2011年12月5日-8日

◎ ツツガムシ病 インド

◎ ツツガムシ病 インド(2件)
PRO/AH/EDR> Scrub typhus - India (04): (ML)
Archive Number: 20111207.3544
 情報源 Onion Live, Indo Asian News Service (IANS) report、2011年12月1日
Meghalaya 州内で過去3週間に、少なくとも5人のツツガムシ病 Scrub typhus 患者が死亡したと1日当局者が述べた。私立病院の情報では12人とされている。40人以上の患者の検査が陽性となり入院し、このうち5人が死亡したと Meghalaya Integrated Disease Surveillance Project (IDSP) officer が説明した。Smit, Lad Mawreng, Tyrsad, Mawkyrwat, Moodymmai, Sohkymphor, Sutnga, Mawlein, Umsning, and Ummat villages -- all in eastern Meghalaya -- の感染が最も深刻である ... H Gordon Roberts Hospitalの関係者は、この病院だけで12人がツツガムシ病で死亡したと述べている
[Mod.ML- Scrub typhus, Republic of Palau. Emerg Infect Dis. 2006; 12 (2): 290-5.;
"Scrub typhus は,_Orientia tsutsugamushi_ を原因とする人獣共通感染症で、ダニの幼虫の刺咬 the bite of larval mites (chiggers) of the _Trombiculidae_ family により感染し、ダニは保有宿主であると同時にベクターでもある。げっ歯類 the family _Muridae_ (rats and mice) が trombiculid mites の主な保有動物であり、_O. tsutsugamushi_ を維持している。
scrub typhus の発生地域は、ベクターダニとげっ歯類の生息域により決定され、ダニやげっ歯類とヒトとの間の感染により決まる。 アジアと大洋州の様々な地域から報告されており、常在地域は,日本とロシア東部から、南はオーストラリア、西はパキスタンとアフガニスタンに広がっている。
"Scrub typhus は通常非特異的な発熱性疾患の形をとる; 重症度は、病原菌の種類 the strain of _O. tsutsugamushi_、患者の免疫状態、その他の因子に影響される。
長く発生が無かった地域や検査による確定診断ができない地域での診断は難しい。6-21日間の潜伏期間後に発症し、刺咬部位の痂皮形成が初発症状となる。発熱、頭痛、リンパ節腫大、筋肉痛などが認められることが多い。斑状丘疹 maculopapular rash が見られることもある。嘔気、嘔吐、下痢、下気道症状を認めることもある。
治療が遅れ、経過が長引いた場合には、肺臓炎、髄膜脳炎、横断、腎不全、心筋炎などを発症することもある。診断の確立と迅速な抗生物質による治療が重要であり、未治療のツツガムシ病患者の致死率は1-30%に及ぶ。ツツガムシ病の治療薬として doxycycline が有効であり、診断が疑われれば、検査結果による確定を待つことなく治療を開始する"]

PRO/AH/EDR> Scrub typhus - India (05): background 20111208.3546
 情報源 Gideon (Global Infectious Disease & Epidemiology Network)、2011年12月7日
20111207.3544 に関し。
_Orientia tsutsugamushi_ は,インドでヒトの感染症に関係する7 種類のリケッチア _Rickettsia_ and _Rickettsia_-like organisms の1つで、他に _Rickettsia sibirica_, _Rickettsia conorii_ subsp. indica, _Candidatus Rickettsia kellyi_, _Rickettsia typhi_, _Rickettsia prowazekii_ and _Coxiella burnetii_) がある。

