2013年1月18日-20日

ダニ媒介性ボレリア症 米国
● ダニ媒介性ボレリア症 米国
PRO/AH/EDR> Tick-borne borreliosis - USA: (South. New Engl., NY) B. miyamotoi
Archive Number: 20130118.1504740
 情報源 New Haven Register、2013年1月16日
各地域 [Connecticut, Massachusetts, Rhode Island, New York] で初めてとなる、ライム病 Lyme disease に類似しダニが媒介する、新たな感染症の患者が確認されていることが、研究者 the Yale schools of Public Health and Medicine らにより明らかになった。ダニ deer ticks によって運ばれるこの病気は、あまりなじみのない病気であるため、間違って診断される可能性もあるが、幸いライム病と同じ治療を行えばよい。
科学雑誌 the 17 Jan 2013 issue of the New England Journal of Medicine に掲載されたこの論文によると、細菌 _Borrelia miyamotoi_ の感染を原因とするこの疾患については、southern New England and New York State において18人の患者が確認されている。
1995年に日本で初めて菌が発見され、2001年にダニ deer ticks in Connecticut でも確認された。ヒトでの感染が初めて確認されたのは2011年のことで、ロシア中央部で46例が報告された。新たなダニ媒介性の疾患は、患者が発生し、その原因を検索する中で昆虫 [ダニ] が発見されることが一般的であり、今回の [ダニ→ヒトの順での] 発見は異例の出来事であった ... これまでのところ感染者数は少数であるが、全米で毎年3万例のライム病患者 cases of Lyme disease が報告されており、新たな疾患より (ライム病の) 発生頻度が7倍高いとすれば(このボレリア症の) 発生数は4千例以上という計算になる。
さらに実際のライム病患者数は、報告されている数の10倍と、研究者は考えている。
ライム病と同じ症状 -- 発熱、頭痛、筋肉痛、倦怠感 -- を示すが、ロシアの患者の10%で反復して発熱が起きている。数日間の発熱のあと、1週間から1ヶ月の間隔で再び発熱が起こるとされている。多い患者では、1年間に10回もの発熱を繰り返したとされるが、米国内ではライム病として治療されているため、発熱を繰り返す例はなかった。繰り返す発熱が認められる患者の一部が、同疾患である可能性が考えられるとしている。
この新たな疾患の診断方法は、2段階のライム病スクリーニング検査 the 2-part Lyme screening test による。
" _B. miyamotoi_ [infection] の患者の中で、the 1st screening test では陽性になる場合もあるが、the 2nd test を行えば、陰性の結果となり"、この新たなボレリア症であると診断することができる、と説明されている。
原著 Human _Borrelia miyamotoi_ Infection in the United States. N Engl J Med 2013; 368:291-293

● 病原大腸菌 EHEC 米国 O157
PRO/AH/EDR> E. coli EHEC - USA (03): (WI) O157, ground beef, alert, recall
Archive Number: 20130120.1504890
 情報源 USDA Food Safety and Inspection Service、2013年1月15日
Glenn's Market and Catering 社 [Watertown, WI establishment] は、病原大腸菌 EHEC _E. coli_ O157:H7 による汚染の可能性があるとして、生の牛挽肉の回収を開始したことが、農業当局 the U.S. Department of Agriculture's Food Safety and Inspection Service (FSIS) か15日発表された。2012年12月22日から2013年1月4日にかけて販売された、種々のパッケージに入った packages of Glenn's Market ground round モモ, ground chuck 肩, and ground beef などの製品で、回収の対象となっているこれらの製品は Glenn's Market and Catering in Watertown, WI の the retail meat case からの販売に限られていた。10日、ウィスコンシン州保健当局 the Wisconsin Division of Public Health より、大腸菌感染例 an investigation of _E. coli_ O157:H7 illnesses の調査が開始されたことが、FSIS に報告された。
from 29 Dec 2012 to 1 Jan 2013 の期間に、3例の流行株による感染例 3 case-patients with the outbreak strain が確認されており、いずれの患者も生の挽肉 raw ground round を摂取していた; 2 consumed product ground and purchased on 24 Dec 2012; the 3rd consumed product ground and purchased on 30 Dec 2012 prior to illness onset. ...

