2012年6月1日

原因不明の疾患 ベトナム
オウム病 英国、ヒト-ヒト感染疑い Eurosurveillance

● 鳥インフルエンザ、ヒト 中国
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (52): China (HK ex GD)
Archive Number: 20120601.1153732
 情報源 Government of Hong Kong 、2012年6月1日。
当局 the Centre for Health Protection (CHP) of the Department of Health (DH) は、2歳男児 1名が感染したインフルエンザ influenza A H5 [N1?] infection についての調査を行っており、1日、警戒レベルが引き上げられている。5月23日、広東省 Guangdong province で発熱と鼻水の症状があり、Mong Kok 旺角 の私立病院を受診した後に熱性けいれんを発症したため、同 28日に the Accident and Emergency Department of Caritas Medical Centre に転送された。脳炎の疑いがあるが、現在状態は安定している。鼻咽頭から吸引された検体の検査の結果、 Influenza A (H5) が陽性だった。詳しい検査が続けられている。調査により、患児は両親と母方の祖母と同居しており、潜伏期間中の曝露暦については明らかにされていない。接触者の中に症状のあるものはいない

● 原因不明の疾患 ベトナム
PRO/EDR> Undiagnosed illness - Viet Nam (06): (QG) toxin susp. RFI 20120601.1153587
 情報源 uoitrenews.vn、2012年5月31日。
中央部クアンガイ省 Quang Ngai Province で発生している原因不明の皮膚病により、 Ba To District において 3日間で新たに 2人が死亡し、これまでの死者の数が 23人となった。Reu Hamlet (Ba Dien Commune) の 34歳の女性 1名が 5月30日に病院 the provincial General Hospital で死亡し、同じ地域の 9歳の男児も同28日に死亡している。男児から採取された毛髪の検体から許容量の 100倍の砒素が検出されたと当局者 head of the Health Ministry's Department of Medical Examination and Treatment が述べた。Ba To district では、Ba Dien, Ba Ngac, Ba Xa, Ba Vinh and Ba To の 5つの地区で発生し、このうち Ba Dien で最も多くの患者が確認されている。初めて発生が確認されたのは 2011年 4月 19日で、四肢の拘縮 stiffness の原因となる手掌と足底の皮膚の肥厚 (keratosis) と、火傷のような手足の潰瘍が特徴的な症状である。この地域で見られるものと同じ病気は、これまで世界中のどこにおいても確認されたことがない。患者の多くで肝酵素が上昇するが、(日本の) 長崎大学で行われた患者の血液検体の結果、感染の徴候は認められていない。発生地域の調査で、200種類以上のダニ、ノミ等の昆虫が発見されているが、病気との関連性は見つかっていない。科学委員会では。有毒物質が原因で、栄養不良から免疫が低下した状態となったのではないかと見ている。
[Mod.ML- the Bo To district of Quang Ngai province の数か所の村で起きている集団発生に関係する記事で、ProMED-mail でもこれまでに報告されてきた。患者は、急性の発熱があり、食欲の低下と呼吸器症状を伴い、その後に "palmoplantar keratoderma " と呼ばれる手足の発疹を発症するとされている。さらに、肝機能異常があり、一部の患者では多臓器不全と死亡に至ることがある。手足口と背中と腹部の潰瘍、眼病変、四肢の固縮 stiffness 、流産なども報告されている。小児と若年成人を中心に患者が発生している。報告され始めたのは 2011年 4月と言われ、2011年 11月から2012年 2月までの間は一旦小康状態にあったが、2012年 3月と 4月に再び増加し始めた。患者数は報告によりまちまちであるが、最大で2011年は150人、合計179人となっている。 2012年の死者の合計は、以前 27人と報告されていたが、今回は 23人になっている。早期の "治療” が有効とされているが、どのような治療か説明されたことはない。一方、一部の患者は、初期治療に反応した後に再発したとされている。
今回の記事には、死亡した 9歳男児の患者の毛髪の検体で許容量の 100倍の砒素が確認されたと報じられている。砒素への曝露により、手掌と足底の、皮膚の色素沈着や多発性、不整形、疣贅性角化病変が、単独または通常は対象性に分布する結節を伴なって形成される。これらの皮膚病変は、典型的には慢性的な砒素摂取後に発生する [20120423.1110507]。慢性肺疾患 (慢性気管支炎や慢性閉塞性肺疾患、気管支拡張症)、肝疾患 (非硬変性門脈繊維症 non cirrhotic portal fibrosis) やその他の疾患 (多発性神経炎、末梢性血管疾患、高血圧、虚血性心疾患、糖尿病、非圧痕性浮腫、筋力低下、貧血 )、や皮膚や他臓器 (肺および膀胱)のがんなどの、全身性の様々な症状の原因となる。慢性砒素中毒の皮膚病変 。毛髪 (> 1 mg/kg of hair) や爪 (> 1.5 mg/kg of nail) の砒素濃度の上昇は、9ヶ月前からの高濃度の砒素への曝露を示唆する (WHO, A field guide for detection, management and surveillance of arsenicosis cases. Caussy D, editor. Technical Publication No 30. New Delhi: WHO, SEARO; 2005. p. 5- 18.) 。ヒトの砒素への曝露様式として、基本的には空気中、食品中、水からの曝露となる。飲料水は、砒素殺虫剤、自然堆積、砒素化合物の不適切な処理などにより、砒素で汚染されていることがある。しかし、世界中の砒素中毒の主要原因は、飲料水中の砒素濃度の上昇にある]
関連項目 20120502.1120880