● ポリオ パキスタン,世界各国
PRO/EDR> Poliomyelitis - worldwide (18): Pakistan, global
Archive Number: 20111208.3552
[1] パキスタン: Pakistani polio cases reach 163
 情報源 Central Asia Online、2011年12月6日
パキスタンのポリオ対策責任者が、Khyber and Bajaur agencies 各1名の新たに2人のポリオ Poliomyelitis 検査陽性例が発生し、合計患者数が163人となったことを明らかにした。FATA [Federally Administered Tribal Areas] の49例のうち18例が Khyber Pakhtunkhwa の患者であり、残りは North and South Waziristan, Frontier Region Lakki Marwat, and the Mohmand, Bajur, Orakzai, and Kurram agencies の患者だった。タリバンによる経口ポリオワクチン拒否による未接種患者が、これら小児患者の半数を占めたと説明された。タリバンは、ポリオワクチンは西側の謀略 Western plot としている。
[Mod.MPP- 報道にある数字は the Global Polio Eradication Initiative data(167例、7日現在)と異なっているものの、最後の部分にあるワクチン活動の妨げとなっている誤解 the ongoing rumors に触れられていることから採用された。同様のワクチンを否定する噂のため効率的なワクチン接種活動が行えず、その後少なくとも2年以上 wild poliovirus (WPV) transmission の発生が途絶えていた15か国に感染が拡大した、Northern Nigeria in 2003/2004 の状況を思い出させる。2011年のこれまでに、中国西部で遺伝学的に現在のパキスタンで循環する WPV1 によると考えられる18例の感染流行が発生している]
[2] Global update: week ending 7 Dec 2011
 情報源 Global Polio Eradication Initiative (GPEI)、2011年12月7日
Case count as of 7 Dec 2011:合計患者数: 2011 / 2010同期 / 2010合計
 全世界: 560 / 841 / 1352
 - endemic countries: 272 / 201 / 232
 - non-endemic countries: 288 / 640 / 1120
[3] Global update: week ending 30 Nov 2011
情報源 Global Polio Eradication Initiative (GPEI)、2011年11月30日。

● 狂犬病 エクアドル
PRO/AH/EDR> Rabies - Ecuador (06): (MS) vampire bat, human 20111208.3550
 情報源 Univision Noticias, Associated Press (AP) report [in Spanish]、2011年12月2日
保健省は2日、国内で10人が森林のコウモリ [most likely _Desmodus rotundus_ vampire bats ]による狂犬病 Rabies に感染し死亡したと発表した。首都 [Quito] から南東に約260km離れた Morona Santiago province のいずれも小規模集落である [Taisha canton の] 3つの地域 Wampuik, Tarimiat, and Tsurik Nuevoで発生した。The Morona Santiago director of health は150人がコウモリによる咬傷を受けたことを明らかにした ...
[Mod.TY- 20111129.3483 では4 ないし 6人が死亡し、8人が狂犬病と見られる症状で入院中であると報じられていた。また曝露後接種の回数が、前回は 7 回、今回は 10 回接種となっており、いずれもWHOの推奨に合致していない]

● インフルエンザ 米国
PRO/EDR> Influenza (75): USA update 20111208.3553
 情報源 MMWR Weekly, 2011 / 60(48);1646-1649 、2011年12月9日
Update: influenza activity -- United States, 2 Oct to 26 Nov 2011
米国 インフルンザ活動性 最新状況(10月2日から11月26日まで):米国内は依然として低調。A 型優位で、北半球用のワクチン the 2011-12 influenza vaccine strains との関連性あり

● 百日咳 チリ
PRO/EDR> Pertussis, fatal - Chile: (BI) 20111206.3541
 情報源 El Mercurio Online (Emol) [in Spanish]、2011年12月5日
保健当局者によると、2030人の百日咳 whooping cough, or pertussis 患者が確認されており、1歳未満の乳児が多くを占めている。例年多くても800人程度である。The Bio-Bio Region の6人を含む11人の乳児が死亡した。the new "cocoon vaccine" strategy と呼ばれる、妊娠女性と新生児のいる家庭の12歳以上の人々へのワクチン接種の計画を説明した。
参考項目 20100514.1573

● C型肝炎 米国,中国(2件)
米国
PRO/EDR> Hepatitis C - USA (03): treatment 20111206.3540
 情報源 Montefiore Medical Center, Press release、2011年12月2日
[1946-1964年生まれの] "baby boomers" は特に C 型肝炎 Hepatitis C ウイルス感染の検査を受けるよう,the Montefiore Medical Center の専門家らが呼びかけている。この世代の人々は、注射針の共有、衛生的でない器具による刺青やピアスの穴あけ、検査されていない血液製剤などによる感染リスクに曝露している ... 米国内では年間35000人から185000人が新たに C 型肝炎ウイルス感染と診断されている。世界中の感染者は1億8千万人で、毎年300-400万人の患者が新たに報告されている。米国内では Hispanics, Asian-Americans, and African-Americans などのマイノリティに多い ... 
5月に 2種類の新しい経口抗ウイルス薬 boceprevir and teleprevir がFDA に承認された。これらの薬剤はウイルス増殖を助ける酵素を阻害する。標準治療である注射薬 pegylated interferon alpha と経口のリバビリン ribavavrin [ribavirin, だろう] の治療成績向上を目的としている。これまでのところ、治癒率が2倍に上昇した、と説明されている ... 治療期間が1/2となり治療の副作用に耐える時間が短くなったことなど

