2012年1月20日-22日

◎ クリミア・コンゴ出血熱 オマーン
住肉胞子虫症 マレーシア MMWR

◎ クリミア・コンゴ出血熱 オマーン
PRO/AH/EDR> Crimean-Congo hem. fever - Oman: fatal 20120121.1017799
 情報源 Gulf News、2012年1月21日
Woman dies of haemorrhagic Congo fever in Oman 
Al Buraimi Hospital に緊急移送された女性1名が,クリミア・コンゴ出血熱 Crimean-Congo haemorrhagic fever で死亡したことが保健省当局者の話で明らかになった。先週 [18 Jan 2012] Buraimi の政府病院に入院となり、あらゆる手段を尽くしたが、入院が遅れたことが原因で死亡したと説明されている。東西アフリカに多いこのウイルスは、家畜や野生動物からヒトにも感染する人獣共通感染の、ダニ媒介性ウイルス性疾患で、致死率はおよそ30%に及ぶ
[Mod.CP- the Oman Observer からの同様の報告でも、女性の感染状況や正確な場所の情報は得られない。緊急移送の理由も不明だが、オマーン以外での感染の可能性がある。
クリミア・コンゴ出血熱 Crimean-Congo haemorrhagic fever (CCHF) は the genus _Nairovirus に分類されるウイルスによる出血熱で,the genus _Nairovirus_ のウイルスはすべてヒメダニ argasid もしくはマダニ ixodid ticks が媒介するが、ヒトに対する病原性を有するものは3種類のみ: the Dugbe and Nairobi sheep viruses そして human pathogen として最も重要な CCHF である。 
基本的には人獣共通感染症の形を取るが sporadic cases and outbreaks of CCHF によるヒトの感染が起きることもある。
アフリカ、欧州、アジアの多くの国々に endemic である。
ヒトに感染すると重症化し、致死率も高い。幸い、動物の感染は多いが、ヒトに感染することは多くない。ベクターのダニ tick vector (members of the genus _Hyalomma_) 同様、ウイルスは地理的に広範囲に分布する。endemic areas の医療従事者はこの疾患およびその院内感染リスクの予防策を知っておく必要がある。
CCHF virus は広い範囲の家畜と野生動物に感染する可能性がある。鳥類は感染しないが、ダチョウは例外的に susceptible で endemic areas では広く感染が認められる。動物は感染ダニの刺咬によって CCHF virus に感染するが、最も重要なダニから動物への感染経路は、幼若ダニ immature _Hyalomma_ ticks による小型脊椎動物の吸血による感染とされている。ダニは一旦感染するとその発達段階を通じて感染性を有し、成熟ダニ the mature tick となって家畜のような大型脊椎動物に感染伝播を引き起こすと考えられている。ウシ、ヒツジ、ヤギなどの家畜反芻動物は、感染後約1週間、ウイルス血症の状態となる。
ヒトの CCHF 感染では、感染性のある家畜の血液その他の感染組織との直接の接触や、ダニの刺咬により、ウイルス感染が起こる。患者の大部分が農業,と畜場作業員、獣医師などの畜産関係の職業に関係している。
潜伏期間の長さはウイルスの感染様式に左右される。ダニ刺咬による感染後の通常の潜伏期間は1-3日間で、最大9日間であるが、感染性血液や組織との接触による感染では、5-6日間から最大13日間となる。
発症は突然で、発熱、筋肉痛、めまい、頚部痛と硬直、背部痛、頭痛、眼痛、光線過敏などを伴う。早期の症状として、嘔気、嘔吐、咽頭痛に、下痢や腹部全体の痛を伴うこともある。それからの数日間で、はっきり判る気分の変調 sharp mood swings や、時に錯乱 confused や攻撃性が見られるようになる。2-4日後に、不穏状態 the agitation から、傾眠 sleepiness、うつ、無気力 depression and lassitude に変わり、腹痛は右上腹部に限局し、肝腫大が触知可能となり、出血傾向や出血性の肺炎が認められるようになる場合もある。CCHF による致死率はおよそ30%で、死亡は発症から第2週目に発生する。patients with suspected or confirmed CCHF の血液または感染性の組織に触れた医療従事者には、推定される曝露から少なくとも14日間、体温と症状のモニターとフォローアップが必要である]

