2015年6月5日

MERS-CoV (56)-韓国、中国、サウジアラビア、オマーン WHO
黄熱-ブラジル 南北アメリカ (08) 新たな感染
Zika ウイルス-ドミニカ共和国
リンパ性フィラリア症-ザンビア
インフルエンザ (34)-欧州、季節性、最適診断法 など

MERS-CoV (56)-韓国、中国、サウジアラビア、オマーン WHO
PRO/AH/EDR> MERS-CoV (56): South Korea, China, Saudi Arabia, Oman, WHO
Archive Number: 20150605.3413986
[1] 韓国, 9 new cases MOH 6 Jun 2015
情報源 Korean MOH、2015年6月6日。
保健当局 The Department of Health and Human Services が新たに 9 additional cases について発表した;  9人中 3人は、発端患者と医療スタッフ(の患者が発生した) hospital B (St. Mary's Hospital in Pyeongtaek http://en.wikipedia.org/wiki/Pyeongtaek) で確認された。別の 1人は、hospital E において case No. 16 の同室者(28-30 May 2015) だった。残る 5人は、他患者 (?case no. 14) と同じ救急室の 5月 27日または 28日の受診患者である。
 [Mod.MPP -新たに 9人の感染が確定診断され、韓国内のアウトブレイクの患者は 50人となった。機械語訳が正しければ、3次感染までの患者 3 generations of cases が存在する--中東を旅行中に感染した the index case 発端患者が generation no.1; きょうの時点で二次感染 generation no.2 が 35 cases 確認; そして三次感染 generation 3 は 14 cases 確認されている ([2] のモデレータ注にあるように、hospital B にはさらに多くの三次感染患者がいる可能性がある)。保健省 the Ministry of Health が Hospital B が St. Mary's Hospital in Pyeongtaek であることを公表したことは注目に値する(see [2] below)。おそらく MERS-CoV を疑うことが欠如していたことに加え、医療現場の感染コントロール対策が十分でないことが関係し、多数の感染が発生する中で、アウトブレイクのウイルス the actual virus に対する懸念が高まっている。中国の報道では、中国で分離されたウイルス株の遺伝子解析の結果、中東のウイルスとの有意な違いは確認されなかったとされている (see section [4] below)]
[2] 韓国, involved hospitals, more details - media report
情報源 Korean Herald、2015年6月6日。
韓国政府当局が 5日、4月以来、国内の全 MERS 患者の 71%が発生している、平沢市 Pyeongtaek, 京畿道 Gyeonggi Province の病院が Pyeongtaek St. Mary's Hospital であることを公表した。[15-29 May 2015 の期間の] 同院の訪問者は直ちに当局に報告するよう求められている。5日の時点で、このウイルスによる死者は 4人、感染した患者は 42人[現在は 50人になっている] となり、検疫当局が 1800人以上に、これ以外にソウル市当局も 1500人以上に隔離措置を行っている ... 市民や香港の保健当局 Hong Kong health authorities からの再三にわたる病院名 MERS-affected hospitals 公表の強い要求に対し、 "unnecessary fear and stigmatization 無用の不安と非難" を避けるためという理由で Seoul [おそらく政府当局のこと] はこれを拒否していた。MERS-CoV の患者が発生した 14の医療施設について、残る 13施設名について公表する予定はないとしている ...  同施設には、from [15 to 17 May 2015] に発端患者が滞在し、保健省は同施設内のすべての患者が、この患者から感染した患者だとしている。しかるに、新たに確認された 6人の患者のうち 2人は、from [20-28 May 2015] に入院中に感染したことが明らかになった。これらの患者の入院時に、発端患者はすでにこの病院にはいなかった ... MERS 発症前に学会に参加していた医師の発言として、自分は 14例目の患者の担当医ではなく、同患者とおなじ救急室で 1時間弱を過ごしていたが、実際に担当していたのは 14例目の患者の近くにいたため後に隔離された塞栓症の患者 an embolism patient であること、また救急室で MERS-CoV 患者に曝露したことを病院から知らされなかったことなど、原文 [Google 翻訳] 参照願います。
 [Mod.MPP -この記事は、保健省ウェブサイトの機械語訳では分からなかった部分、すなわち、一見すると、発端患者がいなくなってしまってからも Hospital B で (他の) 患者の治療が行われていたこと、の理解にずいぶん役に立った。そのことからすると、二次感染に分類されると思われた 3例の患者は、実は三次感染の患者であるのかも知れない。WHO の最新情報の中で明らかにされることを望む。1500人以上と接触した可能性がある問題の医師については、1) 学会参加の時点でそれほど感染力が強くなかった wasn't very infectious 、2) もし感染性を有していたとしてもスーパースプレッダーではない、の 2点が救いとなる。さらに、MERS-CoV 陽性の軍関係者についても明らかにされている。おそらく以前に報告された感染疑い例 (see section [5] of 20150604.3407535) を指すと思われる]
[3] 韓国 - WHO 5 Jun 2015
Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV) - Republic of Korea 5 Jun 2015
情報源 WHO Global Alert and Response Disease Outbreak News、2015年6月5日。
4日、韓国の国立国際保健規約(IHR)担当者は、死者1人を含む中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染者 6人をWHOに報告した。
患者の詳細情報
1- 68歳男性、発端患者の同室者
2- 54歳男性、母親である 10例目の患者を見舞う
3- 47歳男性、2例目の患者の友人で、その母親を見舞う
4- 25歳女性医療従事者、発端患者の担当
5- 38歳男性医師、1例目 (発端患者) に曝露
6- 82歳男性、発端患者の同室者
厚労省検疫所 FORTH 参照願います。
[4] 中国 ex South Korea, ウイルスの遺伝子解析終了し、変異認めず
China completes genome sequencing of imported MERS case
情報源 Xinhua、2015年6月5日。
輸入感染の患者 the 1st case of imported Middle East Respiratory Syndrome (MERS) の遺伝子塩基配列の解析が終了し、感染性を高める more contagious ような変異の証拠は確認されなかった。the Chinese Center for Disease Control and Prevention で行われた解析が 3日に終了した。遺伝子マップでは、中東で確認されている MERS-CoV ウイルスと高い相同性が認められ、研究者らは同ウイルスがサウジアラビア由来と考えられるとしている。今回の結果は、米 ・ GenBank at National Center for Biotechnology Information で公表されている...
 [Mod.MPP -ウイルスの遺伝学的変異がないとすれば、韓国のアウトブレイクの原因は、感染対策の不備とスーパースプレッダーの存在の組み合わせで、スーパースプレッダーは、発端患者と、おそらくは、その接触者に次々と三次感染者が出続けている 16例目の患者である]
[5] サウジアラビア, 5 new cases - MOH 5 Jun 2015
情報源 Saudi MOH、2015年6月5日。
As of  5 Jun 2015 there have been a total of:
1024 laboratory-confirmed cases of MERS-CoV infection including 450 deaths, 563 recoveries and 11 currently active cases including 2 cases on home isolation

