2012年8月5日

◎ 狂犬病-ペルー コメント
エボラ出血熱-ウガンダ、タンザニア疑い
ブニヤウイルス-中国 疑い

◎ 狂犬病-ペルー、コメント
PRO/AH> Rabies (05) - Peru, comment 
Archive Number: 20120805.1229534
20120802.1226037 & 20120805.1228965 に関し。
 投稿者 Patricia Burke, DVM、2012年8月5日。
... Human rabies: a disease of complex neuropathogenetic mechanisms and diagnostic challenges. Lancet Neurol. 2002 Jun;1(2):101-9 より、 
"狂犬病 Rabies ウイルスが創部への定着に成功したあと、まず最初に起こる感染過程は the lyssavirus genotype によって決まる。イヌの狂犬病ウイルス canine rabies virus の場合、ウイルス糖タンパクの、筋肉上のニコチン性アセチルコリンレセプターへの結合であるが、コウモリリッサウイルスの一部 some bat lyssaviruses では、表皮もしくは真皮の何らかのレセプター unknown receptors へのウイルスの結合となる。
もう1つの特徴的なこととして潜伏期間が長いことがあるが、これは神経筋接合部においてウイルスが筋肉内または他の細胞内に限局して留まる localization of virus within ことで、一部説明可能である。スカンクの実験では、狂犬病ウイルスは接種から最長 2ヶ月間、筋肉内に抗原と遺伝子が確認されることが示されている。ある限られた状況では、このような感染持続状態が、宿主免疫により排除 host immune clearance されたり、暴露後に治療できたりするチャンスを与えてくれている"。
この記事では、いずれも非典型的な症状を示し、狂犬病から回復した 3人の患者についてもレビューされている。1991年の文献には "動物、特に常在地域のイヌの中で、特異的狂犬病中和抗体を有するものがいることは、不顕性感染伝播、感染途絶 aborted rabies infection、致死量以下のウイルスへの免疫反応などが存在することの間接的証拠である"、と記載されている ...

PRO/AH> Rabies - Peru (04): comment 20120805.1228965
20120802.1226037 に関し。
 投稿者 ベルギー・Scientific Institute of Public Health、Steven Van Gucht、2012年8月3日。
the occurrence of seropositive individuals in some populations at risk に関する文献の紹介。

● A 型肝炎、C 型肝炎、HIV-米国、歯科での暴露
PRO/EDR> Hepatitis A & C, HIV - USA: (CO) dental exposure 20120805.1229456
Ex-patients of dentist who reused syringes have HIV or hepatitis
 情報源 Highlands Ranch Herald、2012年8月4日。
2011年6月に,口腔内の手術の際に注射器を再使用し手いたことが判明し、医業を停止している医師の、以前の患者 3名が、A 型肝炎、C 型肝炎、または HIV に感染していたことがわかった

● エボラ出血熱-ウガンダ、タンザニア 疑い
ウガンダ
PRO/AH/EDR> Ebola hemorrhagic fever - Uganda (12): (KI) update 20120805.1229338
8 new Ebola cases confirmed
 情報源 NTA Newstime Africa、2012年8月5日。
Uganda's Kagandi Hospital はこれまでに、新たに 8 new cases of Ebola を確認している。感染流行開始以来、46検体が検査され、8検体の陽性が確認されている。監視を要する患者の接触者は、24時間で 232 to 253 に増加した ...
関連項目 (11): 17th fatality 20120804.1228678

