2011年11月8日-11日

鳥インフルエンザ H5N1 α-2- 6 sialoside 受容体特異性 Virology 
レプトスピラ症 タイ、バンコクと農村部の菌株

● 鳥インフルエンザ H5N1
PRO/AH> Avian influenza (68): H5N1 transmissibility to ferrets 20111108.3323
 情報源 CIDRAP news、2011年11月7日
Complex steps needed for airborne H5N1 spread in ferrets
原著タイトル "In vitro evolution of H5N1 avian influenza virus toward human-type receptor specificity": Virology online 5 Nov 2011 doi:10.1016/j.virol.2011.10.006:
FORTH より。
一連の複雑な変異により、H5N1鳥インフルエンザ Avian influenza ウイルスは、飛沫感染でフェレット間で感染しうると、米国の研究者がウイルス学誌 Virology で報告した。同研究では、ヒトでの効率的な感染のためには H5N1に特異的な α-2–3 特異性に代わる α-2- 6 sialoside 受容体特異性の獲得が必須であるという前提条件で研究を続けたところ、α-2-6 結合がやや増加し、α-2-3 結合が最小限に減少した変異ウイルスを4種類特定された。そして、突然変異したこれらの亜種のひとつ(Q196R)と、α-2-6 結合(レセプター)と結合する以前のパンデミックウイルス(Q226LとG228S)とを組み合わせて変異ウイルスを作成し、この新しいウイルスがヒトのインフルエンザ感染の良いモデルとして見られているフェレットの間で伝搬を起こした。しかしながら感染拡大は、空気中の飛沫感染ではなく、直接接触により起った。チームはその後、変異ヘマグルチニン、ヒト N2ノイラミニダーゼ、およびH5N1型ウイルスの内部遺伝子を含む再集合体ウイルスを作成し、"部分的に呼吸器飛沫を介して感染する" ことを観察した。研究者は"フェレット間で空気感染するために複雑な変異が必須であることは、ヒトにおいてH5N1ウイルスが感染するには広範囲にわたる変異が必要とされることを示唆している" と結論づけた。
[Mod.CP- 原著の要約には、次のような情報が提供されている。
"alpha 2-3 specific の高病原性鳥インフルエンザウイルス (H5N1) が、alpha 2-6 sialoside receptor specificity を獲得したことは、ヒトの間で効率的に感染伝播するための必須条件 prerequisite と考えられる。alpha 2-6 sialosides 結合のための in vitro selection によって、ヘマグルチン the hemagglutinin 内のアミノ酸置換による 4 variant viruses (S227N, D187G, E190G, and Q196R) が存在することを確認した。これらは、 glycan array analysis によって、alpha 2-6 結合がやや増加し、 alpha 2-3 binding が最小限に減少した。しかし Q196R に従来のパンデミックウイルス previous pandemic viruses (Q226L and G228S) で見られた変異が加わった mutant virus では、alpha 2-6 binding が優位だった。野生株 the wild type H5N1 とは異なり、this mutant virus は実験モデルのフェレットの直接の接触によって感染伝播するが、飛沫感染は起こさなかった。ところが、この変異ヘマグルチニン、ヒトの N2 neuraminidase、 H5N1 virus の internal genes を持つ再集合ウイルス reassortant virus では、部分的に飛沫 respiratory droplets による感染伝播が認められた。 
(結論) The complex changes required for airborne transmissibility in ferrets suggest that extensive evolution is needed for H5N1 transmissibility in humans." 
これらの実験結果より、最もインフルエンザウイルスに感染しやすい哺乳類であるフェレットが、主にトリに感染する H5 亜型インフルエンザウイルス predominantly avian H5 influenza virus に、respiratory droplet infection. によって感染するようになるためには、multiple genetic changes が必要であることが示された。病鳥の家禽からの avian H5N1 virus infection への曝露が増加する中で、ヒトでの H5N1 virus infection が起こりにくいことを裏付けている。a novel H5N1 human pandemic virus の急速な新興が否定されているわけではないが、a rare event. であると考えてよいだろう]