● 住肉胞子虫症 マレーシア 
PRO/AH/EDR> Sarcocystosis, human - Malaysia (Tioman Island) 20120121.1017715
 情報源 MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2012 Jan 20;61(02):37-8、2012年1月20日
Acute muscular sarcocystosis in travelers returning from Tioman Island, Malaysia
GeoSentinel (the surveillance program of the International Society of Travel Medicine and CDC) は、マレー半島東岸沖のティオマン島 Tioman Islandhas への旅行者らの間で、32例の急性筋肉胞子虫症疑い患者 suspected acute muscular sarcocystosis を確認している。いずれの患者も、2011年夏に Tioman Island を旅行している。帰宅から数日以内に発熱と筋肉痛があり、激しい痛みが長期間続いた。末梢の好酸球血症とクレアチニンフォスフォキナーゼの上昇が認められた。acute trichinosis and toxoplasmosis の血清検査はいずれも陰性だった。患者の半数はドイツ国内で確認されている。他の患者は、欧州、北米およびアジアの患者であった。2人の患者の筋生検により sarcocystosis に一致する所見が得られた。_Sarcocystis_ spp. は細胞内原虫の寄生虫 protozoan parasites であり、ヒトは the definitive host for _Sarcocystis hominis_ and _Sarcocystis suihominis_ であり、十分加熱されていない牛肉や豚肉 sarcocyst-containing beef or pork の摂取により感染する

● 鳥インフルエンザ、ヒト 中国、研究の一時休止 H5N1(2件)
中国
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (11): China (GU)
Archive Number: 20120122.1018533
[1] Man dies of bird flu in south west China
 情報源 Xinhua English News、2012年1月22日
衛生部によると、中国南西部の 39歳の男性1名が、高病原性鳥インフルエンザ Avian influenza(H5N1)ウイルス感染により死亡したことが、22日に確認された。この男性は、6日に発熱し、22日に貴州省 Guizhou 省都/貴陽 Guiyang 市で死亡した。当局により H5N1 感染が確認された。男性と接触のあった71人については、今のところ健康状態に問題はないとされている。
[2] Man dies of H5N1 bird flu in Guizhou
 情報源 RTHK English News、2012年1月22日
当局 The mainland authorities は、貴州省の男性1名の鳥インフルエンザ H5N1 bird flu による死亡を確認し、香港当局 the Centre for Health Protection in Hong Kong への通知を行った。この39歳の男性は、6日に発症し同日入院となっていた。発症前の家きんとの接触は報告されていない。先月[2011年12月]、深センの39歳の男性が鳥インフルエンザと診断されて後に死亡している。今回の事例では、直接の家きんとの接触は確認されていないものの、それでも専門家は、家きんが感染源である疑いがあるとしている。
[Mod.CP- WHO により確認されれば、中国国内の鳥インフルエンザの患者数 the total number of cases of avian A/(H5N1) influenza virus infection は、42 with 28 fatalities. ということになる。1例 in 2003 以下、 8 in 2005, 13 in 2006, 5 in 2007, 4 in 2008, 7 in 2009, 2 in 2010, 1 in 2011, and 1 so far in 2012.となっている]

PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (10): research moratorium
Archive Number: 20120122.1017851
[1] Researchers announce pause in controversial H5N1 studies
 情報源 CIDRAP News、2012年1月20日
世界中のインフルエンザのトップ研究者らが、H5N1 ウイルスの取り扱いに対する潜在的な危険性に関する絶え間ない論争に対し、そのリスク、利益、監視の時間的猶予を確保するためとして、60日間の研究休止を発表した ...
[2] Pause on avian flu transmission studies
 情報源 Nature (2012) doi:10.1038/481443a, published online、2012年1月20日
(formal statement by: Ron A M Fouchier, Adolfo García-Sastre, Yoshihiro Kawaoka, and 36 co-authors)

