2011年7月3日-4日

麻疹 Air travel risk

● サルモネラ感染症、serotype Altona -米国
PRO/AH/EDR> Salmonellosis, serotype Altona - USA (03): 2nd serotype
Archive Number: 20110704.2028
 情報源 Centers for Disease Control and Prevention (CDC)、2011年6月29日。
CDC は関係各当局と協力して、サルモネラ菌による outbreak of human _Salmonella [enterica_ serotype] Altona infections ならびに an outbreak of human _Salmonella [enteric_ serotype] Johannesburg infections の2件のアウトブレイクの調査を行っている。2つの outbreaks の患者発生分布状況は a similar geographic distribution. を示している。the PulseNet system を用いて、この outbreak に関係する患者を特定している 

● コレラ (19) インド、ナイジェリア、コンゴ DR
PRO/EDR> Cholera, diarrhea & dysentery update 2011 (19): Asia, Africa 20110704.2027
[1] インド India
 - (Mombai) DNA India、2011年7月3日。
the Sion hospital で、小児2名が検査の結果コレラ Cholera 菌陽性となった。
 -  (Punjab,下痢症) Times of India、2011年7月3日。
外国人2人を含め、5人の患者が2日、Ropar Civil Hospital に入院となり、下痢症の集団発生が判明した。先週、市内で合計46例の下痢症患者が報告されている ...
 - (Kerala) AsiaNetIndia、2011年6月24日。
Kalpetta(Wayanad district)において、6月24日、32才の男性1名がコレラ感染により死亡した。この男性は、Paniya adivasi colony の住民であった。州内でコレラ感染による死者が報告されたのは、5年ぶり。
 - (Kerala) Asian Age 、2011年6月29日。
Kerala's hilly Wayanad district の部族集落で、6人がコレラにより死亡し、56人の下痢症による入院が発生していることが、6月29日に当局者から発表された。
 - (Kerala) AsiaNetIndia 、2011年7月2日。
Wayanad district の各病院に2日、コレラ症状のある114人もの患者が入院した。13 colonies in the district からの患者が、コレラに感染し入院となったと、当局者が述べた。Kozhikode medical college hospital で治療中の5人の患者の状態は深刻である、と説明した。検査でコレラ感染が確認されている ...
[2] ナイジェリア
 - (Kano) Vanguard 、2011年7月4日。
週末に胃腸炎のアウトブレイクが発生し、4人が死亡、8人がKano and Takai (65 km north of Kano metropolis) の病院に入院となっている。
 - (Plateau) Vanguard、2011年7月1日。
the Plateau State 各地で、コレラ感染流行が発生したことが、当局者により明らかにされた。これまでコレラの発生を否定していた同氏は30日、10人が死亡したと述べた。Jos South, Jos North, Mangu, Shendam, Barkin Ladi and Pankshin local government areas において、370人の感染が確認されている。
[3] コンゴ民主共和国 (Kinshasa)
 情報源 Radio Okapj [trans.]、2011年6月27日。
キンシャサ Kinshasa で6月27日、新たに4人のコレラ患者が報告された。この WHO による報告により、首都での患者数は7人となった。

