2011年12月1日-4日

ブルセラ菌ワクチン ロシア、副反応
ボリビア出血熱 ボリビア Chapare virus
◎ トゥーレット異常 米国,連鎖球菌感染

● ブルセラ菌ワクチン ロシア
PRO/EDR> Brucella vaccine adverse reactions, human - Russia: (Buryatia)
Archive Number: 20111204.3534
[1] 会社の指示によるワクチン接種で50人が発病、6人入院
 情報源 NewsRU、2011年12月1日
Mykolayiv region of Buryatia Tarbagatai の食肉加工工場の50人を超える従業員らが、会社の指示によるブルセラ症ワクチン Brucella vaccine を接種した後に医療機関を受診した。このうち6人が入院した ... ワクチン接種が行われたのは11月23日の the "Eco-Food" company in the village of Nikolaevsk で、当局の輸入肉の購入の許可を得るために、急いで認可されていないワクチンを接種したと報道されている。接種は違法であると、保健省は強調している。接種を受けた患者らには、手に大きな水疱ができており、血圧の上昇や肝臓の痛みなど、52人に共通する症状が現れている。
[2] ブリヤートのワクチン接種後の入院患者が15人に増加した:RIA、2011年12月2日
[Mod.LL- Immunization against potential biological warfare agents. Clin Infect Dis. 2000; 30: 843-850 より; 獣医学用(家畜用)ワクチンの説明、途上国での生ワクチンの使用があるものの、先進国で認可されたヒト用のワクチンはない]

● ボリビア出血熱 ボリビア
PRO/AH/EDR> Bolivian hemorrhagic fever - Bolivia: (BE) 20111202.3514
 情報源 FM Bolivia, Bolivian Information Agency (ABI) report [in Spanish]、2011年11月30日
11月30日、州の疫学当局者 the head of epidemiology of the Departmental [state or province equivalent] Health Department (SEDES) は、Trinidad 周辺で発生した出血熱感染流行に対して最大限の努力を行っていると述べた。現在3チーム brigades が、Beni 州都から35km 離れた Santa Cruz に向かう the highway 沿いにある the Elvira area において、げっ歯類の捜索と捕獲を行っている。the Mamore province に常在するこの恐ろしい病気の拡大を阻止すべく、住民への教育を行っている。" Elvira から Trinidad に移動しながら、全ての the ranches, dairy farms [agricultural] plots, and rice mills を回っている" と説明した。1ヶ月以上前に発熱や痛みなどの症状があった患者に対して、マウスの_Calomys callosus_ により感染する Machupo virus [antibodies?] の感染の有無を調べている。7日間で捕獲した200匹以上のネズミの80%以上が _Calomys callosus_ だった。
この15年間にウイルスが the endemic area of Mamore province 以外の地域に広がっていることが判明した。2004年、Cochabamba [department] との境界地域で2例の出血熱が確認されている;発見された際に Chapare ウイルスと命名された [Chapare virus は Machupo virus ではない]。その後 Ballivian province [Beni] の Santa Rosa Riberalta 市との境界でも感染が確認されている。
[Mod.TY- ボリビアの Beni department において出血熱 hemorrhagic fever [HF] の原因となるウイルスは2種類 -- Machupo and Chapare viruses である。Chapare virus 感染により、2003年と2004年に Cochabamba department との州境付近で顕性の HF が発生した。Chapare virus isolate の RT-PCR analysis とそれに続く subsequent analysis of the complete virus S and L RNA segment sequences などの解析により、このウイルスが a member of the New World clade B arenaviruses であることが確認された。これには all the pathogenic South American arenaviruses が含まれる。同ウイルスは Sabia virus に最も近く、Bolivian hemorrhagic fever の原因ウイルスである Machupo virus とは別であることが確認されている]
地図 Bolivia