● 乳児ボツリヌス症 米国
PRO/EDR> Infant botulism - USA: (CO)
Archive Number: 20130120.1507024
 情報源 CBS News、2013年1月15日
コロラド Colorado 州の生後5ヶ月の乳児1名 A Colorado baby が、まれな乳児ボツリヌス症 infant botulism から回復した。今も呼吸器が装着されているが、徐々に改善する傾向にある ... 元気がないため母親が救急室に連れて行ったところ、呼吸が止まり、挿管された状態で the Rocky Mountain Hospital for Children に空路搬送された。小児神経科医は当初から infant botulism を疑い、治療薬である免疫グロブリン botulism immune globulin が California から空送された ... The CDC reported 85 cases in 2010 and 84 in 2009. ... 保護者らは、1歳未満の小児に蜂蜜やコーンシロップを決して与えてはならない。

● コレラ キューバ、アンゴラ・ガーナ(2件)
キューバ
PRO/EDR> Cholera, diarrhea & dysentery update (06): Cuba
Archive Number: 20130120.1507047
 情報源 Vaccine News Daily、2013年1月18日。
キューバの公衆衛生省 Cuba's Public Health Ministry は15日、ハバナ Havana において新たなコレラ患者 51 new cholera cases を確認したと報告し、各国はキューバとの間の人の往来に対して予防対策を実施している。在ハバナ英国大使館は渡航情報を発出して、予防と下痢を発症した際の速やかな受診を呼びかけている ... 1月6日の流行発生以来、米国旅行者でのコレラ感染例は報告されていない。各国は、キューバ政府当局から適時の情報開示がないことに懸念を示している 

アンゴラガーナ
PRO/EDR> Cholera, diarrhea & dysentery update (05): Africa
Archive Number: 20130120.1507025
[1] コレラ - アンゴラ Angola (Uije Province )
 情報源 Angola Press、2013年1月17日。
この数日間、Northern Uije province のコレラ感染患者数 Cholera cases が増加している。先週は5例と減少していたが、この1週間で45例を記録した。
[2] コレラ- ガーナ Ghana (Ashanti Region )
 情報源 Daily Graphic、2013年1月9日。
the Obuasi municipality の保健医療当局者 Medical and environmental officialsは、1人が死亡し50人以上が入院となったコレラ感染流行 a cholera outbreak の対処に追われている。先週月曜日に 5 local hospitals -- Anglo Gold Ashanti, SDA, Obuasi Municipal, St. Jude, and the Bryant Mission hospitals -- で多数の患者が報告され始めた

● 麻疹
PRO/EDR> Measles update (03)
Archive Number: 20130119.1506143
[1] 2010-2011 progress report
Global Control and Regional Elimination of Measles, 2000-2011
 情報源 Morbidity and Mortality Weekly Report (MMWR) Weekly, 62(02); 27-31、2013年1月18日
1980年以降、麻疹ワクチン measles vaccine が広く用いられるようになり、世界中の麻疹の罹患および死亡が著しく減少した; 2002年以降 WHO 南北アメリカ地域 the World Health Organization (WHO) Region of the Americas (AMR) では麻疹根絶 measles elimination* への取り組みが続けられている。
2010年、the World Health Assembly は、2015年までに麻疹根絶を達成するための3段階 3 milestones for measles eradication を設定した:
 1) 麻疹を含むワクチン定期接種の、1歳児に対する第1回目の接種率 the 1st dose of measles-containing vaccine (MCV1) を、全国レベルで90%、全地域 every district or equivalent administrative unit では80%をクリアする;
 2) 人口100万人あたりの年間の麻疹患者発生数を5人未満に維持する
 3) 麻疹による死者を、2000年 the 2000 estimate 比で95%減少させる
この計画 The Global Vaccine Action Plan (GVAP) では、2015年までに 4 WHO regions で、2020年までには 5 WHO regions で目標が達成されるための、経過観察も含まれている。最新の報告では、 ... Estimated global MCV1 coverage が2000年の 72 %から、2011年には 84 %に上昇し、routine services として第2回の接種 a 2nd dose of measles-containing vaccine (MCV2) を行うようになった国は 97 (50 percent) in 2000 から 141 (73 percent) in 2011に増えた。 During 2000-2011 の間に、年間の麻疹発生数は65%減少し、100万人あたり 146 から 52 cases となり、麻疹による死者数は71%減少して、 542 000 から 158 000 となった。しかしながら、2010-2011年に麻疹の発生件数が増加し、複数の国々で大規模流行が発生した。以下、予防接種活動、発生件数、推定死者数 
[2] WHO Press Release
 情報源 World Health Organisation (WHO), Media Centre, News、2013年1月17日
麻疹による死者数は減少したが、一部の地域で根絶への道が滞っている 、ワクチンカバー率上昇、防護されていない人々、大規模麻疹流行 。
[3] 英国 UK
 - UK (Lancashire)
Measles outbreak in Morecambe and Heysham; Morecambe and Heysham でおよそ40名の麻疹患者確認
 情報源 The Visitor、2013年1月14日
 - UK (Yorkshire)
Two cases of measles at James Cook University Hospital; a Middlesbrough hospital で2人の麻疹感染が確認された後、約200人に感染
 情報源 The Evening Gazette, gazettelive.co.uk、2013年1月16日
[4] Somaliland
Somaliland government works to contain measles outbreak
 情報源 Sabahi、2013年1月15日
13日、a measles outbreak in the Marodi Jeh region が発生。52 measles が報告された。
[5] パキスタン Pakistan
 - Pakistan (Punjab, Sindh )
 11 children die of measles in Punjab, Sindh death toll above 410
 情報源 The Frontier Post、2013年1月19日
 - Pakistan (IPS report)
 Experts blame lack of immunization coverage for Pakistan's measles outbreak
 情報源 News Medical、2013年1月16日
 - Pakistan (vaccination policy)
 Public health failings behind Pakistan's measles surge

