◎ Q熱 米国
PRO/AH/EDR> Q fever - USA: raw cow's milk, ex goat 20110624.1938
[1] Michigan: 未殺菌ミルク
情報源 Detroit (MI) Free Press 、2011年6月24日
ミシガン Michigan 州で、生の牛乳を飲んだとされる女性3人が、Q 熱 Q fever と呼ばれるまれな細菌感染症と診断された。州当局 The Michigan Department of Community Health によると、Livingston County にある農場の生のミルクで、共同でウシを所有する人々に、未殺菌の乳製品が配られていた。Washtenaw County で2人、Monroe County で1人の Q 熱が確認されている。この細菌は、感染のある動物により汚染された小屋のホコリを吸ったり、生のミルクを飲んだりすることで、ヒトに感染する。感染したヒトは、高熱、頭痛、倦怠感、腹痛、悪寒、嘔吐、下痢など、インフルエンザのような症状が見られる。治療されないと、重症例では慢性化し、心臓や肝臓、脳、肺などが冒され、死亡することもある。
[Mod.LL- the transmission of _Coxiella burnetii_ に関する詳説:
数週間の潜伏期間後(無症候性のこともあるが)発熱、乾性咳嗽、関節痛などの症状が徐々に現れる。患者は、肺炎と診断されることも珍しくなく、はっきりとした肝機能の異常も認められる。この2つの症状の組み合わせを見たときに、特に家畜との接触があったり、家畜のいる農場近くに住んでいる場合には、察しの良い医師ならこの診断を考慮する。今回の患者らについて、どのような症状が見られたか、あるいは Q 熱と診断される前後に生ミルクの摂取が確認されていたのか、についての記載はない。
生ミルク raw milk ingestion に関係する Classical zoonotic organisms には次のようなものがある; _Brucella abortus_, _Brucella melitensis_, _Mycobacterium bovis_, _Salmonella_ species, _Listeria monocytogenes_, _Campylobacter_ species, _Yersinia_ species, _Coxiella burnetii_, and _E. coli_ O157:H7 。
人獣共通感染症以外の病原体で生ミルク raw milk ingestion に関係するものとしては、 _Streptococcus pyogenes_, _Salmonella_ Typhi, _Corynebacterium diphtheriae_, _Shigella_ species, _Salmonella_ Paratyphi A, _Salmonella_ Paratyphi B, enterotoxins from _Staphylococcus aureus_, and hepatitis A virus などがある。
その他の unpasteurized milk が関係する疾患について; Milk and infectious diseases in humans. Clin Infect Dis 2006; 43(5): 610-5 からの引用。
その他の unpasteurized milk が関係する疾患について; Milk and infectious diseases in humans. Clin Infect Dis 2006; 43(5): 610-5 からの引用。
1996年及び1998年、Massachusetts 州で2件の狂犬病のウシの関係する事例が発生した。狂犬病のウシのミルクに狂犬病ウイルスが含まれており、理論上、未殺菌ミルクを介しての感染の可能性があった。pasteurization の温度に達していればウイルスは死滅する。この2頭のウシからの採取されたミルクを殺菌せずに摂取したのは80人で、ほか9人がウシの唾液に接触していた。89人全員が感染予防措置 postexposure rabies prophylaxis を受け、1人の感染者も発生しなかった。Oklahoma でも2006年、 the consumption of raw milk or cream from a rabid cow の事態が発生した。ダニ媒介性脳炎は、通常ならダニ _Ixodes persulcatus_ or _Ixodes ricinus_ tick に刺咬されて感染する病気で、欧州中部、東部、ロシアに常在する。しかし、感染したウシやヤギのミルクからもウイルスが検出されており、the consumption of unpasteurized milk によるヒトへの感染の可能性があるとの報告がなされたが、A case-control study では、oral transmission を証明できなかった。(後に Brainerd diarrhea と命名された) December 1983-July 1984 に Brainerd, Minnesota の住民らの間に発生した下痢症候群がある。急性発症し、超緊急性で、全身症状を欠き、通常の抗生物質による治療に反応せず、(平均16.5か月の) 長期の病悩期間を持つという特徴が見られた。1か所の酪農場からの生のミルクの摂取に関係していた。etiologic agent は今も分かっていない。この酪農場からの出荷を変更し、殺菌処理を行うことで、The outbreak of Brainerd diarrhea が終息した ... Illinois のウシが関与した事例、the Galapagos Islands in Ecuador を旅行した、cruise ship の乗客394人中58人に発生した、 outbreak of Brainerd-like diarrheaなど、参考文献7件]