◎ トゥーレット異常 米国

PRO/EDR> Tourette disorder - USA: (NY) outbreak 20111202.3505
 情報源 DemocratandChronicle.com、2011年11月28日
州保健当局 the New York State Health Department と学校による詳細な調査が行われたが、the Junior-Senior High School の生徒6人の an unusual outbreak of Tourette-like symptoms の答えは見つかっていないと、Le Roy , New_York School District の担当者が述べた。これらの生徒に Tourette's syndrome に似た神経学的チックの症状が認められるようになり、10月に保健当局者らが、医療記録、環境条件、その他の因子についての調査を開始した。11月28日、他の生徒や教職員にリスクはなく、他の患者も確認されなかった、と報告した。原因は不明のままであるが、生徒に認められている症状は真実で、figment of imagination or power of suggestion ではないと、当局は確信している。このような集団発生はきわめて異例であり、他に確認できなかったとしている。
[Mod.ML- 小児の小児期の強迫性障害 childhood obsessive-compulsive disorder and/or チックに Tourette disorder も含まれるが、"strep throat(連鎖球菌性咽頭炎)" や猩紅熱 scarlet fever などの A 群ベータ溶連菌 (GABHS) 感染続発する自己免疫反応の結果として、ある種の患者群 a subset of patients に発生するとの仮説がある (Tourette Syndrome Study Group: Streptococcal infection and exacerbations of childhood tics and obsessive-compulsive symptoms: a prospective blinded cohort study. Pediatrics. 2008; 121(6): 1188-97; および Pediatric autoimmune neuropsychiatric disorders associated with streptococcal infections: clinical description of the first 50 cases [published correction appears in Am J Psychiatry. 1998; 155: 578]. Am J Psychiatry. 1998; 155(2): 264-71;) 。この自己免疫反応は Sydenham chorea (急性リウマチ熱の主な神経症状の1つ) に関係する反応と同じ analogous と考えられている。PANDAS は、このような異常に対して使用される "Pediatric Autoimmune Neuropsychiatric Disorder Associated with Streptococcal infections(連鎖球菌感染関連小児自己免疫神経精神異常)"の略語である。ニュース記事には、6人の患者のいずれかに GABHS infection があったのか、記載されていない]


● 燃料油中毒 カンボジア
PRO/EDR> Fuel oil poisoning - Cambodia: Phnom Penh, RFI 20111204.3533
[1] ミシンからの煙で失神
 情報源 The Phnom Penh Post、2011年11月29日
ミシンに使用されているオイルからのガスにより、11月28日に首都の Russey Keo district にある縫製工場の従業員7人が気を失った ... 27歳の女性は fumes 煙によりめまいと膝関節の脱力があり、胸が締め付けられるような感じがした後、嘔吐し始めたと証言している。この工場でこのような事態があったのは初めてだと述べた。縫製用ミシンの油を変更したことが従業員らが気を失う結果となった、と工場の担当者が説明した。当局者 deputy director of the occupational health department at the Ministry of Labour and Vocational Training は、工場での気絶について報告を受けていない unaware of と述べている。
[2] 連日の事故発生
 情報源 The Phnom Penh Post、2011年11月30日
Su Tong Fang Ying Kam garment factory in Russey Keo district で 29日、2度目の大量失神者の発生があった。ミシンからのディーゼルガス diesel fumes で約17人の従業員らが倒れ、病院に搬送された。この病院には28日の集団失神で治療中の患者が入院している。29日の患者のうち、心臓に問題のあった7人の状態は非常に深刻である。
[Mod.SCM- the 1st incident の後、ミシン用オイルを変更したかどうか確認が必要である。ところで,別の潤滑油の商品に切り替えたのか、あるいは間違って燃料オイルを使用したのだろうか。ディーゼルオイルは通常、燃料用に使用されるものである]

