2012年6月15日-18日

◎ Q熱 動物の診断法、ヒトの感染例の半数は無症状

◎ Q熱 米国
PRO/AH/EDR> Q fever - USA: (ID) caprine 20120618.1171283
 情報源 KTVB 、2012年6月16日
Q fever confirmed in Idaho livestock
アイダホ Idaho 州農業当局 the State Department of Agriculture [ISDA] は、ヤギの集団の1つで Q fever が確定診断されたため調査を行っており、この群れは隔離されている ... 2011年11月、 Dietrich の女子バスケットボールのコーチが感染したことが報じられているが、この男性は現在も治療を受けている。
[Mod.TG- Q 熱の原因菌である _Coxiella burnetii_ は、かなり広い範囲に存在する fairly ubiquitous 。ヒトを含むほとんどの動物が影響を受ける。ウシ、ヒツジ、ヤギが菌を保有する。動物の世話をする人々は、出産中に曝露することが多い。ヒトは、ダスト内粒子 dust particles を介し曝露する。_C. burnetii_ が、ヤギの流産の重要な因子であるとの認識が高まっている。ヒツジでも、時折 Occasional outbreaks が発生する。妊娠後期の流早死産 Late-term abortions, stillbirths や、弱った子ヤギが出産されることが多い。群れの最大 50%が感染する可能性がある。
胎盤が灰褐色の滲出物に被われ、子葉間 the intercotyledonary areas に肥厚が認められる。鏡検では、胎盤の壊死性血管炎と、多数の絨毛上皮細胞に、充満する 1mm 未満の小型球菌微生物が確認される。胎盤のみに感染し、胎盤所見がなければ診断はできない。免疫染色法による _C. burnetii_ の同定、または菌の分離により診断される。 
_Coxiella_ は人獣共通感染を起こし、ヒトでは Q fever の原因となる。感染リスクが最も高いのは獣医師、畜産、酪農、食肉処分に関わる人々で、職場で繰り返し菌のエアロゾル化が発生するためである。家畜が感染しても、軽症であるため飼育者に気づかれなかったり、全く症状が現れなかったりする。気道保護 Respiratory protection ならびに衛生基準遵守 strict code of hygiene が感染予防に最も重要である。ヒトの急性感染症 _C. burnetii_ は、曝露から 2-3週間後に発症することが多い。ただし、_C. burnetii_ に感染したヒトの半数は、何ら症状を示さない (CDC)。
以下に急性感染 acute Q fever でよく見られる症状を列記するが、個人によって症状の組み合わせが大きく異なる点に留意しなければならない: 高熱、激しい頭痛、全身倦怠、筋肉痛、悪寒 and/or 発汗、乾性咳嗽、嘔気・嘔吐、下痢、腹痛、胸痛。
多くの急性感染例は回復するが、中には、肺炎、肉芽腫性肝炎 granulomatous hepatitis (inflammation of the liver)、心筋炎、中枢神経合併症などを伴った、重篤な疾患となることがある。妊娠女性が感染した場合、早産や流産の危険がある。致死率は低いと考えられており、入院患者の 2% 未満である。適切な抗生物質による治療により、病悩期間を縮めることができる]

● クリミア・コンゴ出血熱 イラン、パキスタン(2件)
イラン
PRO/AH/EDR> Crimean-Congo hem. fever - Iran (02): background 
Archive Number: 20120618.1172086
 情報源 Trend News Agency、2012年6月17日
Congo fever kills 14 in Iran over 2 years
この2年間に、イラン国内で14人が散発性のクリミアコンゴ出血熱 Crimean-Congo haemorrhagic fever (CCHF) により死亡している。東部の国境を越えて国内に輸入される家畜が原因となっており、これまでに感染が確認された患者は114人で、このうち14人が死亡している。最も多くの患者が報告されているのは Sistan-Baluchestan Province である。During 1999-2011 の期間に、約 610 cases が報告され、60人が死亡する結果となっている。ウイルス感染症である CCHF は Yazd, Fars, and Sistan-Baluchestan provinces で発生が確認されている。
関連項目 20120612.1165263

