2011年7月28日-29日

マラリア エジプト

● マラリア エジプト
PRO/EDR> Malaria - Egypt: (BN) unconfirmed
Archive Number: 20110728.2269
 情報源 Al Masry Al Youm、2011年7月27日
The Beni Suef 保健当局は、はじめての地域内マラリア患者 the governorate's 1st case of malaria が発生したとして注意を喚起したが、政府保健省はこれを否定した。保健副大臣は、Beni Suef やその他の国内のいかなる地域でもマラリア患者は確認されていないと述べた。the Beni Suef の当局者によると、 Beba の62歳の患者1名がマラリア検査で陽性となり、 the Fever Hospital in Beni Suef に入院したという。治療に反応し始めており、患者の関係者ら200人以上からの血液検体が、カイロに送られ検査されていると述べた。蚊族とゴミが感染の原因であるが、飲料水による感染ではないと説明した。
[Mod.EP- 1998年以降、エジプト全域においてマラリアの国内感染例は報告されていない。reservoir なしに、この患者が輸入例や輸入患者からの感染ではないと言うのは難しい。マラリアは他の病気と混同されやすく、今回のケースがどのような診断法でマラリアと診断されたの分からない。
Malaria in Egypt, background information from the WHO から:
1960年の約8万5千例から、1970年には5400例に減少し、三日熱マラリア _P. vivax_ cases. の患者が中心だった。1989年と、1994-95年の2度のマラリア感染流行(患者数各198、808例) が Fayoum governorate.で発生し、ほとんどが熱帯熱マラリア _P. falciparum_ だけによるものだった。集中的な対策が実行され、1997年には、国内感染はわずか4例(いずれも熱帯熱マラリア)が報告されたのみとなった。保健省の公式報告では、2005年に発生した感染患者は23例で、すべてシエラレオネもしくはスーダンからの輸入感染例である。かつて、the Nile Valley, Delta and oases.のすべてで、 local vectors によりマラリアの中等度の地方感染が定着していたが、スーダンから _A. arabiensis_ が持ち込まれたことで、エジプト国内で大流行 (the epidemic in Upper Egypt in 1942-1943 that resulted in up to 180 000 deaths) が発生したこともある]

● サルモネラ感染症 英国、スペインから
PRO> Salmonellosis, serotype Enteritidis PT14b - UK: ex Spain, eggs
Archive Number: 20110729.2280
 情報源 Food Manufacture、2011年7月25日
英国鶏卵業委員会 The British Egg Industry Council (BEIC) は、スペイン産鶏卵が新種のサルモネラ菌に汚染の恐れがあるとして、the Lion mark の British eggs だけを使用するよう、食品製造業者らに注意を呼びかけている。政府当局 The Health Protection Agency (HPA) は、northwest England and the West Midlands で起きた outbreaks of salmonella と汚染された Spanish eggs との関連性を突き止めた。およそ140人が発病した。_Salmonella [enterica_ serotype] Enteritidis PT [phage type] 14b と呼ばれるこの細菌は、スペイン国内の1か所の販売業者からのタマゴで、主に catering establishments に流通している。HPA がスペイン政府当局と連絡をとり、現在ではすべてのサルモネラ菌を死滅させる熱処理 heat-treating eggs を行っているとの回答を得ている。英国内では現在も調査が行われているが、このスペインの業者からの全商品 all supplies が流通からはずされている ... 委員会は、2002、2004、2005、2009年にも、Spanish eggs が関係するサルモネラ感染症流行が発生したと述べている

● 鳥インフルエンザ、ヒト カンボジア
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (52): Cambodia (BM) 20110729.2279
 情報源 The Straits Times, Agence France-Presse (AFP) report、2011年7月29日
Cambodian girl dies from bird flu: WHO confirmed
4歳のカンボジア人の小児1名が、2011年のカンボジアにおける4人目の鳥インフルエンザ Avian influenza による死者となった、と29日、当局が発表した。北西部の Banteay Meanchey province で20日に死亡したこの女児について行われた検査で、H5N1鳥インフルエンザの感染が確認された、と保健省と WHO が明らかにした。1月以降発生した、7人の国内の鳥インフルエンザ感染例はすべて死亡している。このうち6人が小児であった。今回の女児の感染は、2005年の発生から数えて、カンボジア国内で17人目の患者であり、死亡患者としては15人目となった。

● 狂犬病 パキスタン,ボリビア(2件)
パキスタン
PRO/AH/EDR> Rabies - Pakistan 20110729.2285
 情報源 Dawn.com provinces、2011年7月28日
5000 die annually -- Surge in rabies cases
パキスタン国内の狂犬病 Rabies 発生数は増加傾向にあり、イヌによる咬傷を主な原因として、年間5000人以上の死者が記録されている。報告数では、20分に1人の割合で犠牲者が出ているインドが上回っている