● 麻疹
PRO/EDR> Measles update 2011 (43) 20111204.3532
[1] Europe update (CDC)
Increased Transmission and Outbreaks of Measles -- European Region, 2011
 情報源 Morbidity and Mortality Weekly Report (MMWR) 60(47);1605-1610、2011年12月1日。
[2] 欧州 (SSPE - RFI)
 投稿者 加・Halton Healthcare Services、Neil Rau 、2011年11月29日
20111127.3468 で、the 30 000の患者の中で2例の SSPE の患者が確認されたとされているが、潜伏期間 [Average incubaion period is 6-8 years] を考慮すれば、the current outbreak と the development of SSPE の間の関連性は疑わしい。当局 the HPA (the Health Protection Agency) からさらに詳しい情報が提供されているのだろうか。脳脊髄液中の抗体 the CSF antibodies は the circulating genotype(s) に特異的だろうか。CSF の分子生物学的精で解明可能だろうか。a case of SSPE を見たことはない(これからもそう願いたい)が。
[3] オランダ (IgM - negative cases )
 情報源 Eurosurveillance, Volume 16, Issue 48 、2011年12月1日
Two cases of mild IgM-negative measles in previously vaccinated adults, the Netherlands, April and July 2011.
要約 
オランダでワクチン接種を完了していた成人2名の、軽症の異型麻疹感染例 mild, modified measles を報告する。抗 IgM 抗体反応を欠き、確認されたウイルス量が少なく、さらなる感染拡大が認められなかったことから、ワクチン接種を受けていた感染患者は、接種されていない患者に比べ感染力が弱いことが示唆された。指定されたとおりに2回の麻疹ワクチンの接種を受けていた麻疹感染の2例について報告する。これらの患者は、オランダ国内の4月および6・7月の、2つの麻疹感染流行の調査の中で確認された
[4] オ-ストラリア (ACT):ACT measles outbreak reaches 12
 情報源 ABC News、2011年11月29日
首都保健当局 ACT (Australian Capital Territory) health authorities が麻疹感染流行による患者が2倍以上に増えたことを受け、引き続き注意するよう呼びかけている。先週3 school students and a younger child の麻疹感染が確認され、感染者が12人に達し,うち3人が入院となった。12人のうち8人については the Orana School at Weston との関連があった
[5] ニュージーランド (Auckland)
No-one wants measles for Xmas
 情報源 Auckland Now 、2011年12月1日
オークランド Auckland 市内で、5月末以降これまでに372 confirmed and probable cases of measles が確認され、64人の入院が必要となった

● レプトスピラ症 マレーシア
PRO/AH/EDR> Leptospirosis - Malaysia: (Selangor) military 20111204.3531
 情報源 The Malay mail、2011年12月2日
The Bukit Jugra RMAF [Royal Malaysian Air Force] base 空軍基地が、24人の訓練生らの、レプトスピラ症 Leptospirosis と見られる感染が発生したため閉鎖されている。保健省当局者らが、11月28日以降基地内で調査を行っている。訓練生らは the Banting Hospitalの産科病棟に隔離されているが、2人が危険な状態となり、1人が the Kuala Lumpur Hospital に搬送された。患者らは28日に食中毒の疑いで受診していた ... 国防大臣が1日、レプトスピラ症感染であることを認めた。保健省職員が、最終訓練を行っていたとされる the Bukit Jugra jungle area を含め基地内の調査を行っている。また、貯水タンクや蛇口を調べ、食料や飲料水の汚染の有無についても確認している ... 
2011年,Penang から Kuala Krai にかけての全国で5件のレプトスピラ症流行が報告されている。最大の感染流行は the Sarawak Health Department により11月8日に確認された、21ヶ月にわたって 96 confirmed cases が発生した Bintulu の流行であるが、平均発生率 the State’s overall incidence is 1.9 individuals per 100 000 population で outbreak の閾値よりは低かった。もう1件は10月17日に発生し、11人の生徒 infected _orang asli_ [indigenous Malay] school children from SK Sungai Berua が the Sultanah Nur Zahirah Hospital and Hulu Terengganu Hospital in Terengganu 病院に入院となった。
地図 the administrative divisions

● 日本脳炎 インド
PRO/AH/EDR> Japanese encephalitis & other - India (37): UP 20111204.3530
 情報源 Indian Express、2011年12月2日
ウッタルプラデシ UP 東部の脳炎患者の臨床症状に変化が見られ、通常認められる高熱やけいれんだけでなく、回復により時間がかかり、全身の発疹や心臓の肥大?heart inflation [sic] を伴うことが、医師らにより確認されている