● レプトスピラ症 タイ
PRO/AH/EDR> Leptospirosis - Thailand: flood related 20111109.3327
 情報源 The Nation、2011年11月8日
公衆衛生当局 The Public Health Ministry's Department of Medical Sciences は7日、洪水に見舞われた地域でレプトスピラ症 leptospirosis 発生の恐れがあり、製造元不明の氷や氷入り飲料 iced drinks を摂取しないよう呼びかけた。
バンコク Bangkok を含む 4 flooded provinces で採取された21 food samples で食中毒菌による汚染 food poisoning manifestations が確認され、飲料水 17 out of 57 samples から下痢の原因菌が検出されている。Khon Kaen で1人のレプトスピラ症患者が確定され、ほか 20人の感染が疑われている。バンコク Bangkok では、住民に対してゴミの分別と密封が求められている
[Mod.ML- 以前 ProMED-mail に投稿された GIDEON (Global Infectious Disease & Epidemiology Network) data では _Leptospira interrogans_ serovar bataviae predominates in Bangkok(バンコク), and serovar autumnalis in rural areas of Thailand(農村部)であることが示されていた。多くは、農業、特にコメ農家の患者で、尿中にレプトスピラ菌を排泄する慢性感染のネズミとイヌが保有動物である (19971121.2345 and 20060913.2592)。
(肥料の) EM (effective microorganism) 泥だんご mudballs は、その土地の土壌 local dirt に "Activated EM-1(R) (AEM), 糖蜜 molasses, EM(TM) Bokashi (EM から作られた発酵有機物、糖蜜、水、コメまたはふすま wheat bran), [and] EM-X(R) Ceramics Powder" を練りこんで作る 。製造元によると EM-1(R) には無害の乳酸菌、イースト、光栄養細菌 phototrophic bacteria が含まれている: "EM-1(R) には古来から安全な微生物だけが含まれている" と謳われている。製造業者によれば  EM mudballs は汚水処理 sewage treatment や水の浄化に使用されており,"汚泥 sludge and slime が堆積した河川水、湖水、海洋水などをきれいにする"とされている。汚染された洪水への曝露に際してのレプトスピラ症感染予防効果については分かっていない]

● 黄熱 ペルー
PRO/AH/EDR> Yellow fever - South America: Peru (HU) 20111111.3347
 情報源 Info Region, Peru [in Spanish]、2011年11月10日
保健当局 the Ayacucho Regional Director of Health (DIRESA) は11日、2011年初の黄熱 the 1st yellow fever (YF) 患者を確認した。the Union Mantaro community, Llochegua district in the Apurimac - Ene River valley の患者であった。出産の3日後15歳の産褥女性が死亡し、組織病理学的検査のあと、疫学専門家によって地域で初めての黄熱患者 the 1st YF case in this river valley area であることが確認された。当初、出産に関係して死亡したと見られていた。発熱、黄疸、歯肉出血の症状が見られたと当局者が説明している ... 地域内で無料のワクチン接種が開始されたことなど ... the DIRESA Epidemiology Office の報告によれば、この地域で初めての黄熱感染流行 the 1st YF outbreak in the valley が発生したのは 2006年で、その年に7人の患者が報告され、全員死亡した [20060318.0836]。
[Mod.TY- ペルーでは過去数年間にわたり the Amazon basin において、森林型黄熱感染 sylvan (jungle) yellow fever infection が散発している]

