2011年7月6日

コレラ-米国 non-O1, non-O139
◎ 顎口条虫症-オーストラリア

● 炭疽-ジョージア,カナダ・米国
PRO/AH/EDR> Anthrax, human, livestock - Georgia
Archive Number: 20110706.2047
 情報源 Georgia online、2011年6月28日。
グルジアで、炭疽 Anthrax 感染の症状により2人が入院して治療を受けている。病院側の発表では、皮膚感染であるにも関わらず、患者の状態は深刻だとされている。2人は別々の地域で感染し、病気の動物との接触があり、処分に関わったとされている。外科的処置が必要だったと述べられている。
[Mod.MHJ- 最近、ヒトの炭疽感染例には積極的治療を行い、適切な抗生物質投与とともに、貯留した the toxic fluids を排出することが必要であることが明らかになりつつある]

PRO/AH> Anthrax, livestock - Canada, USA: vaccine advice 20110706.2042
[1] カナダ - Saskatchewan
Livestock producers should be cautious of anthrax this year

 情報源 CTV Saskatoon、2011年6月29日。
2011年の湿潤気候が、自然発生し、急速に家畜を死に至らしめる炭疽感染の助長を招いている
[2] 米国-South Dakota
Anthrax vaccination reminder

 情報源 South Dakota Animal Industry Board、2011年7月5日。
州獣医師は、家畜生産農家に、家畜への炭疽ワクチン接種を勧めている。州内各地の洪水発生により、炭疽感染発生の好適条件が産み出されている

● コレラ-米国 non-O1, non-O139
PRO/EDR> Cholera - USA (05): (NY) non-O1, non-O139 20110706.2046
 投稿者 Larry Lutwick MD, ProMED Bacterial Disease Moderator、2011年6月16日。
問題の患者は、急性腎不全から完全に回復した。この患者以外に感染例は発生していない。the New York City および Centers for Disease Control and Prevention labs のいずれにおいても、コレラ菌 _Vibrio cholerae_ であることが確認された。non-O1, non-O139 であり、CDC で検査可能な O141 and O75 による、他の the other O antigen testing でも、凝集 agglutinate しなかった。PCR for the presence of cholera toxin gene (ctxA) による検査も行われたが陰性であることが確認され、non-toxigenic for the cholera toxin であった。
[Mod.LL- この患者は、10%以上の体重減少をきたし、臨床的にはコレラ感染であった。non-O1, non-O139 strains of _V. cholerae_ は、軽症の腸管疾患の原因となることがあり、菌血症を起こすが下痢を生じない場合もあるということになる。ほとんどのケースで non-O1, non-O139 _V. cholerae_ isolatesは、cholera toxin や the toxin-coregulated pilus (TCP) の遺伝子を有しない。しかし、一部の菌が substantial diarrhea の原因となりうる。The type III secretion system (TTSS) は、グラム陰性桿菌が、宿主細胞の細胞質に effector proteins を導入するメカニズムである。近年、動物モデルにおいて腸管の微小損傷や proinflammatory cytokines 産生を伴うような下痢を引き起こすためには、少なくとも一部の non-O1, non-O139 isolates において、functional TTSS が必要であることが報告されている。さらに、cholera toxin and TCP の存在下においても、TTSS は毒性に寄与することも示されている]
関連項目
Cholera - USA (04): (NY): RFI 20110616.1840

◎ 顎口条虫症-オーストラリア

PRO/AH/EDR> Gnathostomiasis - Australia: (VI) 1st rep 20110706.2044
1st case of gnathostomiasis reported from Australia
 情報源 The Herald Sun、2011年7月5日。
ビクトリア Victoia 州の1組の夫婦が、歯を持つ小さな虫に身体を食いちぎられる目に悩まされていた。この寄生虫による、オーストラリアでは初めてのヒトの感染例となった。西オーストラリア WA [Western Australia] でのキャンプ中に捕獲した魚を食べて感染したと見られている。black bream と思われる魚を食べた際に、幼虫 the gnathostomiasis larvae を嚥下したと感染症医が述べた。"この虫は体長が 1-3 mmで鋭い歯 sharp little teeth を持ち(患者の)身体中のあらゆる部分に移動することができる" と説明されている。虫が死ぬか、免疫機能によって殺されるまで、人体内での移動が続くという。"皮下を移動して掻痒性腫瘤を形成し、感染に気づかれる -- 非常に診断が困難な場合もある"。感染したこの夫婦は、筋肉痛、発熱、嘔吐を経験し、皮膚がオレンジの皮のようになったが、抗生物質により治癒した。この寄生虫は15年間人体内にとどまり、慢性の症状の原因となることがある。脳、その他の臓器、脊髄に至る場合もあり、組織を食べてしまうという。この医師が治療を行った28人の患者はすべて海外で感染していた。同医師は、血液の検体をバンコク Bangkok に送付した。問題の魚は Derby の北の the Calder River で捕獲されたもので、the Australian Medical Journal で症例報告された。
[Mod.EP- the US CDC によると、Human gnathostomiasis は the genus _Gnathostoma_ の複数種の寄生虫 (nematodes) によって起きる。東南アジアで発見され、この地域で最も多く発生するが、アジア、中南米やアフリカの一部からも報告されている。生あるいは調理が不十分な淡水魚、ウナギ、カエル、鳥類、両生類の摂食により感染することが多い。最も多く見られる症状は、皮下の移動性腫脹と血液中の好酸球レベルの増加である。まれに臓器内に侵入することがあり、たとえば、肝臓、眼球(視力障害や失明を招く)、神経・脊髄・脳(神経痛、麻痺、昏睡および死亡の原因)などがある。
最近の Gnathostomiasis in humans のレビュー (Gnathostomiasis, another emerging imported disease. Clin Microbiol Rev. 2009; 22(3):484-92; )。
オーストラリアに最近になって導入されたのか、ヒトでの感染例が報告されていなかっただけなのか。fresh water biologists からのコメントが望まれる]

● ヘンドラウイルス、ウマ-オーストラリア
PRO/AH/EDR> Hendra virus, equine - Australia (07): (QL,NS) 20110706.2045
[1] Another horse confirmed with Hendra in another area in south east QLD
 情報源 Queensland Government, Primary Industries and Fisheries、2011年7月5日。
新たに Park Ridge in Logan City のウマ1頭が、検査の結果、Hendra virus により死亡していたことが判明した
[2] Hendra claims 6th horse near Brisbane
 情報源 The Sydney Morning Herald, Australian Associated Press (AAP) report、2011年7月5日。
ブリスベン Brisbane 近郊で4日死亡したウマ1頭が、検査の結果、6頭目の the Hendra virus による犠牲馬であることが分かった 

● バナナの病気,Black sigatoka-エクアドル
PRO/PL> Black sigatoka, banana - Ecuador: (MN) alert 20110706.2043
Sigatoka affects banana production
 情報源 FreshPlaza, Eldiario report、2011年7月4日。
Black Sigatoka が、El Carmen [Manabi province] のバナナ生産に深刻な被害を発生させており、生産組合 president of the national federation of banana producers (FENAPROPE) から注意が呼びかけられた ...
[Mod.DHA- Black sigatoka (BS; also called black leaf streak) は、真菌の _Mycosphaerella fijiensis_ を原因とし、species of _Musa_ のみが感染する。世界中の parts of the Americas, China, South East Asia, and parts of Africa で発生が見られるが、オーストラリアは排除に成功した]