2012年2月11日-13日

鳥インフルエンザ H5N1 致死率、無症候性感染

● 鳥インフルエンザ 致死率の概算
PRO/AH/EDR> Avian influenza (16): case fatality estimates
Archive Number: 20120213.1040666
 情報源 CIDRAP News 、2012年2月9日
公式確認されているヒトの H5N1 型鳥インフルエンザ Avian influenza 感染による致死率は、59%(584例中死亡345例)と驚くべき高い数字である。しかし、現在のフェレットの間での H5N1ウイルスの空気感染に関する2件の研究論文の筆者 (支持者?proponent)らは、検出されていない、より多くの軽症または無症候性感染があり、実際の致死率はこれよりずっと低いと述べている。
(致死率の分母である)実際の感染患者数が多くなれば、致死率は下がることになる。一部では、実際の致死率が "orders of magnitude(桁が違うほど)" 低いと示唆されている。
しかしこの議論は、科学的知見の流れに逆らったものである。無症候性もしくは潜在性の感染例を検出する主な手法は、感染した患者や家きんと接触したり、流行地域に住んでいたりして、ウイルスに曝露した可能性があるが発症したことのない人々の間で H5N1抗体測定による血清学的調査を実施することである。このような調査は、主に2003年以降のこれまでに何度も行われてきたが、確認された場合であっても H5N1 抗体保有者極めて少数で、たとえば2011年1月に発表されたシステマティックレビューでは、リストアップされた20件の血清学的調査のうち、2003年以降の17件の研究で血清抗体陽性率は 0から2.8%の範囲にあり、ほとんどの研究で陽性者なしと報告されていた。
しかし専門家らから、いくつもの不確実性がデータを不明確にしているとの指摘がある。
1つは、測定法や抗体陽性とする基準値のばらつきであり、もう1つは、血中のH5N1抗体陽性の持続期間が明らかではないことである。さらに、H5N1感染のあった患者が別のクレードdifferent clade (strain) of the virus を標的とするアッセイ検査を受けた場合、抗体が検出されない可能性もある ... 
血清学検査による調査の大部分が、曝露の可能性のある職業を対象としており、たとえば2006年の中国広東省の調査では110人の家きん業労働者110人のうち、H5N1抗体陽性者はたった1人だった。2009年にドイツの H5N1 outbreak on Ruegen Island への対応に当たった97人の消防士、公務員、獣医師らの調査では、感染の証拠があったものは1人もなかった。また2007年、H5N1 outbreaks in 2004-05 を経験したベトナムの家きん業労働者と処分作業員ら500人のうち、陽性患者は0人だった。医療関係者についてもほぼ同じ結果が得られている。2004年のタイとベトナムで3つの研究チームが調べたところ、ほぼ全員が H5N1感染と確定診断された患者と接触のあった医療施設の職員168人の中に、検査陽性者はなかった。職業的曝露のない人々の、検出されていない患者についての調査も行われており、2005年に2人の患者が発生したカンボジアの複数の村の351人の調査を行い、陽性患者は認められなかった。
2006年に感染流行のあった地域で行った同様の調査では、674人中7人 (約1%) が陽性だった。カンボジアで行われた他の研究では H5N1感染患者1名が発生した1か所の村の住民700人のうち18人 (2.6%) の陽性が確認されている。
しかし1997年に香港ではじめてヒトでの H5N1感染が流行し、18人中6人が死亡した後に実施された研究ではこのようなパターンとは異なる興味深い結果が出ている。発生後の血清学調査で、発病していないにもかかわらず H5N1抗体を保有する人の数がかなりの高い割合で認められた。例を上げれば、香港の H5N1患者の家族及び社会的接触者51例の検査で6例 (12%) が血清抗体陽性であり、他の調査でも、感染流行対応に当たった政府関係者293人中9人 (3%) 陽性や、家きん飼育業者の10%陽性との調査結果もある。さらに、H5N1患者に曝露した医療関係者21人中8例 (31%) が陽性との結果も報告されている。研究者らは、香港の感染流行における認識されない感染率の高さは、1997年の H5N1株と、より最近の株との遺伝学的相違により説明可能と推察する ....
2008年、それ以前に多数の感染流行が発生したタイの農村部の800人に行われた米・タイ共同の調査では、参加者のうちの45人 (5.6%) が、血液中にタイ国内で確認された a 2005 strain of H5N1 ウイルスに対する抗体を、28人 (3.5%) が a 2006 strain に対する抗体を保有していた。60歳以上でより高率であったが、職業的な家きんへの曝露との疫学的関連性は認められなかった。
他の研究者の中に、この調査研究のための検査で陽性となる基準値が非常に低く設定 set a very low bar (抗体価 1:10) されていたため、解釈は慎重にすべきとの意見もある。Imperial College London の研究者は、調査にはすべて a titer of 1:40 (by microneutralization [MN] or hemagglutination inhibition [HI]) を使用している。1:10ではヒトの季節性インフルエンザとの交差反応や、長時間が経過した H5N1ウイルス抗体、あるいは意味のないものを表すものかもしれないと述べられている ... 欧州委員会は、2011年12月後半に招集したワークショップで、血清疫学的研究において疫学及び検査のいずれの方法にも高い一貫性を保つことを目標とすることを掲げている。the World Health Organization (WHO) もまた、H5N1抗体検出について1つの検査法による antibody titer of 1:80 or higher と指定し、他のアッセイによる確認試験を必要とする、との基準を示している。研究目的では、臨床検査と対照的にマイクロ中和アッセイ microneutralization (MN) assay が勧められている。この検査法では生きたウイルス live H5N1 virus が必要であるため biosafety level 3 lab でなければ実施できない。CDC の研究者らは、ヒトのインフルエンザウイルスの標準的な血清検査である HI [haaemagglutination inhibition] が鳥インフルエンザウイルスの検出に鋭敏でないことが確認されたことから、MN for highly pathogenic H5N1 を開発した。20件の研究のうち、一次検査として14件が MN を採用し、4件は HI を使用し、1件は MN または HI を使用しており、他の1件は MN または ELIZA を用いていた。
もう1つの問題点は、H5N1抗体の感染後の持続期間についての不確実性である。重症化して回復した、H5N1ウイルス感染と確定された患者は、1-2年もしくはそれ以上続く確実な抗体反応が見られるが、無症候性感染や軽症患者の抗体反応の変化については、詳しく理解されていないと説明されている。また年齢による反応の違いもあると考えられ、"小児では、感染から3.5ヵ月後の検査では低いながらはっきりとした抗体価上昇が認められたが、半年から1年後には抗体が検出されなかったかも知れない" ため、1年後に H5N1検査を受けて陰性であったとしても感染を除外することはできない、と述べている ... 
2010年5月に発表された研究で東南アジアの研究者らが、重症 H5N1感染症患者は、無症候性感染の患者と比べ、より強く、長く続く抗体反応が認められることを示している。複数の時点において、ベトナムの重症感染例 (11人) とカンボジアの無症候性感染例 (31人) の血清検体が調べられ、重症患者の MN 抗体価の平均値が 1:540 at 1-2 months and 1:173 at 1-12 months after illness であったのに対し、無症候性感染では 1:149 and 1:62 だった。さらに、発症例では2年以上抗体陽性が継続したが、無症候性だった人では暴露から10ないし11ヵ月後に23例中10例が検査陰性となった。そしてさらに、常に H5N1ウイルスの遺伝学多様性が進んでいることも、血清学的研究の妨げとなっている .....

