2011年7月7日

ボツリヌス食中毒 米国、42日間/18日間保管されたポテトスープ MMWR
原因不明の死亡 フィリピン

● ボツリヌス食中毒 米国
PRO/EDR> Botulism, commercial potato soup - USA: (OH, GA) 20110707.2058
 情報源 MMWR Morb Mortal Weekly Rep 2011; 60: 890、2011年7月7日
the Centers for Disease Control and Prevention (CDC) は、2011年1月と4月、2社が製造したポテトスープの摂取に伴う、ボツリヌス食中毒 toxin type A botulism の患者2名の治療のための抗毒素 antitoxin を提供した。1月28日、29才のオハイオ Ohio 州の住民1名が、5日間続いた進行性のめまい、視力障害、嚥下障害、呼吸困難のため入院となった。患者は人工呼吸器を必要とし、抗毒素が使用された。男性は、12月7日に地元の食料品店の冷凍コーナーにあったスープを購入したが、42日間冷凍しないまま保管し、1月28日に膨張したプラスチック容器内のこのポテトスープを食べようとして、味がおかしかったため、残りを廃棄していた。男性は57日間入院し、リハビリ施設に転院した。4月8日、ジョージア Georgia 州の41才の男性1名が、4日間続く進行性のめまいと嚥下障害のため入院となった。呼吸障害を併発し、botulism antitoxin による治療が行われた。3月16日に "keep refrigerated" と書かれたプラスティック容器入りのスープを購入したが、18日間冷凍せずに保管し、4月3日に食べようとして、酸っぱい味がしたため、残りを廃棄していた。16日間の入院後、リハビリ施設に転院した

● 原因不明の死亡 フィリピン
PRO/EDR> Undiagnosed disease, fatal - Philippines (02): (ZN) 20110707.2053
 情報源 Inquirer News、2011年7月5日
Mystery disease afflicts Zamboanga del Norte village
Western Mindanao 保健当局者は、4月下旬以降、漁村である Sibuco(Zamboanga del Norte)において、少なくとも4人が死亡し、2ダース以上の発病者が発生した原因について、手がかりがつかめないままでいる。
Western Mindanao 保健局長は、患者などからの検体をマニラに送付し検査を行っていると述べた。Mantebo village の住民16人が入院となった病院 the Zamboanga City Medical Center の院長は、患者らには、発熱、軽度の下半身のまひなど、同一の症状が認められたと話している。死亡した患者らは、入院後短時間で死亡した ... 
当初は、some kind of marine toxin が疑われていたが、重金属中毒や Guillain-Barre syndrome の症状とも考えられている ... Mantebo は Sibuco の辺鄙な村で、道路が使えないため、中心地からは船で行かなければならない。
[Mod.TG- 前回の投稿で cassava root ではないかと述べたが、発熱や咳の原因となるのかは分からない。Lathyrus poisoning の可能性も想起されるが、やはり咳や発熱があるかについては分からない]
関連項目
Undiagnosed disease, fatal - Philippines: (ZN) 20110703.2021

● 狂犬病 インド
PRO/AH/EDR> Rabies - India (13): (TN Tamil Nadu) canine, human
Archive Number: 20110707.2059
 情報源 The Times of India, Chennai、2011年7月7日
the Government General Hospital で、この6か月間に少なくとも20人が狂犬病 Rabies で死亡した。6月、3人がこのウイルスに感染して死亡した

● ムンプス カナダ
PRO/EDR> Mumps - Canada (03): (BC) 20110707.2057
20110622.1912 に関して
 投稿者 加・Vancouver Coastal Health Authority、Paul Martiquet MD、2011年7月7日

● 日本脳炎 インド
PRO/EDR> Japanese encephalitis & other - India: (UP) 20110707.2055
 情報源 Indian Express、2011年7月7日。
Uttar Pradesh 州内の、日本脳炎 Japanese encephalitis [JE] の発生が多い7地区における患者数は、広範囲に行われている予防接種活動にも関わらず、モンスーンの到来に伴って急増している。5日の時点で州内では、2010年に比べ、79例多い脳炎感染と10例多い死亡が報告され、2011年の患者数は450例死者は77例に達している。JE についても同様であり、現時点で感染例20例と死亡例3例が確認されている。
最も感染が深刻であるのは、Gorakhpur with 111 cases and 21 deaths of AES で、次いで Deoria (109 cases and 15 deaths), and Kushinagar (103 cases and 22 deaths) の順となっている。JE については、 these 3 districts のほか、Basti, Siddharthanagar, Sant Kabir Nagar, and Maharajganj からも報告されている