● デング熱/デング出血熱
PRO/EDR> Dengue/DHF update 2011 (48) 20111204.3529
[1] ブラジル (Foz do Iguacu , Parana state):Brazil Ministry of Health [in Portuguese]、2011年11月30日
11月28日、Foz do Iguacu 市のデング熱対策が明らかにされた。最も効果が期待されるのは、蚊族繁殖箇所対策 those measures of physically eliminating breeding sites of the disease [dengue virus] vector mosquito _Aedes aegypti_ である ...
[2] インドネシア Indonesia (Jakarta). 2 Dec 2011. since January - November this year [2011 6257 cases with 2 deaths. 2010年は約1万5千人
[3] フィリピン Philippines (Oroquieta & Tangub Cities, Misamis Occidental province). 2 Dec 2011. 各市当局 the City Health Offices (CHO) of Oroquieta and Tangub cities の発表によると,Oroquieta City は減少(from 69 to 40 cases),Tangub City も減少 (from 86 to 75 cases)となっている。
[4] インド India
 - (全国). 3 Dec 2011. 州ごとの発生状況
患者数/死亡者数(前月からの増減):
Total 14,047 (+4,012) / 93 (+8)
 - (Delhi . 2 Nov 2011. the total number of this year to 1097.
 - (Coimbatore, Tamil Nadu state). 1 Dec 2011. これまでに発生したのは 2 government nursing college students の流行だけ。
 - India (Chandigarh, Haryana & Punjab states). 29 Nov, 2011. confirmed cases(2010年同期は138例)
 - (Panaji, Goa state). 26 Nov 2011. 98 samples were tested for dengue and 3 were confirmed positive.
[5] パキスタン Pakistan
 - (Sindh province). 1 Dec 2011. confirmed dengue patients in the province to 1022 during the ongoing year [2011].
 - (Islamabad). 29 Nov 2011.
[6] ブラジル Brazil [in Portuguese] (Parana state). 29 Nov 2011
119 confirmed cases of the disease in Parana

● チクングニア熱 インド
PRO/EDR> Chikungunya (32): India (Delhi) 20111203.3527
 情報源 IBN、2011年12月2日
冬の到来にもかかわらず、チクングニア熱 Chikungunya は収まる気配がない。2010年は70例であったが、2011年に100人が以上が検査で陽性となっている。

