2012年6月19日

黄疸(E型肝炎疑い)-インド
ツツガムシ病-インド

● 黄疸-インド
PRO/EDR> Jaundice - India: (MA) Kolhapur, water-borne 
Archive Number: 20120619.1173453
Jaundice outbreak in Maharashtra: 12 dead, 3000 affected
 情報源 Firstpost、2012年6月19日。
Kolhapur district にある織物の町 Ichalkaranji において、4日間で新たに 500例以上の黄疸患者が報告されている。この 1か月間で少なくとも 12人が死亡した、と 18日当局者が述べた。保健当局は河川 the Panchganga river の汚染された水の摂取が原因と見ている。5月15日以降、市内で 3803例の患者が報告されており、12人が黄疸により死亡している。 Ichalkaranji は the district headquarters of Kolhapur から 40 km、ムンバイ Mumbai からは 450 km の場所にある。妊娠女性の患者も70人以上報告されている。6月22日まで全ての学校が休校となった。水源は the Panchganga and Krishna rivers の2つの河川で、改修工事のため Krishna からの取水はストップしており、the Panchganga river の汚染が原因と考えられると当局は述べている。
[Mod.CP-正確な診断名は記載されていないが、河川の汚染が原因とされるこれほど大きな感染流行 extensive outbreak は、E 型肝炎 hepatitis E virus (HEV) infection である可能性が考えられる。過去にもインドでの流行の原因となっている。
E 型肝炎は、エンベロープを持たない positive-sense 1本鎖 RNA virus の hepatitis E virus の感染を原因とし、ヒトが自然宿主と考えられているが、HEV もしくは近縁ウイルスに対する抗体が霊長類やその他の動物種で同定されている。ウイルス感染伝播が助長されやすい衛生状況の悪い地域で高い発生率が認められている。E 型肝炎感染流行は、インド、東南アジア、北および西アフリカ、メキシコの、特に便汚染のある水の摂取が多い地域で報告されている。E 型肝炎のリスクファクターとして、衛生事情の悪さが挙げられる。ヒト-ヒト感染は多くなく、性行為感染するとのエビデンスはない。一般的に、E 型肝炎は自然治癒傾向のある自己完結型感染症で、多くの場合入院を要しない。長期にわたるウイルス血症や糞便中へのウイルス排泄の持続は一般的ではなく、慢性感染起こらない。時に劇症型感染を発症する場合があり、全患者死亡率は 0.5-4% とされている。劇症肝炎は妊娠女性に起こりやすく、妊娠第 3期の女性では致死率が 30%に達する。ウイルス HEV 曝露後の潜伏期間は 3-8週間で、平均すると 40日間である。伝染性を有する期間 The period of communicability については、よく分かっていない。経過を改善させる有効な治療法やワクチンもない]

● ツツガムシ病-インド
PRO/AH/EDR> Scrub typhus - India (05): (KL) 20120619.1173082
 情報源 The Times of India, Times News Network (TNN) 、2012年6月18日。
東南アジアと日本で多く見られる感染症のツツガムシ病 scrub typhus infection の患者15人が、the Kozhikode district の各地で報告されている。 2006年にケララ州 the Kerala State 北部の Malabar region ではじめて報告されたこの病気は、初期症状が普通のかぜに似ているため、診断が難しいと当局者が述べた。ダニ刺咬 mite bite により伝播され、血液検査なければ診断できない。"Scrub typhus が報告されているのは Kozhikode, Kannur, Malappuram, Wayanad, and Palakkad " であり、 "初期に診断できれば、薬剤のドキシサイクリン doxycycline で治癒するが、受診が遅れると内臓不全や死亡の確率が高まる" と当局の医師は説明している
参考文献 Risk factors leading to fatal outcome in scrub typhus patients. Am J Trop Med Hyg 2009; 81(3): 484-8

● コイヘルペスウイルス-英国 イングランド
PRO/AH/EDR> Koi herpesvirus disease - UK: (England) 20120619.1173349
Deadly virus suspected of killing fish
 情報源 Welwyn Hatfield Times、201年6月16日。
Brocket Hall の湖で多数の魚類が死亡した原因として、 Koi Herpes Virus (KHV) が疑われている

● アフリカ豚熱-ロシア
PRO/AH/EDR> African swine fever - Russia (02): (TV) spread 20120619.1173139
African swine fever outbreaks continue near Moscow
 情報源 Pigprogress.net、201年6月19日。
トヴェリ the Tver region の the Lihoslavlsky area で発見された 1頭のイノシシから採取された検体で、アフリカ豚熱 The African swine fever (ASF) virus が、当局 Rosselkhoznadzor [Federal Service for Veterinary and Phytosanitary Surveillance] の病理検査で確認された