● レプトスピラ症 フランス
PRO/AH/EDR> Leptospirosis - France: (SV) swimmers 20110707.2054
 情報源 Lyon Capitale (in French]、2011年7月5日
5日、当局 the Regional Health Agency (ARS) は、the Rhone-Alpes region の各湖に、ネズミなどの動物によって媒介される細菌のレプトスピラ菌 [_Leptospira_ spp.] が存在するので注意するよう呼びかけた。
1日、the Lake St-Jean-de-la-Porte (Savoie) で遊泳者の中で、レプトスピラ症 leptospirosis の確定患者1名と可能性例2例の発生の報告を受けた。現在、この湖での遊泳は禁止されている。Chambery の病院に搬送され、2名は抗生物質の治療により帰宅した。3例目の患者は現在も入院中であるが、心配な状態ではない、と説明されている。
関連項目 20110121.0246

● 大腸菌 O104 欧州
PRO/AH/EDR> E. coli O104 - EU (30): update, fenugreek susp 20110707.2052
[1] ECDC Update since 5 Jul 2011
 情報源 European Centre for Disease Control (ECDC)、2011年7月6日
[2] Fenugreek seed tracing
Tracing seeds, in particular fenugreek (_Trigonella foenum-graecum_) seeds, in relation to the Shiga toxin producing _E. coli_ (STEC) O104:H4 2011 Outbreaks in Germany and France
 情報源 European Food Safety Authority (EFSA)、2011年7月5日
[3] エジプト: _E. coli_ O104:H4, 2010
20110705.2038 について。
 投稿者 スウェーデン・National Veterinary Institute、Ann Lindberg、2011年7月6日
ECDC and EFSA の共同コメントによると、フィンランドが、2010年にエジプトを旅行した高齢男性1名の、渡航関連の E. coli_ O104:H4, stx2 positive and eae negative 感染例を報告している。
[4] Egyptian seed/bean alert:Reuters Africa 、2011年7月5日。
[5] Fenugreek seed search:The New York Times、2011年7月5日

● 炭疽 カザフスタン
PRO/AH/EDR> Anthrax, human, bovine - Kazakhstan (02): (SK) conf 20110707.2049
 情報源 News portal, Kazakhstan Today [in Russian]、2011年6月28日
South Kazakhstan oblast で、新たに1件の炭疽 Anthrax 感染流行の発生が確認された。6月27日現在、地域内で2件の皮膚炭疽感染が確認されている。前回のケースに関係した1頭のウシの検体についても、検査により炭疽菌陽性であることが確認されている。新たな流行が確認されたのは、皮膚炭疽が疑われる3人が入院となった、6月20日のことである

● 旋回病、サケ科 米国
PRO/AH> Whirling disease, salmonids - USA (02): (UT) trout 20110707.2051
 情報源 The Salt Lake Tribune、2011年7月5日
Whirling disease hits Currant Creek; Strawberry Reservoir next?
ユタ Utah 州で近年、whirling disease に関するニュースは多くない。2010年秋、Kokanee salmon at Flaming Gorge から the whirling disease parasite が発見され、現在別の水系で確認されている。当局は Currant Creek のマスで確認されたと述べた

● ダイズの病気,立枯病と突然死 米国
PRO/PL> Damping off & sudden death, soybean - USA: (KS,MI) 20110707.2050
[1] Damping off - Kansas
 情報源 AgFax、2011年6月28日
2011年春、カンザス Kansas 州東部及び中部一帯のダイズに、_Pythium_ damping off disease が広がっている。cool, wet soils に芽吹いたダイズで、最も感染が活発となる。
[2] Sudden death syndrome - Michigan
 情報源 Michigan State University Extension News、2011年7月1日
Sudden death syndrome (SDS) は、真菌によるダイズの病気で、以前より、植え付けの時期に、長期間の wet and cold conditions が続いた後に発生すると考えられてきた。しかし、southwest Michigan の生産性の高い潅漑農地の一部では、植え付け時の土壌の状態に関わりなく、SDS の深刻な感染状況が発生している。このような感染発生には、線虫 Soybean cyst nematode (SCN) populations が重要な因子となっていると考えられている [Mod.DHA- A number of species of _Pythium_ fungi can cause pre- and post-emergence damping off of soybeans during cold and wet weather in spring. ... Sudden death syndrome of soybean (SDS) was first discovered in the USA (Arkansas) in 1972 and has now become widespread in soybean growing regions in the United States, Argentina, and Brazil.]