2012年3月17日

◎ トリパノソーマ症-ケニア CDC 

◎ トリパノソーマ症 ケニア CDC 
PRO/AH/EDR> Trypanosomiasis – Kenya: (Masai Mara): CDC alert
Archive Number: 20120317.1073176
[1] CDC issues travel alert concerning African Trypansomiasis
 情報源 :Examiner、2012年3月16日。
米当局 The US Centers for Disease Control and Prevention (CDC) は12日、African trypanosomiasis の予防に関する、渡航情報を公開した。ケニアで欧州の旅行者2名が感染したことがきっかけで出されたもので、2日間のマサイマラ国立保護区 the Masai Mara National Reserve が含まれていた。2011年の the Journal of Travel Medicine によると、過去10年間、タンザニア、マラウイ、ザンビア、ジンバブエなどの national parks, wildlife reserves and game parks への旅行者の間で、感染が報告されている。米国では年平均1例の感染が報告されており、East African game parks での感染が多い。
[2] African Trypanosomiasis in Kenya
 情報源 CDC、2012年3月17日。
現況: 最近ケニアのマサイマラ国立保護区 the Masai Mara National Reserve を訪れたヨーロッパの旅行者2名が、アフリカ東部および南東部 (rhodesiense) 型トリパノソーマ症に感染したことが報告された。2000年から2010年の間に、タンザニア、マラウイ、ザンビア、ジンバブエの国立公園や自然保護区への旅行による、ヒトの患者 human African trypoanosomiasis が報告されている。トリパノソーマ症は従来、東アフリカ地域から報告されていた。
アフリカトリパノソーマ症 (アフリカ睡眠病) とは?
アフリカトリパノソーマ症 African trypanosomiasis、または アフリカ睡眠病 African sleeping sickness は、感染したツェツェバエ tsetse flyis によって伝播される寄生虫による病気で、The tsetse fly はサハラ以南のアフリカ sub-Saharan Africa だけで見つかっている。症状としては、倦怠感、高熱、頭痛、筋肉痛がある。治療が行われない場合は死亡する。米国旅行者で年平均1例が報告されており; 多くの場合、東アフリカの game parks で感染している。
どのように予防すればよいか
*** African trypanosomiasis のワクチンや予防薬はない。tsetse flies を避けることにより予防する。
ツェツェバエは、森林、サバンナなどに生息し、日中に刺咬する。game park を訪れたりハンティングを行ったりする際、最も刺咬を受けやすい。都市部への旅行者に感染リスクはない。
以下の方法で tsetse fly bites を避けること:
 • 長袖シャツやパンツなどを着用。薄い生地の上からでもツェツェバエは刺咬できるので、medium-weight material の素材の服を着る。
 • 自然な色の服 neutral-colored clothing を着る。ツェツェバエは明るい色、非常に暗い色、メタリック生地 metallic fabric および青色を好む。
 • 乗り物に乗り込む前にツェツェバエが入っていないか確かめる。動くものに引き寄せられる。
 • ブッシュ(茂み)は避ける。1日のうちで気温が高い時間は活動性が落ち、ブッシュに休んでいるが、邪魔されたときに刺咬する。
 • 防虫剤を使用する。tsetse fly bites の回避に対する有効性は確かめられていないが、他の昆虫を回避できる。
もし旅行中にツェツェバエに刺咬(痛みを伴うことが多い) されたら、症状に注意し、発病した場合には直ちに医師に相談する。アフリカを旅行し、ツェツェバエの刺咬を受けたことを忘れずに申告すること。
医療関係者への情報
アフリカトリパノソーマ症には2つのタイプがある。
 ○ 東アフリカトリパノソーマ症 East African trypanosomiasis は、the _Trypanosoma b. rhodesiense_ parasite を原因とし、アフリカ東部および南東部の tsetse flies により感染伝播される: 刺咬から1-3週間以内の発症し、病勢の進行がより早く、高熱、刺咬部位の痛み、皮疹、頭痛、筋肉痛などの症状のほか、より少ない頻度で、脾種、腎不全、心機能障害などが認められる。発症から1か月以内に、 中枢神経系の症状が認められることもあり、治療されなければ死に至る。
 ○ 西アフリカトリパノソーマ症 West African trypanosomiasis は the _T.b. gambiense_ parasite を原因とし、西アフリカの tsetse flies が伝播する: 西アフリカトリパノソーマ症 の患者は、刺咬から何ヶ月も症状が認められないことがある。症状としては、発熱、頭痛、不快感、筋肉痛、顔面腫脹、掻痒感、体重減少などがあり、感染から数ヵ月後に、嗜眠、激しい頭痛やその他の気分障害、行動変容、内分泌異常など幅広い範囲の中枢神経症状が現れることもある。治療されない場合は、最終的に死に至る。
診断は、血液、組織、リンパ節吸引、脳脊髄液などの検体の顕微鏡検査による、虫体証明による。Buffy-coat preparations は、寄生虫を集中させる。T. b. rhodesiense の感染では、T. b. gambiense infection に比べより高度の寄生虫血症が認められる。血清学的検査は T. b. rhodesiense の診断に有用ではない。CDC は、米国内で入手できない T. b. gambiense の血清学的検査を提供できる。
East African trypanosomiasis の治療は、感染した患者の検査結果が判明し次第、直ちに開始しなければならない。East African trypanosomiasis の治療薬は、CDC を通じて入手できる。通常、治療のために入院が必要となる。脊髄液採取などの、フォローアップのための定期検査 Periodic follow-up exams が、2年間必要となる。
参考情報
 • African trypanosomiasis (from Division of Parasitic Diseases and Malaria)
出典
Human African Trypanosomiasis in Non-Endemic Countries (2000-2010). J Trav Med 2012; 19(1): 44-53;