● コレラ アフリカ
PRO/EDR> Cholera, diarrhea & dysentery update 2011 (38): Africa 20111203.3523
[1] ジブチ:IC Publications 、2011年11月23日
首都 the capital [Djibouti] において、10月以来、死者2名を含む深刻な感染流行が発生中であり、11月に新たに127人の患者が発生した、とWHO が22日に報告した。 WHO によれば、2011年になり、すでに 5000 cases of acute watery diarrhea (AWD) が報告されている。2010年は2000人だった
[2] ケニア Kenya
 - (North Eastern province), Somali refugees 難民:Reuters、2011年11月15日
ケニア国内にある、約50万人のソマリア人の住む世界最大の難民キャンプでコレラ感染が発生した。Dadaab complex of five camps に活動範囲を広げていた西側の支援団体職員の誘拐以降、治安の悪化が援助活動を妨げている。現在 60 cholera cases in the camps が発生し、10人は検査で確認されており、1人が死亡したと説明されている。この流行は、新たに流入したソマリアからの難民により持ち込まれたと考えられる。
 - (Rift Valley province):Nairobi Star (Nairobi) 、2011年11月21日
過去1か月間で40人が死亡した Turkana 内の各地において、赤痢とコレラの発生が確認された、と Turkana Central medical officer が述べ、the outbreak in Kerio division での対策に取り組んでいることを明らかにした。しかし、この地域の飢饉の発生が事態収拾を困難にしている
[3] カメルーン (Littoral province):Medecins Sans Frontieres (MSF) 、2011年11月28日
カメルーンの経済の中心地で210万人の人口を持つ Douala の全域でコレラが発生した。14ヶ月前の2010年9月から感染流行が公式に宣言されており、何度も消退を繰り返してきた。3月と4月の短期間の雨期にもピークがあり、毎週120人の患者が発生した。9月以降も患者が増加し、10月半ばには週当たり400人以上が報告されている ... ここ数日間は徐々に減少している
[4] コンゴ民主共和国 Congo DR
 - Congo DR:Alert Net 、2011年11月16日
コンゴ民主国内で活動中の援助機関 Aid agencies は、全国11の州のうちの8つの州で発生中のコレラ感染流行に対応する資金の不足が生じている。2011年の流行開始以来、全国で約 17 500 people がコレラに感染し、508人が死亡した、と WHO が述べた ... この10年間、コレラ感染流行の発生が無かった、首都キンシャサ Kinshasa をはじめとする国内西部で、7500人以上の感染が確認されている。ただし、患者の大部分である約1万人は、コレラが常在する endemic 東部から報告されている。
 - (Equateur province):XinHuaNet、2011年11月18日
Equateur province of the Democratic Republic of Congo (DR Congo) で発生中のコレラ感染流行により、23人の死者が確認されている。"Mbandaka では流行が収まりつつあるものの、South Ubangi area in Equateur province では、11月5日以降に報告された 119 cases 注15人が死亡した; そのほか、Basankusu health zone でも8人が死亡している"
[5] ソマリア (Middle Juba):Press TV、2011年11月13日。
81 人以上の Somali women and children がコレラで死亡、670人近い患者が入院となっている。11月12日の24時間のうちに81人が亡くなったのは、南部の Jilib Town and Hoomboy village であった
[6] ウガンダ (Kasese):The Monitor、2011年11月8日
Kasese District の保健当局は、4人の死者と50人の入院患者を発生させたコレラ感染流行のため、基準を満たさない飲食店の閉鎖を命じた。 現在、Bukonzo West and East and Busongora North and South constituencies に感染が広がっている ... と述べた。9月に、Kaseseに隣接する、コンゴ民主共和国内 Lake Edward 周辺の漁村 Kyavinyonge and Kasindi Pole で感染流行が始まり、10月には、国境を越える取引のある、ウガンダの Kayanzi において、Kasese 初の患者が報告されている。
[7] ザンビア (Northern Province)、2011年11月6日
およそ1か月ぶりに、Mpulungu district in Northern Province でコレラ感染流行が再び発生した。Muzabwera village の5人が感染した

● インフルエンザ ブタ由来 H3N2、WHO(2件)
PRO/AH> Influenza (74): swine-origin H3N2 reassortant, vaccine candidate 20111203.3526
 情報源 CIDRAP News 、2011年12月2日
The Centers for Disease Control and Prevention (CDC) は、最近4か所の州で確認されている、昨年確認されたものとわずかに異なる、新型のブタ由来インフルエンザウイルス株 the novel swine-origin influenza strain 用のワクチン開発に着手したと発表した。9月はじめごろより the CDC は10例の the M gene from the 2009 pandemic H1N1 (pH1N1) virus を含む swine-origin H3N2 reassortant strain の感染を報告していた。11月22日、the CDC はこの新型ワクチンの感染拡大に備えてのワクチン用ウイルス株 vaccine virus の準備が完了し、ワクチン製造メーカーへの提供が始まったことを報告した

PRO/EDR> Influenza (73): WHO update
Archive Number: 20111202.3519
 情報源 WHO Surveillance and monitoring、2011年12月2日 FORTH より
WHO update number 148
要約 
 ○ 北半球の温帯地域の国々ではインフルエンザの活動性は低いが、カナダとヨーロッパの数カ国でインフルエンザA(H3N2)の散発的な発生が報告された。
 ○ 熱帯地域の数カ国、アメリカ地域のニカラグア、コスタリカ、ブラジル、中央アフリカのカメルーン、東南アジアのカンボジア、ラオスで活発なインフルエンザ活動性が報告されている。
 ○ 南半球温帯地域での伝播はシーズンオフレベルに戻ったが、オーストラリアのいくつかの地域でA(H3N2)が続いている。
 ○ 米国で新型インフルエンザA(H3N2)ウイルスの限局的なヒト-ヒト感染が認められたが、今日までに新たに拡大したという報告はない。

