2013年5月8日

リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス オーストラリア、臓器移植後
腸チフス カナダ 渡航関連 Medscape

● リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス オーストラリア
PRO/AH/EDR> LCMV, transplant recipients, fatal - Australia: 2007
Archive Number: 20130508.1699251
 情報源 Daily Telegraph、2013年5月7日
まれなネズミが媒介するウイルスで後に死亡した同じドナーの男性からの臓器の移植を受けてから 1か月以内に、オーストラリアの 3人の女性らが死亡していたことが判明した

● 腸チフス インド、ザンビア、カナダ、オーストラリア
PRO/EDR> Typhoid fever update (02)
Archive Number: 20130508.1697417
[1] インド India (Gujarat State)
 情報源 The Times of India (TOI), Times News Network (TNN)、2013年5月7日
[Jamnagar, Gujarat State] 市のゴミ置き場である Dhunvav village の小児12人を含め、少なくとも 25人が発病している。医師らは腸チフスと診断したが、政府当局は確認していない
[2] ザンビア Zambia (Central Province)
 情報源 The Global Dispatch, Zambia Daily Mail report、2013年5月1日
Central Province 医学当局者は、" 1日の時点で]、Chindwin Barracks の腸チフスが疑われる患者 suspected typhoid は 144人.." と述べた
[3] カナダ Canada (travelers)
 情報源 Medscape Medical News、2013年5月3日
カナダの小児の腸チフス typhoid fever 感染例の多くが、常在地域の友人や親類を訪ねる旅行後に発生していることが、後ろ向き研究で明らかになった。この研究では、どの年齢の小児でも腸チフスが発生することが示されている。 "以前の研究では、5歳から 25歳までの小児と若年者が最も腸チフスで入院する可能性が高いグループとされていた; 従って主に school-aged and adolescent children が罹る病気と考えられてきた" とした上で、 "最近になって行われた、チェンナイ Chennai の小児について分析した 1件のインドの研究では、腸チフスによる入院患者のおよそ 50%は、5歳以下であることが示されている"、と述べられている。
今回の研究では1991年-2011年の間に、モントリオール小児病院 Montreal Children's hospital に、検査で腸チフスと診断されて受診した 18歳未満のすべての患者について検討したところ、平均年齢 7.5歳 (range, 10 months-17.7 years) の 39 patients が確認され、 このうち 30 人が常在国 (最多はバングラデシュの 10人、インド 8人、パキスタン 5人) への旅行者だった。 4 patients は常在地域からの新たな移民や難民だった。
腸チフスに感染した30人のうち、腸チフス _Salmonella enterica_ serotype Typhi ワクチンを接種していたものはなかった。合計 34人が入院を必要とした ...
原著 _Salmonella enterica_ serotype Typhi infections in a Canadian pediatric hospital: a retrospective case series. CMAJ Open. 2013; 1(1): E56-E61
[4] オーストラリア Australia (travelers)
 情報源 Sydney Morning Herald、2013年5月4日
常在地からの帰国者の間で腸チフスなどの外来感染症の発生が増加する中、豪の旅行者の多くが、出発前にワクチンを受けていないことに、医療専門家らは懸念を示している。25.5米ドルのインフルエンザから、上は 255米ドルの日本脳炎まで、ワクチン接種には費用がかかることから、過去 5年間に最大 280万人の旅行者が、必要なワクチンを接種することなく海外旅行に出かけているとの調査結果が得られた ... 2011年に 134人のオーストラリア人の腸チフス患者が発生し、過去の年平均 50人から増加がみられ、2013年 1月には、中東と南アジアを旅行した A Queensland university student が腸チフスで死亡している

● 炭疽 モロッコ
PRO> Anthrax - Morocco: (MK) human ex bovine
Archive Number: 20130508.1700012
 情報源 Alittihad Press [in Arabic]、2013年5月6日
マラケシュの大学病院 the Ibn Tufail Marrakech hospital campus において、炭疽に感染した男性 1名が死亡した。医療関係者らによると、炭疽 Anthrax に感染し入院治療中であったこの男性は 4日死亡した [当初の報告は 29 Apr 2013 in Al Ahdath Al Maghribia となっていたが、the original report にアクセスすることができなかった]。炭疽感染と診断され重症であり、他との接触を避ける目的もあって、数日前に隔離施設 Ibn Tufail [hospital] isolation facility に移送されていた [炭疽は感染性はある infectious が、伝染性は極めて低い very rarely contagious ので、(隔離する) 必要はない]。 [the Qalaat Sraghna region の] 農場の牛舎でウシ 1頭が死亡したのに続き、この死亡した患者に炭疽の症状が現れた。ウシの死因を確認するために肝臓が取り出され、その後に男性が発病した。34歳のこの男性はマラケシュ郊外から同院に転送されたがすでに内臓が高度の障害を受けており治療困難な状態にあった。郊外でのこうしたケースは初めてのことではなく、昨年も同じ地域で 12人が炭疽感染により死亡している 
[Mod.MHJ- Moroccan leather は世界的に有名で、Marrakech では、皮革や羊毛の下処理や染色が重要な産業となっている。the Moroccan wool and hide industries で働く人々にとって、炭疽は職業病の 1つと捉えられている。the official OIE statistics からの、モロッコの家畜での発生状況など ... ]

● 鳥インフルエンザ、ヒト 中国 H7N9
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (73): China H7N9 update
Archive Number: 20130508.1699902
[1] WHO, CSR, Disease Outbreak News、2013年5月7日
厚労省検疫所 FORTH より
新たに2人の患者発生をWHOに報告。患者は、4月29日に発症した福建省の69歳の男性と、4月26日に発症した福建省の9歳の男児 ...
[2] 131st case:CIDRAP News、2013年5月7日
江西省 Jiangxi province の 79歳の女性が H7N9 avian flu により入院となり、the outbreak による感染者は合計 131 cases、うち 31 deathsとなった ...
関連項目 (72) 20130506.1695656