◎ 抗酸菌症 Mycobacterium marinum-米国、水槽

PRO/AH/EDR> Mycobacterium marinum, fish tank - USA: (CA) 20110704.2026
 情報源 ABC News Medical Unit、2011年6月15日。
5年前に自宅の水槽の角で負った小さなひっかき傷がもとで、10代の体操チャンピオンが腕を切断する結果になった。Oak Hills, California のこの13才の少女は、8才の時に水槽から感染したまれな人食い感染症に苦しんでおり、医師らは感染の拡大を阻止できなくなっている。この菌の感染が右腕の骨にまで及び、American Athletic Union gymnastics championship で優勝したにも関わらず、感染後はバレーや体操などのスポーツから遠ざけられている。利き腕を振ると痛みが走るため、8年生のこの患者は、書いたり、学校での作業を行ったりすることができない状態にある。fish tank granuloma と呼ばれることもある _Mycobacterium marinum_ は、通常は皮膚の表面だけを食い破るが、この症例においては複数の骨に感染が広がり、切断を必要とするほどの状態に至った。the Loma Linda Medical Center and UCLA Medical Center の医師らは、様々な抗菌薬による治療や2回の外科的切除を行ったが、薬剤耐性を獲得していたと考えられている。来週、Denver, Colorado's National Jewish Health medical center の専門医に相談することになっている ... 
[Mod.ML- _Mycobacterium marinum_ は、非結核抗酸菌 the non-tuberculous mycobacterium or NTM (the _M. tuberculosis_ complex 以外のグループ) の1つで、低温及び高温の淡水または塩水中に存在する。NTM は in vitro での成長速度と pigment production によって特徴付けられている。寒天培地 agar plates 上での培養で、7日間以内に mature growth に至る non-pigmented rapidly growing NTM species (RGM) には、_M. fortuitum_ と the _M. chelonae-abscessus_ group があり、7日以上を要する Slowly growing NTM には、_M. kansasii_ and _M. avium/intracellulare_ complex がある。_M. marinum_ は an intermediately growing NTM であり、培養と光曝露があったときに色素を産生する a photochromogen の性質を持つ。 _M. marinum_ は agar plates 上での mature growth までに7-10 days を要し、至適温度は 32 deg C [89.6 deg F] である。_M. marinum_ 感染症では皮膚や軟部組織が損傷し、an aquatic environment or fish に曝露したときに起こる。必ずしもプールの塩素消毒が行われていなかった時代には "swimming-pool granuloma" と呼ばれていた。 現在では水族館の清掃に関連した皮膚感染症 _M. marinum_ skin infections が発生することが多く、"fish tank granuloma". と呼ばれている ... 治療として Rifampin and ethambutol 併用療法の報告が最も多い。そのほか clarithromycin, doxycycline, and minocycline なども使用される。_M. marinum_ は linezolid にも感受性があるが、isoniazid and pyrazinamide に耐性とされている。治療期間は最低3か月かかり、deeper structure infections ではさらに長くなり、invasive _M. marinum_ infection の患者の多くは surgical debridement が併用される]

● 大腸菌 - フランス O104,米国 VTEC O26

PRO/AH/EDR> E. coli O104 - EU (28): update, France 20110704.2024
[1] ECDC Update since 30 Jun 2011
 情報源 European Center for Disease Control (ECDC)、2011年7月1日
[2] フランス (Bordeaux): EFSA/ECDC risk assessment
European Food Safety Authority (EFSA)/ECDC joint rapid risk assessment
 情報源 European Center for Disease Control (ECDC)、2011年6月29日あ
[3] France (Bordeaux): Eurosurveillance report
Outbreak of haemolytic uraemic syndrome and bloody diarrhoea die to _Escherichia coli_ O104:H4; south west France, June 2011
 情報源 Eurosurveillance edition 2011; 16(26)、2011年6月30日

PRO/AH/EDR> E. coli VTEC non-O157 - USA: (ID) O26, camp 20110704.2023
 情報源 The Spokesman-Review、2011年7月1日。
アイダホ州当局 Idaho Panhandle health officials は、Camp Lutherhaven の5人の調理担当者らが、大腸菌に感染したことを確認した。ほかに3人の発病者があるが、検査では細菌感染との関連性は確認されなかった。入院したものはなく、感染した従業員らは、厨房から隔離されている。Lake Coeur d'Alene 湖岸における、第1期の2週間のサマーキャンプの参加者 the 300-plus campers に、発病者はいない ... The strain at Camp Lutherhaven は _E. coli_ 026 で、欧州で死者が発生している大腸菌とは別である