● サルモネラ感染症 カナダ
PRO/AH/EDR> Salmonellosis - Canada (03): (ON) schools caterer susp.
Archive Number: 20120317.1073325
 情報源 Ottawa Citizen
16日以降これまでに新たに4人の小児がサルモネラ感染症 Salmonellosis と診断された。学校と幼稚園にランチ hot lunches を提供した業者が感染を拡げたと見られている。今週はじめに公衆衛生当局の outbreak 確認以降、小児23人と成人4人の、27人の患者 lab-confirmed cases が発生した。Bayvew Public School and Ecole elementaire Des Sentiers の2校が発生リストに加えられた 

● 原因不明の脳疾患-ウガンダ (04) nodding disease
PRO/EDR> Undiagnosed cerebral disease - Uganda (04): nodding disease 
Archive Number: 20120317.1073307
Nodding disease update: Uganda Government considering spraying
 情報源 Observer, Uganda、2012年3月17日。
ウガンダ政府当局は、the nodding disease の発生地域に対するヘリコプターによる空中散布を計画していることが、保健相により明らかにされた。Kitgum, Pader and Lamwo districts で多くの小児が死亡している同症候群に対応するための、医師や研究者からなるチームが派遣された。国際機関による調査でも、Nodding Disease Syndrome の原因や治療法は明らかになっていない ... 河川盲目症 river blindness (onchocerciasis) とこの病気の間に関係が認められることから、ヒトからヒトへの疾患の伝播サイクルを絶つために、6か月ごとに政府から住民に、体内のミクロフィラリア the microfilariae の駆虫薬を配布することを決めた。また、ヘリコプターを使って、疾患を媒介する the blackflies [_Simulium_ sp.] を駆除するための噴霧を計画している。
関連項目 20120309.1065524

● 腸チフス トンガ、フィジー、インド、フィリピン
PRO/EDR> Typhoid fever update 2012 (07)
Archive Number: 20120317.1073326
[1] トンガ Tonga (Tongatapu):Radio New Zealand International、2012年3月15日。
トンガタプ Tongatapu で、2例の腸チフス Typhoid fever 確定患者が確認されている: 2012年の初めての感染である。Tatakamotonga のティーンエージャーと 5歳児が Vaiola hospital に入院した
[2] フィジー Fiji (Viti Levu ):Fiji Times、2012年3月14日。
Naitarisi Village 近郊の Koroboya Village in Ba および周辺地域で、合計15人の住民らが腸チフス患者として確認されている ...
[3] インド India (Karnataka):The Soft Copy、2012年3月13日。
カルナタカ Karnataka 州中央部の農村地帯の病院で、多くの腸チフス患者が記録されている。2011年は757人で、2009年の260人の約3倍に増えた ... Davanagere District にある、the Harapanahalli Taluk [subdistrict] では、2月中旬の時点で、the Harapanahalli Town government hospital and Harapanahalli specialty clinic において、360人以上の腸チフス患者が治療を受けている ...
[4] フィリピン Philippines (Cebu):Sun-Star、2012年3月12日。
セブ the Province of Cebu 当局が the town of Tuburan の腸チフス対策に取り組む中、Alegria town で新たに11例が発病した。患者の多くが Barangays Legaspi and Poblacion of Alegria の住民だった

● 壊死性筋膜炎-米国
PRO/EDR> Necrotizing fasciitis - USA: (HI), Vibrio vulnificus suspected
Archive Number: 20120317.1072640
[1] 情報源 KHON 、2012年3月15日。
10日、Lihue, Kauai apartmentの自宅で、49歳の男性が意識を失っているのを、母親が発見した。Wilcox Memorial Hospital に急送され、医師らは、壊死性筋膜炎 necrotizing fasciitis、別名人食いバクテリア "flesh-eating" disease と診断した。感染を断ち切るため、何度も皮膚や組織を切除する手術を受け、現在状態は安定している ...
[2] 情報源 Hawaii News Now、2012年3月16日。
Kauai の男性1名が、急速に進行する人食いバクテリア感染症と闘っている。意識不明の状態で発見されたこの男性は、現在、オアフ Oahu 島の病院に搬送されている

● シュマーレンベルグウイルス-欧州
PRO/AH/EDR> Schmallenberg virus - Europe (29): Epidemiology
Archive Number: 20120317.1073202
Schmallenberg virus: where did it come from
?
 投稿者 米・Colorado State University 、Charles H. Calisher, Ph.D.、2012年3月3日。