● インフルエンザ ニュージーランド、日本から
PRO/EDR> Influenza (10): New Zealand (AU) airport ex Japan
Archive Number: 20120213.1040743
 情報源 ONE news, tvnz、2012年2月13日
オークランド Auckland 空港での騒動 health scare は過剰反応であったことを認めた上で、保健当局は、安全を優先させる考えであることを明らかにした。到着したばかりの数十人の日本人学生らに、インフルエンザ Influenza 感染の疑いがあり、これに当局が対応した。最悪の事態に備えて救急隊が待機する中、渦中の学生らは、何が起きたのかと訝しげに到着ゲートを通過した。東京発の NZ90便は、ホームステイをするため搭乗していた73人の日本人学生らが、特定できないインフルエンザに感染している疑いがあるとされたため、13日の9時まで駐機場で留め置かれていた .... 日本が冬を迎える前の11月中に、グループ全体でワクチンを受けていた、とホームステイを企画した担当者は述べている。少数の男子学生が、普通の風邪と変わらないウイルス感染症に罹患していたと診断された .... 到着から4時間後に、10日間のホームステイ先である Tauranga に向かった。
[Mod.CP- オークランド保健当局が過剰に反応したのは、現在日本で210万人以上がインフルエンザ流行により感染していることによる影響であったのかもしれない....日本のインフルエンザ発生状況など]

