2011年12月9日-10日

Sarcocystosis 住肉胞子虫症-マレーシア CDC
ボツリヌス症-フランス ECDC
カンピロバクター症-米国 CDC

● Sarcocystosis 住肉胞子虫症-マレーシア CDC
PRO/AH/EDR> Sarcocystosis, human - Malaysia (02): prevention 
Archive Number: 20111210.3564
Sarcocystosis in Malaysia: preventive advice
 情報源 CDC、2011年12月7日。
GeoSentinel より、マレーシアから帰国した旅行者らの間の住肉胞子虫症集団発生 a cluster of sarcocystosis が報告されている。これらの旅行者は発症前に、マレーシア半島東岸の Tioman Island を訪ずれていた。
 ○ sarcocystosis とは?
寄生虫 sarcocystis による病気で、東南アジアを中心とした熱帯及び亜熱帯地域で発生し、主に動物感染するが、ヒトにも感染する。下痢症と、筋肉痛・ 発熱などの症状を伴う、2種類の病型がある。多くのヒトでは、感染しても症状が認められない。
 ○ 感染予防対策は
水に注意、食品に注意、手洗い、トイレ使用と具体的な方法の説明。
今回マレーシアから帰国した旅行者は、激しい筋肉痛を伴っていた。その他、軽度の下痢と発熱が報告されている。病期は2-4 週間であった。Muscle sarcocystosis は,動物の排泄物に汚染された食品、水、土壌の摂取を介して感染が拡大する。ワクチンや治療薬はないが、ほとんどの感染患者は自然治癒した。
関連項目 20111031.3240

● インフルエンザ-米国
PRO/EDR> Influenza (76): USA, two novel influenza A viruses 20111210.3563
CDC confirms 2 human infections with novel influenza viruses
 情報源 CDC Online Newsroom、2011年12月9日。
CDC は2種類の異なるイン型インフルエンザ A ウイルスに感染した、異なる州の2例を確認した。いずれの患者も完全に回復している。2人の患者に感染したウイルスは米国内のブタでの感染が確認されており、これまでにもブタとの接触によるヒトの感染も複数例確認されていたが、今回の患者らはいずれも発症前のブタとの接触は報告されていない。CDC により、2つの新型ウイルスは、抗ウイルス薬 oseltamivir (Tamiflu) and zanamivir (Relenza) に感受性を有することが確認されている。

● ボツリヌス症-フランス ECDC
PRO/EDR> Botulism - France (02): homemade tapenade 20111210.3562
 情報源 Eurosurveillance, Volume 16, Issue 49、2011年12月8日。
9月上旬、フランス南東部 the Vaucluse department において自宅で夕食を摂った8人のうち、5人にボツリヌス症 Botulism と見られる集団感染が発生したことが、病院医師より報告された。50歳代から80歳代までの5人が、食事の24-36時間後に胃腸症状に続く下降性麻痺の古典的ボツリヌス症症状を発症した。5人全員がまもなく四肢麻痺の状態となり、気管内挿管と人工呼吸器の装着が必要となり、3価の抗毒素 A trivalent antitoxin が投与された。11月末現在、全ての患者が入院中である 。その後に麻痺のない軽症例が1例確認された。この集団発生の2日後に、別の家庭での夕食を摂取した6人のうちの3人の、感染が疑われる患者が発生した。3人は20歳代で、夕食から1日後に古典的ボツリヌス症症状を発症し、すぐに四肢麻痺を生じ、気管内挿管と人工呼吸器の装着が必要となった。trivalent antitoxin が投与され、34から58日間の入院を必要とした ... 血清、便検体等でのトキシンおよび菌の同定、食品摂取状況、食品検査(green olive paste and dried-tomato paste からの検出)など。

● セレウス菌-米国
PRO/EDR> Bacillus cereus - USA (02): (KY) 20111210.3561
 情報源 WAVE、2011年12月9日。
郡保健当局 the Bullitt County Health Department [Kentucky, USA] は Zappos において60人の食中毒患者が発生したことを確認した。原因はセレウス菌 _Bacillus cereus_ であることが確認されている。Masterson's Catering が感染源と同定された。Zappos の従業員らに対し、職場で無料の食事が提供されていた。