[2] Washington, Montana: ヤギとの接触
情報源 United Press International (UPI)、2011年6月23日
ワシントン Washington 州の保健当局によると、5人の患者のQ 熱感染が疑われている。Washington state's Grant County の複数の農場で、購入または飼育されていたヤギとの関連性が示されている。これらの農場のヤギは、ワシントンの9つの別の郡と Cascade and Teton counties in Montana に移動したことが確認されている。これらの地域で、ほかに6人の患者のQ 熱感染が疑われている。
[Mod.LL- Q fever はオーストラリアで初めて報告され、当初は病原体が確認できず、"Query fever" と命名された。病原菌の _Coxiella burnetii_ が発見されたのは1937年である。乾燥や熱に強く、エアロゾルの形を通して非常に強い感染力を持つ。たった1個の病原体を吸入しても発病する可能性がある。実際、ヒト以外の霊長類では、50%の個体を死に至らしめる量は 1.7 organisms とされる。ウシ、ヒツジ、ヤギが、_C. burnetii_ の一次保有宿主である。家畜やペットなど、広い範囲の腫に感染するが、通常これらの動物では臨床症状を示さない。ただし、ヤギやヒツジの流産に_C. burnetii_ infection が関係することがある。病原体は、ミルク、尿、糞に排泄される。最も重要な点として、出産時に羊水と胎盤内に大量の病原体が排出されることが挙げられる。羊毛の汚染を通じた感染も知られている。熱、乾燥や多くの一般的な消毒薬に耐性であるため、環境中に長期間生存する。このような非常に安定的であるのは、小型の小細胞 compact small-cell variants の形態と関係し、通常の増殖の際に、より耐性の弱い large-cell form とともに産生され、代謝は休眠した芽胞のような状態にある。生物兵器 category B bioterrorism agent に分類され、バイオテロとはみなされていないものの、1987年に英国内で郵便物の中から発見された。感染動物の分娩時の排泄物などで汚染された家畜小屋のほこり airborne barnyard dust の吸入によって、ヒトに感染することが多く、(ヒトは)非常に感受性が高い。汚染ミルクの摂取による感染伝播は多くない。ダニ刺咬による感染や、ヒト-ヒト感染はまれである。以前のスコットランド Scotland, UK でおきた、51人の感染流行は、食肉処理場と関連し、aerosol によって少なくとも0.8km離れた場所まで拡大した]
[2] Washington, Montana: ヤギとの接触
情報源 United Press International (UPI)、2011年6月23日
ワシントン Washington 州の保健当局によると、5人の患者のQ 熱感染が疑われている。Washington state's Grant County の複数の農場で、購入または飼育されていたヤギとの関連性が示されている。これらの農場のヤギは、ワシントンの9つの別の郡と Cascade and Teton counties in Montana に移動したことが確認されている。これらの地域で、ほかに6人の患者のQ 熱感染が疑われている。
[Mod.LL- Q fever はオーストラリアで初めて報告され、当初は病原体が確認できず、"Query fever" と命名された。病原菌の _Coxiella burnetii_ が発見されたのは1937年である。乾燥や熱に強く、エアロゾルの形を通して非常に強い感染力を持つ。たった1個の病原体を吸入しても発病する可能性がある。実際、ヒト以外の霊長類では、50%の個体を死に至らしめる量は 1.7 organisms とされる。ウシ、ヒツジ、ヤギが、_C. burnetii_ の一次保有宿主である。家畜やペットなど、広い範囲の腫に感染するが、通常これらの動物では臨床症状を示さない。ただし、ヤギやヒツジの流産に_C. burnetii_ infection が関係することがある。病原体は、ミルク、尿、糞に排泄される。最も重要な点として、出産時に羊水と胎盤内に大量の病原体が排出されることが挙げられる。羊毛の汚染を通じた感染も知られている。熱、乾燥や多くの一般的な消毒薬に耐性であるため、環境中に長期間生存する。このような非常に安定的であるのは、小型の小細胞 compact small-cell variants の形態と関係し、通常の増殖の際に、より耐性の弱い large-cell form とともに産生され、代謝は休眠した芽胞のような状態にある。生物兵器 category B bioterrorism agent に分類され、バイオテロとはみなされていないものの、1987年に英国内で郵便物の中から発見された。感染動物の分娩時の排泄物などで汚染された家畜小屋のほこり airborne barnyard dust の吸入によって、ヒトに感染することが多く、(ヒトは)非常に感受性が高い。汚染ミルクの摂取による感染伝播は多くない。ダニ刺咬による感染や、ヒト-ヒト感染はまれである。以前のスコットランド Scotland, UK でおきた、51人の感染流行は、食肉処理場と関連し、aerosol によって少なくとも0.8km離れた場所まで拡大した]