● コレラ マラウイ、コンゴ民主共和国
PRO/EDR> Cholera, diarrhea & dysentery update 2012 (05): Africa 
Archive Number: 20120213.1040722
[1] マラウイ Malawi (Southern Region):Inter Press Service、2012年2月10日。
モザンビークとの国境に近いマラウイ南部 Malawi's Nsanje and Chikhwawa districts においてコレラ Cholera 感染流行が発生した。保健当局は2010年1月後半に起きた洪水による衛生状況の悪化が原因と見ている。Nsanje だけで500か所以上のトイレが流され、汚水により水源が汚染されている
[2] コンゴ民主共和国 Congo DR (Bas-Congo Province):XinHuaNet、2012年2月8日。
2月前半に the village of Muanda (Bas-Congo province) においてコレラ感染流行が発生し、少なくとも4人が死亡したことが、6日、当局 DR Congo's National Institute for Biomedical Research (INRB) から発表された。コレラ感染流行は、Muanda からそう遠くない軍施設 the Kitona military base でも発生が確認されている .... 2011年10月から12月にかけて、Equator province and 首都キンシャサ Kinshasa で発生したコレラ感染流行により、42人が死亡している。

● ブルセラ症 台湾 2011年
PRO/AH/EDR> Brucellosis - Taiwan: 2011, imported
Archive Number: 20120213.1039923
 情報源 Channel News Asia、2012年2月7日
台湾は30年間、ブルセラ症 Brucellosis 清浄状態にあったが、2011年5月と10月に5例の輸入感染が発生した。確定診断された5人は、海外で感染した台湾在住の市民で、1人は北米、3人がマレーシア、5人目は中国で感染した

● ペスト ウガンダ 
PRO/AH/EDR> Plague, fatal - Uganda: (AW) RFI 
Archive Number: 20120213.1039922
 情報源 AllAfrica, The New Monitor (Uganda) report、2012年2月8日
Opia parish (Vurra County, Arua district) において、同じ症状の2人が死亡し、ペスト Plague 感染流行が疑われている。ここ数年、隣国のコンゴ民主共和国では、ペスト感染流行が続いている。以前に感染流行のあった、国境地帯 the 2 bordering districts of Nebbi and Arua では、2009年から監視計画が実施されている。
[Mod.LL- 症状に関する情報が記されていない]

● ハンタウイルス チリ、ペルー 
PRO/AH/EDR> Hantavirus update 2012 - Americas (05): Chile, Peru 
Archive Number: 20120213.1039499
[1] チリ Chile national
 情報源 La Tercera [in Spanish]、2012年2月8日
過去5年間に、全国で246例のハンタウイルス肺症候群 hantavirus pulmonary syndrome [HPS] が発生。このうち58例が the Bio Bio region、次いで42例が Los Lagos with 42 であったことが、保健省発表の数字で分かった。
2012年はこれまでに、2011年と同じ8例の発生があり、致死率は 37.5 %に上っている。 Bio Bio では、 La Araucania and Maule で感染が確認されている ... 確定診断された3例の死亡患者のうちの2人が、受刑者 the El Manzano prison だった。3人目は、キャンプ中に死亡した the Potrero Grande area in Curico の成人男性である ... the flowering of quila [a flowering bamboo (_Chusquea culeou_)] による齧歯類の増加が原因と見られている。野火の発生に伴う the long-tailed rodents [long-tailed pygmy rice rats] の移動も原因と考えられている。
[Mod.TY- ここ2週間にわたり、チリ及び他の南米諸国から、コンセプシオンの刑務所 the Concepcion prison 内の感染流行に関する、数多くの報道がなされているが、基本的な内容は同じである。ハンタウイルス感染による死亡であることが確認されており、Andes virus に間違いない。[1]と[2]にあるように、rodent hosts -- the long-tailed pygmy rice rat, _Oligoryzomys longicaudatus_ -- が関与しているが、捕獲や Andes virus の検査については記載されていない。Andes virus はヒトからヒトに直接感染が伝播することがあるが、非常に濃厚な身体的接触がある場合に限られる]
[2] チリ Santiago Chile
 情報源 Terra [in Spanish]
保健当局に、Santiago からハンタウイルス感染が疑われる2例の報告があり、うち1例は the intensive care unit of the Clinica Alemana に入院した ....
[Mod.TY- (記事からは)感染した正確な場所は特定できない]
[3] ペルー Peru Iquitos Peru, suspected
 情報源 La Region [in Spanish]、2012年2月9日
先週から、18歳の若い男性1名が、デング出血熱そのものの症状で、集中治療室 the intensive care unit [ICU] of the Loreto Regional Hospital に入院となっているが、デング熱検査では陰性となり、ハンタウイルス感染を除外するために新たな検査が必要となっている ... 自宅では、水位が上がる季節 the high water season になり、たくさんのネズミが発生している。
[Mod.TY- the Amazon basin における HPS (hantavirus pulmonary syndrome) の原因ウイルスは Araraquara で、そのげっ歯類の宿主は (_Necromys (Bolomys) benefactus_)である]