● 病原性大腸菌 EHEC 米国 2011年
PRO/AH/EDR> E. coli EHEC, 2011 - USA: (CA), raw milk, environmental source
Archive Number: 20120122.1017852
 情報源 CBS News、2012年1月20日
カリフォルニア州中部 Central California の乳用牛飼育地域 raw milk dairy's calf area 1か所で採取された環境サンプルの検査で、昨年[201年]に5人の小児が感染した大腸菌 the strain of _Escherichia coli_ が陽性となったことが、20日、州保健当局者から Organic Pastures Dairy Co. に送られた書面で明らかにされた。保健局によると、この Fresno County にある農場の肥料、土壌、水質、作業場から10件の検体で、流行の原因となった大腸菌 the outbreak strain と遺伝学的に同じ菌が陽性となった

● レジオネラ症 スペイン
PRO/EDR> Legionellosis - Spain: (AN) hotel
Archive Number: 20120122.1018077
 情報源 National electronic Library for Medicines News Service、2012年1月19日
Calpe , Costa Blanca のホテル1か所で、レジオネラ症 Legionellosis 感染流行の発生が疑われている。同ホテルに関係して、4人の患者のレジオネラ症感染が確定され、5人についても感染が疑われている。さらに16人の調査が続いている。発症は1月16日であった
参考項目 20101115.4142

● ツツガムシ病 インド
PRO/AH/EDR> Scrub typhus - India: (TN)
Archive Number: 20120121.1017732
 情報源 Times of India、2012年1月20日
the Erode district で3人がツツガムシ病 Scrub typhus により死亡したと見られている。2011年12月には Dharmapuri district で多数の発生があり、現在 Erode district に拡がっている。農地の落花生や穀物を狙うネズミにより伝播される。Nambiyur in Erode district の 2人と、Puliyampatti の1人が感染した
[Mod.LL- Scrub typhus, Republic of Palau. Emerg Infect Dis [serial on the Internet]. 2006 Feb]

● 類鼻疽 オーストラリア
PRO/EDR> Melioidosis - Australia: (NT) 20120121.1017731
 情報源 Australian Broadcasting Corp、2012年1月18日
土壌から類鼻疽 melioidosis に感染した政府議員の配偶者は、Royal Darwin Hospital で回復しつつある。この男性は、足のキズが治らないため医師を受診した。女性医師は、芝刈り中に類鼻疽に感染したと見ている。靴をはき、帽子をかぶり、日焼け止めをし、手袋を着用するなど、注意していたが、半ズボンを履いていた、と説明されている。ノーザンテリトリー The Northern Territory Centre for Disease Control では、今シーズン this wet season 、死者2名を含む24例の類鼻疽患者が確認されている

● ブルセラ症 米国
PRO/AH/EDR> Brucellosis, human - USA: (MA), unpasteurized milk 20120121.1017730
 情報源 Boston Globe、2012年1月20日
Western Massachusetts のある dairy farm で製造された生のミルクを飲んだ男性1名が、ブルセラ症 Brucellosis に感染した疑いが持たれていることが、20日当局から発表された。少なくとも 20年以上この地域の家畜で発生のなかった感染症が再び発生した恐れがある。ブルセラ症は本来は動物間で感染する病気であるが、生のミルクの摂取でヒトにも感染することがある。当局は、男性が生ミルクを購入した Twin Rivers Farm in Ashley Falls が感染源と見て調査を行っている。同農場だけで販売されており、小売店では販売されていない。pasteurized milk は安全であると述べている 