● リーシュマニア症 南スーダン
PRO/AH/EDR> Leishmaniasis, visceral - South Sudan (JO, UN) 20111111.3346
 情報源 NaTHNaC 、2011年11月10日
Visceral leishmaniasis in the Republic of South Sudan
2009年9月、現在は新たに南スーダン共和国に組み込まれた the states of Upper Nile and Jonglei において、内臓リーシュマニア症の流行 outbreak of visceral leishmaniasis が報告されて以来、流行が継続して患者数が増加し、the states of Eastern Equatoria and Unity にも感染が拡大した。
10月28日の時点で、流行開始以降1万8千人以上の患者と720人の死亡が報告されている。2011年に報告された患者数は合計7827人で2010年の患者数を超えた。The World Health Organization (WHO) はインフラの問題などで報告されていないさらに多くの死者がいるものと見ている。スーダン北部からの多数の帰国者の、南スーダン共和国の流行地域への移住も、事態を複雑化している。治安、低栄養、貧しい住環境、蚊帳の不足、環境の変化などの問題により、状況がより深刻となっている。12月の感染伝播のピーク時に、数千人以上が感染リスクに曝される事が懸念されている。WHO は各種の支援を行っている。
 ○ 内臓リーシュマニア症は、原虫の parasitic protozoa of the genus Leishmania の感染が原因となる。この原虫 The parasite は、感染性のサシチョウバエ sandflies の刺咬により伝播される。感染が進行すると、次のような症状が認められるようになる: 発熱、体重減少、肝・脾腫、治療が行われない場合は貧血。内臓リーシュマニア症の致死率は95%に上る。
 ○ 渡航者へのアドバイス 南スーダンへの帰国移住者は、特に明け方と夕方の蚊族刺咬対策を順守することが勧められる。サシチョウバエは、標準サイズの蚊帳の目を通り抜けられるほど小さいが、通常は、permethrin 処理された蚊帳には効果がある。leishmaniasis に対するワクチンはない。
[Mod.EP- leishmaniasis の常在地域である。主な保有動物はイヌで、主要ベクター the main vectors は _Phlebotomus papatasi_ と _P. orientalis_ である (Visceral leishmaniasis in eastern Sudan: parasite identification in humans and dogs; host-parasite relationships. Microbes Infect. 2003;5:1103-8)。Leishmaniasis は慢性の感染症で、治療されない場合は高死亡率となる。低栄養状態が発症に大きく寄与する。 Leishmaniasis は HIV related disease の1つでもあるが、South Sudan のHIV 感染率は低い (Prioritizing Maternal and Child Health in Independent South Sudan. Matern Child Health J. 2011 Sep 30. [Epub ahead of print])]

● サルモネラ感染症 米国(3件)
PRO/AH/EDR> Salmonellosis, st Heidelberg - USA (05): chicken liver, more cases 20111110.3333
 情報源 CIDRAP (Center for Infectious Disease Research & Policy) News、2011年11月9日
5つの州の 169人のサルモネラ菌感染 _Salmonella_ Heidelberg infections につながったとされる、直火焼き鶏レバー製品 broiled chicken liver products について、ニューヨークの業者により回収が行われていることが米国・農務省 the US Department of Agriculture (USDA) などから明らかにされた。 対象は broiled chicken livers produced by Schreiber Processing Corp., (本社Maspeth, NY)である ... The New York City Department of Health and Mental Hygiene (NYCDHMH) は9日、市内で the company's MealMart brand kosher broiled chicken livers に関係して発生した56 _S._ Heidelberg infections を確認した。さらに NY 市外でも 33例の患者が確認されている

PRO/AH/EDR> Salmonellosis, st Heidelberg - USA (04): chicken liver, recall
Archive Number: 20111109.3329
[1] USDA Food Safety and Inspection Service
 情報源 USDA Food Safety and Inspection Service 、2011年11月8日
Schreiber Processing Corporation(Maspeth, New York establishment)社は、New Jersey and New York 両州のサルモネラ感染症流行に関係する鶏レバー broiled chicken liver products の回収を始めたことが、8日当局 Agriculture's Food Safety and Inspection Service (FSIS) から発表された。流通量は把握されていない ... 当局により、同社製の broiled chicken livers のサンプルと、小売店で同製品から切り出された chopped chicken livers から、流行の原因菌 The outbreak strain of _Salmonella [_enterica_ serotype] Heidelberg が検出された。再包装され、元の製品の情報が分からなくなっている可能性もある
[2] New York City Department of Health and Mental Hygiene
NYC Health Department Warns MealMart Kosher Broiled Chicken Livers can cause illness from _Salmonella_ bacteria
 情報源 The New York City Department of Health and Mental Hygiene、2011年11月9日
the Schreiber Processing Corporation 社製の鶏レバー MealMart brand kosher broiled chicken livers を調理せずに摂取したことにより、 New York City でサルモネラ菌 _Salmonella [_enterica_ serotype] Heidelberg に感染した患者数が 56例に上ることが、保健当局により確認されている。"broiled" と表示され調理済み製品のように見えるが、製造過程で十分な加熱処理が行われていないため、内部温度が75度になるまで加熱してから食べる必要がある。サルモネラ感染症はこの製品から切り出されたchopped liver でも起きている。患者は  New Jersey, Pennsylvania, Maryland, and Minnesota でも確認されている 

PRO/AH/EDR> Salmonellosis, st Heidelberg - USA (06): chicken liver 20111111.3345
 情報源 CDC, _Salmonella_ Homepage、2011年11月10日

