2012年10月9日

ヒト・ボカウイルス 中国
マラリア アルバニア

● チクングニア熱 フィリピン
PRO/EDR> Chikungunya (19): Philippines
Archive Number: 20121009.1333758
 情報源 PhilStar、2012年10月10日。
9日現在、全国で合計 58人のチクングニア Chikungunya ウイルス感染の患者が確認されている。保健当局は500人の感染が疑われており9月時点の患者は 150人に留まっていたと報告した。500人のうち、58人の感染が確定診断されている。the chikungunya cases が確認されているのは、Metro Manila, Calabarzon, Western Visayas, and Northern Mindanao の各地域であり、さらに感染が広がっている、と述べた。昨年 [2011] は全国で 1000人以上のチクングニア熱患者が報告されている
関連項目 (15): Philippines: (AL) 20121001.1318102

● ヒト・ボカウイルス-中国
PRO/EDR> Human bocavirus - China: (SZ) ex Hong Kong 20121009.1333757
Human bocavirus Infections found in Shenzhen
 情報源 Shenzhen Post、2012年10月9日。
検疫所 Entry-exit Inspection and Quarantine Bureau は、深セン港 Shenzhen Port において4人のヒトボカウイルス患者 human Human bocavirus cases が相次いで発見されたことを受け、旅行者らに対して個人感染防護策を講じるよう注意を呼びかけている。同港検疫所 Shenzhen Entry-exit Inspection and Quarantine Bureau at Shenzhen Port で、香港 Hong Kong から到着した 1歳未満の乳児が体温監視モニター infrared thermal imaging temperature monitoring で体温上昇が検知され、腋窩温が 37.6 ℃であり、口腔内に潰瘍 canker が確認された。咽頭スワブ(擦過)検査で、Shenzhen では10月に入って 4人目のヒトボカウイルス感染患者 a case of human bocavirus infection であることが確認された。他の3人はそれぞれ Huanggang Port and Shenzhen Bay Port で発見された ...
[Mod.CP- influenza, parainfluenza, respiratory syncytial virus, human metapneumovirus, and adenovirus は、肺炎の原因となるウイルスとして重要であることがはっきりしているが、一方 rhinoviruses や human coronaviruses and human bocavirus については、はっきりしたことは判っていない is harder to determine 。
Human bocavirus は小型1本鎖 DNA 含有ウイルス a small single-stranded DNA-containing virus で、パルボウイルス科 the family _Parvoviridae_ に属し、多数ある乳幼児に感染する呼吸器病原性ウイルスの 1つである。最近 4 species of human bocavirus (HBoV) が発見され、the Bocavirus genus (family Parvoviridae, subfamily Parvovirinae) が設けられた。世界中で気道および便のいずれの検体からも検出されているが、 HBoV1 は主に a respiratory pathogen であり、HBoV2, HBoV3, and HBoV4 は主に便検体から検出されている。HBoV infection の患者の症状は様々で、鼻炎、咽頭炎、咳、呼吸困難、喘鳴、肺炎、急性中耳炎、発熱、嘔気、嘔吐、下痢などがある。これらの症状のほとんどが系統だてて調べられたことがなく、有症患者では高い確率で共感染 HBoV co-infection が認められ、また無症候性患者からも高い確率で HBoV が検出されることから、はっきり判っていない have been questioned 。それでも、HBoV1 が下気道感染の重要な病因となっているとの証拠は集まっている。
現在利用可能な最良の診断法は quantitative PCR and serology である [See: T Jartti, et al. Rev Med Virol. 2012 Jan;22(1):46-64)]。bocavirus の名称は、同じ属の他のウイルス; the bovine parvovirus (cattle) and the minute virus of canines (dogs) を保有することが知られている、ウシ bovine and イヌ canine の 2種の宿主に由来する。Parvoviruses (Latin で小さなウイルス small viruses の意) は a 5 kilobase long single-stranded DNA を持ち、宿主の増殖タンパクの一部を、自身の DNA の複製に利用する]
参考項目 China (Hunan) (02) 20060822.2372

● 髄膜炎菌性髄膜炎-イタリア
PRO/EDR> Meningitis, meningococcal - Italy: cruise ship, exposure 20121009.1333637
[1] 情報源 prensa-latina.cu [in Italian]、2012年10月8日。
2000人近い乗客を乗せ、7日に an Italian port に停泊したた船上 the MSC Orchestra cruise [ship] での髄膜炎菌流行 A meningitis outbreak による患者が 4人となった。直ちに the 2800 passengers への感染予防措置が必要であり、4人の crew members が重症のため入院となった。 the hospital in Livorno の救急部長は、患者の1人である 32歳のインドネシア人は非常に深刻な状態であり、the ship's galley で勤務していた 47歳のイタリア人と、ブラジル人およびフィリピン人各 1名も同病院に収容されている。
[2] 情報源 cruiselawnews.com、2012年10月8日。
[3] 情報源 ubalert.com、2012年10月9日