ボリビア
PRO/AH/EDR> Rabies - Bolivia (04): canine, human 20110728.2265
 情報源 FM Bolivia TV [in Spanish]、2011年7月27日
the La Paz Municipal Zoonoses Center (CEMZOO) の当局責任者によると、3 departments [state of province] において狂犬病 Rabies 患者が増加し、感染により4人の死者のが発生するなど、同国は感染流行に直面している。大都市の Cochabamba, Santa Cruz, and Sucre などで流行中である。(17日までの)第28週の時点で、全国のイヌの狂犬病感染数は 115% 増加した。2010年同期の感染数は51例だった。この結果、2011年に4人の小児がイヌ咬傷により狂犬病に感染した。 Sucre の3人と Cochabamba の1人であるが、2010年の感染による死者は、Oruro の成人1名のみだった。the National Zoonoses Program, の記録によると、the Cochabamba department has 40 canine rabies cases, Santa Cruz 38, Sucre 21, La Paz 4, Beni 4, Potosi 2, and Tarija one. In Oruro and Pando there has been no rabies incidence.となっている

● マッシュルーム中毒 ロシア
PRO/EDR> Mushroom poisoning - Russia: (VR) 20110729.2271
 情報源 Voronezh-Media [in Russian]、2011年7月20日
ボロネジ Voronezh の地方公衆衛生当局は、2011年のこれまでに7件の野生のキノコ中毒が発生し、小児3人を含む19人が発病したことを受け、対応を協議している。近隣の森で採取された、食用キノコに似たマッシュルームによる中毒が最も多い。

● B 型肝炎、C 型肝炎 インド
PRO/EDR> Hepatitis B & C - India: (TN) Chennai 20110728.2268
 情報源 The Times of India、2011年7月28日
チェンナイ Chennai 北部では、住民のうち少なくとも25人に1人が肝炎 Hepatitis の検査で陽性となる。1297 people in 6 different locations of North Chennai を対象に the Madras Medical College が行った調査で、61人が肝炎の検査で陽性となった。このうち、44人がB 型肝炎ウイルス、17人が C 型肝炎ウイルス陽性だった。 世界肝炎デーに因んで、Harbour, Seven Wells Street, Wall tax Road, Broadway, Sathya Nagar (War Memorial) and Bharathi Women's College の6か所で、経済的弱者を対象に28日まで連続して1週間、この肝臓病疾患に対する血液スクリーニング検査が行われた。
The 1st official WHO-supported World Hepatitis Day, coordinated by the World Hepatitis Alliance, comes under the slogan: Hepatitis affects everyone, everywhere. Know it. Confront it.
地図 Chennai (formerly known as Madras), is the capital city of the Indian state of Tamil Nadu

● ブラストミセス、イヌ 米国
PRO/AH/EDR> Blastomycosis fungus, canine - USA (MI Michigan) 20110729.2286
Dog fungal infection outbreak reported in UP
 情報源 Leader Telegram、2011年7月28日。
Marquette County 北部で、イヌの真菌感染症例が増えている、と当局が述べた。Big Bay および周辺地域で、ブラストミセス症 blastomycosis と診断されるイヌが確認されている。感染の1から5ヶ月前に曝露していた可能性があり、最も数が多いのは the Upper Peninsula (UP) となっている。早期に発見されれば治療可能な疾患で、イヌの感染では、食欲不振と体重減少、咳や皮膚症状などが見られる。
[Mod.TG- Blastomycosis は、_Blastomyces dermatitidis_ を原因とする、全身性真菌性感染症で、イヌとヒトの感染が多いが、ネコ、アシカ、ウマも感染することが知られている。_Blastomyces dermatitidis_ は二形性土壌真菌 dimorphic soil fungus で、ミズーリ、ミシシッピ、オハイオや、the mid-Atlantic states and the Canadian provinces of Quebec, Manitoba and Ontario などで確認されている]

● Ostreid herpes virus 1、カキ フランス
PRO/AH/EDR> Ostreid herpes virus 1, oysters - France: endemic 20110729.2283
 情報源 Fishupdate Com、2011年7月28日
Deadly virus kills half of France's oysters
2011年、フランスの国産カキの半数が、致死性ウイルスによって死滅する危機にある。ヘルペスウイルス _Ostreid Herpesvirus 1_, or OsHV-1 は、過去3シーズンにわたって、フランスの地中海及び大西洋沿岸地域の養殖カキに、致死率 27から90%の被害をもたらせている、と今週農業水産省が警告した。同省は、今後4-5年以内には Pacific oysters (_Crassostrea gigas_) の国内備蓄が回復すると見ている ... OsHV-1 は水温が16度を超えた時点で、カキを死滅させはじめる