● 病原性大腸菌 VTEC 米国,O157(2件)
PRO/AH/EDR> E. coli VTEC - USA (12): (MO), O157 20111111.3344
 情報源 KMOV、2011年11月9日
the St. Louis County Health Department の当局者によると、10月に the Northwest School District in Jefferson County 4人の学生 students の大腸菌 _E. coli_ 感染が確認されたことが、9日分かった。このうち1人が発病し透析を受けた。教職員らの感染も通報されたが感染の原因は不明である。この後、31 cases in the St. Louis region が確認され、うち6人が Jefferson County の患者であったが、the St. Louis County outbreak との関連は確認されていない。感染者のうちの2/3が Schnucks' salad bars での飲食を申告しているが、Schnucks は source of the outbreak として特定されていない。

PRO/AH/EDR> E. coli VTEC - USA (11): (NC) O157, livestock building 20111110.3334
 情報源 Charlotte (NC) Observer 、2011年11月10日
品評会場 the state fair で大腸菌 E. coli に感染した Charlotte-area の少年1名がまもなく退院となる。当局は、27人が感染した流行 the outbreak が展示会場内に一時的に設営され、ヒツジ、ヤギ、ブタなどの収容と品評の場とされていた the Kelley Building から感染が広がったものであると断定した

● 炭疽 ルーマニア
PRO/AH/EDR> Anthrax, human, bovine - Romania (02): (TL) conf. 
Archive Number: 20111110.3336
 情報源 Eurosurveillance、2011年11月10日
ルーマニア国内で確認された2例の炭疽菌 _Bacillus anthracis 感染
原著 Two cases of infection with _Bacillus anthracis_, Romania, October 2011. Eurosurveillance, Volume 16, Issue 45, 10 Nov 2011
要約
2011年10月、ルーマニア南東部の人口3400人の小さな町で、2例の炭疽 Anthrax 感染が確認された。1人は皮膚炭疽と炭疽菌性髄膜脳炎を発症し死亡したが、もう1人は皮膚炭疽の患者だった。いずれの患者も、炭疽菌感染のウシ1頭と、その処分や肉の摂取による接触があった ... 以下、症例報告、背景情報、検査結果、疫学的調査(2011年4月にウシへのワクチンが接種されていたが、牛肉から炭疽菌が確認された)、結語

● A 型肝炎 メキシコ
PRO/EDR> Hepatitis A - Mexico (03): (GJ) 20111110.3332
 情報源 Periodico a.m. [in Spanish]、2011年11月9日
Hepatitis on the rise in San Miguel de Allende
Guanajuato 北東部の各市で、A 型肝炎ウイルス hepatitis A virus に感染する患者が増加していることを受け、保健当局者が注意を促している。最も感染が深刻な地域は、数ヶ月間に393例の患者が報告された San Miguel de Allende である。政府当局からの発表によると、感染の原因は、住民の non-potable water (貯水槽以外の水) の使用と、調理する環境の状態が不衛生であること、とされている
[Mod.CP- 感染拡大の範囲から考えると、個人の衛生遵守の問題ではなく、上水道の汚染が示唆される]

● 肺線維症 韓国
PRO/EDR> Pulmonary fibrosis - South Korea (04): (Seoul) RFI 20111110.3331
[1] 加湿器に添加された消毒剤
 情報源 The Liberty Times [edited] [in Korean]、2011年11月6日
韓国保健当局 South Korean Health and Welfare Ministry Disease Control Division は4日、加湿器に添加された消毒剤 sterilizing agents により、肺の病気の集団発生があったことから、加湿器にこの種類の消毒薬を混ぜて使用しないよう呼びかけている。[The Korea Centers for Disease Control and Prevention -- KCDC] は、加湿器に使用された消毒薬が、多数の肺障害患者と深く関係していると見て、マウス(ラット?)を用いてこの消毒薬を吸入させる実験を行ったところ、剖検所見で、ヒトで認められたものと同じ肺線維症が確認された ... 2011年4月に原因不明の a cluster of lung disease が発生し、パニックが起きている。当局が8月に、antiseptics or cleaners for humidifiers が、肺病変に関係した可能性があると発表していた
[2] Steriliser blamed for mysterious South Korean deaths
 情報源 Google, Agence France-Presse (AFP) report、2011年11月1日
家庭用加湿器用のsterilising agent が、4人の妊娠女性の原因不明の死亡の原因であった可能性があることが1日、韓国政府保健当局から発表された
[Mod.TG- An antiseptic, or disinfectant for humidifiers in this case は何らかの化学物質であろう。[2] の記事の中でシャンプーや化粧品にも使われていると書かれている。使用頻度が多いのはドデシル硫酸ナトリウム sodium dodecyl sulfate (SDS or NaDS), sodium laurilsulfate, もしくはラウリル硫酸ナトリウム sodium lauryl sulfate (SLS) のいずれかである。石鹸などの泡立て成分や、エンジンクリーナーなどの油性洗浄剤 degreaser の成分として用いられることが多い。日用品の中で、ココナツやヤシのオイル、その他と混ぜられることもある。SLS は有効な殺菌剤 microbicide としてもよく使われおり、HIV を含めた多くのウイルスに効果があると考えられている。しかし、これらの物質が加湿器に使われていると言っているのではない。the mystery substance in the cleaner, or antiseptic used in these humidifiers は何か、情報の提供を依頼する]