24時間に発生した 5 newly confirmed cases の情報:
1- Hufoof: 58-year-old Saudi female. History of possible contact with case(s) under review.
2- Hufoof: 41-year-old Saudi male, healthcare worker. Positive history of contact with other case(s) in either the healthcare environment or community.
3- Hufoof: 29-year-old Saudi male, healthcare worker. Positive history of contact with other case(s) in either the healthcare environment or community.
4- Jeddah: 55-year-old Expat male, currently in critical condition. No history of contact with other case(s).
5- Riyadh: 58-year-old Expat male, currently in critical condition. No history of contact with other case(s).
 [Mod.MPP -韓国でのアウトブレイク発生が話題の中心となっている、この 2週間にも、サウジアラビアでの感染流行は続いている。4月20日以降、Hufoof で 26例の感染が確認されている。初期の段階では、同居する大家族内での集団発生であったが、5月中旬以降、医療環境での院内感染流行となっている。Hufoof から新たに報告された 3例中 2例が医療関係者であり、Jeddah and Riyadh の患者は、弧発例 "sporadic" cases と見られる。今回の 5例を加え、2012年 6月以降、サウジアラビアで報告された患者 laboratory-confirmed cases は、死者 450例を含む 1024例 (致死率 43.9%) となった]
[6] オマーン - WHO 4 Jun 2015
情報源 WHO Global Alert and Response Disease Outbreak News、2015年6月4日。
厚労省検疫所 FORTH より。
オマーンの国立国際保健規約(IHR)担当者は 5月29日に、新たな中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染者 1人を確認したことをWHOに報告した。
-症例の詳細情報
オマーン
 75歳男性。 Al Dahir村の住民で、5月11日に発症し、5月19日に入院し、5月20日に退院したが、5月25日に症状が悪化したために、患者は再び同じ病院に入院した。大量喫煙者(ヘビースモーカー)で、ラクダと子牛の畜舎を所有しており、頻繁にこれらとの接触機会があった...ラクダに対する調査も行われている
関連項目 (55): South Korea, Saudi Arabia, WHO, viral sequences 20150604.3411121

