2015年11月7日

腸チフス-米国 レストラン
大腸菌 (EHEC) 感染症-米国 (18) レストランチェーン、(19) O111 アップルジュース
東部ウマ脳炎-米国 (19)
トキソプラズマ症-ブラジル 水系感染の疑い
リーシュマニア症、皮膚-ガーナ 新亜種
肺炎、原因不明-韓国 (05) MERS-CoV 検査実施 など

チフス-米国 CO レストランでの集団発
Rare typhoid fever spread at Qdoba restaurant in Colorado
PRO/EDR> Typhoid fever - USA : (CO) restaurant cluster
Archive Number: 20151107.3774978
情報源 CBS News、2015年11月3日。
死亡することもある腸チフス typhoid fever の患者が、コロラド Colorado 州で 3例確認された。この菌に感染し発病した 3人の患者はいずれも、2015年 8月に a Qdoba Mexican Grill in Firestone で食事を摂っていた。アウトブレイクが発生したのは 8月であったが、潜伏期間および診断まで時間を要したため、最近になってからの報告となったと、州公衆衛生当局 the Colorado Department of Public Health and Environment が説明した。感染したこの店の顧客らは、頭痛、発熱などの症状で発症し、"3人のうち 2人は症状が重く入院となった" と報じられている。従業員らの検査で、the Qdoba で食品担当者の 1人 a   food handler が、チフス菌 the _Salmonella [enterica_ serotype] Typhi bacterium の感染を拡大させていたことが確認された。この従業員には何ら症状は認められていなかった ... 同州内では、平均して 1年間で約 5人の患者が発生している。
 [Mod.LL -チフス菌 _Salmonella enterica_ serotype Typhi による腸チフス Enteric fever による症状は、他のありふれたサルモネラ菌感染症とは全く異なり、疫学的にも、より一般的なサルモネラ菌 (による感染) のような、人獣共通感染症ではない。臨床症状で言えば、典型的には、嘔吐や下痢の症状は見られない; それどころか、しばしば便秘が報告される。腸チフスは全身感染であるため、特に病初期においては、血液培養検査が、便検査と同等以上に陽性となり、おそらく骨髄培養が最も鋭敏な検査となる。古典的腸チフスの典型的な症状は、発熱、食欲不振、嗜眠、検体、持続性の鈍い頭痛、乾性咳嗽、非局在的な腹痛、便秘などである。しばしば高熱となるにもかかわらず、脈拍数の増加はわずかであることが多い。発病後の第 2週目に入ると、遷延性の発熱と精神鈍麻  mental dullness が見られるようになり、古くから覚醒昏睡 coma vigil と呼ばれてきた。下痢が見られることもあるが、通常は起こらない。多くの患者が肝脾種を生じる。1週目頃に、上腹部に丘疹状発疹 a maculopapular rash が現れる。この病変 ("rose spots、バラ疹") は直径約 2 cm で、圧迫により退色する。2-4日間続き、現れたり消えたりすることもある。軽症例や非典型例も多い。typhoid (as in typhus-like、チフス様) の語は、シラミ媒介性リケッチア感染症の発疹チフスepidemic typhus との類似性に由来し、実際に一部地域では今でも、腸チフス abdominal typhus の名で呼ばれている]
参考項目 (17): (WA,OR) restaurant chain 20151031.3758268

ハンタウイルス感染症-チリ VS 疑い、南北アメリカ (40)
PRO/AH/EDR> Hantavirus update - Americas (40): Chile  (VS) susp
Archive Number: 20151107.3774972
情報源 BioBio Chile [in Spanish]、2015年11月5日。
ハンタウイルス感染症が疑われる患者 A suspected case of hantavirus infection が [5 Nov 2015]、the regional hospital に入院となった。San Antonia city in the Valparaiso  region でトラックの運転手として働く 44歳男性であることが明らかにされている。暫定的な情報によれば、この男性は、多彩な症状を訴えて the Pozo Almonte clinic を受診し、様々な検査が行われた後、a suspected hantavirus [infection] として地域病院への搬送が決断された ...
写真 the long-tailed pygmy rice rat (_Oligoryzomys longicaudatus_), the sigmodontine rodent host of Andes hantavirus 