パキスタン
PRO/AH/EDR> Crimean-Congo hem. fever - Pakistan: (BA) 20120616.1170377
 情報源 Dawn.com (Newspaper Urdu edition) 、2012年6月16日
Farm worker in Balochistan dies of Crimea-Congo Haemorrhagic Fever
the Dalbandin area in Balochistan (Baluchistan バロチスタン) の57歳の農場労働者1名が、高熱、筋肉痛、歯肉出血の症状で市内の病院 the Liaquat National Hospital [LNH] に入院した後、13日に死亡した。病院関係者の話では、この患者 the Pashto-speaking patient は10日に入院となり、クリミア・コンゴ出血熱 Crimean-Congo haemorrhagic fever (CCHF) virus 検査が陽性であることが確認されている ... 2010年に3例、2011年に2例の CCHF ウイルス感染による死者が発生している。この中には、Quetta で外科手術中に感染した医師や、Gazdarabad, Ranchhore Line の若者などが含まれている。2012年に市内で4例の患者が確定診断されているが、今回の事例を含む 3例が Balochistan の患者で、今年初めての死者だった。
[Mod.CP- Balochistan (Baluchistan) は、パキスタンの4つの provinces のうち最も大きく、国土の44%を占める。最大の都市 Quetta が州都となっている。 The main ethnic groups in the province は Balochs, Pashtun and Brahuis、これに smaller communities of Hazaras and Sindhis が加わる。地名の由来は "land of the Baloch" である]

● サルモネラ感染症 スペイン
PRO/AH/EDR> Salmonellosis - Spain: (MU) restaurant source 20120618.1171992
 情報源 La Verdad [in Spanish]、2012年6月17日
医療施設 La Union and Cartagena urgent healthcare centers において、約 30 人の患者らが中等症の胃腸炎に対する治療を受けており、いずれの患者も、有名な Minero bar in La Union を訪れていた。培養検査でサルモネラ菌 _Salmonella_ が検出されている。ウェーターやコックも受診した

● デング熱/デング出血熱
PRO/EDR> Dengue/DHF update 2012 (25) 20120617.1170689
[1] ブラジル Brazil in Portuguese
 - (Cuiaba, Mato Grosso state). 16 Jun 2012. 市内で 4 型ウイルスが確認されており、556検体の 95% を占めていた。 30年間発生がなかった
 - (Piracicaba, Sao Paulo state). 14 Jun 2012. Piracicaba では 5年ぶりの規模の流行が発生し、 1531 cases (during the 1st 5 months of 2012) が確認されている。 2007年には市内で 5666 人が検査陽性となった。
 - (Salvador, Bahia state). 12 Jun 2012. 2012年、931 cases of classical dengue fever with 13 residents with DHF が確認され、3人が死亡した。
[2] コロンビア Colombia (Neiva, Huila department [state equivalent]). 12 Jun 2012. in Spanish [12 Jun 2012] Neiva で5人のデング熱による死者と 1800人の感染が確認されている。
[3] プエルトリコ Puerto Rico. 15 Jun 2012. in Spanish 患者数の増加が続いており、 1836 suspected dengue cases は、昨年より 350例以上増えている。
[4] ジャマイカ Jamaica. 13 Jun 2012. Kingston and St. Andrew and 2 other parishes で数例
[5] ベトナム Viet Nam (Dong Nai province and national). 14 Jun 2012. 南部 Dong Nai province では14日現在、1800 people from 154 communes が感染。全国の年初 5か月の感染者は 13 200 人
[6] フィリピン Philippines
 - (Davao city, Davao region). 12 Jun 2012. Davao City 病院は満床を理由に、これ以上の Davao del Sur からの患者を受け付けられなくなっている。 5月だけで12人が死亡した。
 - (Iloilo city, Western Visayas region). 11 Jun 2012. 市保健当局は、5ヶ月間で 7 deaths and 529 registered cases を報告している。 2011年の 1年間では、 8 deaths and 425 cases だった。
[7] インド India
 - (Tamil Nadu state). 14 Jun 2012. 合計 2566 人が感染し、36人が死亡
 - (Bangalore, Karnataka state). 13 Jun 2012. monsoons となり、3例の死亡と15例の感染が確認されている
 - (Hassan, Karnataka state). 16 Jun 2012. Hassan で 11 cases of dengue
[8] スリランカ Sri Lanka. 12 Jun 2012. 保健省は、死者 74 人、感染患者 11 795 dengue cases を発表。 the Western Province が最も多く、26 dengue deaths and 2976 dengue cases from Colombo district, 14 deaths and 2197 dengue cases from the Gampaha district, and 6 deaths and 788 dengue cases from the Kalutara district が報告されている。感染による死者の 24%が 5-15歳だった。
[9] オーストラリア Australia (Townsville, Queensland state). 13 Jun 2012. 先週 2例が確認された Townsville, in north Queensland で、新たに 2例の感染が確認された。当局 Queensland Health によると、3 cases が国内で a 4th resident は Bali で感染したと見られている。