● 麻疹 Air travel risk

PRO/EDR> Measles update 2011 (21) 20110704.2022
[1] フランス
 - 情報源 Courier Picard [in French]、2011年6月28日。
2010年10月以降、麻疹感染の患者数は着実に増加し、より大きな a 3rd epidemic wave が産み出されていることが、6月28日の L'Institut de Veille Sanitaire (INVS) が発表した数字で明らかになった。感染のピークは (およそ3600例が発生した)3月で、4月にはやや減少が見られた(約3100例)。流行が開始したとされる 2008年1月1日以降、フランス国内で記録された麻疹感染患者は2万例近くにのぼる。保健当局によると、2010年、麻疹に関連して、8例の神経学的合併症と287例の肺炎が発生した。最も感染が多い年齢層は1才未満で、次いで between 11 to 20 years of age、children aged 1-5 years と続いている。2011年4月26日から5月2日にかけて行われた the European Immunization Week の主なテーマは、麻疹ワクチン接種であった。
 - 情報源 Mesvaccines.net [in French]、2011年6月29日。
2008年1月1日以降、約2万例の麻疹感染が報告されている ... 2011年はこれまでに、14 cases with neurological complications, 444 cases with severe pneumonia, and 6 deaths が報告されている。
[2] 英国 UK
 - (England): Coventry Telegraph、2011年6月29日。
the West Midlands [of England] において確定診断される麻疹感染患者数が、2011年はおよそ2倍に増えた。1月1日以降、検査機関の専門家が確認した地域内の患者は24例で、2010年同期の患者数は13例だった。the MMR [mumps, measles and rubella] vaccine の接種を受ける人が増えているにもかかわらず、このような状況が起きている ... 全国的にも、2010年の374例から、2011年には496例と増加している。
[Mod.CP- 英国内の麻疹ワクチン接種の退潮傾向は反転しつつあることが示されており、今後、発生状況の好転が期待できる]
 - (Scotland) The Scotsman newspaper、2011年6月30日。
Scotland で、過去1年間に麻疹患者が増加している。当局 Health Protection Scotland (HPS) は、2011年初からの24週間で、54例の麻疹感染疑い患者と22例の検査による確定診断例の報告を受けた。2010年同期には、38例の疑い例の報告があり、確定診断例はなかった。2010年1年間に確定診断された感染患者は、わずか11例だった ...
[3] チャド
 情報源 AlertNet, IRIN、2011年6月29日。
麻疹に感染したまま到着する多数の移民に対し IRC, WHO, and UNICEF は、生後6か月から15才の小児への vaccination campaigns を開始した。1月1日以降、6月19日の時点で、国内22地域のうちの22の地域で、およそ5311人が麻疹に感染した。これまでに63例の死者が発生した、と保健省が発表した。"transit centres で小児へのワクチンを行い、麻疹感染拡大防止に努めている," 、と IRC Chad country director が述べた。
[4] タンザニア
 情報源 Daily News online、2011年6月30日。
Ngorongoro district において、この10週間で20人の小児が麻疹感染流行で死亡したことを、6月29日に地区保健担当者が明らかにした。"rubeola" と呼ばれる感染力の強いこの疾患は、4月に the Kakesio Village ではじめて報告された。その後、感染が拡大し、地域内で650例が感染し、20人の小児が死亡した ...
地図 Ngorongoro district(2002年の人口統計によると、人口129776人、主な種族は the Maasai people)
[5] ネパール (Mahottari)
 情報源 Republica (Nepal)、2011年6月28日。
深刻な麻疹感染流行が、Sikwakataiya VDC [village development community、in Mahottari district]の wards no. 2, 3 and 4 in the VDC で同時に発生し、400人以上の小児が麻疹に感染した。この地域の住民の多くは the Muslim community に属し、患者の大部分が1才から5才の小児である。2か月前には、わずか5人の小児の感染が認められているだけだったが、現在、村内の小児の80%が麻疹に感染した ... 感染した患者の80%がワクチンを受けていなかった
[6] 米国 (New Jersey)
 情報源 The Paramus Post、2011年7月1日。
2011年、6月20日現在で、米国内から162例の麻疹患者が報告されている。136例が輸入感染例と考えられ、海外旅行前のワクチン接種が重要であることが示された ...
[7] Air travel risk
 情報源 MMWR weekly 60 (25); 851、2011年7月1日。
2011年1月、17日間のシンガポールとフィリピンへの旅行から帰国した3人のニュージーランド国民が麻疹と診断された。同11日、3人はシンガポールからオーストラリアのブリスベン Brisbane までの 7.5時間のフライトを利用し、トランジットラウンジに9.5時間滞在した後、オークランド Auckland, New Zealand まで4時間のフライトを利用した。いずれかのフライトを利用した搭乗客の中の、二次感染例の調査で、the Singapore-to-Brisbane flight の搭乗客3人と、 the Brisbane-to-Auckland flight の搭乗客5人が同定された。発端となった2人の患者は、1月11-15日の間に発疹を生じ、麻疹に対する Ig M 抗体の検査で陽性であることが判明した。豪とNZの患者各1名は臨床診断であるが、1月21日から26日に発疹を生じた残りの6人の二次感染例は、核酸増殖法検査により measles RNA 陽性が確かめられ、同じ genotype D9 の塩基配列であった。8人の二次感染患者のうち、発端患者から2列目以内の席に搭乗していたのは3人だけであった: 2人はワクチンを接種されておらず、1人は接種歴が不明だった。接種歴の分からない二次感染の患者は、最も近い発端患者から4列離れており、2回の接種歴のある二次感染例の患者は6列離れていた。3人の二次感染患者は、予防接種を受けていない小児で、異なるキャビンの11列離れた位置に搭乗していた。発端となった3人の患者は、12-17才のワクチンを受けていない小児だった。オーストラリアの、国際便内での単一の感染性麻疹患者の搭乗客への曝露に関する接触者追跡ガイドラインは、発端患者から2列以内のシートの乗客に対象を設定している; 今回の集団発生の二次感染の8人中5人は、これより遠い位置にいた。3人(の発端患者)とも、機内で感染力を有していたと考えられ、最近の文献でも2列を超えて曝露する可能性が示唆されている。加えて、麻疹は空気感染しやすく、the jetways, the arrival and departure terminals, and the transit lounge のいずれにおいても、曝露する機会があったと考えられる ...
[8] ニュージーランド New Zealand
 - (Auckland) Voxy News Engine、2011年6月29日。
2011年に発生したオークランド最大の麻疹感染流行は、新たな患者1名を加え、患者数が39人となった。当局者 Auckland Regional Public Health Service (ARPHS) medical officer of health は、9人は cases from Oratia との関連性が確認できず、1人は海外の感染例であることから、予防接種が対策の中心になるとの考えを示した ... バンコク Bangkok 発で。6月19日に オークランド Auckland に到着した、Thai Airways
flight TG491 に、麻疹ウイルス曝露の可能性がある ...
 - (Auckland ex Thailand) Auckland stuff、2011年6月29日。
Thai Airways flight, TG491 について、原文参照願います
 - (Hawke's Bay) Voxy News engine、2011年6月30日。
Hawke's Bay における麻疹感染流行が継続しているため、患者の発生のあった、Henry Hill School などに対し、全ての生徒へのワクチン接種を受けさせるよう、当局が指示することとなった