● 黄熱 セネガル
PRO/AH/EDR> Yellow fever - Africa (22): Senegal (Kedougou), WHO 20111202.3511
 情報源 WHO Global Alert and Response (GAR) Disease Outbreak News、2011年12月1日 FORTH より
セネガル保健省は、2011年10月26日にマリとギニアの国境に近い Kedougou と Saraya 保健地区で黄熱 Yellow fever の患者3人が発生したとWHOへ報告した 

● C型肝炎 中国
PRO/EDR> Hepatitis C - China (03): background 20111202.3509
 情報源 GIDEON (Global Infectious Disease & Epidemiology Network)、2011年11月30日
Hepatitis C virus infection in China
Prevalence surveys (antibody and/or viral RNA):
 ○ 一般人口 
0.15% Liangshan Prefecture, Sichuan Province (2011 publication).
31.0% ersons in central Tibet (2001).
急性肝炎患者の 8~18.1%
 ○ ほか、献血者、HIV 陽性患者、注射薬物常用者、MSM、CSW等での調査結果多数。

● A型肝炎 ベルギー
PRO/EDR> Hepatitis A - Belgium: (NA), catholic college 20111202.3507
 情報源 RTBF.BE [in French]、2011年11月29日
the Molignee valley (Namur province) のカトリック系大学で3人の A 型肝炎 Hepatitis A 患者が確認された ... この3人の A 型肝炎ウイルス感染者は the Saint Benoit de Maredsous college で診断を受け、当局 the Namur Health Authorities は直ちに流行への対策を開始した。

● レジオネラ症 米国 
PRO/EDR> Legionellosis - USA (07): (Northeast, Mid-Atlantic) increased incidence 20111202.3506
 情報源 Fox40/KTXL.TV, Reuters report、2011年11月29日
肺炎の1種である Legionnaires' disease が2011年 New England で増加する傾向にある。増加の原因は分かっていないと11月29日に保健当局者が述べた。Maine, Massachusetts, and Connecticut で確認された患者数の合計が、2010年のおよそ2倍近い数になっている。他の北東部の州でも急激な増加が認められているが、全米の他の地域では、増加は確認されていない。

● 中毒 中国
PRO/EDR> Poisoning, fatal, Coca-Cola product - China: (JL) pesticide susp. 20111202.3503
 情報源 Bloomberg Businessweek、2011年11月30日
世界最大のソフトドリンク飲料メーカーのコカコーラ Coca-Cola Co.社は、Minute Maid milk beverage を飲用後に発生したと中国で報道された小児1名の死亡について、中国当局の捜査に協力している。中国北東部 Changchun 市で、この小児と成人1名が、同飲料を摂取後食中毒の症状を発症したと警察の発表として30日に報じられた。報道では、ドリンク内に殺虫剤が混入していたとされているが、詳しい情報は与えられていない。同社は batch samples of the beverage を検査し、製品に問題はなく基準を満たしていることが確認された、としている。Minute Maid は、同社の中国国内でのヒット商品 Coca-Cola's bestselling brands の1つであった。吉林省 (Jilin Province) Changchun 市の事例について、深刻に受け止めている、とコメントしている。
[Mod.TG- 殺虫剤名が書かれていない。症状の記載もないし、第2の患者の状態も判らない。故意もしくは悪意の毒物混入の可能性も調べるべきである。the Coca-Cola company に不満を抱いている、以前の従業員かもしれない。また Coca-Cola もセキュリティの問題や工場内でのアクシデントについて調査すべきだと考える]

● ブルセラ症 米国、バイソン
PRO/AH/EDR> Brucellosis, bison - USA (09) (MT) 20111204.3528
 情報源 Billings Gazette、2011年11月30日。
モンタナ州南西部 southwestern Montana の The Snowcrest Ranch in the Upper Ruby Valley において,先月バイソン a bull bison がブルセラ症 Brucellosis の検査が陽性であることが確認された

● 伝染性サケ貧血 チリ
PRO/AH/EDR> Infectious salmon anemia - Chile (03): susp. 20111203.3525
 情報源 El Diario de Aysen [in Spanish]、2011年12月1日
King channel 近郊の the fishing company Acuinova 社の孵化場から採取された1件の検体について、Aysén における検査で伝染性サケ貧血 Infectious Salmon Anemia (ISA) virus が 確認された。18 cages でウイルスの存在が確認されている