● インフルエンザ 北半球 2012-2013 CDC
PRO/EDR> Influenza (46): northern hemisphere 2012-2013 vaccine 20120618.1172105
 情報源 Centers for Disease Control and Prevention (CDC), Seasonal Influenza (Flu)、2012年6月18日
... 2月23日、 the WHO は the northern hemisphere's 2012-2013 seasonal influenza vaccine について、次の 3 vaccine viruses を使用するよう勧告した
 - an A/California/7/2009 (H1N1)pdm09-like virus;
 - an A/Victoria/361/2011 (H3N2)-like virus;
 - a B/Wisconsin/1/2010-like virus (from the B/Yamagata lineage of viruses).
the 2012-2013 flu vaccine に使用される the H1N1 virus は the 2011-2012 vaccine と変わっていないが、the recommended influenza H3N2 and B vaccine viruses については the 2011-2012 influenza vaccine for the northern hemisphere から変更となっている

● 百日咳 カナダ 
PRO/EDR> Pertussis - Canada (05): (ON), unimmunized cases 
Archive Number: 20120616.1170399
 情報源 Owen Sound Sun-Times (ON)、2012年6月13日
Grey-Bruce 保健当局は13日、百日咳 pertussis (whooping cough) に感染した、乳児と幼児それぞれ1名は完治する見込みであると発表した。それぞれが検査で確定診断されたこの患児らは、オンタリオ Ontario 州南西部の流行とは無関係であると考えられている。outbreaks が発生している地域は、Wellington-Dufferin-Guelph, Perth, Oxford, Elgin-St. Thomas, Haldimand-Norfolk and the Windsor-Essex areas となっている ... カナダ国内では例年1-3例の百日咳による死亡患者が発生していて、多くは、ワクチンの接種年齢に達していない、または接種が完了していない乳児である。The Ontario outbreaks はワクチンを接種していない人々の間で発生した流行で、メノナイト Mennonites - a religious cohort - がその典型である、と述べられている。地域は限られているが、当局 the health unit は local Mennonites にワクチン接種クリニック bringing immunization clinics を設置することに成功した事例を持っている。

● 麻疹 ドイツ、英国
PRO/EDR> Measles update 2012 (24) 20120616.1170461
[1] ドイツ Germany (D4-Hamburg)
Description of measles D4-Hamburg outbreak in Hamburg, Germany, December 2008 to June 2009, which disproportionally affected a local Roma community
 情報源 Eurosurveillance, Volume 17, Issue 24, Surveillance and Outbreak Reports、2012年6月14日
要約
2008年12月から2009年6月にかけて、ハンブルグ the Federal State of Hamburg において麻疹 Measles 感染の流行が発生した。この流行 The outbreak では216人が新たな株の麻疹ウイルス a new measles strain termed D4-Hamburg に感染し、同ウイルスは、引き続き 2009年から 2011年まで、欧州の12か国以上で流行 consecutive outbreaks した。 Hamburg の the 7 boroughs の1つで、報告された患者の半数以上をロマ人コミュニティ a local Roma community が占めた ... 非ロマ人麻疹感染患者では、乳児 infants (0-11 months) が 33 %を占めたが、the Roma community ではわずか 4% であった。 5-17 year-olds の年齢の患者に対は、the non-Roma cases では8%にすぎなかったが、 the Roma community の患者では 50 %だった
[2] 英国 UK (Merseyside):Measles outbreak prompts surge in vaccinations
 情報源 Wirral Globe、2012年6月13日
ワクチン接種勧奨活動の高まり
[3] 英国 UK (HPA):HPA Fears Rise In Measles Cases
 情報源 FrenchTribune.com、2012年6月14日
英国保健当局 the UK Health Protection Agency (HPA) の報告で、麻疹感染患者の深刻な増加に対して注意が呼びかけられている。多数の国民がワクチン the MMR vaccine が受けているが、"数年間にわたって接種率 the take-up が不十分であったので、年長児 older children, 十代の青少年 teenagers and 若年成人 young adults らもワクチンを受けることを強く勧める" と the HPA の医師は述べている

● 病原大腸菌 ベルギー O157
PRO/AH/EDR> E. coli EHEC - Belgium: (LI), O157, beef steak 20120616.1169222
 情報源 La Derniare Heure (The Last Hour) [machine trans.]、2012年6月15日
14日の時点で当局 the Federal Agency for the Safety of the Food Chain (AFSCA) から、リンブルフ Limburg において 19例の大腸菌感染 _E. coli_ [O157] 患者が確認されていると報告されている。いずれの患者も、American style fillet の生肉の摂取と関連すると見られている。19例のうち3例に、溶血性尿毒症症候群 hemolytic uremic syndrome (HUS) の症状が見られた。

