお、Victoria [Entre Rios province] でこれまでに4人が、ハンタウイルス感染の検査で陽性となり、このうち2人が死亡している。
[3] 米国
 情報源 Bangor Daily News、2011年5月18日。
Somerset County において、メーン Maine 州初のハンタウイルス肺肺症候群 Hantavirus pulmonary syndrome, or HPS の患者が報告された。
[Mod.TY-(文中で HPS が spread by the common house mouse と記載されている点について)
Mus musculus_ は一般的に the common house mouse_ と呼ばれているが、 Sin Nombre, New York, or Monongahela hantaviruses いずれの保有宿主ではなく、今回の症例で最も可能性の高いのは the deer mouse, _Peromyscus maniculatus_, and the white-footed mouse, _P. leucopus_. である] ... HPS は、1993 年に New Mexico で起きた、多数の死亡者が発生した若年成人の重症呼吸器疾患の集団発生後に初めて確認された。その後、Pennsylvania and New York など複数の州で発生が確認されている ... [Mod.TY- おそらく New York virus, Monongahela virus or Sin Nombre virus (SNV)  のいずれかのハンタウイルスによるもので、いずれのウイルスも hantavirus pulmonary syndrome の原因となり得る。両ウイルスの宿主 The sigmodontine hosts of Sin Nombre (SNV) and Monongahela viruses は the deer mouseで、_Peromyscus maniculatus_ はメーン Maine を含む全米各地に生息する。The white-footed mouse, _P. leucopus_ も a SNV reservoir である。_P. leucopus_ は the host for New York hantavirus であり、これも Maine 州で確認されている]
写真 _P. leucopus_ and _P. maniculatus_ 

● 狂犬病-インド
PRO/AH> Rabies - India (07): (AP) canine, human 20110523.156
A comment on some political issues affecting rabies control in Andhra Pradesh
 投稿者 米 ・ Merritt Clifton、2011年5月23日。
インドにおける狂犬病対策の諸問題と実情。

● ペットフードに関する注意喚起-ベルギー、イスラエル
PRO/AH/EDR> Pet food alert - Belgium, Israel 20110523.1565
Puppy epilepsy, dog food suspected
 情報源 Gazet van Antwerpen [in Dutch]、2011年5月11日。
Ghent University に関係する獣医師らは、ある種のドッグフードを食べた子犬がてんかん発作を起こしていることに対して、注意を呼びかけている。問題となっているのは、Bento Kronen の chunks (塊)、 "Lamb & Rice All Breeds Growth 8." で、てんかん発作との直接の因果関係は証明されていないが、同神経クリニック獣医師によると、すべての子犬がこのペレットを食べていた。すでにメーカーである Versele-Laga 社にも報告されている ..
[Mod.AS- イスラエルからも、同様の報告を受けている]

● 原因不明の疾患、clove -インドネシア
PRO/PL> Undiagnosed disease, clove - Indonesia 20110523.1561
Disease chokes cloves' supply line
 情報源 The Hindu、2011年5月18日。
原因不明の病気による、インドネシア国内の cloves output の急激な減少により、供給体制が悪化し価格が急騰している。major clove producing country の] インドネシアの生産量の80% を占めている主要生産地である Manado [North Sulawesi] and Java の樹木が破壊されている。実がなるまで5から7年を要するため、今後も少ない生産量の年が続くと見込まれている ...
[Mod.DHA- clove (_Syzygium aromaticum_, family _Myrtaceae_) の病気としては、真菌 (leaf spots, blights, bud shedding, sooty mould) のほか、algal leaf spot and little leaf of suspected phytoplasma も報告されている]