● ブルータング ロシア、ドイツから
PRO/AH/EDR> Bluetongue - Russia ex Germany: suspected novel serotype, RFI 20111203.3524
[1] 情報源 Rosselkhoznadzor (Federal Service for Veterinary and Phytosanitary Surveillance, Russia) News release、2011年11月30日
ドイツよりthe RF oblasts のうちの1つ (Oblast “C” とする) に輸入されたウシに義務付けられている検査でブルータング bluetongue が確認された。
[2] On the situation with the arrival from Germany to Russia of a consignment of cattle infected with bluetongue
 情報源 Rosselkhoznadzor (Federal Service for Veterinary and Phytosanitary Surveillance, Russia) News release in Russian]、2011年12月2日
輸入されるウシへの定期検査 routine investigations of blood serum of cattle imported from Germany to Russia で、ブルータングウイルスが確認された ...
[Mod.AS- 1994年以降、ロシアからのブルータングの報告が途絶えていたが、2008年から再興している]

● 大量死、海洋生物 米国
PRO/AH/EDR> Die-off, marine wildlife - USA (04): (AK) seal, walrus, RFI 20111202.3518
 情報源 American Veterinary Medical Association (AVMA) 、2011年11月30日
北半球で最も多いワモンアザラシ ringed seals の間に流行する病気の原因が、国際的に調査されている。原因不明の病気により、2011年夏以降、アラスカ沖で多量のアザラシが死亡した。初めて報告されたのは、7月の the North Slope of Alaska 沿いのことである。過剰な脱毛と顔面とひれの病変が、弱ったり死亡したりしたワモンアザラシで確認されている

● 鳥インフルエンザ インド
PRO/AH/EDR> Avian influenza (75): India (JH), crows, susp. RFI 20111202.3517
 情報源 MumbaiMirror, Indo Asian News Service (IANS) report、2011年11月30日
インド東部のジャールカンド Jharkhand 州全域の市や町で、カラスの死体が発見されている。動物衛生当局 The Jharkhand animal husbandry department (AHD) は、H5 または H1 亜型の鳥インフルエンザ Avian influenza ウイルス感染を疑っている

● 口蹄疫 トルコ
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease - Turkey (02): (BU), susp., RFI 20111202.3516
 投稿者 Mod. AS Arnon Shimshony、2011年12月2日
Foot-and-mouth disease (FMD) suspected in vaccinated cattle in Bursa province, Turkey
トルコ北西部の the Bursa province で、口蹄疫 FMD が疑われる症例が確認されたとの情報が得られた。trivalent vaccine (serotypes A, O, Asia-1)を接種されていたにもかかわらず、感染した疑いがもたれている

● 原因不明の死亡、鳥類 ドイツ
PRO/AH/EDR> Undiagnosed deaths, avian - Germany: (ST), RFI 20111202.3515
 情報源 Mitteldeutsche Zeitung [in German]、2011年11月29日
Hoym [Saxony-Anhalt] で数十羽のカラスと2羽の barn owls の死体が発見され、原因が分かっていない。はじめに53羽のカラスの死体が、Hoym から郊外へ向かう道路の、カラスのねぐらとなっていた木の下で発見された。その後まもなく、教会の庭 the rectory gardenで、2羽の絶滅危惧種のフクロウの死体が発見された。検査が行われたが、多くの疑問点が残されている。ベテランの獣医師は、感染症による死亡ではないとしている。検査の結果、細菌や寄生虫感染などの様々な原因による、急性心血管不全が死因と見られている。

● 赤潮、魚類 米国
PRO/AH/EDR> Red tide, fish - USA (03): (FL) 20111202.3513
 情報源 Naples News、2011年11月29日
郡当局者 Collier County officials は11月29日、前週に16-32km 沖ので採取された検体で、中から高レベルの赤潮の発生が示唆されると述べた

● 犬ジステンパー、野生動物 米国
PRO/AH/EDR> Canine distemper, wildlife - USA (08): (SC), raccoon, fox 20111202.3512
 情報源 WISTV.com 、2011年12月1日
Orangeburg County で病気の野生動物が発見され、当局者は distemper virus outbreak が発生し、ペットにも感染の危険があると述べた