● 日本脳炎など インド
PRO/AH/EDR> Japanese encephalitis & other - India (06): (BI, UP) 20120616.1170331
 情報源 Daijiworld, Indo Asian News Service (IANS) report、2012年6月16日
2大人口密集地域である、ビハール Bihar and ウッタルプラデシ Uttar Pradesh 両州で発生中の、蚊族媒介性致死性疾患の Acute encephalitis syndrome (AES) は拡大が続いており、Bihar's Gaya, Muzaffarpur, and Patna districts で新たに小児9人が死亡したことが、16日当局から発表され、合計の死者数がわずか3週間で159人に達した。UP では2週間で88人が死亡し、特に Bihar 州に近い東部の Gorakhpur 地区で多くの患者が発生している。Bihar 州でも409人の小児患者が確認されており、最も深刻な地域は Patna, Gaya, Muzaffarpur, Sitamarhi, East Champaran, and Vaishali の各地区である。Muzaffarpur だけで100人が死亡している ...
[Mod.TY- 上記記事では、日本脳炎は否定されているようだが、別のウイルスが特定されている訳でもない。20120613.1166861 では、感染症ではなく、熱中症 heat stroke が原因との見方も示されている]

● リーシュマニア症 コロンビア
PRO/AH/EDR> Leishmaniasis, cutaneous - Colombia 20120616.1170287
 情報源 Colombia Reports、2012年6月15日
政府保健当局は、中南部 Neiva (department of Huila) 市で 7例の皮膚病 リーシュマニア症 Leishmaniasis 患者が確認されたことを受け、流行発生の恐れがあるとして注意を呼びかけている。2012年の全国で報告されている患者数は36例と発表されている ...
[Mod.EP 注-コロンビアにおける Cutaneous leishmaniasis に関する最近のレビュー(Environmental Risk Factors for the Incidence of American Cutaneous Leishmaniasis in a Sub-Andean Zone of Colombia (Chaparral, Tolima). Am J Trop Med Hyg 2010; 82(2): 243-50)。 Cutaneous leishmaniasis transmission が、森林地域 sylvatic areas から都市部およびその周辺 domestic and peridomestic habitats に移ってきている(The epidemiology and control of leishmaniasis in Andean countries. Cad Saude Publica 2000; 16(4): 925-50)。国内の報告数も、1990年代の年平均6500例から、 18 098 in 2005 and 16 098 in 2006 と増加し、報告数の95%を cutaneous leishmaniasis が占めている (Comportamiento de la leishmaniasis en Colombia. Biomedica (Bogota) 2007; 27(2):83-4)]

● マラリア インド
PRO/EDR> Malaria - India (05): (GJ, RJ) 20120616.1170189
[1] Gujarat (Ahmedabad)
 情報源 Daily News & Analysis (DNA)、2012年6月14日
市保健当局 AMC's [Ahmedabad Municipal Corporation] health department の医療報告によると、1年前と比べ、マラリア Malaria 患者数が3倍に増えた。 January-May 2011 に 946 cases が報告されていたのに対し、2012年は 3047 だった。当局は Ahmedabad の蚊族発生密度が減少しているとしていたにもかかわらず、マラリアの感染が拡大していた。ボウフラの発生が最も多かった the highest larvae index のは Ranip and Kali で、以下 Girdharnagar, Naroda Road, and Chandlodia の順だった
[2] Rajasthan State
 情報源 The Times of India, Times News Network (TNN)、2012年6月7日
熱中症患者が heat stroke patients 最高潮となった上に、Jaisalmer district では三日熱マラリア _Plasmodium vivax_ malaria が100人を超えている
[Mod.EP-the WHO malaria country profile for India によると、Gujarat State の年間発生数は between 1 and 10 cases per 1000 population、Jaisalmer district, Rajasthan]

● 炭疽 ジョージア
PRO/AH/EDR> Anthrax, human - Georgia 20120615.1169757
 投稿者 David Tsereteli、2012年6月15日
15日現在、国内で41人の炭疽 Anthrax 感染患者が報告されている。
[Mod.MHJ-年初からの6か月で41人の患者との数字からすると、1年間の合計患者数は2011年に並ぶと想像される。2001-2010年の10年間ではわずか34例だった]
関連項目 20120613.1166927