● 野兎病 オーストラリア
PRO/AH> Tularemia, human, possum - Australia (02): (TS), RFI
Archive Number: 20111108.3324
 投稿者 英・University Hospitals Bristol NHS、Dr. Robert Spencer、2011年11月8日
タスマニア Tasmania での野兎病 Tularemia 発生は本当だろうか?病原体の遺伝子解析が行われたのか?というのも、われわれは野兎病と思われる HIV 陽性症例の病原菌が _F. philomiragia_ であることが判明した例を経験したからである。
[Mod.LL- The species of _Francisella_ _philomiragia_ は,米国 Utah, USA の弱ったマスクラット muskrat と水から検出された当初,_Yersinia philomiragia_ と呼ばれていた。発見された地域で壮大な蜃気楼 spectacular mirages が見られることに因み、ギリシャ語の philo (loving) と mirage の複数形のラテン英語 the Latinized English の合成語から、こう呼ばれるようになった。ヒトの疾患との関連性が認められ、1989年に _F. philomiragia_ と改名された。血液(n=8) のほか、髄液、肺、胸水、心のう液、腹水などから、16年間で14件のヒトからの分離株 human isolates of _F. philomiragia_ が報告されている。これらの分離菌は invasive であり、オーストラリアの症例のような noninvasive tularemia での ulceroglandular or glandular presentation には関係していなかった。_F. philomiragia_ であることを証明する最善の方法は、the organism's 16S ribosomal RNA を解析することである。しかし分離菌の生育が順調であれば _F. philomiragia_ が示唆される (_F. tularensis_ is a fastidious, slow grower) 。the illnesses of the 2 Australian patients の特徴が The ulceroglandular nature であり、_F. philomiragia_ はより侵襲性が高いことを考えれば the isolate は野兎病菌 _F. tularensis_ である可能性が高いと考えられる]
関連項目
Tularemia, human, possum - Australia: (TS), RFI 20111105.3299

● 脳炎など インド,ネパール
PRO/EDR> Japanese encephalitis & other - India (34): (UP, BI) Nepal 20111109.3328
 情報源 NetIndia23 、2011年11月8日
大学病院 BRD Medical colleges, Gorakhpur において、新たに 5人の小児らが日本脳炎 Japanese encephalitis (JE) で死亡し、2011年にウッタルプラデシ Uttar Pradesh 州東部の死者が551人となった。 Deoria district の2人と  Maharajaganj, Gorakhour, and neighbouring state of Bihar からの各1人らで、1月1日以降の入院患者 3395 patients のうちの551人死亡している ... Gorakhpur medical college には、隣国ネパールからの7人と Bihar 州からの369人も入院した。脳炎による死者は 67 from Bihar and 2 from Nepal となっている。

● 炭疽 ウガンダ
PRO/AH/EDR> Anthrax, human, bovine - Uganda (02): (Western) 20111108.3322
Ankole cattle corridor faces anthrax outbreak
 情報源 Daily Monitor (Uganda) 、2011年11月8日
[NB: Some African news websites have a reputation for being virus prone so care is recommended when viewing them.]
Sheema District で2人の患者が報告されており、同地域は全ての動物に対する検疫体制下にある。The Ankole cattle corridor は Sheema District で先週2人が死亡した炭疽 Anthrax 感染流行 anthrax outbreak に見舞われている。ほか5名の重症入院患者が Kabwohe Health Centre IV にいる。Kyantamba Mixed Farm in Kashaari ではウシ1頭の死亡原因が調査されている