● オウム病 英国、ヒト-ヒト感染疑い
PRO/AH/EDR> Psittacosis - UK (02): (Scotland), poss. person-to-person spread 20120601.1153095
 情報源 Eurosurveillance Edition 2012, 17(22)、2012年5月31日
Psittacosis outbreak in Tayside, Scotland, December 2011 to February 2012
オウム病 Psittacosis はクラミジア菌 _Chlamydophila psittaci_. 感染による全身性の感染症で、発熱、倦怠感、喀痰を伴わない咳、頭痛、非定型肺炎の形をとることが多い。潜伏期間は 1-4週間で、1879年に初めて報告されたが、感染流行が発生したのは、20世紀になってからのことである。人獣共通感染症で、主に鳥類の感染によるが、必ずしもオウムとは限らない。たとえば、家きん産業労働者の間で大規模な流行が発生している。その後、家きん飼育衛生 avicultural hygiene の改善により発生は、まれとなっている。スコットランドでは、過去 10年間、毎年最大で 10件の散発例 (非流行性) が報告されている。これまでにオウム病のヒトからヒトへの感染が報告された例はなく、疑われてはいたが、証明されたことはなかった
関連項目 20120315.1070385

● ボツリヌス中毒 米国
PRO/EDR> Botulism - USA (06): (CA) canned soup, risk, recall 20120601.1153382
 情報源 California Department of Public Health、2012年5月24日。
カリフォルニア州保健当局 California Department of Public Health (CDPH) 長は5月24日、Taste of Roux, LLC jarred soups の製造工程に問題があり、ボツリヌス菌 _Clostridium botulinum_ により汚染されている疑いがあるとして、摂取しないよう呼びかけている ....
Taste of Roux, LLC of Valley Village, California 社が自主回収を行っているのは jarred soups の以下の商品:
Lentil, Black Bean, Tomato, Carrot Ginger, Vegetarian Chili, and Detox.
販売されていたのは以下の店舗のみだった。
 - Malibu Farmers Market, 23555 Civic Center Way, Malibu, CA 90265, beginning on 20 Nov 2011
 - Autry Farmers Market, 4700 Western Heritage Way, Los Angeles, CA 90027, beginning on 5 May 2012.