腸管出血性大腸菌 (EHEC) 感染症-米国 (19) CA O111 未殺菌アップルジュース
13 _E. coli_ illnesses in California linked to recalled apple juice
PRO/AH/EDR> E. coli EHEC - USA  (19): (CA California) O111, unpasteurized apple juice, alert, recall
Archive Number: 20151107.3774944
情報源 Food Safety News、2015年11月6日。
6日現在、High Hill Ranch near Placerville, CA の未殺菌アップルジュースと関連性のある、13例の腸管出血性大腸菌 (EHEC) O111 感染症の患者が確認されている。郡保健当局 the Sacramento County Department of Health & Human Services によると、11 人が Sacramento County の住民で、ほかは Yolo County and  Contra Costa County の各 1人の患者である。1人が入院となった。発生は 10月中旬で、家庭用に購入されたり、農場内に保管されていたりした、生のアップルジュースによる ... 原文 [Google 翻訳] 参照願います。

腸管出血性大腸菌 (EHEC) 感染症-米国 (18) WA, OR O26、レストランチェーン
PRO/AH/EDR> E. coli EHEC - USA (18): (WA Washington, OR Oregon) O26, restaurant chain
Archive Number: 20151107.3774942
情報源 CDC、2015年11月6日。
現時点で、ミネソタ州で分離された菌 the Minnesota isolate と、ワシントンおよびオレゴン Washington and Oregon 両州の集団発生 the Chipotle cluster との関係は確かめられていないが、遺伝学的特徴が一致 the same genetic fingerprint していることから、何らかの関係がある可能性が高い ... 原文 [Google 翻訳] 参照願います。

東部ウマ脳炎-米国 (19) NY ヒト
PRO/AH/EDR> Eastern equine encephalitis - USA (19): (NY) human
Archive Number: 20151107.3774846
情報源 Syracuse、2015年11月5日。
Onondaga County の住民として 2例目の、東部ウマ脳炎 eastern equine encephalitis [EEE] の患者が報告されたが、現在回復に向かっていると、郡保健当局が 5日発表した。10月29日の州保健当局からの通知によると、the Town of Clay の成人の患者が同ウイルスに感染していた。5日、確定診断に至った。9月初旬に入院し、その後症状が安定し退院となり、現在健康状態に問題はないと説明されている。主治医が当初、細菌性髄膜炎を疑ったため、診断が下されるまで時間がかかったと述べた。検査により細菌感染は否定され、その後ウイルス性髄膜炎が疑われ、the state Health Department lab in Albany での特異的血液検査により the EEE diagnosis が確定したと述べた。すでに今シーズンは終わりに近づき、蚊族媒介性疾患の感染リスクはないとしている。

リフトバレー熱-モーリタニア (03) ヒツジ、ヤギ OIE
Rift Valley Fever, Mauritania、reoccurrence of a listed disease
PRO/AH/EDR> Rift Valley Fever - Mauritania (03): ovine, caprine, OIE
Archive Number: 20151107.3774473
情報源 OIE, WAHID weekly disease information 2015; 28(46) OIE、2015年11月6日。
h感染開始時期 2015年9月29日
前回流行時期 2014年1月20日
原因ウイルス Rift Valley fever virus
新たな感染流行 (4)
発生地 1 (fvr2015): Brakna, Oum Wedneine, Aleg, Aleg: village
感染した種/個体数/感染数/死亡/廃棄/処分
Sheep/goats / 800 / 5 / 0 / 5 / 0
Affected population: flocks of small ruminants grazing around a new pond. A strong pressure from mosquitoes of all kinds is observed.