● ムンプス-エジプト
PRO/EDR> Mumps - Egypt (02): nationwide 20121009.1333635
Egypt mumps outbreak more than triples in one week
 情報源 Examiner.com、2012年10月8日。
ムンプス mumps 感染流行がエジプト Egypt 全土に広がっている、と 8日報告された。8日の患者数は 583人に達し、わずか 1週間前の 157例から大きく増えたが、教育省は、流行により閉鎖されている学校はない、と発表している。Giza Governorate からの報告は最多の 240例。ほか Minya 95, Beni Suef 48, and Fayoum 38, with Cairo reporting only 12 となっている。先週保健省は、この冬の患者数増加の見通しを示したが、公衆衛生上の緊急事態にはならないとしている。
[Mod.CP- わずか 7日前に Qena governorate で100例を超えるムンプスの患者の報告があった ... the outbreak in Qena governate は、the supply of MMR vaccine の供給停止が原因とされていたが、ワクチンの不足は全国的なものと考えられる ... ]
関連項目 Egypt: vaccine shortage 20121002.1320324

● マラリア-アルバニア
PRO/EDR> Malaria - Albania: RFI 20121009.1333456
Seven cases of malaria in Albania
 情報源 FluTrackers, Makfax report [in Macedonian]、2012年10月7日。
アルバニア Albania で 1970年以来となる、7例のマラリア患者 cases of malaria が報告されているとの情報が寄せられた。ティラナ Tirana の病院医師は、最近、患者が報告されたと述べた。 "infectious diseases in Albania"のミーティングで明らかにされたもので、ギリシャおよびイタリアからの輸入患者の増加に伴うもの、とされている。会議では、アルバニアの国境における検疫を強化し、これら 2カ国からのマラリア患者を発見する必要性が示された。会議の中で 4 例のウエストナイル熱患者 cases of West Nile fever も報告されたが、いずれの患者も健康である。
[Mod.EP- 最近、と記載されているだけで、先月なのか、過去5年間のことなのか判らない。さらにイタリアでの感染の可能性を示唆しているが、イタリアにおいてマラリア感染伝播が起きていることは知られていない。アルバニアは2010年にギリシャで感染したことが疑われた 1例のマラリア感染を報告 (20100518.1634) しており、ギリシャでの感染で間違いなければ、2011年にアウトブレイクが報告されるよりも前に、ギリシャ国内でマラリア感染伝播が起きていたことになる ... 国境での監視を強化すべきとの結論も、事実に基づいた内容ではない]

● アスペルギルス髄膜炎-米国 CDC
PRO/EDR> Aspergillus meningitis - USA (06): CDC advice 20121009.1333004
[1] Query
 投稿者 米・Danyelle Redden, MD, MPH、2012年10月8日。
汚染されていた可能性のある薬剤を注射されたが、症状のない患者に対する、公式の勧告は出されているのだろうか。これらの患者に、[髄液を採取するための] 腰椎穿刺をすべきか?このような患者が、救急部を受診し始めている。
[Mod. LL-[2]、[3] に CDC の統計と推奨を提示したが、基本的に患者に全く症状が見られない場合は、腰椎穿刺の適応はないものの、実施の適応基準はより緩和すべきとされている]
[2] CDC: statistics At-a-glance
 情報源 CDC, Healthcare-Associated Infections (HAIs)、2012年10月8日。
Status: ongoing investigation
Infection: fungal meningitis
Facility type: outpatient setting
Case count: 105
States: 9
Deaths: 8
the current case count (Tennessee 35, Virginia 23, Michigan 21, Indiana 11, Maryland 5, Florida 4, Minnesota 3, North Carolina 2.)
[3] CDC: frequently asked questions for clinicians -- multistate meningitis outbreak
 情報源 CDC, Healthcare-Associated Infections (HAIs)、2012年10月7日。
-感染の原因は ?
-医師が行うべき事項 ?
1.患者に投与した可能性 (現在まで、CDC には硬膜外へのステロイド注射による患者だけが報告されているが、関節注などによる感染の可能性についても注意する) を調べ、
2.投与した患者と連絡を取り、
3.症状のあった患者について診断 (Interim instructions regarding diagnostic testing and treatment options)し、
4.当局に報告する。
-予防投薬の意義は ? Prophylaxis is not recommended at this time.
-無症候性患者への腰椎穿刺の必要性は ?
-ステロイドの、硬膜外注射以外への使用による患者はあったのか ?
-問題の薬剤の流通先 (州) は ?
-the New England Compounding Center の他の薬剤の関与は ?