● 病原性大腸菌-米国 VTEC O157、レタス
PRO/AH/EDR> E. coli VTEC - USA (13): (MO) O157, more states, lettuce 20111210.3560
 情報源 CDC、2011年12月7日。
米・The United States Centers for Disease Control and Prevention (CDC) は、ミズーリ Missouri 等の州保健当局、 the Food and Drug Administration などと共に、romaine lettuce に関係する、複数の州における大腸菌感染流行 multistate outbreak of _Escherichia coli_ serotype O157:H7 infections の調査を行っている ... 4日現在、この大腸菌 the outbreak strain of _E. coli_ O157:H7 の感染が報告されたのは10州の60人: Arizona (1), Arkansas (2), Georgia (1), Illinois (9), Indiana (2), Kansas (3), Kentucky (1), Minnesota (3), Missouri (37), and Nebraska (1) で、詳細の分かっている患者の発症日は、from 10 Oct 2011 to 4 Nov 2011. である ...死者は報告されていない ...

● カンピロバクター症-米国
PRO/AH/EDR> Campylobacteriosis - USA: (WY), unusual exposure 20111210.3559
 情報源 MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2011; 60; 1654、2011年12月9日。
地域のヒツジ農場で働いていた2例の検査で確定診断されたカンピロバクター症 _Campylobacter jejuni_ enteritis 患者について,6月29日ワイオミング 州保健当局 the Wyoming Department of Health に報告された。いずれの患者も典型的な症状を呈していた。下痢症の他、1人は腹痛、発熱、嘔吐の症状を伴っていた。2人は数日間にわたり1600頭の子羊の去勢としっぽ切り? dock tails を行った。この男性らは、自らの歯を使って一部のヒツジの去勢を行っていたと述べている。この作業に関わった12人のうち、歯を使って去勢作業を行ったのはこの2人だけであった。一部のヒツジに下痢症が見られていたことも報告されている。検査で確定診断されたこれらの患者らには、家禽や未殺菌の乳製品の摂取はなかった。2人は別々の家に住み、食品や飲料水を共有したこともなかった;発病前の接触もなかった

● 食中毒-グアム:ブドウ球菌疑い
PRO/EDR> Foodborne illness - Guam: staph susp
Archive Number: 20111209.3557
 情報源 KUAM、2011年12月6日。
公衆衛生当局が、2か所の病院で食中毒の症状に対する治療を受け退院となった21人の患者を確認した。cream puffs from Celebrity Bakery が共通の食品だった。現在調査中のため、断定できないと説明されている ...
[Mod.LL- 潜伏期間や症状の種類や持続期間が与えられていないが、原因となった食品や比較的患者数が少ないことからブドウ球菌性エンテロトキシンによる食中毒であり、恐らくは購入後に、適切に低温保管されなかったために、黄色ブドウ球菌の増殖が起きてしまったのではないかと考えられる]

● 日本脳炎-インド
PRO/AH/EDR> Japanese encephalitis & other - India (38): (UP, BI) 20111209.3555
[1] Uttar Pradesh:Press Information Bureau, Government of India、2011年12月8日。
8日の報告によると、10月31日現在 UP 州内で acute encephalitis syndrome (AES) により462人の小児が死亡し、日本脳炎 Japanese encephalitis (JE) [virus infection] による死者は27人である。AES 患者の50%以上は原因不明である。
[JE ウイルス感染が確認されたのは27/462人、94%が確定診断されていない]
[2] Bihar:Rediff News、2011年12月8日。
Mahadalits を中心に92人の小児らが蚊族媒介性ウイルス感染により死亡し、Bihar's Gaya district で今も6人以上が病気と闘っている ... 4か月前も Muzaffarpur district で51人の小児が死亡したが、州当局は、脳炎による死亡であることを確認していない。

● 炭疽-インド、ウシ
PRO/AH> Anthrax, bovine - India: (Orissa) RFI 20111209.3558
50 cattle dead in suspected anthrax
 情報源 IBN Live、2011年12月9日。
Orissa 州の部族支配地域 tribal-dominated Malkangiri districtの複数の村で、炭疽 Anthrax と見られる感染が原因で、50頭以上のウシが死亡した。地区内の Tandik gram panchayat in the Korkunda block で5日前からウシの死亡が報告されている 

● 原因不明の真菌、バナナ-トリニダードトバゴ
PRO/PL> Undiagnosed fungus, banana - Trinidad & Tobago 20111209.3556 
Plantain diseases hit Charlotteville
 情報源 Tobago Channel 5 、2011年12月2日。
Charlotteville [Tobago] の農家は、耕作地 plantain and banana fields にまん延する真菌により、大きな損失が発生したと訴えている。2年前からこの真菌に悩まされており、他の多くの農家でも同じ問題が起きていると述べた