● デング熱/デング出血熱
[1] パキスタン Pakistan
 - (Lahore, Punjab province). 2 Nov 2011. 2011/Dengue-targets-women-again-kills-3-more 1日、different hospitals in the City で女性3人が死亡、死者330人に。
 - (全国). 6 Nov 2011. 4日現在の合計死者数 337. 118 new cases of dengue fever in Punjab's provincial capital of Lahore, the most affected area.
[2] インド India
 - (全国). 2 Oct 2011. Ministry of Health and Family Welfare, National Vector Borne Disease Control Programme, official figures released 2 Nov 2011 covering the period to October 2011.
州 / 患者数 (change since last month) / 死者数 (change since last month) ... 
Total 10 035 (+3937) / 85 (+35)
 - (Churachandpur district ., Manipur state). 5 Nov 2011. 12 cases of suspected dengue fever, with a single case of fatality
 - (Gurgaon, Haryana state). 5 Nov 2011. 4日、24 fresh cases of dengue from the city. So far, Gurgaon has registered 9 dengue deaths this year [2011
 - (Delhi). 4 Nov 2011. in the city, a total of 837 people have been affected
 - (Chennai, Tamil Nadu state). 4 Nov 2011. the rainy season, In a week we test 20 to 25 positive cases of dengue fever
 - (Jaipur, Rajasthan state). 4 Nov 2011. In Jaipur. From January-October [2011], 140 dengue cases; compared to 254 last year [2010].
 - (Mumbai, Maharashtra state). 4 Nov 2011. "The number of dengue cases is unusually high. Between 24 and 31 Oct [2011], we have reported 34 positive cases of dengue ... ."
[3] マレーシア Malaysia (Sibu Division, Sarawak, east Malaysia). 2 Nov 2011 9ヶ月間の地区内で total of 63 dengue cases 2010年は, 948 cases
[4] 太平洋
 - Yap, Palau,, and Marshall Islands. 4 Nov 2011. Yap state, in the Federated States of Micronesia, 137 suspected cases of dengue since September 2011, Palau also having cases of dengue in October 2011. The outbreak in Majuro, Marshall Islands is continuing, several hundred suspected cases; 3 cases were classified as severe dengue. No deaths
 - Marshall Islands. 3 Nov 2011. The Marshall Islands has declared a state of emergency after an outbreak of dengue fever. Since 21 Oct 2011, more than 75 cases of dengue have been reported in the islands,
 - Marshall Islands (WHO and CDC aid). 31 Oct 2011. International disease control and prevention teams are expected to arrive in the Marshall Islands today [31 Oct 2011] to help combat an outbreak of dengue fever in Majuro. 74 confirmed cases and 45 probable cases.
[5] 南北アメリカ The Americas
 - (region). 28 Oct 2011. FORTH ,PAHO より。
デング熱は、アメリカ大陸の熱帯や亜熱帯地域で深刻な公衆衛生上の問題です。2011年、PAHO加盟国は979,774症例数を報告し、このうち15,860例が入院を必要とする重症で、692例が死亡しています。今年のデング熱流行で登録された症例と死亡者の総数は、パラグアイ、パナマおよびカリブ海の国と地域、アルバ(島)、バハマ、セントルシアで過去のデータを超えています。
PAHOはまた、パナマやブラジルの一部の州で以前に循環していたデング熱4ウイルスの輸入を観察しました。
[6] ブラジル Brazil [in Portuguese]
 - (Amazonas state). 5 Nov 2011. This year (2011), 56 552 dengue cases with 12 deaths
 - (Rio de Janeiro state). 3 Nov 2011. from 2 Jan-29 Oct [2011], 162 270 dengue cases were registered with 135 deaths in Rio de Janeiro.
 - (Niteroi, Rio de Janeiro state). 31 Oct 2011. This year [2011], 11 cases of dengue [virus] type 4 have been registered in the Niteroi municipality in Rio de Janeiro state
 - (Palmas, Tocantins state). 4 Nov 2011. a case of dengue type 4 virus [infection] in Palmas. This year [2011] between January and October, 19 124 suspected dengue cases
were registered in Tocantins state.
 - (Londrina, Parana state). 4 Nov 2011. data released by the municipal government on Thu 3 [Nov 2011], the total number of confirmed cases of the disease [dengue] reached 7382.

