2011年9月2日-3日

インフルエンザ ブタ由来 H3N2 再集合。CDC
ポリオ-中国、ケニア WHO
鳥インフルエンザ、ヒト (58) : H5N1 2.3.2.1 clade, WHO

● マラリア-インド,ギリシャ ECDC
インド
PRO/EDR> Malaria - India (16): (HR)
Archive Number: 20110903.2693
Malaria cases in Yamunanagar district
 情報源 Tribune India、2011年9月2日。
Yamunanagar district ではこの1か月間に各病院で約2900人のマラリア Malaria 患者が保健当局により確認されている。またコレラ治療を受ける患者も多数発生していると見られてい る。the Khijrabad belt in Pipli Majra, Bahadurpur, and Bambepur.で2日までにおよそ1450人のマラリア感染が確認されており、ほか、Naharpur と Sadhaura, で各300人、Bilaspur で125人、その他 Radaur and Mustafabad. などの地域で約 725人が記録された。洪水による浸水などが起きているため、蚊族が大量に発生した。隣接する UP [Uttar Pradesh] 州との州境に近く、完治しないまま州間を移動する住民が多い。

ギリシャ
PRO/EDR> Malaria, P. vivax - Greece (03): autochthonous 20110903.2692
_Plasmodium vivax_ malaria in a Romanian traveler returning from Greece, Aug 2011
 情報源 Eurosurveillance 2011;16(35): 1 Sep 2011、2011年9月2日。
2011年8月、ギリシャへの旅行から帰国したルーマニア人旅行者1名が、三日熱マラリア _Plasmodium vivax_ malaria infection による患者であると診断された。今回の症例と、この10年間にギリシャ国内で自所内感染例が報告されていることを考慮すれば、ギリシャから帰国し発病した旅行者ではマラリアの鑑別にも注意すべきと考えられる。旅行者が新興ベクター媒介性疾患の前兆 sentinels となることもある。マラリアは1975年以降欧州の複数の国々で排除されたと考えられているが、ハマダラカ _Anopheles_ spp. mosquito vectors は依然として欧州南部から中央部に分布する。マラリア清浄化を宣言した国々の中で、過去10年間に地域住民の少数の自所内マラリア感染例を報告した国がある(ブルガリア、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、スペイン)。この中にはいわゆる airport malaria も含まれているものの、いずれも特定地域における域内感染伝播の継続が確かめられているものはない。今回 a case of malaria in a Romanian traveller returning from Greece について報告する ... 以下、症例報告、ギリシャの疫学状況、ルーマニアの疫学状況、議論及び結語。

● ハンタウイルス感染症-パラグアイ、ペルー
PRO/AH/EDR> Hantavirus update 2011 - Americas (39): Paraguay, Peru 20110903.2691
[1] パラグアイ(西部)
 情報源 ABC Digital [in Spanish]、2011年8月29日。
公衆衛生省は 25日、地方当局からの報告として国内で9例のハンタウイルス Hantavirus 感染による死亡があったことを明らかにした。いずれも西部での発生である。現在合計21 例のハンタウイルス感染が確定診断されている。Presidente Hayes department [state or province equivalent] の 6 cases のほか、13 in Bloqueron [department] と非常在地域である Itapua の別の1例が報告されている。致死率は 43% となっている。死者はいずれも the Chaco axis of Presidente Hayes (3[deaths]) y Boqueron (6) で発生した ... 症状、対処法など。
[Mod.TY-  20110721.2196 ではPresidente Hayes department の HPS 患者が Leguna Negra hantavirus による感染であると報告されている]
[2] ペルー (Iquitos, Loreto)
 情報源 La Republica [in Spanish]、2011年8月27日。
Iqitos で2例目のハンタウイルス感染による死者が確認された。この地域で死亡が確認された 2名の女性は全国唯一の死亡例である。"1人目は 7月初旬、2人目 は 8月12日に報告された。結果がすぐには示されなかった点が悔やまれるが、リマ Lima で行われた検査でハンタウイルス感染による死亡であることが確認された" と地域保健当局者が述べた
 、the HPAI outbreaks in 34 commercial ostrich farms があったとされている]