● コレラ コンゴ民主共和国、チャド、ソマリア、フィリピン、インド
[1] コンゴ民主共和国 Congo DR (Bukavu):Press TV、2012年1月16日
人口450万人の South Kivu (capital of Bukavu Province) で新たにコレラ感染流行が発生し、先週以降、1600人以上の患者と 14人の死者が確認されている。昨年 [2011年] も、19000人近い患者と200人以上の死者が報告されている ...
[2] チャド Chad:Medecins Sans Frontieres (MSF)、2012年1月11日
2011年の大規模流行で MSF teams がコレラ感染の治療を行った 12 000 人のうち、約 75%がチャドの患者であった。450人以上の死者と 17200人の患者が報告されており、1996年以来の数字となった。ピークの 8月には 1週間あたり最大の1250人の患者が新たに報告され、うち 1/3が首都ンジャメナ N'Djamena で発生した ... 2010年に、チャド国内で治療を受けた患者数は 6800人を超えている。
[3] ソマリア Somalia (refugee camp):Press TV、2012年1月4日
ソマリア国内で少なくとも新たに 25人の小児がコレラ感染流行により死亡した。エチオピアとの国境に近い the Dolo Ado refugee camp の医療関係者は、25人以上の小児が亡くなり、278人が死に瀕していると述べている。コレラ感染は、Banadir, Bay, Mudug, and Lower Shabelle regions of Somalia で確認されており、過去数か月間に the number of acute diarrhea cases は急増した
[4] フィリピン Philippines (Albay province):Inquirer、2012年1月16日
保健当局 (Albay) は1月初旬に3人が死亡したことを受け、州内のコレラ感染流行に対して、厳重な警戒を行っている。2011年12月に、5 of the 7 cases recorded in December were from Daraga town, 1 from Ligao City and 1 from Legazpiが報告されていた。1月に入り、 Barangay Gapo, Daraga で3人が死亡した。
[5] フィリピン Philippines (Mindanao):Sun Star、2012年1月5日
Zamboanga City で2人がコレラ感染により死亡した 
[6] インド India (Puducherry):Express News Service、2012年1月10日
4日間に胃腸炎の症状のあった106人のうち、9人にコレラ感染が認められた ...

● 壊死性筋膜炎 米国
PRO/EDR> Necrotizing fasciitis - USA: (LA) injecting drug use, “bath salts” 20120121.1017646
 情報源 ABC Good Morning America、2012年1月17日
"bath salts" と呼ばれる、路上で販売されている薬剤を使用したことにより、人食い病 flesh-eating disease に罹患した。bath salts の筋肉内注射により、壊死性筋膜炎が起きた症例はこれが初めて。bath salts とは "様々なアンフェタミン類似物質 various amphetamine-like chemicals" が混じった合成粉末 synthetic powders として売られている、と the United States National Institute on Drug Abuse は説明。同機関は、2011年2月に、注射することで皮膚に深刻な問題を生じる the ravaging skin condition ことを指摘していた

● リーシュマニア症、内臓 スーダン
PRO/AH/EDR> Visceral leishmaniasis - Sudan: (DN) children
Archive Number: 20120120.1016921
 情報源 Radio Dabanga、2012年1月17日
Kala-azar in children at Zam Zam camp, El Fasher in North Darfur
EL Fasher (in North Darfur) 近郊の Zam Zam にある内戦による難民キャンプで、小児らが、カラアザール Kala-azar,内臓リーシュマニア症 [visceral] leishmaniasis とも呼ばれる、に罹患していると報じられた。キャンプでの医療活動従事者は保健省に対して、93例を報告した。41か所の保育所で16例、30か所あるうちの2か所の学校でも120例が確認されている。
[Mod.EP- スーダン国内で Leishmaniasis は endemic の状態であり、ProMED-mail では南スーダンやスーダン東部からくり返し報告されている。小児が関係する今回の報告は特に心配ではあるが、珍しいことではない。治療は難しい。 southern Sudan からの最近の報告 (Visceral leishmaniasis relapse in Southern Sudan (1999-2007): a retrospective study of risk factors and trends. PLoS Negl Trop Dis. 2010;4:e705) では、17日間の併用療法 sodium stibogluconate/paromomycin (SSG/PM) combination therapy と 30日間の単剤による治療 SSG monotherapy の比較では、再発リスクは増加 increased risk of relapse (OR = 2.08 (1.21, 3.58)) したが、死亡リスクの減少 reduced risk of death (OR = 0.27 (0.20, 0.37))が認められた。主な保有動物であるげっ歯類の駆除のほか、1件の研究 (Evaluation of a mass distribution programme for fine-mesh impregnated bednets against visceral leishmaniasis in eastern Sudan. Trop Med Int Health. 2007;12:404-14)では、含浸蚊帳 impregnated bed nets の使用でもリスク減少が認められている]

