2012年1月10日

腸チフス フィジー、フィリピン、インドネシア、ザンビア
結核 インド

● 腸チフス フィジー、フィリピン、インドネシア、ザンビア
PRO/EDR> Typhoid fever update 2012
Archive Number: 20120110.1005781
[1] フィジー (Western Division ): Fiji Times、2012年1月7日
the Nanoko nursing zone で実施された住民922人に対する強制スクリーニング検査で、合計42人の腸チフス患者 typhoid cases が確認された。Nanoko Village では最多の18人、続いて Tuvavatu settlement with 9 が見つかった。このほか Nubutautau (1), Nasauvakarua (5), Tokoni (2), Mare (3), Natoka (2) and Todrokwadrokwa (2) となっている。医療チーム派遣以前の24例に加え、強制検査後に18例が確認され、この18例のうち8例が healthy carriers だった。無症候性の慢性感染キャリア chronic typhoid carriers の存在と、地域の飲料水の水質や食品安全対策、住民の衛生などに問題があることが、感染発生の原因とされている。90%の家庭が pit toilets を使用している。
[2] フィリピン (Leyte Province):Manila Bulletin、2012年1月4日
地域保健当局 The Department of Health (DoH) in Region 8 は,Leyte province's 4 towns を中心に腸チフス患者 typhoid fever が増加していることを受け、住民らに自宅周辺の衛生への注意を呼びかけている。the towns of Carigara (住民102人が感染), Capoocan, Tunga, and Barugo で注意が呼びかけられている
[3] インドネシア (Jakarta):The Jakarta Globe、2012年1月10日
大統領 President Susilo Bambang Yudhoyono 夫人が腸チフスに感染し軍病院 the Army hospital in Jakarta に入院中であると医師団の1人が明らかにした。"the First Lady は現在も治療中であるが、回復傾向にある clinically she is showing improvements" と説明されている。感染経路や退院の見込みなどについては語られなかった。夫妻は Cilacap, Central Java 視察後、5日に首都に戻っていた。
[4] ザンビア:Zambia Daily Mail、2012年1月9日
Mufulira's Mupambe township において、腸チフス typhoid の治療を受けた患者数が 2094 人に達した。2011年12月の発生以来、6日までの2週間に2人が死亡している。この間 119 人が入院し、79人が退院となった。Mupambe の状況は徐々に沈静化しつつあるが、住民による医療機関の受診が続いている。

● 結核 インド
PRO/EDR> Tuberculosis, TDR(Totally Drug-Resistant Tuberculosis) - India: (MH, KA) 20120110.1005663
[1] 2ヶ月で12人の感染確認:Indianexpress.com、2012年1月7日
イランで初めての Totally Drug-Resistant Tuberculosis (TDR-TB) が確認されてから約3年。この2か月間で12人がインドで初めての TDR-TB patients として確認されたことが、7日報告された
[2] 不適切・不十分な治療が原因:IBNLive South、2012年1月8日
Multi-Drug Resistant (MDR) and Extreme Drug Resistant (XDR) forms よりも、さらに危険な Totally Drug Resistant Tuberculosis, (TDR TB) の患者の死亡が、ムンバイ Mumbai で複数確認されたとの報告を受け、専門家らは、不適切・不十分な治療が、結核感染患者をこの致死性感染症の危険に晒していると指摘した
[3] 薬剤耐性について:Wired.com 、2012年1月9日
インド国内で12人が、全ての結核治療薬への耐性を獲得した結核菌に感染したとのニュースから48時間が経過した。ムンバイの医師らは the strain TDR, for Totally Drug-Resistant と呼んでいる ..... 治療と症状の経過が一致しないことで、多くの患者が治療を完了しないまま服用を中止し、他の要因も加わって多剤耐性 MDR または超薬剤耐性 XDR 結核菌に感染する。MDR とは第一選択薬に耐性を持つ結核菌で、感染した患者の治療には、代わりに効果が低く、副作用が多く、ときに2年以上の長期の服用が必要な "2nd-line"の多剤併用 (cocktail) が必要となる。XDR は 一次選択薬の3剤と、9種類以上ある "2nd-line" の候補薬のうちの数種類に耐性を有する。2011年春 WHO は、年間約 44 万人の MDR-TB が発生し、15万人が死亡し、2万5千人の XDR 患者が発生していることを報告した。2012年の感染者は合わせて200万人と見込まれている