 情報源 The Lancet, Volume 381, Issue 9862, Page 189.、2013年1月19日
政府が低いワクチン接種率に注意を払っていれば、パキスタンの麻疹感染流行は未然に防げたのでないか ...
[6] 米国 USA (Florida)
Measles cases confirmed in Orange County
 情報源 Click Orlando、2013年1月16日

● ハンタウイルス アルゼンチン
PRO/AH/EDR> Hantavirus update - Americas (02): Argentina (NE NEUQUEN); susp.
Archive Number: 20130118.1505107
 情報源 Rio Negro [in Spanish]、2013年1月18日
the Paimun rural area において職務に当たっていた警察官1名の死亡が、ハンタウイルス Hantavirus 感染によるものかどうかについて、検査機関 a Buenos Aires laboratory において血液検体の検査による確認作業が続けられている。死亡診断書には、敗血症性ショックを伴う、非外傷性心肺停止によるものと記載されている。15日の入院 hospital of this city [Junin de los Andes] 時の症状から、齧歯類が伝播する同ウイルス (感染) が原因とみられている。警官が派遣されていたのは、Lakes Paimun and Huechulafquen が交わり夏期には観光客で賑わう、部族 Mapuche [indigenous] communities が住む農村部で、this city [Junin de los Andes] から route 61を通っておよそ 50kmの場所にある。アルゼンチンとチリの温帯地域の竹類、籐 _ Chusquea culeou_ の生い茂る地域である

● インフルエンザ WHO
PRO/EDR> Influenza (09): WHO update
Archive Number: 20130118.1505037
 情報源 World Health Organisation (WHO), surveillance and monitoring, update、2013年1月18日
Influenza Update Number 177
要約 
北米 (依然 high、 A(H3N2) 優位で A(H1N1)pdm09 は少ない)、欧州と温帯アジア (活動性増加、A(H1N1)pdm09 の割合が北米より高い)、中東 ・ 北アフリカ (漸減、A(H1N1)pdm09) など
参考情報 FORTH

● バナナの病気、青枯病 ルワンダ
PRO/PL> Bacterial wilt, banana - Rwanda: (ES )
Archive Number: 20130120.1507395
 情報源 IGIHE、2013年1月16日
バナナの致死的疾患である xanthomonas wilt により、 Nyagatare District [Eastern Province] 全域で被害が発生している ...