● 鼻疽、ウマ スイス 否定
PRO/AH/EDR> Glanders, equine - Switzerland (02): (SO) ex Lebanon, NOT 20110729.2282
[1] 20110724.2227 に関し。
 投稿者 スイス・ Federal Veterinary Office、Heinzpeter Schwermer、2011年7月29日
The Swiss Federal Veterinary Office は、鼻疽 glanders が疑われていた症例の検査について、29日に陰性であることが確認されたことを明らかにする
[2] Glanders: suspicion cleared
 情報源 Federal Swiss Veterinary Office press release (in German]、2011年7月29日

● 鳥インフルエンザ カンボジア H5N1
PRO/AH/EDR> Avian influenza (55): Cambodia (TA) wild birds, H5N1, OIE 20110729.2278
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2011; 24(30)、2011年7月26日
Highly pathogenic avian influenza, Cambodia immediate notification (final report)
感染開始時期 2011年7月13日、同25日終息
前回流行時期 2010年10月1日
原因ウイルス Highly pathogenic avian influenza virus Serotype: H5N1
新たな感染流行 Total outbreaks: 1
発生地 Phnom Tamao zoo, Trapang Sap, Bati, Takeo
感染した種 wild species
Susceptible: --
Cases: 29
Deaths: 19
Destroyed: 10
Slaughtered: 0

● モロコシ属の病気,黒穂病 ウガンダ
PRO/PL> Smut diseases, sorghum - Uganda: (NP) 20110729.2276
 情報源 Daily Monitor (Uganda)、2011年7月26日
Smut disease destroys sorghum in Nakapiripirit
Nakapiripirit District [Northern Region] では、域内で広く栽培されているモロコシ属に黒穂病 sorghum smuts が発生し、農家は対応に追われている。寄生性真菌を原因とし、黒色の粉状の芽胞の塊が形成される。2010年にも被害が発生している、と農家の1人が述べた。
[Mod.DHA- Smuts とは、多くの種類の穀物の葉や種の先に、芽胞が詰まった嚢 spore-filled galls を形成する真菌群を指す。風雨や感染した植物によって、感染が広がる。sorghum (_Sorghum bicolor_) には、様々な Smuts が発生する]

● ウマ伝染性子宮炎 米国
PRO/AH/EDR> Contagious equine metritis - USA: (AZ) OIE 20110729.2275
[1] News report
 情報源 ABC News、2011年7月26日
1頭のオス馬が、性感染症である馬伝染性子宮炎 contagious equine metritis (CEM) と診断された。アリゾナ州農業当局 The Arizona Department of Agriculture によると、メス馬の流産や不妊の原因となる
[2] OIE report
Contagious equine metritis, USA immediate notification
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2011; 24(30)、2011年7月26日
感染開始時期 2011年7月18に地図 
前回流行時期 2010年12月27日
病原体  _Taylorella equigenitalis_
新たな感染流行
発生地 Maricopa County, Maricopa, Arizona、農場
感染した種  Equidae a 4-year-old Arabian stallion
Susceptible: --
Cases: 1
Deaths: 0
Destroyed: 0
Slaughtered: 0

● ヘンドラウイルス オーストラリア (2件)
PRO/AH/EDR> Hendra virus, equine - Australia (20): (QL, NS) canine 20110729.2274
[1] Re: 20110728.2267
 投稿者 豪・ Dr Caroline Reed MBBS FRCPath FRCPA、2011年7月28日
[2] 同上
 投稿者 米・ Jane Sykes BVSc(Hons) PhD DACVIM、2011年7月28日
[3] New South Wales
 投稿者 Storm Stanford、2011年7月27日
現在の状況: Mullumbimby, on the New South Wales North Coast 近郊で、5頭目のヘンドラウイルス感染によるウマの死亡が発生した。Wollongbar, Macksville, and Lismore に続く、4か所目の検疫地域となった。