● 類鼻疽: 渡航関連
PRO> Melioidosis: travel-associated, background 20121009.1331658
20121007.1329106 に関し。
 情報源 GIDEON (Global Infectious Disease & Epidemiology Network)、2012年10月8日。
during the 1960s and 1970s のベトナム帰還兵について、22万5千の類鼻疽抗体陽性者がいたと推定され、再発の可能性は今も残っている。西マレーシア West Malaysia の従軍兵士 Australian, New Zealand, and British soldiers の 2%で、抗体が確認されている (1976年報告)。

● 炭疽-ジンバブエ
PRO/AH/EDR> Anthrax, livestock - Zimbabwe (02): (MA Manicaland) 20121009.1331372
 情報源 Manica Post、2012年10月8日。
マニカランド Manicaland の共有地 the communal parts を中心に、過去 2ヶ月間に炭疽感染による多数の家畜の死亡が発生し、専門家は、干ばつの影響でより感染リスクが高まる可能性があると指摘している。ヒトでの感染流行は報告されていないが、感染動物の肉を食べた複数の入院患者がいる、と Manicaland 保健当局は報告している ...
[Mod.MHJ- ... OIE は、1997, 2000 to 2010 の各年にoutbreaks in Manicaland を報告しており、主にウシの感染であった; 2011年の詳細については伝わっていない。何らかの理由で These events が、ProMED-mail から漏れている]

● ブルータング-パレスチナ自治区 OIE、イスラエル
PRO/AH> Bluetongue - Middle East: Palestinian Auth (WB West Bank) OIE, Israel 20121009.1333636
[1] パレスチナ自治区 Palestinian Authority, OIE follow-up
Bluetongue, Palestinian Autonomous Territories、 follow-up report No. 1
 情報源 OIE's WAHID interface, Weekly Disease Information 25 (41)、2012年10月8日。
感染開始時期 2012年9月19日
前回流行時期 2011年12月
原因ウイルス Bluetongue virus Serotype: pending
新たな感染流行 (3)
発生地 [locations indicated on the interactive map at the source URL]
Summary of outbreaks
Total outbreaks: 3
種/個体数/感染/死亡/廃棄/と畜
ヒツジ Sheep / 1235 / 84 / 16 / 0 / 0
[2] イスラエル Israel, clinical observations, 3 outbreaks
Clinical findings in 3 sheep outbreaks, northern district
 情報源 Hachaklait Clinical Veterinary Services, Head Veterinarian's weekly report [Hebrew]、2012年10月8日。
1. Location: Northern district, Golan Heights, near the village Yonatan.
About 100 mutton type sheep, 5 typical BT cases, one dead.
In 2 adjacent sheep flocks, suspected cases.
2. Location: Northern district, Jezreel valley (west), village Sde Yaakov.
Pregnant young sheep, typical clinical signs (picture available).
3. Location: Northern district, Wadi Ara, village Kafr Kara.
Mutton-type sheep, typical clinical signs.
830 susceptible ewes, 100 cases. 8 mortalities
400 lambs, 8 cases, no mortality
30 rams, 5 cases, 1 mortality.

● 炭疽-エジプト、ウシ
PRO/AH> Anthrax, bovine - Kenya (02): (RV) vaccine (anthrax, PPR) funding 20121009.1331306
 情報源 The Star (Nairobi) 、2012年10月4日。
The Food and Agricultural Organisation は、the Rift Valley region において過去 3ヶ月間で 2000頭以上の家畜を死亡させた疾患への対応として、家畜用ワクチンの費用を提供することになった。the African Union も 3ヶ月間の活動を支援する。 炭疽 anthrax and goat plague 等が報告されている、Turkana, Pokot, Samburu, and Baringo among others の 100万頭以上の家畜にワクチンを接種する。炭疽感染流行が報告された Turkana North では100頭以上が死亡し、Pokot and Marakwet の各地でも小反芻獣疫 PPR (peste des petits ruminants) が猛威をふるっている ...
 
● 狂犬病-アルバニア、イヌ OIE
PRO/AH> Rabies - Albania: canine, OIE 20121009.1331344
Rabies, Albania、reoccurrence of a listed disease
 情報源 OIE's WAHID interface, Weekly Disease Information 25 (41)、2012年10月8日。
感染開始時期 2012年9月10日
前回流行時期 2012年 7月16日
原因ウイルス Lyssavirus Serotype: not typed
新たな感染流行
発生地 Kukes (Mamez, Kolsh, Kukes)
感染した種 / 頭数 / 感染頭数 / 死亡 / 廃棄 / 処分
ウシ Cattle / 189 / 0 / 0 / 1 / 0
イヌ Dogs / 110 / 2 / 0 / 3 / 0
ヤギ Goats / 479 / 0 / 0 / 0 / 0
ネコ Cats / 130 / 0 / 0 / 0 / 0
ヒツジ Sheep / 419 / 0 / 0 / 0 / 0
ウマ Equidae / 60 / 0 / 0 / 0 / 0
疫学的コメント: 9月8日に農場所有者が野犬 1頭 (a mastiff) を発見。10日、このイヌが攻撃的になり、子牛 1頭を襲い、17日にも農場の飼い犬を襲った後逃げ去った。飼い犬は処分され、検査により狂犬病感染が確認された。この野犬は、隣町の Aliaj, commune Surroj, district Kukes でも確認されており、現在調査が行われている。