狂犬病-米 (16) GA, SC ネコ、アライグマ、ヒツジ、ヒトの曝露
PRO/AH/EDR> Rabies - USA (16): (GA,SC) feline, raccoon, ovine, human exposure
Archive Number: 20150605.3413164
[1] Georgia: Two cases of rabies reported in last week
情報源 11 Alive, WXIA、2015年5月19日。
[2] South Carolina: Sheep exposes 4 people to rabies in Abbeville County
情報源 Independent Mail、2015年5月29日。

黒穂病 Flag smut、小麦-米 KS 再興
Wheat flag smut in Kansas first time since 1930s
PRO/PL> Flag smut, wheat - USA: (KS), re-emergence
Archive Number: 20150605.3412727
情報源 Kansas Ag Network、2015年6月3日。

黄熱-ブラジル GO 南北アメリカ (08) 新たな感染
Health Department confirms 3rd [actually 4th] case of yellow fever in Goias this year [2015]
PRO/AH/EDR> Yellow fever - Americas (08): Brazil (GO) new confirmed case
Archive Number: 20150605.3412520
情報源 Globo G1 [in Portuguese]、2015年6月1日。
州保健当局 The State Department of Health (SES) は 1日、2015年の Goias 州で 3例目の黄熱患者 the 3rd case of yellow fever [YF] を確認した。the Federal District に近接する rural Alexania の、ワクチンを接種されていない 31歳男性の感染が確認された。Piaui の出身であるが、過去 3年間は同志には住んでいなかった。ブラジリア Brasilia で診断され、治療を受け、数日後にAlexania に戻された。州内では 2008年に 17人の患者が確認され 10人が死亡したた後、患者は報告されていなかった。

Zika ウイルス-ドミニカ共和国
The 1st case of Zika virus registered in Puerto Plata province
PRO/AH/EDR> Zika virus - Dominican Republic
Archive Number: 20150605.3412519
情報源 El Nuevo Diario [in Spanish]、2015年6月3日。
Puerto Plata [Puerto Plata province, Dominican Republic] 市において初めての Zika ウイルスの感染 the 1st case of Zika virus が確認された。ネッタイシマカ the _Aedes aegypti_ の刺咬で感染し、チクングニヤ熱に似た症状が見られる。同市南部の地域の 12歳の少女は、私立のクリニックに入院し、感染が確認された。

細菌性潰瘍病、キウイフルーツ-ギリシャ 初報告
PRO/PL> Bacterial canker, kiwifruit - Greece: 1st rep
Archive Number: 20150605.3412393
[1] ギリシャ, First report of _Pseudomonas syringae_ pv. _actinidiae_ in Greece 
[2] pollen transmission
情報源 European Plant Protection Organisation (EPPO) Reporting Service 5/2015/090、2015年5月0日。

リンパ性フィラリア症-ザンビア
Cases of elephantiasis (lymphatic filariasis) are increasing in Zambia
PRO/EDR> Lymphatic filariasis - Zambia
Archive Number: 20150605.3412390
情報源 Times of Zambia、2015年6月3日。
ザンビア各地で、象皮症の患者 Elephantitis cases が、1から 53%の割合で増えていることを、保健省 the Ministry of Health が明らかにした。治療法はないが、予防することは可能である。足や陰部の著しい腫れを特徴とする病気で、虫の 1種 a worm [_Wuchereria bancrofti_ or _Mansonella perstans_] が体液の流れを傷害することで、身体各部の腫脹が起きる。Ndola district の医療当局者は、2歳以上の小児と成人の一斉服薬により封じ込めが可能であると述べている。使用される薬剤にはalbendazole and diethylcarbamazine などがある。妊娠女性は服用出来ず、出産まで待たなければならない。6月9-16日に服薬キャンペーン the week-long elephantitis drug administration campaign が行われる。Ndola のまん延率はわずか 10%程度である...