White nose syndrome、コウモリ-中国 北東部 初報告、顕性感染
PRO/AH> White nose syndrome, bats - China: (northeast) 1st rep, clin infect
Archive Number: 20151107.3774145
情報源 University of California - Santa Cruz NewsCenter、2015年11月2日。
中国北東部のコウモリで、2006年に米国で初めて登場し、コウモリの生態数を激減させた white nose syndrome [WNS] の原因となった真菌の感染が確認された。米国と中国の研究者らが、コウモリが冬眠する洞窟内で真菌を発見し、同菌に感染したコウモリも確認されている ... 原文参照願います

トキソプラズマ症-ブラジル PR 水系感染の疑い
PRO/AH/EDR> Toxoplasmosis - Brazil: (PR) waterborne susp
Archive Number: 20151107.3773850
[1]
情報源 Bonde [in Portuguese]、2015年10月29日。
州農業研究所 the Agronomic Institute of Parana (IAPAR) in Londrina [Parana ] の従業員の間で発生した、トキソプラズマ症患者 cases of toxoplasmosis 数は、40人に増えた。アウトブレイクの原因については今も不明のままであるが、保健当局は、the banks of the PR-445 [motorway] にある同研究所本部付近の水道管からの給水を、一時停止するよう指示した。"先週 [week of 19 Oct 2015]、住民並びに職員への給水を停止し、貯水タンクを清掃した。清掃作業終了後、今週 [week of 26 Oct 2015] から職員への給水を再開していたが、当局の勧告により 3日まで停止する" と研究所の当局者が明らかにした。当局は、貯水タンクと施設内食堂の 2ヶ所について、感染源であった可能性があるとして調査している。"The 40 infected employees は毎日 the cafeteria を利用していた ... " とし、ネコの糞に含まれることがある寄生虫により、トキソプラズマ症 toxoplasmosis が発生すると保健当局は説明している ...
[2]
情報源 Globo Noticias [in Portuguese]、2015年10月21日。
the Agronomic Institute of Parana (IAPAR) of Londrina, in [northern Parana state] で、17人の職員がトキソプラズマ症 toxoplasmosis に感染した、と保健当局 Health Surveillance Office が明らかにし、現地での調査が開始されている。職員に提供された食品や水による感染が疑われているが、これまで行われた検査で、汚染源は特定されていない。専門家によると、今回の汚染が起きたのは between July and August [2015] で、従業員らは、the institute's outpatient clinic. で治療を受けていたが、職員の 1人が、研究所外の医師を受診したことで初めて、同疾患が明らかになった ...

リーシュマニア症、皮膚-ガーナ TV 新亜種
PRO/EDR> Leishmaniasis, cutaneous - Ghana  (TV) new subspecies
Archive Number: 20151107.3773819
情報源 International Journal for Parasitology、2015年9月
原著タイトル First isolation of a new species of leishmania responsible for human cutaneous leishmaniasis in Ghana and classification in the _Leishmania enriettii_ complex. Intl J Parasitol 2015; 45(11): 679-84 (open access)
要約 ガーナ the Ho District of the Volta Region において、PCR 診断による積極的患者検出活動 active case detection approach を実施し、活動性皮膚リーシュマニア症の患者 individuals with active cutaneous leishmaniasis が確認された。3種の分離株培養に成功し、これらの DNA 遺伝子塩基配列を解析した (ribosomal RNA internal transcribed spacer 1; ribosomal protein L23a intergenic spacer; RNA polymerase II large subunit) 結果、互いに相同であり、かつこれまでに知られているいずれのリーシュマニア種_Leishmania_ spp. とも異なるリーシュマニアであることが判明した。系統発生学的解析から、同寄生虫は the _Leishmania enriettii_ complex の新たなメンバーであり、ヒトに対して病原性を示す、a possible new subgenus of _Leishmania_ parasites として新興したことが分かった。