● 大腸菌 O104 欧州
PRO/AH/EDR> E. coli O104 - EU (23): updates
PRO/AH/EDR> E. coli O104 - EU (23): updates
Archive Number: 20110624.1940
[1] ECDC update
[1] ECDC update
情報源 ECDC、2011年6月23日 FORTH
Total cases: 3792 with 43 deaths -- 1.13 per cent case fatality rate.
[2] 虚血性腸炎 Ischemic colitis/神経症状 neurological symptoms without HUS
Colonic ischaemia as a severe Shiga toxin/verotoxin producing _E. coli_ O104:H4 complication in a patient without HUS, Germany, June 2011
情報源 Eurosurveillance edition 2011; 16(25)、2011年6月23日
[3] Netherlands ex Germany, secondary transmissionHousehold transmission of haemolytic uraemic syndrome associated with _Escherichia coli_ O104:H4 in the Netherlands, May 2011
情報源 Eurosurveillance edition 2011; 16(25) 、2011年6月23日
[4] Probable USA ex Germany fatality
Total cases: 3792 with 43 deaths -- 1.13 per cent case fatality rate.
[2] 虚血性腸炎 Ischemic colitis/神経症状 neurological symptoms without HUS
Colonic ischaemia as a severe Shiga toxin/verotoxin producing _E. coli_ O104:H4 complication in a patient without HUS, Germany, June 2011
情報源 Eurosurveillance edition 2011; 16(25)、2011年6月23日
[3] Netherlands ex Germany, secondary transmissionHousehold transmission of haemolytic uraemic syndrome associated with _Escherichia coli_ O104:H4 in the Netherlands, May 2011
情報源 Eurosurveillance edition 2011; 16(25) 、2011年6月23日
[4] Probable USA ex Germany fatality
情報源 CBC (Canadian Broadcasting Corporation) News, Associated Press (AP) report、2011年6月23日。
PRO/EDR> Cholera, diarrhea & dysentery update 2011 (17): Haiti, DR 20110624.1939
[1] ハイチ
情報源 Xinhua News Agency、2011年6月2日
ハイチ国内では、5月以降、安全な水の確保や衛生状況の問題と、雨期の開始と洪水により感染者が増えていることが、24日、WHO から発表された。感染の増加は特に首都ポルトプランス Port-au-Prince と南部半島地域で著しく、5月2日から6月12日までの新規の感染患者は、ポルトープランスのみで18182人と発表されている
[2] ドミニカ共和国
情報源 Taiwan News, Associated Press (AP) report、2011年6月21日
ドミニカ共和国保健当局は、新たに2人がコレラ感染により死亡し、国内の死者が48人に達したことを明らかにした。この最も新しい死亡患者は、29才男性と63才の男性で、首都の北約93kmの、Santiago で発生した。
PRO/EDR> Streptococcus group A, scarlet fever - China (04): (HK,MO) 20110624.1937
情報源 Hong Kong Information Services, Health & Community News、2011年6月23日