中国
PRO/EDR> Hepatitis C - China (04): (AH, HN) reused needles 20111205.3538
 情報源 Beijing Times, Xinhua report 、2011年12月3日
この2週間に中国東部及び中部の住民200人以上が C 型肝炎 Hepatitis C ウイルスに感染していることが判明し,大部分が小児である。地方の1か所のクリニックでの注射針の再使用が感染の原因と見られている。11月17日から12月1日にかけて、the Dancheng township of Woyang county(東部 Anhui 安徽省)の105人の検査結果が陽性であったと、3日保健当局 the Woyang Health Bureau が発表した。重い感染症は確認されていない。これ以前にも、隣接する Maqiao township of Yongcheng city(中部・河南省 Henan)で104人の検査が陽性となり、うち6人が HCV 感染患者と確定診断されている。調査は Maqiao(Henan province)の60歳の開業医に絞られており、この男性医師が古い注射針を再利用していたことが感染につながったと見られている。住民によればこの医師は40年以上も同じ針を使い続け、注射と数種類の錠剤によって患者の発熱や下痢を治す "miracle doctor" として知られていたという。

● 放射線被曝、乳児用粉ミルク 日本
PRO/EDR> Radiation, baby formula - Japan 20111208.3549
 情報源 The Mainichi Daily News、2011年12月6日
Radioactive cesium found in Meiji baby formula
食品会社 Meiji Co が製造・販売する乳児用粉ミルクから、30.8ベクレル/kgの放射性セシウムが検出された。Meiji Step milk powder に福島第一原発から漏れ出た放射性物質が埼玉県春日部市の工場の乾燥工程中に混入したとの見方を示している

● アフリカ豚熱 ロシア OIE
PRO/AH> African swine fever - Russia (17): (SR) spread, OIE 20111208.3551
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2011; 24(49)、2011年12月5日
African swine fever, Russia follow-up report no.73
原因ウイルス African swine fever virusThe follow-up report addresses 5 outbreaks

● 旋回病、サケ科 米国
PRO/AH> Whirling disease, salmonids - USA (04): (UT) 20111208.3548
 情報源 The Salt Lake Tribune、2011年12月2日
Whirling disease found at Utah's prized Strawberry Reservoir
ユタ Utah 州有数の養鱒場 flat-water trout fisheries である Strawberry Reservoir での、旋回病発見は不可避であると見られていたが、11月28日に the Division of Wildlife Resources [DWR] でこの病原体が確認され現実となった

● Plum pox virus、石果 フランス、デンマーク
PRO/PL>Plum pox virus, stone fruit - France, Denmark 20111208.3547
[1] フランス: Aquitaine, Midi-Pyrenees
_Plum pox virus_ detected in Aquitaine and Midi-Pyrenees
 情報源 European Plant Protection Organisation (EPPO) Reporting Service 10/2011/226 、2011年10月
[2] デンマーク
_Plum pox virus_ detected in Denmark
 情報源 European Plant Protection Organisation (EPPO) Reporting Service 10/2011/227 、2011年10月

● 原因不明の疾患、イヌ 英国
PRO/AH> Undiagnosed illness, canine - UK (05): RFI 20111208.3545
 情報源 Daily Telegraph、2011年12月6日
seasonal canine illness (SCI) と呼ばれている疾患の研究者らは、原産ではない植物 non-native plants 緑藻類 green algae や真菌が死亡の背景にあるとの兆候は見られない、と述べている。 Animal Health Trust (AHT) が、2011年に全国の 5 woodlands で発生した95例について行った調査報告で明らかになった。5つの地域には Sherwood Forest in Nottinghamshire and Thetford Forest,Norfolk, as well as Sandringham [also in Norfolk] などがあげられている