鳥インフルエンザ (149)-米 MN, IA HPAI H5N2 家きん
Bird flu cases continue to increase in Minnesota, Iowa
PRO/AH/EDR> Avian influenza (149): USA: (MN,IA) HPAI H5N2, poultry
Archive Number: 20150605.3411831
情報源 KEYC News 12、2015年6月3日。
原文参照願います

腸管出血性大腸菌 (EHEC) 感染症-米 (09) 最終報告
PRO/AH/EDR> E. coli EHEC - USA (09): (WA) barn, O157, final report
Archive Number: 20150605.3410719
情報源 Whatcom County (Washington) Health Department 、2015年6月3日。
酪農場 the Dairy Barn at the Northwest Washington Fairgrounds の腸管出血性大腸菌 (EHEC)_ O157:H7 による汚染が感染源との見方。最終的に 25例の感染が確定診断。6例が HUS を発症。
関連項目  (08): (SC) fatal, RFI 20150603.3403851

鳥インフルエンザ (148)-ベトナム DO 家きん, HPAI H5N6 OIE
Highly pathogenic avian influenza, Viet Nam、reoccurrence of a listed disease
PRO/AH/EDR> Avian influenza (148): Viet Nam (DO) poultry, HPAI H5N6, spread, OIE
Archive Number: 20150605.3410096
情報源 OIE, WAHID weekly disease information 2015; 28(23)、2015年6月4日。
感染開始時期 2015年5月27日
前回流行時期 2015年5月26日
原因ウイルス highly pathogenic avian influenza virus、Serotype: H5N6
新たな感染流行 (1)
発生地 Nghia Tan, Nghia Tan, Gia Nghia, Dak Nong: village
Affected animals:
感染した種/個体数/感染数/死亡/廃棄/処分
鳥類 Birds / 20 / 20 / 4 / 16 / 0

インフルエンザ (34)-欧州、季節性、最適診断法
インフルエンザ感染患者の診断定義 感受性と特異性の最適化
Influenza case definitions -- optimising sensitivity and specificity
情報源 Eurosurveillance 2015; 20(22)、2015年6月4日。
... 世界中で様々なのインフルエンザ症例定義が用いられている。欧州 The European Union (EU) case definition の症例定義は、WHO や米 CDC のそれとは、発熱の上限値 (WHO: 38 deg C; CDC 37.8 deg C (100 deg F) を設定する点で違いがある。The EU case definition には発熱や体温測定は含まれておらず、より感度が高く、特異性は低く more sensitive and less specific than the WHO and CDC definitions なっている。このため例えば、WHO や CDC のサーベイランスと比較して、the EU influenza surveillance は、seasonal respiratory syncytial virus (RSV) epidemics の影響を受けやすいと言える。この問題については、Performance of case definitions for influenza surveillance. Euro Surveill. 2015;20(22):pii=21145. において評価が行われている。the 2009 influenza A(H1N1) pandemic の期間中にシンガポールで 727人の成人からの 3件の血清検体を採取したところ、全体で 13.5%にセロコンバージョンが、4.6%にインフルエンザと見られるエピソードが確認されている。著者らは the ECDC ILI case definition が、WHO or CDC が推奨する症例定義に比べ、感受性では優れているが more sensitive, 特異性で劣り less specific 、これは主に体温を測定せず、発熱についての自己申告に頼ることがその理由であると述べている。現行の WHO の新たな症例定義は、38℃以上の発熱と咳があることとされているが、比較された 4種類の症例定義の中で最も陽性的中率が高い the highest reported positive predictive value (PPV) 結果となった...
原文 [Google 翻訳] 参照願います。

鳥インフルエンザ (147)-トルコ BU 家きん、疑い RFI ヒトAD 否定
PRO/AH/EDR> Avian influenza (147): Turkey (BU) poultry, susp, RFI, human (AD) NOT
Archive Number: 20150605.3410097
[1] 新たな家きんでのアウトブレイク New poultry outbreak suspected, Bursa province
情報源 Haberkita [in Turkish]、2015年6月2日。
the village Balabancik, Mudanya district, Bursa province 近郊の養鶏場で、鳥インフルエンザが発生した。5月、Balikesir [province]'s Bandirma district Edincik の複数の養鶏場において鳥インフルエンザが発生した。今回は、Bursa で発生した ...
[2] Suspected human cases, Adiyaman province, not confirmed
情報源 5 Kitahaber [in Turkish]、2015年6月3日。