● 狂犬病 カナダ
PRO/AH/EDR> Rabies, canine - Canada: (MB) 1st rep. in 7 years
Archive Number: 20130120.1506468
 情報源 CHRISD.ca、2013年1月17日
ウィニペグ市 The city of Winnipeg では、2006年以来となる狂犬病 the 1st case of rabies reported locally since 2006 の発生を受け、イヌやネコのペットのオーナーにワクチン接種を呼びかけている。動物当局 the Animal Services Agency が、スカンクに襲われたイヌ The 105-pound Labrador mix 1頭に関する通報を受け、負傷したイヌに直ちに獣医学的処置と隔離措置が行われた。その後、このスカンクの検査で狂犬病が陽性であることが判明した

● ニューカッスル病、ハト チェコ共和国
PRO/AH/EDR> Newcastle disease, pigeon - Czech Republic: (OL) OIE
Archive Number: 20130119.1506186
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2013; 26(3)、2013年1月15日
Newcastle disease, Czech Republic、1st occurrence of a listed disease
感染開始時期 2013年1月11日
原因ウイルス Avian paramyxovirus 1
新たな感染流行 (1)
発生地 Ivan na Hane, Prostejov, Olomoucky: Farm
感染種/頭数/症例数/死亡/廃棄/処分
鳥類 Birds/ 46/ 24/ 24/ 22/ 0
Affected population: Backyard pigeons

● 原因不明の死亡、アカシカ ベラルーシ
PRO/AH/EDR> Undiagnosed deaths, red deer - Belarus: (VI Vitebsk), RFI
Archive Number: 20130119.1506173
 情報源 Narodnaya Gazetta [machine transl.]、2013年1月9日
the village Komaysk [Vitebsk province] 近郊の狩猟場 the grounds of the Dokshitsky Belarusian hunting Society で、アカシカ red deer が死亡については、専門家らも原因を解明できていない。数ヶ月で70頭以上が死亡したと伝えられている ...

● ヤギ痘、ヒツジ痘 モンゴル
PRO/AH/EDR> Sheep and goat pox - Mongolia: (DG Dornogovi), sheep, OIE
Archive Number: 20130119.1505939
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2013; 26(3)、2013年1月14日
Sheep pox and goat pox, Mongolia、Reoccurrence of a listed disease
感染開始時期 2013年1月8日
前回流行時期 2009年8月
原因ウイルス Capripoxvirus
新たな感染流行 (1)
発生地 Tsagaan tolgoi, 3 bag, Khatanbulag soum, Dornogovi: Farm
感染種/頭数/症例数/死亡/廃棄/処分
ヒツジ Sheep/ 308/ 124/ 0/ 124/ 0

● ヘンドラウイルス オーストラリア コウモリ
PRO/AH/EDR> Hendra virus, bats - Australia: (SA) 1st detection
Archive Number: 20130119.1505446
 情報源 News Nine、2013年1月18日
Hendra virus found in South Australia flying foxes

アデレード Adelaide のコウモリ flying foxes としては初めての、ヘンドラウイルスHendra virus 感染が確認された。1月初旬の酷暑 extreme temperatures の中で死亡したコウモリの組織で確認された。熱波が原因とみられる the North Adelaide parklands で死亡して発見されたおよそ100頭の中から見つかった。SA で発見されたのは初めてではあるが、ある程度予想されていた、と当局者は説明している

● ランピースキン病 レバノン
PRO/AH/EDR> Lumpy skin disease, bovine - Lebanon: (NA) OIE
Archive Number: 20130118.1505118
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2013; 26(4)、2013年1月18日
Lumpy skin disease, Lebanon、 1st occurrence of a listed disease
感染開始時期 2012年11月28日
原因ウイルス Capripoxvirus - Poxviridae
新たな感染流行 1件
発生地 An Nabatiyah (Wazani, Marjayoun)
感染種/頭数/症例数/死亡/廃棄/処分
ウシ Cattle/ 86 / 9 / 3 / 0 / 0

● White nose syndrome 米国
PRO/AH/EDR> White nose syndrome, bats - North America: USA (KY)
Archive Number: 20130118.1503909
 情報源 WFPL news、2013年1月16日
Mammoth Cave National Park において、White nose syndrome が発見された。 White nose syndrome は白い真菌 a white fungus を原因とするコウモリの致死性疾患で、2006年以降、21 states で確認されている。more than 6 million bats in 4 Canadian provinces and 19 US states, including Kentucky が死滅した。Mammoth Cave では、訪問者らがクリーニングマット上を通行して消毒を行うなどの対策を行っていたが、16日に感染の発生が確認された ...

● 小麦の病気、黄さび病 インド
PRO/PL> Stripe rust, wheat - India: (PB Punjab)
Archive Number: 20130118.1503858
 情報源 The Economic Times、2013年1月15日
Fungal disease affects wheat in parts of Punjab
パンジャブ Punjab 州各地の小麦栽培地域で、The yellow rust disease が発生している。現在は成長期にあり、収穫はまだ2ヶ月先となる