タンザニア
PRO/AH/EDR> Ebola hemorrhagic fever -Tanzania: (KA) susp. 20120805.1229334
Ebola fear hits Kagera
 情報源 IPPMedia, source The Guardian on Sunday、2012年8月5日。
タンザニアの the Kagera region のエボラ出血熱 Ebola hemorrhagic fever が疑われる 2 patients について、詳しい調査を行うためのチームが 4日派遣された。しかし、保健省 the Ministry of Health and Social Welfare [of Tanzania] は、西部で致死性の出血熱の流行が確認されたと発表した。保健副大臣は1人の患者について診断を行っていると述べた。 Nyakahanga designated hospital (Karagwe district, Kagera region) からの報告によると、小児を含む 2名の患者が、隣国のウガンダに留まっていた出血熱を発症したと述べた。病院での初期検査で the Ebola virus の感染が疑われていることが明らかになった。しかし、病院の医師は、さらに詳しい検査が必要とコメントしている

● ブニヤウイルス疾患-中国
PRO/AH/EDR> Bunyavirus disease, human - China (HE), susp. 20120805.1229337
 情報源 The Epoch Times、2012年8月3日。
信陽市 Xinyang City (中央部河南省 Henan Province) は患者であふれ、メディアから当局の説明を求める声が上がっている。上城郡 Shangcheng County のダニ刺咬のあった村人 1人が、7月31日に死亡した。死亡したダニ媒介性疾患の専門病院には、多数の患者が押し寄せていた。患者の親族のブログには "何日も昏睡状態のまま、高熱が続き、次第に生命兆候が弱まっていった..."と綴られていた ...
[Mod.TY-これらの患者の病原体は、新たに確認された Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome (SFTS) virus , a newly identified member of the genus phlebovirus in the Bunyaviridae family (20110317.0853) である可能性がある。 SFTS virus はこれまでに、患者2名とイヌから採取されたダニ _Haemaphysalis longicornis_ ticks で確認されている。河南省の他、少なくとも 5つの省で確認されている; in 2010, the presence of the virus was confirmed in 171 patients from 6 provinces in China。 2010年9月までに少なくとも 36 deaths に関係している ... ]

● ハンタウイルス-アイルランド ドイツから
PRO/AH/EDR> Hantavirus update 2012 - Europe (02): Ireland ex Germany 20120805.1229333
 情報源 Disease Surveillance Report, Epi-Insight, Health Protection Surveillance Centre, Ireland,2012年8月
腎不全と呼吸器症状のため 2012年に the Mid West Regional Hospital を受診した、30歳のドイツ人旅行者 1名は、支持療法により回復し、ドイツに帰国した。後に、検査によりハンタウイルス Hantavirus  IgM 抗体が陽性であることが判明し、6月初旬に確定診断された

● 手足口病-フィリピン EV71 case
PRO/EDR> Hand, foot & mouth disease - Philippines (02): 2nd EV71 case 20120805.1228715
DOH updates list of HFMD cases
 情報源 Department of Health, Republic of Philippines, Press Release、2012年7月31日。
Benguet province の 5歳の男児 1名が、2例目の EV-71 感染 the second case of EV-71 (Enterovirus-71)-associated HFMD (Human [sic, actually Hand] Foot & Mouth Disease) 例であることが、保健当局により確認された。カンボジアへの渡航歴は認められなかった

● レジオネラ症-カナダ
PRO/EDR> Legionellosis - Canada: (Quebec) fatal, cooling tower susp. 20120805.1228680
 情報源 570news.com ,2012年8月3日。
14人が感染したケベック市のレジオネラ肺炎流行 Legionnaires' disease during a Quebec City outbreak により、高齢者1名が死亡した

● インフルエンザ-米国 A/(H3N2)v CDC
PRO/AH/EDR> Influenza (64): USA A/(H3N2)v CDC report 20120805.1228593
CDC Reports Cases 18-29 of H3N2v Virus Infection; Continues to Recommend Interim Precautions When Interacting with Pigs
 情報源 Seasonal Influenza (Flu) ,CDC、2012年8月3日