● プリオン病 英国、スイス
PRO/AH/EDR> Prion disease update 2011 (11): 20111207.3543
[1] 英国: National CJD Surveillance Unit -- monthly statistics
 情報源 UK National CJD Surveillance Unit, monthly statistics、2011年12月5日
vCJD statistics: The number of deaths due to definite or probable vCJD as of Mon 5 Dec 2011 has risen to 176.
[2] Food Standards Agency report (英国)
Bullock enters food supply without being tested for BSE
 情報源 Food Standards Agency (FSA) report 、2011年11月14日
生後72ヶ月を超えた a bullock (ウシ) の肉が、BSE 検査を受けることなく食料流通に入ったことが当局 The Food Standards Agency に通報された。ヒトの消費のためにと畜される72ヶ月以降のウシには BSE 検査が義務付けられるている。問題のウシ (の肉) は、特定危険部位 specified risk material (SRM) が除去されていたため BSE に感染している可能性は極めて低く、ヒトの健康への影響もほとんどない。この75ヶ月と7日目のウシは、9月2日に C&S Meats Ltd's abattoir in Dorset でと畜されていた。定期的に行われている、と畜とBSE 検査のデータの突合により問題が明らかになったのは10月27日のことであった ...
[3] New prion -- 4th form of BSE
New 4th variant of prion protein causing of BSE found in 2 cows in Switzerland

 情報源 International Business Times 、2011年11月19日。
原著 Novel prion protein in BSE-affected cattle, Switzerland. Emerg Infect Dis. 2012 Jan; [Epub ahead of print],
国際的な研究者のグループにより、2頭のスイスのウシの新たな型の狂牛病感染が確認されたことが、18日にオンラインで掲載される研究報告で明らかになった。同地域 (St Gallen, Switzerland) で1頭の弱ったウシの狂牛病 a new form of mad cow disease が確認された ... スイス国内郊外で、8歳の1頭は事故で、15歳の1頭はと畜によって、合計2頭のウシが死亡し、義務検査で BSE が判明した。これまで3種類のプリオンが知られていたが、2頭のウシのプリオンは、第4番目のプリオンであることが分かった

● 伝染性胃腸炎、ブタ ペルー OIE
PRO/AH> Transmissible gastroenteritis, swine - Peru: (LP) OIE 20111206.3542
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2011; 24(48)、2011年11月29日
Transmissible gastroenteritis, Peru 1st occurrence of a listed disease
感染開始時期 2011年11月2日
原因ウイルス Coronavirus
新たな感染流行
発生地 Callao, Ventanilla, Lima, Lima; Huachipa, San Juan de Lurigancho, Lima, Lima
感染した種 Total outbreaks: 2:  ブタ swine
Susceptible: 159
Cases: 72
Deaths: 8
Destroyed: 0
Slaughtered: 0
感染した個体群
1 backyard farm with 7 sows and 7 piglets; 3 7-day-old piglets  died.
2 a non technified small farm with 40 sows and 105 piglets; 60 piglets were sick and 5 15-day-old piglets died

● 鳥インフルエンザ インド H5N1
PRO/AH/EDR> Avian influenza (76): India (JH Jharkhand) crow, H5N1 20111205.3536
 情報源 Downtoearth.org、2011年12月3日
Avian flu killing Jharkhand crows: virology institute
Jharkhand 州全域で先週[11月最終週] 多数のカラスの死亡が報告された。Jamshedpur, Bokaro, Hazaribagh, そのほかの地域で、カラスの死体が発見されている。死亡した数は500から1000に上ると報じられた。National Institute of Virology (NIV) in Pune により、ウイルスが H5N1 であることが確認された。病原性が強く、ヒトに感染する恐れもある。住民らの間でカラスの死亡が報告され始めたのは9月はじめからであるが、メディアの注目を集めるようになったのは11月末のことであった。カラスの日本脳炎やウエストナイルウイルスの検査は陰性だった。

● 口蹄疫 ナミビア OIE
PRO/AH> Foot & mouth disease - Namibia (03): (CA) OIE 20111205.3535
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2011; 24(49) 、2011年12月2日。
Foot and mouth disease, Namibia immediate notificaion
感染開始時期 2011年11月26日前回流行時期 2010年8月6日
原因ウイルス Foot and mouth disease viru Serotype: pending
新たな感染流行
発生地  (FMD 1- 2011) Masikili Village, Caprivi http://healthmap.org/r/1vE* 農村
感染した種/ 頭数/ 死亡 / Destroyed / Slaughtered
ウシ Cattle / 1510 / 37 / 0 / 0 / 0