● ニパウイルス脳炎 バングラデシュ
PRO/AH/EDR> Nipah encephalitis, human - Bangladesh: (JI)
Archive Number: 20120212.1040138
 情報源 BD News 24 、2012年2月7日
政府当局が、感染力が強く致死性でもあるニパウイルス Nipah virus 制圧に取り組む中、保健相は、人々が伝統的な掟を破ってまで健康アドバイスを受け入れようとはしていないと述べた。専門家は、生のナツメヤシの樹液やジュース raw date sap, or juice を飲まないようにするだけで、ウイルス感染を防ぐことができるとしている。しかし "バングラデシュ農村部では古くからの習慣となっているため、人々は、毎年行っているこのような呼びかけを聞こうとはしない" と、北部の the district of Joypurhat における the Nipah outbreak situation のブリーフィングの中で説明した。2012年になって初めての発生となった1月の Joypurhat での流行では、患者6人全員が死亡した。2月7日現在、当初は原因不明とされた2001年の発生以降、ニパウイルス感染による死者は208人中157人となっている。発症すれば治療法はなく、致死率は75%以上であり、2011年及び2012年は100%であった。インドの国境地帯においても発生が疑われているが、インド政府当局から感染を確認したとの報告はない ... ニパウイルス感染についての解説。
[Mod.TY- バングラデシュにおいてニパウイルス Nipah virus 感染患者が散発性に発生しており、最も新しい2011年の大流行は同じくこの時期に起きている。From 31 Jan - 5 Mar 2011 に Rangpur region で発生した流行により、乳児から成人女性まで35人が死亡した (20110308.0756)。研究者らが住民たちと協力して、現地の素材を使ってスカート a type of "skirt" [囲い?]を造り、ナツメヤシの樹液を集めたカメ jars に、コウモリが近づけないようにする工夫を行っている。特にコウモリがウイルスを排出する妊娠授乳の時期に、このような単純な方法を一般市民に広めなければならない]

● チクングニア熱 マレーシア
PRO/EDR> Chikungunya (03): Malaysia (SL ex PK)
Archive Number: 20120212.1040110
 情報源 Yahoo News、2012年2月12日
パンコール島 Pangkor island in Perak(ペラ州)から戻った、セランゴール Selangor の大学生と教師ら22人が、チクングニア熱 chikungunya [virus infection] 検査で陽性となった。Kuang に戻った1週間後から、発熱、頭痛、咳、身体や関節の痛みが始まった ...

● ロタウイルス 米国
PRO/EDR> Rotavirus - USA: (NC)
Archive Number: 20120212.1040068
 情報源 Laurinburg Exchange、2012年2月10日
Rotvirus outbreak in Laurinburg
the Scotland Memorial Hospital の関係者らは、この地域内で数週間前からロタウイルス Rotavirus 感染症 rotavirus [infection] の症例が増加し、嘔気、嘔吐、腹痛、下痢などの症状が認められていると報告した。"細菌感染の流行ではなくウイルスによるもので、広範囲の地域で発生し学齢期から中年成人まで発症が見られる。ウイルス感染が起きている場所では、かなりの発生があるが、症状は不快であるものの恐れる必要はない。ノロウイルス Norovirus とは違う" と、同病院の救急センターの医師が述べた ...
[Mod.CP- ロタウイルス Rotavirus は胃腸炎の原因ウイルスで、その感染症 Rotavirus disease は、激しい水様性下痢、発熱、腹痛を引き起こす。世界中の乳幼児の重症下痢症の最も多い原因であり、脱水症に至る可能性がある。毎年、50万人以上の5歳未満の乳幼児が死亡する。Laurinburg の感染流行は、地域に限局し、小児だけでなく成人も感染している点で典型的ではない。小児では、下痢症の発症の前後いずれでもウイルスを排泄し、容易に感染が拡大する。家族内での感染も起こる。現在有効なワクチンが存在する]