● 炭疽 ウガンダ,ロシア・否定(2件)
PRO/AH/EDR> Anthrax, human, bovine - Uganda (03): (Western) conf 20111111.3343
 投稿者 ウガンダ・CDC-Uganda 、Dr RG Downing、2011年11月11日
ウシからの検体について、NADDEC [National Animal Disease Diagnostics and Epidemiology Centre] で行われた迅速検査及び顕微鏡検査が陽性となり、臨床症状と合わせ診断が確定されると考えられる。

PRO/AH/EDR> Anthrax, human - Russia (03): (NS) NOT 20111111.3342
 情報源 RIA (Russian Information Agency) Novosti [in Russian]、2011年11月7日
Diagnosis of anthrax not confirmed in resident of Novosibirsk Region
地域当局 the regional Rospotrebnadzor [Federal Service for Consumer Protection and Human Welfare] によると、10月に入院となった the Chany area, Novosibirsk regionの女性に下された炭疽感染の初期診断は検査では確認されなかった。女性の状態は順調に経過している。

● 口蹄疫 キルギス,ウシ
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease, bovine - Kyrgyzstan: serotype A-Iran-5, susp., RFI 20111111.3349
[1] The Kyrgyz authorities would punish "those responsible" for distributing FMD
 情報源 : RIA Novosti [in Russian]、2011年11月11日
キルギスの首相が、国内で発生する口蹄疫 Foot and mouth disease [FMD] 感染流行に対する緊急対応を指示したことが、11日に政府広報から発表された。農業相は、全国の62か所で6000頭のウシが感染したことを明らかにした。”9月中旬に始まった流行が、2か月の間に国内各地に拡大し、対応策が実施されているにもかかわらず、10月に現行ワクチンによる予防効果が見られない新たな病原体 'A-Iran-5,' が発生した"、と述べた
[2] In Kyrgyzstan, an outbreak of foot and mouth disease
 情報源 Kazinform via Novosti Gazeta (Kazakhstan) [in Russian]、2011年11月11日
キルギスの感染流行について議論された

● 伝染性サケ貧血 カナダ(3件)
PRO/AH> Infectious salmon anemia - Canada (04): (BC), questioned 20111111.3341
 投稿者 加・Provincial Chief Veterinary Officer、Paul Kitching、2011年11月10日
ブリティッシュコロンビア British Columbia 州で、伝染性サケ貧血ウイルス salmon infectious anaemia [ISA] virus が確認されたとの投稿について修正する。Prince Edward Island の the ISA reference laboratory において未確定の報告があったに過ぎない。48 Sockeye salmon の検体に対する The original PCR test で the European strain of ISA が陽性との結果が得られたが、PCR 産物の塩基配列分析 sequencing of the PCR product はいずれもこれを支持しなかった。養殖サケ the farmed Atlantic salmon からの生きたウイルスの分離や examples of disease の検出もできていない。Abbotsford の地方検査機関は、ふだんから 4000匹以上の Atlantic farmed salmon の検査を行ない、また、ISA virus associated disease の症状が認められない、様々な種類の野生の Pacific salmon についても検査している。今回の48検体はノルウェーの検査機関independent laboratory でも再検査されたが、ISA virus は確認できなかった

PRO/AH/EDR> Infectious salmon anemia - Canada (03): (BC) 20111110.3335
 情報源 Mainstream Canada 、2011年11月3日
48 samples of Pacific salmon に対して、伝染性サケ貧血ウイルス ISA [infectious salmonanemia] virus の世界的研究所で再度独自の検査が行われたが、どの魚においても、決定的な ISA の証拠は得られなかった。今週 [of 31 Oct 2011] になって the University of Bergen (Norway) の研究者が、10月に the University of Prince Edward Island (UPEI) が検査を行った 48 Pacific salmon について再検査を行った。詳しい検査 extensive re-testing が行われたが、 the infectious salmon anemia (ISA) virus 感染の確実な証拠は得られなかった

