2011年8月15日

マラリア-ナイジェリア
セレウス菌,炭疽様感染 米国

● インフルエンザ-オーストラリア
PRO/EDR> Influenza (46): Australia (QL)
Archive Number: 20110815.2472
 情報源 The Bulletin、2011年8月15日。
検査室で確認されるインフルエンザ Influenza 感染患者数が、2011年はおよそ7倍に増加した。クイーンズランド州の当局者 Queensland Health spokeswoman が、Central Queensland and Central West districts におけるインフルエンザ患者数が8日までに306例 に達したことを明らかにした。2010年同期には45例だった。laboratory-confirmed cases. に限った数字であり、2009年の the pandemic を含め、過去5年間の平均は 161 flu cases だった。The Central Queensland News が3日に伝えたところによると、インフルエンザと診断された従業員が休んだ場合にペナルティを与える雇用者がいた。医師は、最も多くインフルエンザに感染しているのは15歳から35歳までの患者で、非常に重症化し入院が必要な患者も一部にいる、と述べた。 " ... 雇用者にとって最もよい方法は、インフルエンザシーズンまでにすべての従業員にワクチンを接種すること"と述べた。2011年の224人の確定患者のうち、 どの程度が swine flu の患者であるかは、当局も把握していないが、the Emerald area の患者のほとんどが H1N1.の患者と考えられている。当局 the Queensland Health website の芳情によれば、感染後1-3日で発症するが、発症の1-2日前から、成人では発病の5日後まで、他者にウイルスを感染させる可能性があり、幼児ではさらに長期間となる。感染から1週間以内に回復することが多い。
[Mod.CP- 7月15日の the most recent WHO Influenza Update in Australia によれば、インフルエンザ様疾患 influenza-like illness (ILI) による受診者数と確定診断例が増えていることから、南半球のインフルエンザシーズンが開始したと見られ、全豪で最も多く確認されているウイルスは、 influenza A(H1N1)2009 であるが、すべての地域で均一という状況ではない、と書かれている。今回の報告から、 Queensland の感染状況は特に深刻であり、the predominant virus は the influenza A/(H1N1) 2009 strain.と考えられることが分かった]

● マラリア-ナイジェリア
PRO/EDR> Malaria - Nigeria: (GO) 20110815.2471
 情報源 Champion Newspapers、2011年8月14日。
Gombe state ではこの 2.5年間に、700人以上がマラリア Malaria 感染により死亡していることが、the World Bank Assisted Malaria Control Booster Project の研究者らによって明らかになった。2009年から2011年5月までの the 11 Local Government Areas of the State における感染者数が約17万人に上っているが、 死者のうちの100人以上が、2011年の2月から5月までの間に発生したものであると指摘している
[Mod.EP- 東部 Gombe State の人口は約 235万3 000 inhabitants (2006) で、2月から5月かけて 17万0 000 cases が発生したとすると、ざっと計算して人口千人あたりの年間のマラリア患者発生率が 200 となる。以前の2件の研究においてそれぞれ妊娠女性の 8% 及び 9.4% が顕微鏡検査でマラリア陽性 malaria microscopy positive であったと報告されている (Comparison of the OptiMAL rapid test and microscopy for detection of malaria in pregnant women in Nigeria. Trop Med Int Health. 2005; 10(1): 39-41、Nutritional factors associated with anaemia in pregnant women in northern Nigeria. J Health Popul Nutr. 2007; 25(1): 75-81)。 もしこれが一般人口の感染率を代表しているとすれば、感染陽性率はさらに増えたことになる]
参考項目 2009
Malaria - Nigeria, insecticide resistance 20091210.4210

● セレウス菌,炭疽様感染 米国
PRO/AH> Bacillus cereus, anthrax-like infection - USA: (TX) publication
Archive Number: 20110815.2470
 情報源 Archives of Pathology & Laboratory Medicine、2011年8月15日。
原著タイトル Rapidly progressive, fatal, inhalation anthrax-like infection in a human: case report, pathogen genome sequencing, pathology, and coordinated response Arch Pathol Lab Med. 2011.
Abstract
(経過) 2001年、炭疽菌芽胞 _Bacillus anthracis_ spores によるバイオテロが社会の関心を集め、この病原菌に関する新たな研究が触発され、故意の病原体の散布 illegitimate release が注目されるようになった。ヒトおよびヒト以外の霊長類において、炭疽菌 _B. anthracis_ に近い各種のセレウス菌 strains of _Bacillus cereus_ による、まれではあるが、劇症で時に致死性の肺炎について、散発例が報告されていた。
(目的) テキサス Texas 州農村部のおいて発生した、急速に進行し死に至った炭疽様肺炎患者1名の、起源不明の a _Bacillus_ species 感染による、劇症感染症 the overwhelming infection の解明。
(方法) 次世代塩基配列解析装置を用いて、死亡前の培養検体からの採取後数日以内の分離菌の遺伝子の特徴を明らかにし、virulence proteins of _B. anthracis_ and _B. cereus_.に対する抗体を用いた、剖検時採取組織に対する免疫組織化学検査を行った。
(結果) 感染の原因菌は、これまでに知られていないセレウス菌株で、炭疽菌に非常に類似しているものの、遺伝学的には識別可能であった。 anthrax toxin およびその他の既知の毒素 virulence factors をコードする遺伝要素の、 pXO1 と同じ similar プラスミドを有していた。免疫組織化学的検査では、感染組織内に複数の炭疽菌毒性同族たんぱく質 homologs of _B. anthracis_ virulence proteins が確認され、死亡の原因となったと考えられた。
(結語) ...