● 原因不明のイルカの大量死 米国
PRO/AH/EDR> Undiagnosed dolphin die-off - USA: (MS, AL) 20111202.3510
 情報源 Mississippi Press 、2011年11月29日
Sick dolphin found in Alabama may offer clues to massive die-off
Fort Morgan [Alabama] 近郊の沼で、25日、病気のイルカ1頭が発見され、現在快方に向かっていると見られている。この1週間で、この2歳のイルカを含めた5頭が打ち上げられていた。Alabama と Mississippi で発見された各2頭、計4頭は死亡した

● トウモロコシの病気,べと病 バングラデシュ
PRO/PL> Downy mildew, maize - Bangladesh: (KH) 20111202.3504
 情報源 New Age、2011年11月30日
Maize farmers face crop failure
Chuadanga district [Khulna division] のトウモロコシ農家は、べと病 'downy mildew' diseaseにより広範囲の hybrid corn 農地で seeds が産生できず、困窮している

● リーシュマニア症、イヌ アルゼンチン
PRO/AH/EDR> Leishmaniasis, canine - Argentina (04): (CN) 20111202.3502
 情報源 El Litoral [in Spanish]、2011年11月29日
先週 [week of 21 Nov 2011] 新たなリーシュマニア症 Leishmaniasis の症例が確認され、最も感染が深刻な地域での vector transmission の新たな予防策が近日中に計画される。11月の時点で the Capital City [Corrientes] で陽性と診断されたイヌは122頭になった
参考項目 20110925.2916

● BSE 日本
PRO/AH/EDR> BSE - Japan (03): NOT, official statement 20111202.3501
 投稿者 厚労省および農水省(日本)、2011年11月30日
20111120.3480 に関し
日本国内で確認された37例目の BSE に関する記事と考えられるが、日本政府から37例目のウシのBSE検査陽性が報告されたり発表されたりした事実はない。日本国内では、これまでに36例のウシの BSE が確定診断されており、最も新しい BSE の症例は2009年1月30日に発表された101ヶ月のウシである。2009年1月の36例目の症例以降、日本国内で BSE は確認されていない。

● 原因不明の疾患、ウシ ドイツ、オランダ
PRO/AH/EDR> Undiagnosed illness, bovine - Germany, Netherlands (03): update, RFI 20111201.3498
 投稿者 オランダ・Animal Health Service 、Jet Mars、2011年11月24日
Undiagnosed bovine illness in Germany and the Netherlands
8月、Deventer の動物衛生局は、オランダ東部 the Eastern part のウシ農場から、多数のウシの重症下痢、発熱、泌乳量の低下の報告を受けた。下痢のあったウシの糞便の検体について、microarray screening with the EPIZONE-Biochip 5.1 (containing molecular probes covering about 2000 virus species) と含む様々な検査が行われたが、認められた臨床症状を説明しうる疾患は特定できなかった。10月以降、病気のウシの発生数は通常のレベルに減少した。North Rhine-Westphalia で最近報告のあった症例とは、別個だと考えられた。オランダ国内で、かつてこのような症例が報告されたことはない。

● 大麦の病気 インド
PRO/PL> Barley diseases - India: (JK) survey 20111201.3497
 情報源 Crop Protection、2011年9月
原著 (タイトル) First documentation on status of barley diseases from the high altitude cold arid Trans-Himalayan Ladakh region of India. Crop Protection (2011) 30, 1129-1137; DOI:10.1016/j.cropro.2011.04.015
低温で乾燥した trans-Himalayan Ladakh region of India は、パキスタンと中国との国境にあり、世界中で最も高地にある居住区である。大麦 Barley (_Hordeum vulgare_) は、総面積の54%を占める最重要穀物であるが、これまで大麦の疾患の発生状況について調査されたことはなかった。Yellow rust, powdery mildew, leaf spot blotch/blight, covered smut, loose smut, foot/root rot and cereal cyst nematode causing molya disease が確認され、このうち、yellow rust, molya and foot/root rot による被害が最も大きかった