● 狂犬病 イスラエル
PRO/AH/EDR> Rabies - Israel: travel alert 20120618.1172172
 情報源 Zeenews.india.com、2012年6月17日
保健省は、インドへの旅行を予定している国民に対し、事前に狂犬病 Rabies ワクチンを接種するよう呼びかけた。インドからイングランドに帰国した女性が、インド国内で狂犬病のイヌの咬傷を受け死亡したことがきっかけとなった。同時に、すぐに予防措置を受けられないジャングルやトレッキングなど、辺境地域に立ち入る旅行者にも、同じアドバイスが求められている。また、Moshav Odem (the northern Golan Heights ゴラン高原北部) 近郊の村の南西部地域で、1頭のイヌの狂犬病検査が陽性となったことから、国内の全てのペットのイヌにワクチンを接種するよう、飼い主らにも指示されている。

● パルボウイルス B19 英国
PRO/EDR> Parvovirus B19 - UK: (Eng/Wales) increased incidence 20120615.1169664
 情報源 Health Protection Agency Weekly Report, Vol 6 No 24、2012年6月15日
Increased parvovirus B19 activity in England and Wales
パルボウイルス Parvovirus B19 は、一般に発疹と発熱と共に現れる頬部の特徴的な紅斑のため "slapped cheek (日本ではリンゴ病) " と呼ばれ、子どものありふれた病気である、伝染性紅斑 erythema infectiosum or fifth disease (第5病) の原因ウイルスである。Parvovirus B19 infection は軽度の発熱性疾患で終わることが多いが、赤血球ターンオーバーが増加している (すなわち潜在性溶血性ヘモグロビン症 underlying haemolytic haemoglobulinopathies) 患者が感染した場合、一過性の再生不良性クライシス transient aplastic crisis に、また免疫不全の患者では赤芽球癆 pure red cell aplasia に陥る危険性がある。妊娠第 20週までの感染では、子宮内胎児死亡や胎児水腫 hydrops fetalis のリスク増加につながる。近年 England and Wales でパルボウイルス感染 parvovirus B19 activity が増加していることから、医療関係者らに注意を促す必要性がある。人口のおよそ 50-60% は、成人 adulthood するまでにパルボウイルスに対する免疫を獲得する。英国など温帯地域の国々では、発生に季節性があり、春から初夏にかけて感染が増え、3-4 年ごとに付加的な感染発生が認められる

● 石果の病気、Fireblight スイス
PRO/PL> Fireblight, pome fruit - Switzerland: (TG) 20120618.1171322
 情報源 Top Online [in German]、2012年6月8日
18 000 trees cut in Thurgau due to fireblight
the canton of Thurgau の果樹栽培地域全体で多少の違いはあるものの、 2012年に the tree disease fireblight が発生し、 6 hectares の土地の 18 000 trees が伐採される結果となっている ...
[Mod.DHA- Fireblight は細菌の _Erwinia amylovora_ を原因とし、世界中でバラ科の植物 members of the _Rosaceae_ だけに感染する the most destructive disease of pome fruit trees と考えられている]

● White nose syndrome 米国
PRO/AH/EDR> White nose syndrome, bats - North America (18): USA (IA) 20120616.1170523
 情報源 Iowa DNR News、2012年6月13日
Maquoketa Caves State Park で冬眠中のコウモリ big brown bat 1頭から、低レベルの真菌が確認されたことから、white-nose syndrome の原因となる真菌の感染拡大防止策が強化されることになった

● ブタ繁殖・呼吸障害症候群 ベトナム
PRO/AH/EDR> Porcine reprod. & resp. syndrome - Viet Nam 20120615.1169698
 情報源 VietNam News、2012年6月13日
Agriculture ministry calls for swift action on blue-ear disease
農業開発当局 Agriculture and Rural Development の責任者は、blue-ear disease 発生地域に対し、感染拡大防止に強い姿勢で臨むよう求めている ... 通常、the Hong (Red) River Delta だけの発生に留まっている同疾患が、2012年は北部山岳地域にまで感染が広がっており、1月11日には、ラオカイ the northern mountainous province of Lao Cai ではじめて報告された後、全国 123 communes の 34 000 pigs に被害が及んでいる
[Mod.AS- Porcine reproductive and respiratory syndrome (PRRS) は 1987年に米国で初めて報告され、その後数年間のうちに大流行 a pandemic した。1991年にウイルスが同定され、 member of the order Nidovirales, family Arteriviridae, genus Arterivirush に分類されたが、抗原性の違いを持つ 2 genotypes、 the North American (NA, type 2) and European (EU, type 1) PRRSV isolates に分けられると考えられている]