● 風疹 日本
PRO/EDR> Rubella - Japan (05): still spreading
Archive Number: 20130508.1699530
 情報源 RTT News、2013年5月8日
感染研 the National Institute of Infectious Diseases reports は、 今年 [2013] 1-4月の間に、5442 人が風疹 rubella と診断されたことを明らかにした。昨年 [2012] 同時期の 30倍以上の感染者数となっている。さらに、 4月以降の週あたりの新たな感染患者数が 500人以上と増え続けていることも明らかにされた。90%近くの患者が 20歳以上で、大部分が 20-40歳代の男性か20歳代の女性である。胎児の奇形発生のおそれがあること、 6月頃が感染のピークと見られ成人のワクチン接種が望まれること、などが報じられている。

● 腸管出血性大腸菌 (EHEC) 感染症 米国 O157
PRO/AH/EDR> E. coli EHEC - USA (10): (TX) O157
Archive Number: 20130508.1699529
 情報源 The Eagle, Bryan-College Station (TX)、2013年5月8日
テキサス州保健当局 The Brazos County (Texas) Health Department が、大腸菌感染 _E. coli_ infections が疑われる 8 cases について調査を行い、このうち 5例が毒素 a Shiga toxin 産生菌である _E. coli_ O157:H7 であることが確認された。5歳未満の小児 2人が Texas Children's Hospital in Houston に入院した。大学生またはそれ以上の年齢の他の 6名は入院を必要としなかった。同じレストランでの食事が確認されていないので、共通の感染源の調査が行われている。

● コレラ ハイチ、コメント
PRO> Cholera, diarrhea & dysentery update (17): Haiti, comment
Archive Number: 20130508.1697418
 投稿者 米・Northwestern University Feinberg School of Medicine、Dr Karla J Fullner Satchell、2013年5月7日
20130507.1695233 に関して
ハイチの菌株 The Haitian strain は the Matlab variant ではない
1950年代後半に El Tor cholera が新興し、1990年代前半に世界中に広まった。自身の論文で "typical" El Tor と呼んだ。The Matlab variant は1990年代前半に the El Tor lineage から分かれ、同菌株 The strains は the cholera toxin phage を chromosome 1ではなく chromosome 2 に持っている。これらの菌株の The ctxB gene は the classical ctxB gene (ctxB1 allele) と同じであり、感染が拡大する中でいくつかのマイナーチェンジが発生し (ctxB alleles 4-6)、これを the supplemental table の中で "atypical" El Tor と名付けた 

● チクングニア熱 シンガポール
PRO/EDR> Chikungunya (14): Singapore
Archive Number: 20130508.1697825
 情報源 Straits Times、2013年5月7日
2013年、シンガポールで100人を超える人々がチクングニア熱に感染し、過去 3年間の平均わずか 3ー6人から大きく増えている。最も患者数が多いのは the Kranji-Sungei Kadut area であるが、the Bukit Timah area でも集団感染が発生している。シンガポール東部に常在するデング熱とは異なり、この蚊族が媒介する痛みを伴う疾患はシンガポールには常在していない。過去 3年間の年間患者数は 12から 26人で、シンガポール国内での感染は毎年 3-6人にとどまっていた。デングウイルスもチクングニアウイルスもともにヤブカ属 the _Aedes_ mosquito から感染し、デング熱はネッタイシマカ the _Aedes aegypti_ が最も多いが、チクングニアウイルスの感染はヒトスジシマカ the _Aedes albopictus_ が主である。

● 新種のコロナウイルス フランス UAE から
PRO/AH/EDR> Novel coronavirus - Eastern Mediterranean (19): France ex UAE, RFI
Archive Number: 20130508.1699168
 情報源 Reuters、2013年5月8日
France reports first case of new SARS-like virus

フランス保健省は 8日、アラブ首長国連合から帰国した、国内初の中東で新興した新種コロナウイルスの感染例 1st case of a new strain of coronavirus を確認した、と発表した ... The Geneva-based World Health Organization (WHO) は、フランス政府から連絡を受けているが、詳細については分からないとしている。世界で 30 laboratory-confirmed cases of the virus が確認され、18人が死亡している ...
[Mod.MPP- infection with the nCoV による患者として、フランスでは初めてであり、欧州でアラブ首長国連合が関係する 4例目の報告である。 2例はカタールから- 1例が英国へ、 1例がドイツへ-移送され、もう 1例はアブダビ Abu Dhabi からドイツに移送されている]

● ブタ繁殖・呼吸障害症候群 ベラルーシ
PRO/AH/EDR> Porcine reproductive & respiratory syndrome - Belarus: (BR)
Archive Number: 20130508.1699903
 情報源 BelTA - Belarusian Telegraph Agency、2013年5月8日
動物衛生当局 The Federal Center for Animal Health (Russian Federation) は、the Vostochnyi farm における豚繁殖・呼吸障害症候群 porcine reproductive and respiratory syndrome (PRRS) の発生を確認した ...

●キャッサバの病気、Brown streak アンゴラ、コンゴ(民)
PRO/PL> Brown streak, cassava - Angola, Congo DR
Archive Number: 20130508.1698543
 情報源 GhanaWeb、2013年5月6日
Disease could cause cassava production to plummet by 50 percent

cassava brown streak virus [CBSD] の急速な感染拡大により、人口 3億人のアフリカにとって主要な食糧源である穀物の生産が 50%減少するおそれがある、とキャッサバの専門家が警告している