● 麻疹
PRO/EDR> Measles update 2012 (07)
Archive Number: 20120212.1040039
[1] ウクライナ Ukraine:More measles cases reported in Ukraine
 情報源 Ukraine Radio、2012年2月8日
2012年のウクライナ国内の麻疹感染者数が2826人となった。多くは西部 Lviv region の患者である。キエフ Kyiv の患者数は、6日までで22例である
[2] ロシア Russia (South - Volgograd, the Stavropol region, Chechnya & North Ossetia):A measles outbreak in southern Russia has affected 100 people and caused one death
 情報源 Life News [In Russian]、2012年2月6日
発生地域は、 Volgograd, the Stavropol region, Chechnya and North Ossetia に及んでいる。麻疹感染で入院となった、6人のthe Volgograd region の住民のうち、小児1人が死亡した。チェチェン共和国 the Chechen Republic では 25 cases、北オセチア North Ossetia とストラスブール Stavropol では 37 例が確認されている ... 長文。
[3] 英国 UK
 - (England - Bristol):Rise in measles cases in Bristol 'unprecedented'
 情報源 BBC News Bristol、2012年2月8日
the Bristol area の医師らは、2010年は5例であった the greater Bristol area 内の麻疹感染患者が、2011年に30例であったことを懸念している ...
 - (England - South West (Bristol, Bath, North Somerset):Measles Cases On The Up
 情報源 106 Jackfm radio, Bristol、2012年2月9日
保健当局 NHS [National Health Service] Bristol, Bath and North Somerset は、 the South West 全域で、多数の麻疹感染が確認されていることに注意するよう呼びかけている。 the former Avon area の2010年の麻疹感染は5例だったが、2011年、30例に増加した。半数以上が、16歳未満の小児だった ... Bristol の5歳児のおよそ1/4が、 2 doses of the vaccine ワクチンを受けていない
[4] 米国 USA
 - (Indian):Two measles cases confirmed in central Indiana
 情報源 wthr.com Indianapolis、2012年2月8日
 - (Indiana):Super Bowl Village visitors on Friday may have been exposed to measles
 情報源 WISHTV 8、2012年2月8日
[5] インド India (Himachall Prades)
先週、3 blocks of Sirmaur district で、50人以上の小児が麻疹に感染した
[6] オーストラリア Australia (South Australia):Alert issued over 2nd measles case
 情報源 7 News, Adelaide、2012年2月8日
アデレード Adelaide の44歳の女性1名が、麻疹感染と診断され、2週間前に報告された1例目との関連性があるものと見られている... 女性の立ち寄り先など。

● 腸チフス ジンバブエ、インド 
PRO/EDR> Typhoid fever update 2012 (05): Zimbabwe, India
Archive Number: 20120212.1039842
[1] ジンバブエ Zimbabwe - Harare
 情報源 Eyewitness News、2012年2月11日
ハラレの治安裁判所 The Harare Magistrates Court は、判事5人と20人の職員らのチフスと見られる感染 suspected typhoid が発生し閉鎖されている。ジンバブエは、2011年11月以来感染流行に苦しんでいるが、現在までのところ発生は the western suburbs に限られていた。the central business district での発生は、ジンバブエにとって悪い知らせである
[2] インド India (Himachal Pradesh)
 情報源 The Times of India、2012年2月10日
ヒマチャルプラデシ Himachal Pradesh 's Mandi district のある村で、15例以上の typhoid patients が報告されていることが、10日、保健当局から発表された。水道水の汚染が原因と見られている。この24時間に Nau Pnau village の30人に、嘔吐と高熱の症状が見られ、うち16人が typhoid と確定診断された。

● 食中毒 メキシコ
PRO/EDR> Foodborne illness - Mexico (02): (GR), staphylococcal enterotoxin
Archive Number: 20120212.1039841
 情報源 El Universal [mach. transl.]、2012年2月11日
Guerrero の保健当局により、エッグ入りタコライス the food taco rice with egg から検出されたブドウ球菌 _Staphylococcus aureus_ が、会合に出席した Chilapa 市内の16 communities の709人の食中毒の原因であることが判明した