論文の注目点 系統発生学的解析によると、本寄生虫 the Ghanaian parasites は members of the _L. enriettii_ complex であり、新たな亜属 a possible new subgenus of _Leishmania_ parasites の可能性がある。これまで、新たな亜属であるとの証拠は、系統発生学的解析から示唆されてきた。Members of the _L. enriettii_ complex は明らかに、これまである、いかなる亜属 any of the existing subgenera の範疇にも属さないものだった。the _L. enriettii_ complex の species については、いずれも自然界の保有宿主に関する情報が乏しい。The _L. enriettii_ complex は常に the leishmania の中でも最も基本的なクレード the most basal clade として現れてきた。例外は paraleishmania で、これは再分類すべき非公式なグループであり、厳密には _Leishmania_ spp. とは見なされていない。それ故、新興した寄生虫は早期に分岐したグループ an early diverging group であり、広い地理的分布を持ち、幅広い種の宿主に感染が拡がっている distributed が、一部にヒトの疾患の原因となる可能性をもつ種も含まれる。the _L. enriettii_ complex の最も興味深い面の 1つが、感染伝播を担うベクターの特定で、いずれの種についても未だにはっきりとは判っていない。しかし最近のエビデンスによると、オーストラリアのカンガルーにリーシュマニアを伝播するのは、日中に刺咬する小型昆虫 day-biting midges であると示唆されている。従って、候補となるサシチョウバエも存在するが、ガーナの寄生虫の伝播に midges が関係する可能性がある。

ブルータング-フランス、ウシ ヒツジ ヨーロッパ(14): BTV-8
Veterinary & Science Policy Advice Team - International Disease Monitoring
Bluetongue virus (BTV-8) in France: updated situation assessment no 2
PRO/AH> Bluetongue - Europe (14): France, bovine, ovine, st 8, genotyping
Archive Number: 20151107.3773821
情報源 DEFRA (UK Department for Environment, Food, and Rural Affairs), Animal and Plant Health Agency、2015年10月23日。
フランス政府当局 The French Authorities は、フランスの飼育ウシ全体を対象とするサーベイランス a wide surveillance programme (design prevalence of 5 per cent and 95 per cent confidence) を実施中である。これまでに、the 21 regions ごとに無作為に 30 farms with breeding cattle が割り付けられ、各農場の 60 cattle が検査される ... A full description of the surveillance programme  ...

肺炎、原因不明-韓国 (05) SO 獣医学生、コメント
PRO/EDR> Pneumonia, cause unknown - South Korea (05): (SO) vet students, comment
Archive Number: 20151107.3773797
投稿者 韓 ・ Seoul National University Hospital、Dr Myoung-don Oh、2015年11月6日。
20151105.3769946 に関し。
MERS-CoV test was performed at the Korea NIH with real-time RT-PCR according to the WHO guideline.

口蹄疫-トルコ VA, BT 家畜、新たな株、A 型 RFI
PRO/AH> Foot & mouth disease - Turkey http://healthmap.org/promed/p/87: (VA Van , BT Bitlis) livestock, new strain, st A, RFI
Archive Number: 20151107.3772559
情報源 EuFMD (AGAH; URL なし)、2015年11月6日。
The EuFMD Secretariat は、トルコ食品当局 General Directorate of Food and Control, Turkey から、サウジアラビアおよびインド亜大陸の分離株と近い関係にある A 型口蹄疫による感染流行 a serotype A strain of FMDV in outbreaks in October [2015] の発生が確認されたとの報告を受けた ...

化学兵器-シリア (04) HL マスタードガス、疑い
PRO/EDR> Chemical weapons - Syria (04): (HL) mustard gas, susp
Archive Number: 20151107.3773595
情報源 BBC News、2015年11月6日。
8月にシリア北部で、マスタードガスによる攻撃が行われたと、専門家らが報告した。the Organization for the Prohibition of Chemical Weapons (OPCW) での報告の中で、the town of Marea [Aleppo governorate] において同ガスが使用されたことが明らかになったとしている。Islamic State (IS) militants が、現地の抵抗勢力との戦闘で、マスタードガスを使用したと非難している。The OPCW report では、乳児 1名が同ガスの使用により死亡した可能性が高いと報告している ...