● ハンタウイルス パナマ、アルゼンチン
PRO/AH/EDR> Hantavirus update 2011 - Americas (02): Panama, Argentina 20120110.1005115
[1] パナマ (Veraguas province):Prensa Latina [in Spanish]、2012年1月4日
Chitre, Panama の the Gustavo Nelson Collado Hospital の集中治療室に入院中の 48歳の患者について、ハンタウイルス Hantavirus 感染が疑われている。患者は Montijo, Veraguas province 在住で、当初 the Luis Fabrega Hospital においてインフルエンザに対する治療が行われていたが、改善しないため転院となり、現在集中治療室に入院し危険な状態にある
[Mod.TY- このハンタウイルス肺症候群 hantavirus pulmonary syndrome の患者の原因ウイルスとして最も可能性が高いのは Choclo virus である。20081027.3389 によれば、パナマで確認されている hantaviruses (and their rodent hosts) には Rio Segundo (_Reithrodontomys mexicanus_), Choclo (_Oligoryzomys fulvescens (costaricensis)_), and Calabazo (_Zygodontomys brevicauda (cherriei)_) があるが、この3種類の中でヒトの HPS の原因として病原性が知られているのは only Choclo である]
写真 the pygmy rice rat (_Oligoryzomys fulvescens_)  
[2] アルゼンチン (Buenos Aires and Santa Fe provinces):Diario Popular [in Spanish]、2012年1月8日
the Rossi Hospital in La Plata で、ハンタウイルス感染に類似する症状で 3日に死亡した33歳の女性1名の診断が確定された ..... the Ensenada area of Buenos Aires [province] の Punta Indio 在住のこの女性の自宅を訪れた客は、屋根にネズミがいたため自家用車で一夜を過ごしている ..... 当局は2日にも、the Tortugas 在住で Canada de Gomez [in Santa Fe province] において死亡した若年男性のハンタウイルス感染を確認している。

● シュマーレンベルグウイルス ドイツ
PRO/AH/EDR> Schmallenberg virus - Europe (03): Germany, update 20120110.1006132
[1] 情報源 Web-site of the Friedrich-Loeffler Institute (FLI) [in German]、2012年1月10日
North-Rhine-Westphalia の6つの農場のウシからの検体中、12件の SBV 陽性検体が確認されている。出産予定日の10日前に死亡した双子のウシの1件も含まれている。the RT-PCR "Schmallenberg test による腹水の検査でウイルス感染が確定された。さらに North-Rhine-Westphalia と Lower Saxony の各7か所の、合計14の農場で生まれた奇形のある子羊の脳からもウイルスが検出されている。2011年夏/秋の妊娠早期の母体の感染が奇形の原因である。
[2] 情報源 Web-site of the Friedrich-Loeffler Institute (FLI) [in German]、2012年1月10日
"Schmallenberg virus" と呼ばれる新型の Orthobunyavirus の発見以降、当研究所にウイルス株(の譲渡?)、新たな検査法( our newly developed and validated in-house real-time RT-PCR)、ウイルス遺伝子塩基配列の情報公開に関する依頼が多数寄せられ、所内で十分に検討した結果、特許等を放棄することとした

● 鉛中毒、鳥類 カナダ
PRO/AH> Lead poisoning, avian - Canada (02): (NS) eagles, comment
Archive Number: 20120110.1005482
 投稿者 米・University of Minnesota、Patrick T. Redig DVM, PhD、2012年1月9日
The Raptor Center at the University of Minnesota では、1970年代半ばから lead poisoning in eagles の記録と治療を行っている。1974年以降、年間約120羽のイーグルが様々な理由で保護され、およそ25-30羽に急性鉛中毒の症状が認められた;多くの場合、治療対象とならず安楽死させている。また、保護された理由に関係なく全てのイーグルの鉛検査を行っているが、ハンティングの期間中は90%以上の個体で残留する鉛の血中濃度が上昇していた。大量の鉛に曝露していることは明らかである

● 流行性出血病、シカ科 米国
PRO/AH/EDR> Epizootic hemorrhagic disease, cervids - USA 20120110.1004924
 情報源 Duluth News Tribune、2012年1月8日
数千頭が死亡した病気による parts of eastern Montana や the Northern Plains などの地域の White-tailed deer の個体数の回復には、数年かかる可能性があると, wildlife officials and hunting outfitters が述べている。Montana 州北東部では 100-mile stretch of the Milk River from Malta to east of Glasgow にわたる地域の90% の Whitetail が死亡し、the Missouri and Yellowstone rivers in western North Dakota and eastern Montana や Wyoming, South Dakota and eastern Kansas の点在する地点でも、死亡が報告されている。流行性出血病アウトブレイク outbreak of epizootic hemorrhagic disease, or EHD が原因とされ、ヌカカ biting midges によって伝播される EHD による内臓出血により、感染した動物は数日以内に死亡する .....