● インフルエンザ  ブタ由来 H3N2 再集合

PRO/AH/EDR> Influenza (51): swine-origin H3N2 reassortant, children
Archive Number: 20110902.2685
Swine-origin influenza A (H3N2) virus infection in 2 children
 情報源 MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2011; 60(early release): 1-4、2011年9月2日。
インフルエンザ A ウイルスは、ヒト、ブタ、野鳥などの多くの動物種に定着しており、散発的にヒトと動物の間で種を飛び越えた感染が生じることがある。その中には、鳥類由来 avian-origin influenza A viruses (すなわち, H5N1 and H7N7) やブタ由来 swine-origin influenza A viruses (すなわち, H1N1, H1N2, and H3N2) などがある。遺伝子解析 Genetic analysis を用いれば、毎年流行するヒトの季節性インフルエンザウイルスと、動物由来のウイルスは鑑別可能である。今回われわれは2011年8月19日と26日の,発熱のある呼吸器疾患の患者 2例からブタ由来インフルエンザ A ウイルスが検出されたので報告する。この2症例には疫学的関連性はなく、現在調査中ではあるが同ウイルスに感染した他の患者は確認されていない。このウイルスは,過去2年間にヒトでの感染 が確認された8種類の別のブタ由来インフルエンザ A (H3N2) viruses identified に類似していたが、遺伝子の8つのセグメントのうちの1つ (matrix [M] gene) が the 2009 influenza A (H1N1) virus 由来であった点が特徴的である。1998年以降に米国内のブタで感染循環する the swine-origin influenza A (H3N2) virus と、ブタからヒトに感染したとされている the 2009 influenza A (H1N1) virus の遺伝子を含んでいることから、分離された 2株の swine-origin influenza A (H3N2) viruses に the M gene が取り込まれていたことは、これらのウイルスが "再集合 reassortants " であることを示唆している。しかしながら,the 2009 influenza A (H1N1) virus と他の swine influenza A viruses の再集合についてはすでにブタにおいて報告されている。ブタとの接触が疑われるヒトのインフルエンザウイルス感染疑い患者を診察した医師は、鼻咽頭からのスワブ (ぬぐい)検体を採取して、適切なタイミングで診断し、ヒトの間での感染伝播を抑止するために抗ノイラミニダーゼ薬の使用を検討する必要がある ... 以下、症例報告、疫学 ・ 検査学的調査

● ポリオ-中国、ケニア WHO

PRO/EDR> Poliomyelitis - worldwide (12): WHO China, Kenya 20110902.2683
[1] 中国: WHO confirmation
Wild poliovirus confirmed in China 1 Sep 2011
 情報源 WHO Global Alert and Response (GAR)、2011年9月1日。
中国衛生省 The Ministry of Health in China は、7月3日から27日にかけて麻痺を発症した生後4か月から2歳までの4人の乳幼児から、野生株1型ポリオウイルスが検出されたことを WHO に報告した。4人はいずれも Hetian prefecture(新疆ウイグル自治区 Xinjiang Uygur autonomous region)の患者である。 分離されたウイルス株の遺伝子解析により、パキスタンで現在感染循環するウイルスと遺伝学的関連性を有していることが示された。1999年に報告された 中国で最後の WPV 症例は、インドから輸入されたウイルスによるものだった。中国で最後の国内感染によるポリオウイルス感染患者は1994年に発生している。医師や検査技師などが発生地域に派遣され対策に当たっている ... 衛生省はまず9月初旬に、発生の中心となった地域 the key affected outbreak area の 15歳未満と新疆自治区内の他の地域の5歳未満の乳幼児380万人を対象とした、初期対応のワクチン接種キャンペーンを計画している。
[2] 世界各国: 2011年8月31日現在
 情報源 Global Polio Eradication Initiative 、2011年8月31日。
 -ケニア西部 Nyanza province の a case of WPV1 症例の遺伝子解析が続けられている。このため "事前通知症例 advance notice case" とされていて正式な報告は行われていないが、the Horn of Africa の地域でのポリオ排除に対して重要な意味を持つ。the greater Horn of Africa において確認されている最も新しい WPV の患者は、ウガンダから報告された2010年11月15日に麻痺を発症した症例である。このときは2009年のケニア北部の the Turkana region でのアウトブレイクに引き続いて発生している
以下、アフガニスタン (前週、新たに5例)、インド (2011年は1例のみ)、ナイジェリア (前週1例、2011年合計26例 (19 WPV1, 7 WPV3))、パキスタン (前週5例、すべて WPV1、2011年合計77例 (76 WPV1 cases and one WPV3 case))、アンゴラ (前週なし、2011年合計4例)、チャド (前週9例、2011年合計109例 (106 WPV1, 3 WPV3))、コンゴ民主共和国 (前週なし、2011年合計75例 (all WPV1))、Horn of Africa (The total number of cases officially reported in 2011 remains zero)、西アフリカ (前週5例: コートジボワール3例、マリ1例、ニジェール1例、2011年合計46例;上記 3カ国+ブルキナファソ)