● 黄熱 セネガル、ペルー(2件)
セネガル
PRO/AH/EDR> Yellow fever - Africa (22): Senegal, RFI
Archive Number: 20120212.1039657
 情報源 Agence de Presse Senegalaise [Trans.]、2012年2月10日
41 teams mobilized to fight against yellow fever
保健当局者によると the Medical Region of Kedougou が黄熱ワクチンキャンペーンを実施する。
3例の黄熱感染例 3 cases of yellow fever が確認されており、"3つの地域 health districts - Kedougou, Saraya and Salemata - の全住民は、妊娠女性と生後9か月未満の乳児および10年以内に接種を受けた場合を除いて、接種対象とされる
[Mod.TY- 2011年10月に the Kedougou Medical Region で黄熱感染が発生した。上記の報告は、2011年の報告と同一の症例である可能性がある。The health districts of Kedougou and Saraya では、2007年12月に一斉ワクチン接種キャンペーンが実施されており、カバー率はそれぞれ 94.9 % and 94.8 % だった。保健省は mid-December 2011に、 Kedougou, Saraya, and Salemata health districts において、妊娠女性を除く the non-vaccinated individuals aged 9 months and above へのワクチン一斉接種を計画しており、上記は以前に予定されていたが、時期が遅れたものではないだろうか]

ペルー 
PRO/AH/EDR> Yellow fever -South America: Peru (PU)
Archive Number: 20120211.1039339
 情報源 Pachamama [in Spanish]、2012年2月10日
DIRESA [Office of the Director of the Regional Health] is ready to mobilize health personnel to control an outbreak of yellow fever in Sand
the Huyncalla community, Alto Inambari district の45歳の男性農夫1名が、黄熱 yellow fever の症状を呈して自宅で死亡し、当局 the National Institute of Health (INS) により感染が確認された。同じくこの地域内の57歳の農夫も、黄熱症状のため Sandia で入院となり、対症療法を受け順調な経過をたどっている。黄熱感染が疑われているが、まだ INS による確認はされていない ... 
合計27500人分のワクチンが出荷され、保健省から5万人分が追加されることになっている .... ワクチン接種は、2-59歳の年齢層が対象となる。森林地域への移動や外国人旅行者らに、10日前の黄熱ワクチン接種が勧められている。

● A型肝炎 オランダ(2件)
PRO/EDR> Hepatitis A - The Netherlands: possible food-borne outbreak
Archive Number: 20120211.1039190
 情報源 Eurosurveillance, Volume 17, Issue 6、2012年2月9日
原著タイトル Another possible food-borne outbreak of hepatitis A in the Netherlands indicated by two closely related molecular sequences, July-October 2011
2011年11月、オランダ国内で行われた調査 voluntary molecular surveillance で5件の A 型肝炎 hepatitis A 集団発生が確認された。2例は、中東の特定地域の旅行者らで確認されていたものと極めて近い関係にあるウイルス highly similar strains of hepatitis A virus (HAV) genotype IB が関係していた。いずれも2010年前半にオランダ国内で発生した先の感染流行時の株と同じウイルス株であった。塩基配列のうちの1つは、2009年のオーストリアでの感染流行のウイルス株、もう一方は2010年のフランスの感染流行株と近い関係にあった。これらの先行する感染流行については、いずれも疫学的にセミドライトマトの摂取と関係付けられている。発生数は予想されたものより高いわけではないが、疫学的関連性が見出されず、以前の流行に関与したまれな流行株に関係するとの分子学的解析結果が得られたことより、調査が開始された、以下、サーベイランス、流行調査、結語(セミドライトマト摂取は3例のみで共通の感染源は特定されず)、など。

PRO> Hepatitis A - The Netherlands (02): possible food-borne outbreak
Archive Number: 20120212.1039877
 投稿者 "Dr.Steve Berger" 、2012年2月11日
20120211.1039190 に関し。
オランダ及び周辺諸国のA 型肝炎発生率は、1990年代以降減少傾向にあった

●  手足口病 米国、コクサッキーA6ウイルス
PRO/EDR> Hand, foot & mouth disease - USA: (AL) Coxsackie A6 virus
Archive Number: 20120211.1039435
 情報源 Andalusia Star News、2012年2月10日
Hand, foot and mouth disease in South Alabama
Covington County で、手足口病 Hand, foot & mouth disease の感染流行が発生している、と9日地元の小児科医師が述べた。他のアラバマ州各地 other Alabama counties でも、同様の報告が行われている、と同医師は述べた ... 今回と同じウイルス the same strain [virus species] -- Coxsackie A6 virus -- は、2008年のフィンランドと台湾で報告されていたが、米国では今回が初めてだという