● ウエストナイルウイルス-イタリア
PRO/AH/EDR> West Nile virus - Eurasia (03): Italy 20120805.1228964
 情報源 Eurosurveillance Volume 17, Issue 31,2012年8月2日。
原著タイトル New endemic West Nile virus lineage 1a in northern Italy, July 2012. Euro Surveill. 2012;17(31):pii=20231.
要約
2012年7月にイタリア北東部で採血された、献血の血液で初めてとなる、nucleic acid amplification testing によって確認された、ウエストナイルウイルス West Nile virus (WNV) 陽性例について報告する。遺伝学的検査 Partial sequencing of the WNV RNA により、2011年に同地域で確認された a WNV lineage 1a genome であり、2008-9年のイタリア北部でのアウトブレイクのウイルス株からの派生 divergenceであることがわかった。イタリア北部での WNV activity は予想されているよりも前から始まっており、 different WNV strains が circulating していることが示唆された

● 狂犬病-タイ、米国
タイ
PRO/AH/EDR> Rabies, rabbit - Thailand: (Bangkok), human exposure 20120805.1229375
BMA on rabies alert after rabbit bites family
 情報源 Bangkok Post、2012年8月5日。
Chom Thong district で狂犬病 Rabies ウイルスに感染した1匹のペットのウサギに家族が咬傷を受けたことから、保健当局Bangkok Metropolitan Administration (BMA) は狂犬病の制圧に懸命に取り組んでいる
[Mod.AS - 時系列に不思議な点がある; 最終的に狂犬病であることがわかったとされるこのウサギが、ヒトを襲ったのは 6月10日からで、死亡したのは 7月28日であるから、およそ50日後ということになる。この攻撃的なペットは小屋に閉じ込められ、おそらく死亡したと見られる。狂犬病が、小型齧歯類 (ラット、マウス)、リス、オポッサム、ウサギ目 (rabbits and hares) で確認されることは、きわめてまれである。20070521.1623 では、ニューヨーク州 New York State で 7 pet rabbits and one pet guinea pig の raccoon-variant rabies 感染が確認されことが報告されている。 20041129.3190 では、イスラエル北部のふれあい動物園に飼育されていたウサギが、検査で感染が確定診断されたことが報告されている]

米国
PRO/AH/EDR> Rabies, beaver - USA (PA) 20120805.1228835
Swimmer bitten by rabid beaver at eastern Pennsylvania park
 情報源 AP、2012年8月4日。
ペンシルベニア Pennsylvania 州東部のある公園で遊泳中の男性 1名が、ビーバー 1頭による咬傷を受け、後に検査により、[ビーバーが] 狂犬病陽性であることが判明した。 Delaware Water Gap National Recreation Area において、8月2日に咬傷を受けた。

● 小反芻獣疫-ケニア
PRO/AH/EDR> Peste des petits ruminants - Kenya: (Rift valley), suspected, RFI 20120805.1229335
Relief in Kerio Valley as cattle disease tackled [see comment]
 情報源 The Star [Kenya]、2012年8月4日。
政府当局は Kerio Valley http://tinyurl.com/co5z6ksにおいて、この 3週間で 2000頭あまりの家畜 [種不明] が死亡した病気の感染流行について、原因を突き止めた。the Livestock Veterinary Laboratory referral facility in Nairobi での検査の結果、小反芻獣疫 Peste des Petits Ruminants popularly known as PPR によるものであることが判明した。今後、15万頭以上の家畜にワクチンの一斉接種が計画されている 

● Cedar virus-オーストラリア コウモリ
PRO/AH/EDR> Cedar virus (02) - Australia, bats 20120805.1228784
 情報源 PLoS Pathologens、2012年8月2日

● BSE -米国
PRO/AH> BSE, bovine - USA (06): (CA) 20120805.1228663
Report: Mad cow in California was isolated case
 情報源 Business Week、2012年8月3日。
カリフォルニアのウシ California Holstein 1頭が 4月に狂牛病と診断されたが、孤発例であり、食品流通への不安はないことが、農務省 the U.S. Department of Agriculture の報告で明らかにされた