● インフルエンザ WHO
PRO/EDR> Influenza (03): WHO update number 151
Archive Number: 20120120.1016834
 情報源 WHO Surveillance and monitoring、2012年1月20日
 -北半球温帯地域: 全体的に低調ながら、カナダ、欧州(トルコ、スペイン、イタリア、マルタ)、来たアフリカ(チュニジア、アルジェリア)、中国、中東(イラン)で活動性増加の報告
 -熱帯地域は低調または検出感度以下、ただしB が増加する中国南部とA(H3N2)が報告されたコスタリカを除く
 -南半球温帯地域: チリ、パラグアイ、オーストラリアは夏季も低調な A(H3N2) 活動性を報告するも、全般にinter-seasonal levels
 -北半球温帯地域では influenza A(H3N2) が優勢だが、メキシコだけはinfluenza A(H1N1)pdm09 が優位であり、中国はinfluenza type Bが優位

● 狂犬病 英国、カナダ(2件)
PRO/AH> Rabies - UK: pet travel scheme amendment
Archive Number: 20120122.1018492
[1] Changes to the Pet Travel Scheme – implications for human health
 情報源 Health Protection Report 2012; 6(3) 、2012年1月20日
2012年1月1日より、英国ペット旅行 the UK Pet Travel Scheme (PETS) が変更され、ペット連れの旅行がより簡単になった。
これまで行われてきた6ヶ月の検疫期間 [in the UK] がなくなり、狂犬病や他の外来疾患の清浄状態の確保のために必要とされていた他のコントロール対策のほとんどについて、他のEU 諸国の対策と足並みをそろえることになった。すべてのペットは、狂犬病ワクチンを接種しなければならないが、EU (と豪および米などの一部の国々)から入国する場合、渡航の21日前までにワクチンを接種すればよいことになった(一方、これ以外の国から連れてくる場合は、血液検査による免疫 (抗体) 保有の確認と、その後、入国までに3か月間の待機が必要となる)。
英国への入国前のダニ治療は不要となったが、サナダムシ tapeworms については、今後も治療が必要である。英国の当局 DEFRA [the UK Department for Environment, Food and Rural Affairs] は、これらの変更による狂犬病およびダニ媒介性疾患の輸入リスクは極めて低いと判断した。イヌのダニ the dog tick _Rhipicephalus sanguineus_ (the vector for 地中海紅斑熱 Mediterranean spotted fever) が、治療を受けていないイヌにより英国内に持ち込まれる可能性が考えられるが、現在の気候条件下でより広い環境に定着するリスクは無視しうるものと考えられ、また、ヒトや乗り物など他の経路でダニが侵入する可能性もあるとの結論に至った。狂犬病に関しては、ヒトおよび動物の感染リスクはきわめて低いと考えている。現在、動物の狂犬病感染が疑われた場合英国の獣医学当局は、必要な場合には直ちに調査と検査を実施している ... 動物との接触があった患者に対する暴露後接種 post-exposure prophylaxis (PEP) は定期的には実施されていないが、動物の由来や行動などから懸念される場合には実施している ... 暴露前接種については、輸入動物を取り扱う検疫所や動物園の職員、およびコウモリと常に接触のある人々などに対して行われている
参考情報 Travelling with pets. Department for Environment, Food and Rural Affairs (DEFRA)
[2] 情報源 DEFRA press release、2012年1月1日。
... 1800年代からペットに課せられ続けられていた6ヶ月間の検疫観察期間を、狂犬病ワクチンや治療が大幅に改善された現代の科学に基づいて、1月1日より、他のEU諸国のペット移動規則に合わせる形で変更することなど

PRO/AH> Rabies, fox - Canada (NL) 20120121.1017798
 情報源 CBC News、2012年1月20日
Rabies case confirmed in Labrador
Wabush 近郊で a red fox の狂犬病 Rabies ウイルスの感染が確認されたことを受け、州主席獣医官は Labrador に狂犬病感染流行 outbreak of rabies の可能性があるとして注意を呼びかけている。死亡したキツネのウイルス検査結果が陽性であったことが判明した。 Labrador で狂犬病が確認されたのは 2005年以来