PRO/AH/EDR> Infectious salmon anemia - Canada (02): (BC) 20111108.3321
Lethal salmon virus now detected in 4 species
 情報源 The Province, Postmedia News 、2011年11月3日
ブリティッシュコロンビア British Columbia's prized Pacific salmon サーモンの 4 wild species で致死性ウイルスが確認されている。12日に the Harrison River で引き揚げられた10 dead fish -- a chinook, coho, and chum -- のうちの3匹で、サケ伝染性貧血 infectious salmon anemia (ISA) ウイルスが確認された。10月には BC's Central Coast の 2 of 48 sockeye smolts でも確認されている。

● カキの病気,Bonamia ostrae 英国
PRO/AH/EDR> Bonamia ostrae, oysters - UK: (Wales) 20111111.3340
 情報源 The Fish Site、2011年11月10日
Bonamia ostrae outbreak in Menai Strait
Cefas の魚類衛生監視局 The Fish Health Inspectorate (Welsh Government) は、the Menai Strait 内の魚介類の移動、および同地域への持ち込みと持ち出し制限を発表した。 European flat/native oysters (_Ostrea edulis_) において、報告義務のある疾患の _Bonamia ostreae_ が確認されたことを受けた措置である。ヒトの健康への影響はない。通常の定期検査として当局が採取した野生ガキ native oysters (_Ostrea edulis_) のスクリーニング検査で確認された ...
[Mod.PMB- _Bonamia ostreae_ は、原虫 protistan parasite of the phylum Haplosporidia の1種で、_Bonamia ostreae_ 感染は bonamiosis, microcell disease, and 'haemocyte disease of flat oysters' などと呼ばれている。発生地域は、欧州 (France, Ireland, Italy, The Netherlands, Spain, and the United Kingdom)、米国 (California, Maine, and Washington States)、カナダ (British Columbia) に分布する]

● イネの病気,胴枯れ病 ネパール
PRO/PL> Blast disease, rice - Nepal: (JU) 20111111.3339
 情報源 The Crop Site、2011年11月7日
Disease threatens rice in Tila Valley
世界屈指のイネ栽培地域である the Tila Valley of Jumla [Mid Western region]では、真菌性疾患により、水田の収穫の80%が被害を受ける恐れがある。the Tila and Sinja rivers で潤うこの渓谷は、毎年、高緯度栽培イネの品種である the Marsi種の良作地域であった。収穫量が極端に少ないため、水田を焼いた、ある農業従事者が述べた。田植えの時期の多雨 the heavy monsoon rains により、 the rice blast fungus の感染が拡大したことが原因とされている。農業当局は、過度の窒素肥料の使用が、感染拡大の好条件となった可能性を指摘している。the Chandanath variety 栽培農家は、良好な主格を得ているが、the Marsi では最悪の結果となっている。
[Mod.DHA- Rice blast は、真菌の _Magnaporthe oryzae_ (以前は strain of _M. grisea_に分類されていた) を原因とし、世界中のイネにとって最も深刻な被害をもたらせる疾患 the most destructive diseases of riceの1つとなっている]

● デビル顔面腫瘍、タスマニアデビル オーストラリア
PRO/AH/EDR> Devil facial tumor, Tasmanian devil - Australia (04): (TS) 20111111.3338
 情報源 The Mercury、2011年11月9日
Devil disease reaches Tarkine
絶滅危惧種タスマニアデビルの最後の生息地の1つで発病した個体が見つかっていることを受けて、 the Tarkine http://tarkine.com.au/map2.gif も保護区 heritage にリストすべきとの声が高まっている。the 'Save the Tasmania Devil' program の研究者らによって、Wunyard 近郊の熱帯雨林域辺縁にある Takone においてthe devil facial tumour disease の2頭が確認された

● バナナの病気,パナマ病 フィリピン
PRO/PL> Panama disease, banana - Philippines (02): (Mindanao) 20111111.3337
 情報源 MindaNews、2011年11月4日
Task force to probe banana disease in Bukidnon [Northern Mindanao]
The Provincial Agriculture Office (PAO) は、真菌の_Fusarium oxysporum_ の感染が Bukidnon に拡がり、約1000haの banana plantations で発生した、との報道に関し、調査を開始した。Compostela Valley and most recently in Davao del Norte [Mindanao; 20111014.3072] において発生したものと同じ真菌と見られる。Panama disease と呼ばれるこの真菌感染は、抗真菌剤に耐性である ...
[Mod.DHA- Panama disease of banana (PD, also called fungal or fusarium wilt) は、土壌中の真菌 the soilborne fungus _Fusarium oxysporum_ f.sp. _cubense_ を原因とする]