● 鳥インフルエンザ、ヒト (58) : H5N1 2.3.2.1 clade, WHO

PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (58): H5N1 2.3.2.1 clade, WHO 20110902.2682
[1] WHO 報告
Evolution of H5N1 avian influenza virus does not increase risk to public health
 情報源 WHO press statement 、2011年8月30日。
The World Health Organization は、インフルエンザウイルスの変化について詳細な監視を行っており、アジアの一部の家きんで感染循環する (H5N1 clade 2.3.2.1 と呼ばれる) 新たなH5N1 ウイルス発生の情報を得ている。得られた情報に基づけば、この H5N1 virus の発生 (進化) は公衆衛生上のリスク増加にはつながらない。インフルエンザウイルスは、特に家きんでの感染循環が常態化している地域では、常に進化していることから、(今回の変化は)unusual なことではない。The WHO Global Influenza Surveillance and Response System はヒトの健康に影響を与える可能性のある動物とヒトのインフルエンザウイルスの研究を行っている専門家グループであるが、2011年 2月に this new clade について確認していた。WHO もまた、すべての動物のインフルエンザウイルスによる公衆衛生リスクについての評価を絶えず行っている。与えられた情報によると、this newly reported H5N1 virus clade に対し、これまでのH5N1鳥インフルエンザウイルスに対する公衆衛生対策を変更する必要はない。ヒトの H5N1 ウイルス感染は依然としてまれで、散発的なイベントであり、多くの場合、家禽で常に H5N1 ウイルスが感染循環する地域で発生している。ヒトの感染例は、家禽での感染があるところであればどこでも発生し、ヒトが感染のある鳥類や、汚染された環境に曝露した時に感染が起きる。
[2] CIDRAP News report
WHO, OIE downplay importance of new H5N1 variant
 情報源 CIDRAP (Center for Infectious Disease Research & Policy) News、2011年8月31日。
The World Health Organization (WHO) and the World Organisation for Animal Health (OIE) は、another major international organisation [FAO] が今週、 a new H5N1 avian influenza variant を重大であるとした発表について、懸命にその火消しに回っている ...

● 鳥インフルエンザ (56) 変異、ワクチンの有効性、OIE、訂正
PRO/ERR> Avian influenza (56): mutation, vaccine efficacy, OIE, corr 20110903.2688
20110901.2678 について
 投稿者 Dr Annelie Cloete、2011年9月2日。
これは公式な対応 an official response ではなく、南アフリカにおける the NAI outbreak に関する事実確認のリクエスト a request である。知りうる限りでは、南アのダチョウでの the outbreak は、指摘されているような H5N1 によるものではない。解明されたい。
[Mod.AS- 上記の投稿のコメントの第 2 節で、2011年に new outbreaks of HPAI H5N1 が報告された国のリストを提示した。このリストには、South Africa (HPAI in ostriches; sentence 6) が入っているが、訂正が必要だと思われる: 南アフリカからの OIE への報告では2011年2月以降 avian influenza virus H5N2 による