● 馬ヘルペスウイルス カナダ
PRO/AH> Equine Herpesvirus, equine - North America (05) (Canada) (ON)
Archive Number: 20120122.1018550
 情報源 Horsetalk.co.nz、201年1月22日
Fatal case of EHV-1 in southern Ontario
オンタリオ Ontario 州南部から、馬ヘルペスウイルスthe neurological form of equine herpesvirus-1 (EHV-1)感染による死亡例1例が報告された。農業当局 The Ontario Ministry of Agriculture Food and Rural Affairs によると、1月初旬に行われた、重症神経疾患のウマ1頭の血液検査に対する、 EHV-1 検査が陽性であることが確認された

● クルミの病気,Bacterial blight オーストラリア
PRO/PL> Bacterial blight, walnut - Australia: (NS)
Archive Number: 20120122.1018001
 情報源 Australian Broadcasting Corporation (ABC) Rural 、2012年1月17日
Bacterial bligh infects walnut orchard
the NSW Bega Valley の Wyndham のクルミ栽培農家の1人は、2011年3月の洪水による農地が冠水し、雨の多かった春には bacterial blight が発生したため、2012年は収穫できないことが見込まれている ...
[Mod.DHA- Bacterial blight (BB) of walnut (_Juglans_ species) の原因は  _Xanthomonas arboricola_ pv. _juglandis_ である]

● 小麦の病気,Stripe rust インド
PRO/PL> Stripe rust, wheat - India: update
Archive Number: 20120122.1017973
 情報源 IBN Live、2012年1月7日
Punjab, Haryana gear up to contain yellow rust
Punjab and Haryana 両州当局は、yellow rust on wheat crops への対応に一層の努力を行っている
[Mod.DHA- Stripe rust (also called yellow rust) of cerealsは、真菌の _Puccinia striiformis_ var. _striiformis_ を原因とする]
関連情報 20110211.0469

● カンキツグリーニング病、柑橘類 米国
PRO/PL> Huanglongbing, citrus - USA: (TX) spread
Archive Number: 20120122.1017941
 情報源 North American Plant Protection Organisation (NAPPO) 、2012年1月20日
APHIS confirms citrus greening in Texas
13日、動植物衛生監視当局 the Animal and Plant Health Inspection Service (APHIS) は、 the San Juan area of Hidalgo County で商業柑橘類栽培施設内の1本の sweet orange tree から採取された検体で、カンキツグリーニング病 citrus greening の発生を確認した。調査 ongoing citrus surveys 中に、症状のあった樹木から検体が採取され、発見された。2009年以降、APHIS は州内全域で、同疾患のベクターである、 the Asian citrus psyllid (シラミ)の駆除を行ってきた ...
APHIS will publish citrus greening quarantine areas 
[Mod.DHA- Huanglongbing (HLB), or citrus greening の原因は、師管内細菌 the fastidious phloem-inhabiting bacterium _Candidatus_ Liberibacter asiaticus により、アジアの多くの地域で発生している。感染は、ベクターの宿主の範囲が狭いため、_Citrus_ and close relatives に限られている]

● ウシ結核 英国
PRO/AH> Bovine tuberculosis - UK: (England) badger control 20120121.1017815
 情報源 BBC News、2012年1月19日
Badger cull pilot areas revealed
 情報源 BBC News、2012年1月19日。
ウシ結核 cattle tuberculosis 感染減少を目的とするアナグマ駆除の試みが、2012年 west Gloucestershire and west Somerset で実施されることが、政府当局から明らかにされた。保安上の理由から、詳しい場所は明らかにされていないが、the Gloucestershire area の大部分の地域は Tewkesbury and the Forest of Dean 近郊に位置し、一方 the Somerset には part of Taunton Deane画布組まれている。駆除作業は8月からの6週間に実施される可能性が高く、今後さらに地域を広げて実施されるものと見られている

● 馬ヘルペスウイルス 北米
PRO/AH> Equine herpesvirus, equine - North America (04): (CA) 20120121.1017140
 情報源 The Horse.com、2012年1月19日
California EHV-1: case total rises
Orange County, CA, で新たに1頭の馬ヘルペス equine herpesvirus-1 (EHV-1) 感染が確認された