PRO/AH> Hendra virus, equine - Australia (19): (QLD) canine 20110728.2267
[1] 20110727.2257 に関し。
 投稿者 David Thomson、2011年7月27日
the latest positive test of the dog が抗体検査と見られる、一方、the former 2 negative tests は抗原検査で、このイヌはウイルスに曝露していたが、抗原検査時に十分な量のウイルスは排出されていなかったのではないだろうか ...
[Mod.TG- the OIE website から: 
This case in a dog is the 1st report of a dog testing positive for Hendra virus exposure outside a laboratory. このイヌは、6月から7月はじめにかけてヘンドラウイルス感染により死亡した 3 horses のうちの1頭から感染したと見られている ...
診断テストの結果
 Species: dogs
 Test: enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA)
 Test date: 25 Jul 2011
 Result: positive
 Species: dogs
 Test: polymerase chain reaction (PCR)
 Test date: 4 Jul 2011
 Result: negative ]             ... ]
[2] Dog's case of Hendra worsens worries over spreading virus
 情報源 The Australian、2011年7月27日
すでに検疫体制下にあるブリスベン Brisbane 近郊の農場で、1頭の飼い犬のヘンドラウイルス感染が確認され、想定外であったイヌへの感染が発生した。問題となったこのオスの牧羊犬 kelpie で、同ウイルス抗体の保有が確認されたことで、ケアンズ Cairns から the New South Wales north coast town of Coffs Harbour および inland to Chinchilla, (ブリスベンの西300km) に至る範囲に広がった流行への、新たな不安が持ち上がっている。検査では、イヌ、ブタ、フェレットへの感染やウイルス伝播の証拠が見つかっているが、これまでに発病が知られているのは、ウマとヒトだけである。Flying foxes は、発病することなく、この病気を伝播する ...
[3] 情報源 ABC News (Australian Broadcasting Corporation) 、2011年7月27日。
クイーンズランド Queensland 南東部の a Hendra virus outbreak の発生の中心地に住むある家族は、ペットのイヌが処分されたことに腹を立てている。6月に Queensland and New South Wales で14頭のウマが感染により、死亡または安楽死させられた。両州の当局者は、イヌのヘンドラウイルス感染が確認されたことへの対応を協議した
[4] 情報源 Brisbane Times 、2011年7月26日。
Facts about the most recent cases of the Hendra virus in Queensland and NSW:
- 14 horses infected with Hendra ; 10 in Queensland and 4 in NSW.
- from west of Cairns, in north Queensland, to Macksville on the NSW mid-north coast and west to Chinchilla on Queensland's western Darling Downs.
Outbreaks since 20 Jun 2011:
- Mount Alford, southwest of Boonah, in southern Queensland.
- Kerry, south of Beaudesert, in southern Queensland.
- Wollongbar, east of Lismore, in northern NSW.
- Macksville, south of Coffs Harbour, on the NSW mid-north coast.
- Park Ridge, south of Brisbane, in southern Queensland.
- Near Kuranda, west of Cairns.
- Hervey Bay, north of Brisbane.
- Boondall, in northern Brisbane.
- Property near Lismore, in northern NSW.
- Logan property, south of Brisbane.
- Chinchilla, on the western Darling Downs.
- On 25 Jul 2011, a dog from the property at Mt Alford tested positive for Hendra virus for the 1st time.

● 口蹄疫 エクアドル
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease, bovine - Ecuador: (SD) 20110728.2266
 情報源 La Hora [in Spanish]、2011年7月26日。
エクアドルの Santo Domingo de las Tsachilas 州農村部 San Jacinto del Bua で口蹄疫 Foot & mouth disease の感染流行が確認されている。25日、農業当局 the Ecuadorian Agency for Quality Assurance in Agriculture (AGROCALIDAD) が明らかにした。30頭に感染した疑いがあるとの非公式情報が流れている

● 原因不明の大量死、家きん マーシャル諸島
PRO/AH> Undiagnosed die-off, poultry - Marshall Islands (02) 20110729.2273
 投稿者 Sharon Gwaltney-Brant DVM, PhD、2011年7月28日
ニワトリの眼瞼が腫れる重大な疾患の1つに、paramyxovirus (APMV-1) の1種による、ニューカッスル病 Newcastle disease がある。臨床症状や高病原性は、 high-pathogenic (velogenic) strains of the virus と矛盾しない。

● 東部ウマ脳炎 米国
PRO/AH/EDR> Eastern equine encephalitis - USA: (FL) 20110729.2272
[1] Marion County  
 情報源 Ocala News、2011年7月27日
The Marion County Health Department 当局者は、郡内初の東部ウマ脳炎が診断されたことを明らかにした。the Summerfield area の1頭のウマが検査で陽性となった。ヒトに使用できるワクチンはないが、ウマの感染はワクチンで予防可能である ... 予防のための "5 D's" for prevention:
 - Dusk and dawn: 夕焼けと夜明け
 - Dress: 衣服(肌を被う)
 - DEET: 忌避剤 (N,N-diethyl-meta-toluamide, or N,N-diethyl-3-methylbenzamide)
 - Drainage: 排水(家屋周囲の水たまりの除去)
[2] Holmes County
 情報源 Chipley Paper, Holmes County Health Department report、2011年7月25日
Holmes County 地域内で、2頭のウマが東部ウマ脳炎ウイルス EEE [eastern equine encephalitis] virus の検査で陽性となり、活動性増加に関するアドバイスが行われている