● ペスト 米国
PRO/AH/EDR> Plague - USA: (NM) 20120601.1153277
 情報源 Examiner、2012年5月31日。
ニューメキシコ州 Torrance County , New Mexico の78歳の男性1名が、2012年の米国内初のペスト患者となった。当局者によると、現在入院中であるが、状態は安定している。31日の州当局の発表で、この男性患者のペスト菌感染が確認されたことが明らかにされた

● 発疹熱 米国
PRO/AH/EDR> Murine typhus - USA (02): (CA) 20120601.1153052
 情報源 NBC Los Angeles、2012年5月29日。
カリフォルニア州 Orange County [California] 保健当局は、単発の発疹熱が感染流行とならないよう努めている。Santa Ana [Orange County, California の行政の中心地、人口第2位] の小児1名が4月に同疾患により入院となったが、回復している。2012年の郡内で 2例目の感染である

● 魚類の大量死 米国、コメント
PRO/AH> Fish die-off - USA (02): (GA) comment 20120601.1153265
20120531.1152141 に関し。
 投稿者 香港・Vet Path Asia Laboratory、Brad Chadwick、2012年6月1日。
the columnaris disease case in Georgia に関係する情報

● インフルエンザ カンボジア H1N1、H3N2
PRO/AH/EDR> Influenza (43): Cambodia, H1N1, H3N2, porcine ex human 20120601.1152800
[1] Study: Antibodies to human flu viruses common in Cambodian pig
 情報源 CIDRAP (Center for Infectious Disease Research & Policy) News, Flu News Scan、2012年5月30日。
カンボジアのブタで行われた血清学的調査で、国内のブタの間に、ヒトインフルエンザAウイルスへの曝露が比較的多いことが、29日に初めて報告された ....
[2] Serologic evidence of human influenza virus infections in swine populations, Cambodia. Influenza Other Respi Viruses. 2012 May 30. doi: 10.1111/j.1750-2659.2012.00382.x. [Epub ahead of print]
 情報源 Influenza & Other Respiratory Viruses -- early view (Article first published online: 29 May 2012) 、2012年5月31日。
.... 結果、ヒトインフルエンザAウイルス抗体は、2006年から2010年にかけてカンボジアで採取された1147件のブタの血清検体の 14.9%に認められた。 A(H1N1)pdm09 virus が最も多く (23.1 %) 、次いで human H1N1 (17.3 %) と H3N2 subtypes (9.9 %) だった。鳥インフルエンザ avian H5 influenza viruses が陽性だったブタは確認されなかった。 human H1N1 and H3N2 influenza viruses の抗体陽性率のピークは 2008年であった伊一方、 A(H1N1)pdm09 は、2010年がピークだった。

● 原因不明の疾患、マンゴー バングラデシュ
PRO/PL> Undiagnosed disease, mango - Bangladesh: (RP) 20120601.1152657
Mysterious 'crack disease' affects mangoes
 情報源 The Daily Star (including photo of symptoms)、2012年5月25日。
Dinajpur [Rangpur Division] のマンゴーが、 black spots の症状の後、割れる症状が発生している

● ライム病 カナダ イヌ、ネコ
PRO/AH> Lyme disease - Canada (02): (NS) canine, feline, comment 20120601.1152625
20120530.1149745 に関し。
 投稿者 、2012年6月1日。
"ペットのダニを見つけたら、摂子でつかみ反時計回りに取り除く"とあるが、そうではなく、なるべく皮膚に近いところでつかみ、まっすぐ引き抜くのがよい。

● ヘンドラウイルス オーストラリア、ウマ
PRO/AH/EDR> Hendra virus, equine - Australia (04): (QL) vaccine research 20120601.1152600
[1] 情報源 The Australian、2012年5月31日。
クイーンズランド Queensland 州の 2か所の農場の合計 11人が、この冬初めてのヘンドラウイルス感染流行により暴露した。研究者らが、新型のウマ用ワクチンの緊急使用 the "emergency use" の許可を待っている中での出来事だった ....
[2] Hendra virus horse vaccine research
 投稿者 豪 ・ CSIRO、Emma Wilkins、2012年6月1日。
CSIRO maintains a significant program of research on bat-borne viruses, including Hendra virus research. ....
[3] 情報源 ABC News (Australian Broadcasting Corporation)、2012年6月1日。
The CSIRO が現在も Hendra virus vaccine の開発に取り組む中、先週末 [26-27 May 2012]、 Queensland 州で同時に 2件 (properties near Rockhampton in central Queensland and Ingham in the state's north.の simultaneous outbreaks of Hendra virus) が発生した。
関連項目 20120531.1151213