● カンピロバクター症 米国
PRO/AH/EDR> Campylobacteriosis - USA (06): unpasteurized milk
Archive Number: 20120211.1039403
 情報源 Food Safety News、2012年2月10日
Your Family Cow dairy (Chambersburg, PA)の生ミルクに関係するカンピロバクター症の患者数が60人に上っていることが、10日、ペンシルベニア州保健当局 the Pennsylvania Department of Health から発表された:Pennsylvania (51 illnesses), Maryland (4), West Virginia (3), New Jersey (2)

● ラッサ熱 ナイジェリア
PRO/AH/EDR> Lassa fever - Nigeria: (03) (TA Taraba), fatalities
Archive Number: 20120211.1039402
 情報源 Nigerian Tribune、2012年2月10日
Lassa fever kills 7 in Taraba
数日前にラッサ熱 outbreak of Lassa fever が発生し Taraba State から7人の死亡が報告されていることが、州保健当局 The state Commissioner for Health から明らかにされた。 4 人は the Federal Medical Centre(Jalingo)、1人は the Government House Clinic (Jalingo)、残る2人は Taraba State で感染した後に治療のために移送された Gombe State で死亡した ... 専門家によると、同疾患はしっぽに毛がない特殊なラット [The multimamate rat -- マストミス_Mastonomys_] が伝播する ...州都 Jalingo でのラッサ熱発生の報告を受け、州議会 the Taraba State House of Assembly も緊急招集された

● HIV キルギス
PRO/EDR> HIV - Kyrgyzstan: nosocomial transmission, children
Archive Number: 20120211.1039333
 情報源 The Telegraph、2012年2月10日
Kyrgyz officials say another 70 children are infected with HIV/AIDS virus
過去十年間に、衛生管理の不備、感染血の輸血、注射針等の医療器具の再使用が原因で、数十名の院内感染が起きていることから、キルギス政府保健省 the Kyrgyz Ministry of Health は、国内南部の数千人の小児を対象に HIV/AIDS 検査を実施している。 Osh and Jalalabad 市周辺地域ですでに11万人の小児の検査が行われ、これまでに確認された200例に加え、新たに70例の HIV [human immunodeficiency virus] positive children が確認されたことを明らかにした。今後、山岳部などの数千人についても検査が必要とされている。すでに数人の医療当局者らが受刑中であるが、UNICEF, the United Nation's children's organisation によれば、個々の医師や看護師ではなく、保健システムの欠陥による感染とされている

● 梅毒 カナダ
PRO/EDR> Syphilis - Canada (02): background
Archive Number: 20120211.1038978
 情報源 GIDEON (Global Infectious Disease & Epidemiology Network) 、2012年2月10日
20120210.1038543 に関し。
他の諸外国同様、カナダでも、一旦は減少した梅毒が、AIDS 報告数のn initial explosion and later decline と平行するリバウンド現象が認められている

● レジオネラ症 スペイン
PRO/EDR> Legionellosis - Spain (04): (AN Alicante), hotel
Archive Number: 20120211.1038953
 情報源 thinkspain.com 、2012年2月9日
Calpe における最近の流行に関係し、新たに2例のレジオネラ症 Legionellosis 患者が9日保健当局に報告され、合計患者数が18人となった。フランスの保健当局から1月25日と2月1日に問題のホテル (Diamante Beach Hotel) に宿泊した2例の患者が報告された。Benidorm の病院に4人が入院となっているが、状態は安定していることも確認されている。18人の患者の内訳は、12 are British, 4 Spanish (3 members of the hotel's staff and one tourist) and 2 French であり、年齢は44歳から88歳までとなっている。
関連項目 20120210.1037995

● トリパノソーマ症 アルゼンチン、ベクター
PRO/AH> Trypanosomiasis - Argentina: (CT), infected vectors
Archive Number: 20120211.1039286
 情報源 Diario Popular [Trans.]、2012年2月9日
Triatomid bugs infected with Trypanosoma cruzi in Catamarca, Argentina
国立科学技術研究所 the CONICET [National Council of Scientific and Technical Research] の研究者らが、the Central Valley of Catamarca 各地と州都において、シャーガス Chagas 病の病原体である寄生虫トリパノソーマ Trypanosoma cruzi を保有する、 vinchucas [_triatoma infestans_, "kissing bugs" とも呼ばれる] が確認されていることに対する注意を呼びかけた。一旦制圧されていた Chagas disease であるが、市民の防護が緩んだため再興しつつある、と述べた ... 州都から10kmに位置する San Antonio (the department of Fray Mamerto Esquiu) の農場1か所で発見された17匹の 'kissing bugs' のうち、半数以上が _Trypanosoma cruzi_ を保有していた。Villa Parque Chacabuco (州都東の居住地区)や Santa Rosa (the department of Valle Viejo) でも、感染虫体が確認されている