衛生防護中心 The Centre for Health Protection は、最近発生した猩紅熱による2例の死亡に関連する、2種類の異なる化膿性連鎖球菌 _Streptococcus pyogenes_ を確認した。5月29日に Queen Mary Hospital で死亡した7才の女児は、検査の結果、the strain "emm 12" 陽性であった。6月21日に Princess Margaret Hospital で死亡した5才男児は、the "emm 1" strain に感染していた。23日正午までの24時間で、32人の猩紅熱患者と、4件の感染流行が確認されている。
[Mod.ML- 菌株タイピング Microbial strain typing は、臨床疫学上の有用な手がかりとなる。1928年に開発された the serologic M protein typing system のような、表現型のタイピング検査は、菌の発現された特徴を調べるために用いられるのに対し、genotypic systems は、染色体や plasmid DNA を調べるのに用いられる。A 群連鎖球菌 (_Streptococcus pyogenes_) strains は現在、the 5' end of the emm gene の遺伝子配列の違いにより分類されている。emm 遺伝子の 5' 末端の違いには大きな幅があり、the M-typing system に利用される血清型特異性がコード化されている。ほとんどの M serotypes は、a unique emm sequence type と1対1対応の関係にある 。米国内での疫学調査により、A 群連鎖球菌による重症の化膿性もしくは非化膿性合併症のうちの、かなりの割合の症例が、比較的少数の特異的 emm/M protein types に関係することが示唆されている。例えば、最も多い2種類 the 2 most prevalent emm types である 1, 12 が、米国とカナダの咽頭炎の分離菌の約36%を占めていた 。台湾の242件の分離菌 (76 patients with invasive disease, 89 with scarlet fever, and 77 with pharyngitis) について行われた emm type の調査でも、emm 12 が最も多かった (43.4 per cent) 。その他の詳しい検査による報告、3件紹介]
● ナシの病気,Fireblight アルジェリア
PRO/PL> Fireblight, pome fruit - Algeria: (northern) susp 20110624.1936
情報源 FreshPlaza, Ennahar Online report、2011年6月21日
Bacterium affecting pears and apples
ナシやリンゴなどの果樹の危険な病気が、国内北部で発生し、ヒトへの影響がある細菌だと発表されたことで、人々の間に不安が広がっている ...
[Mod.DHA- おそらく、fireblight のことを言っているのだろう ... Fireblight は、細菌の _Erwinia amylovora_ を原因とし、世界中のナシ科の果樹に最も大きな被害をもたらせている ...]
Bacterium affecting pears and apples
ナシやリンゴなどの果樹の危険な病気が、国内北部で発生し、ヒトへの影響がある細菌だと発表されたことで、人々の間に不安が広がっている ...
[Mod.DHA- おそらく、fireblight のことを言っているのだろう ... Fireblight は、細菌の _Erwinia amylovora_ を原因とし、世界中のナシ科の果樹に最も大きな被害をもたらせている ...]
● 口蹄疫 カザフスタン OIE
PRO/AH> Foot & mouth disease - Kazakhstan (02): bovine OIE, RFI 20110624.1929
情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), Weekly Disease Information 2011; 24(25)、2011年6月23日
Foot and mouth disease, Kazakhstan、follow-up report No. 1
感染開始時期 2011年5月21日
前回流行時期 2007年7月4日
原因ウイルス foot and mouth disease virus Serotype: O
新たな感染流行
発生地 Lbishchenskoye, Akzholskiy, Akzhaik, Ural'SK 農場
感染した種 / 頭数 / 症例数 / 死亡 / Destroyed / Slaughtered
ウシ Cattle / 145 / 9 / 0 / 145 / 0
ヒツジ、ヤギ Sheep & goats / 624 / 0 / 0 / 624 / 0
Foot and mouth disease, Kazakhstan、follow-up report No. 1
感染開始時期 2011年5月21日
前回流行時期 2007年7月4日
原因ウイルス foot and mouth disease virus Serotype: O
新たな感染流行
発生地 Lbishchenskoye, Akzholskiy, Akzhaik, Ural'SK 農場
感染した種 / 頭数 / 症例数 / 死亡 / Destroyed / Slaughtered
ウシ Cattle / 145 / 9 / 0 / 145 / 0
ヒツジ、ヤギ Sheep & goats / 624 / 0 / 0 / 624 / 0