● リーシュマニア症 ウルグアイ OIE
PRO/AH> Leishmaniasis, canine - Uruguay: (Montevideo) OIE
Archive Number: 20120120.1016268
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2012; 25(3)、2012年1月17日
Leishmaniasis, Uruguay 1st occurrence of a listed disease
感染開始時期 2011年10月10日
病原体  _Leishmania_
新たな感染流行
発生地 Barrio Brazo Oriental, 13, Montevideo
感染した種/頭数/症例数/死亡/ Destroyed / Slaughtered
Dogs イヌ / 1 / 1 / 0 / 0 / 0
私邸で飼育されていた5歳のメスのLabrador で、皮膚病変と多発関節炎のため獣医師を受診し、皮膚科医が leishmaniasis を疑い、皮膚生検を行った。

● 馬インフルエンザ チリ
PRO/AH> Equine influenza - Chile: (RM)
Archive Number: 20120120.1016186
 情報源 Radio Polar (Magallanes) [in Spanish]、2012年1月16日
Santiago Metropolitan Region の Colina において、馬インフルエンザ outbreak of equine influenza [EI] が確認され、当局は馬主らに注意を呼びかけている。これまでに2頭の感染が確認された

● White nose syndrome、コウモリ 北米
PRO/AH> White nose syndrome, bats - North America (02): update
Archive Number: 20120120.1016185
[1] US FWS news release
North American bat death toll exceeds 5.5 million from white nose syndrome
 情報源 US Fish and Wildlife Service news release、2012年1月17日
米当局 US Fish and Wildlife Service biologists は、新たな冬眠期間のコウモリの調査を前に、 white nose syndrome により、570万から670万頭のコウモリが死亡したと推計し、今も感染の拡大が続いていると見ている
[2] 情報源 The Washington Post、2012年1月17日
white nose fungus の発見から5年、初めてコウモリが冬を過ごす a New York cave でも発見され16の州とカナダにおいて最大 6.7 million of the animals が死亡したと見られることが、17日、the US Fish and Wildlife Service から発表された 

● Wobbly possum disease ニュージーランド
PRO/AH> Wobbly possum disease - New Zealand: (NO)
Archive Number: 20120120.1016184
 情報源 Scoop, TB Free New Zealand report、2012年1月17日
における、ポッサム possums [_Trichosurus vulpecula_] での "wobbly possum disease" 発生の未確認情報を受け、動物衛生当局 the Animal Health Board (AHB) は、地域内での感染拡大防止への協力を呼びかけている。野生動物の新たな地域への移動は、いかなる場合も、極めて無責任な行動である、と当局者は忠告した。1つのウイルス-- wobbly possum disease --を循環させるだけでなく、かつて発生のなかった地域に bovine TB を持ち込むことにもなりかねない、と警告した ...
[Mod.TG- すぐに話は、NZ でポッサムがまん延させる事が多いウシ結核にかわってしまった。wobbly possum は興味深い症候群で、ウイルスによるものらしい事は確認されているが、積極的に認められたり、特徴が明らかにされたりしていない。症状 The clinical signs of wobbly possum disease として、すぐにそれと分かるような行動変容 extensive behavioral changes, making it easily identifiable in live animals (Thompson et al, 1999) があり、日中の食事を行い、進行性の失調症があり、頭をひょいと持ち上げるような奇妙な頭部の運動と、バランスを取ろうとして足を大きく広げる異常なスタンスを取る。ポッサムの状態は不良であることが多く、傷つき scouring 後ろ足の周りが衰えた being wasted around the hindquarters 状態となる。病気が進んだ状態では、 possums are "wobbly(ぐらぐら)" -- となり、足は不安定で、距離を判断できず、行動が鈍くなる。組織レベルで見ると、腎臓、肝臓、脾臓の広範囲に病変が及び(このため、栄養補給が必要となり日中にエサを摂るようになる)、脳内にも病変が確認される(運動失調の原因]

● 炭疽 ペルー 
PRO/AH> Anthrax, bovine - Peru (02): (TA)
Archive Number: 20120120.1015222
 投稿者 米・Chicago Department of Public Health 、Julio R Fernandez, MC、2012年1月17日
Poquera village (Sama District, Inclan Province, Tacna, Peru)において、2頭の子牛が炭疽 Anthrax 感染により死亡したが、今のところヒトの感染は確認されていない。Environmental Health -- Regional Directorate of Health当局から公式に発表されている。