● マイコプラズマ症、鳥類 米国
PRO/AH> Mycoplasma gallisepticum, avian - USA: fast evolution
Archive Number: 20120213.1040631
 情報源 Physorg.com、2012年2月9日
1994年の冬に、ワシントン the Washington, DC area で、多数の野生のメキシコマシコ house finches が死亡しているのが発見された。シチメンチョウやニワトリの一般的な呼吸器感染症の原因菌である _Mycoplasma gallisepticum_によることが判明したが、同菌はそれまで、家禽だけに感染すると考えられていた ... その後の感染地域の拡大 between 1994-2007 のウイルス遺伝子についてのpyrosequencing 法による比較で驚くべきスピードで変化が起きていることが the journal PLoS Genetics で報告されたことなど ...

● ボツリヌス症、鳥類 ニュージーランド 
PRO/AH> Botulism, avian - New Zealand: (CB) susp
Archive Number: 20120213.1040575
 情報源 Voxy.co.nz、2012年2月9日
クライストチャーチ Christchurch の汚水処理説施設内の酸素化池 the oxidation ponds の周りで、この数週間にわたって多数のトリが死亡して発見されており、avian botulism が原因との初期診断が行われている

● バナナの病気、Bunchy top マラウイ
PRO/PL>  banana - Malawi: (RU)
Archive Number: 20120212.1040179
 情報源 The Daily Times、2012年2月10日
Banana disease attacks Rumphi
Rumphi において、バナナ・バンチートップ病 outbreak of banana bunchy top が報告されている ...
[Mod.DHA- _Banana bunchy top virus_ (BBTV) は、the genus _Babuvirus_ の唯一のメンバーであり、_Musa_ species. だけに感染する、バナナの最も深刻な病気の原因となる]

● サトウキビの病気、さび病 オーストラリア
PRO/PL> Orange rust, sugarcane - Australia: (QL), new strain susp
Archive Number: 20120212.1040137
 情報源 Daily Mercury、2012年2月9日
Orange rust spotted in crops
2000年、サトウキビ Mackay's sugarcane crop に甚大な被害をもたらせた真菌によるさび病が、クイーンズランド Queensland crops の作物に再び発生し始めた。2000年のあと、栽培種が the Q124 variety から、現在は24%を占める Q208 に切り替えられている ...
[Mod.DHA- Orange rust of sugarcane は真菌の _Puccinia kuehnii_ を原因とし、収穫に大きな被害をもたらせている]

● 鳥インフルエンザ WHO 会合
PRO/AH> Avian influenza (15): WHO Meeting on H5N1 virus research
Archive Number: 20120212.1039996
 投稿者 米・ Georgetown University Medical Center、Daniel R. Lucey, MD, MPH、2012年2月10日
20120210.1038410 に関し。

● 赤潮 米国
PRO/AH/EDR> Red tide, double crested cormorants - USA: (TX Texas)
Archive Number: 20120211.1039575
 情報源 KRIS TV、2012年2月12日
Cormorants Dying from Red Tide Effects
動物リハビリ施設 the Animal Rehabilitation Keep (ARK) in Port Aransas には、大型のトリの酩酊したような動きについて、2012年のこれまでに48回の通報があった。それは、赤潮の影響を受けた the Double Crested Cormorants と判明した ...

● ウサギ出血病 イタリア OIE
PRO/AH/EDR> Rabbit hemorrhagic disease - Italy: OIE
Archive Number: 20120211.1039315
 情報源 OIE, WAHID 、2012年2月10日
Rabbit haemorrhagic disease, Italy、Immediate notification (Final report)
感染開始時期 2012年1月12日終息時期 2012年1月31日
原因ウイルス Rabbit haemorrhagic disease virus (Fra 10 variant)
新たな感染流行
発生地 Trento, Trento, TRENTO: Farm
感染した種 ウサギ Rabbits
Susceptible: 20
Cases: 12
Deaths: 12
Destroyed: 8
Slaughtered: 0