● 原因不明の疾患、死亡-フィリピン
PRO/EDR> Undiagnosed disease, fatal - Philippines: (ZN)
Archive Number: 20110703.2021
 情報源 ABS CBN News Zamboanga、2011年7月1日。
原因不明の病気により4人が死亡し、Zamboanga del Norte の the Zamboanga City Medical Center (ZCMC) に16人が入院中であることが、1日保健当局により明らかにされた。いずれも Barangay Mantebo (Sibuco town in Zamboanga del Norte)の住民で、下肢の痛みとしびれを訴えている。患者の1人は、5月から、足 feet and legs にしびれや疼痛を経験し始めた。Sibuco hospital chief は、Mantebo および周辺地域で mining activity は行われていない上、漁師らがダイナマイトやシアンを使用することもないという
[ModTGMod.LM- cassava root poisoning のような気もする]

● ハンタウイルス-パナマ、ボリビア
PRO/AH/EDR> Hantavirus update 2011 - Americas (30): Panama, Bolivia 20110703.2020
[1] パナマ (Los Santos)
 情報源 TVN Noticias [in Spanish]、2011年7月2日。
保健相が the Tonosi Rural Hospital にハンタウイルス Hantavirus を検査するための ELISA reader を送った。the Los Santos province のこの地域はハンタウイルス感染が2番目に多い。rice and corn [maize] のような穀物が生産されているため、ウイルスを保有する齧歯類がいる
[2] ボリビア (Beni)
 情報源 FM Bolivia [in Spanish]、2011年6月28日。
初めてのハンタウイルス感染例の、the San Andres 市(Buen Jesus community, Marban province in the department [state or equivalent] of Beni)の9歳児は危機を脱した。Trinidad から72km離れたこの地域に、鼠族対策チームが到着し、ウイルス感染の有無を調査している
[Mod.TY-  the lowland Amazon Basin of Bolivia における possible hantaviruses and their rodent hosts and their images that might be involved in this HPS case
- Laguna Negra (_Calomys laucha_,_C. callosus_)
- Bermejo (_Oligoryzomys chacoensis_)
- Oran (_O. longicaudatus_)]

● イネの病気,Blast disease-ケニヤ
PRO/PL> Blast disease, rice - Kenya: (CE) 20110704.2025
 情報源 AllAfrica, Nairobi Star report、2011年6月24日。
Mwea [Central Province] では、イネの生産量が減り、価格が高騰している。水不足と rice blast が原因で十分なコメがなく、価格が高騰している ...
[Mod.DHA- Rice blast は、真菌の _Magnaporthe oryzae_ (以前は a strain of _M. grisea_ に分類されていた) を原因とし、世界中のイネにとって、50%以上の損失を招くこともある、最も深刻な病気の1つである]