● ハンタウイルス-チリ、パラグアイ
PRO/AH/EDR> Hantavirus update 2011 - Americas (35): Chile, Paraguay 20110815.2469
[1] チリ Chile
 - (Bio-Bio):Publimetro [in Spanish]、2011年8月12日。
チリ保健省は、8人のハンタウイルス Hantavirus 感染が確認された the Bio-Bio region に対し、健康に関する注意喚起を行うことを決定した。ウイルスを伝播するネズミ long tailed [pygmy rice] rats [_Oligoryzomys longicaudatus_] の爆発的な増加が、この心肺症候群発生の要因となっている。Los Lagos and Aysen を含め、3つの地域で問題化していることとなった ...
[Mod.TY- おそらく、Andes virus によると考えられる]
 - (Hualqui, Bio-Bio):Radio Bio-Bio [in Spanish]、2011年8月7日。
Hualqui [Concepcion province, Bio-Bio region] において、ハンタウイルス感染により2人が死亡したが、感染源は分かっていない。43歳の男性が呼吸器の症状で23日前に死亡し、夫人は地元の道路工事に従事していた時に感染したと考えている。彼女の33歳の義弟も、ハンタウイルス感染により5日死亡した。このほか3人が Penco [Concepcion province, Bio-Bio region].でウイルス感染により入院となった。
 - (Cochamo, Los Lagos):El Repuertero [in Spanish]、2011年8月12日。
the Los Lagos region において、ハンタウイルス感染による2人目の犠牲者が出た。剖検の結果は未到であるが、the Cochamo community [Llanquihue province, Los Lagos region] 在住の心肺停止の患者1名の死亡が確認されている。
 - (全国):Terra [in Spanish, trans.]、2011年8月12日。
公衆衛生副大臣は、全国で39例のハンタウイルス感染が確認されていることを明らかにした。予想を上回る数字であったため、保健省に対し、最も感染リスクの高い Maule から Aysen までの地域の対策強化を求めている。2010年の全国の発生数は61例で、2011年も同様の発生状況となることが懸念されている。
[2] パラグアイ Paraguay
 - (Boqueron):ABC Digital [in Spanish]、2011年8月6日。
1月20日から8月3日までの期間中に、11人のハンタウイルス感染が確定診断された。このうち6人が死亡し、致死率は55%に達している。Boqueron department内の各地で発生しているものの、最も多く発生したのは Chaco Central [region] 及び周辺地域だった。1か所からの複数の患者の発生は報告されていない。医師によると、患者らは、ピーナッツや sorghum に関係することが多く、"大規模な森林伐採がマウス mice (_Calomys laucha_) の分散につながっている."ためと見られている。
[Mod.TY- 20110721.2196 では、2008年に the Boqueron department においてハンタウイルス感染が流行し、約30人の患者と4人の死者が発生したが、当局は the Chaco region の森林伐採、相次ぐ山火事、道路整備によるネズミの都市化などの、環境問題が流行の要因とされている。パラグアイの Health Surveillance director によれば,central Chaco areas に数多く見られる a rural rodent の_Calomys laucha_ が Laguna Negra hantavirus を伝播する。しかしそのほかにもパラグアイで HPS の原因となるハンタウイルスとして Bermejo (_Oligoryzomys chacoensis_), Lechiguanas (_Oligoryzomys flavescens_), Central Plata (_Oligoryzomys flavescens_), Anajatuba (possible HPS; _Oligoryzomys fornesi_), Oran (__Oligoryzomys longicaudatus_), and Juquitiba (__Oligoryzomys nigripes_) があるとの情報が寄せられている]
写真 _Calomys laucha_ 
 - (Itapua): Iguazu Noticias [in Spanish]、2011年8月7日。
the Itapua department ではじめて確認されたハンタウイルス感染の患者は、the General Delgado locality の28歳の住民だった。the Instituto de Prevision Social [Institute of Social Welfare].の集中治療室での治療後、現在は the Encarnacion Regional Hospital に移され、状態は安定している。[上記記事の]the Chaco の患者との関連性は否定されている