2017年1月14日

黄熱 ブラジル

● MERS-CoV サウジアラビア
PRO/AH/EDR> MERS-CoV (05): Saudi Arabia (NJ, SH, RI), RFI
Archive Number: 20170114.4766221
 情報源 Saudi Arabia Ministry of Health [edited], 11-14 Jan 2016 2017年1月14日
As of [14 Jan 2017], there have been a total of:
1537 laboratory-confirmed cases of MERS-CoV infection, including
640 deaths [reported case fatality rate 41.6 percent], 886 recoveries, and 11 currently active cases [including 1 asymptomatic household contact].
Since the last ProMED-mail update [10 Jan 2016], there have been a total of:
4 newly confirmed cases,
1 newly reported fatality, and
1 newly reported recovery.
Information on newly reported cases (4 cases):
Date: 14 Jan 2017 (1 case)
1- A 66-year-old Saudi male, from Najran, currently in stable condition. Classified as a primary case
Date: 13 Jan 2017 (2 cases)
2- A 61-year-old Saudi male, from Hufoof [Ash Sharqīyah (Eastern) region], currently in stable condition. Classified as a primary case with a history of direct exposure to camels.
3- A 57-year-old Saudi male, from Hufoof [Ash Sharqīyah (Eastern) region], currently in stable condition. Classified as a primary case.
Date: 11 Jan 2017 (1 case)
4- A 59-year-old Saudi female, from Riyadh, currently in Critical condition. Classified as a primary case.
関連項目 (04): Saudi Arabia (MK, QS), nosocomial outbreak, RFI 20170110.4754928

● 黄熱 ブラジル(2件)
PRO/AH/EDR> Yellow fever - Americas (04): Brazil (MG)
Archive Number: 20170114.4766222
 情報源 New York Times 2017年1月13日
Yellow Fever Outbreak in Brazil Prompts a State of Emergency
ブラジル南東部のミナスジェライス州知事 The governor of the Minas Gerais State は [13 Jan 2017],黄熱感染流行 an outbreak of yellow fever により,これまでに 10人以上死亡100人以上の感染が疑われていることを受け,公衆衛生上の緊急事態 a public health emergency を宣言した。当局は,133人について調査中であり,うち 20人が probable と見られると述べた。また調査されている 38名の死亡のうち,10人については黄熱が原因との見方を,ウェブサイト the State Health Secretariat's website で示している。感染が疑われる患者数が,11日の 48人から 12日には 110人となり,この数日間で 2倍以上に増加していると述べた ... 
広報担当者は,これまでのところ all the cases は森林型 sylvatic (サイクルの患者) で,サルの黄熱ウイルス保有が確認されている農村部で,野生の蚊族から感染したことを意味する,と説明した ... ブラジルは,ミナスジェライス州のような rural areas における,周期的な森林型黄熱アウトブレイク cyclical outbreaks of sylvatic yellow fever の発生に苦しめられており,一番新しいものは 2009年に発生し,多数の死者が出ている ... 政府保健省から州に対し 73万5千ドースのワクチンが提供され,発生があった農村部の地域では,ワクチン接種を受ける人の長い列ができている。人口 12000人の町 Ubaporanga で,黄熱によると見られる死者の 1人が確認されており,また,人口 18000人の町 Ladainha でも,3人が黄熱により死亡したと見られている。どうしてこれらの地域の人々がワクチンを受けていないのか,というのが疑問だ。ミナスジェライス州はずっと以前から黄熱の感染リスクのある地域として知られてきている。この点に注目したい。
[Mod.TY- 11日の 20170112.4761705 では,各市 the governments of Ladainha and Teófilo Otoni municipalities の宣言については述べられていたが,この州全域での緊急事態宣言 The declaration of a state-wide health emergency については触れられていなかった。これら感染が疑われる患者の確定または否定,森林型に限られるかあるいは一部は都市部の蚊族が関係するかの確認,については今後もフォローアップが必要である。突然 24-48時間で患者が倍以上に増えたのは,限定された地域内での森林型感染としては異常で,もしも一部が都市型感染サイクルの患者だとすれば,ワクチンキャンペーンを開始して,これ以上の感染伝播拡大を阻止することが重要である。この地域の住民に黄熱ワクチンを接種されていなかったことへの疑問には正当性がある。相当の割合の住民がワクチンを受けていないところにネッタイシマカ _Aedes aegypti_ が存在すれば,2008年にパラグアイで起きたような都市型アウトブレイク an urban outbreak 発生の恐れは現実的なものとなる]

PRO/AH/EDR> Yellow fever - Americas (03): Brazil (MG)
Archive Number: 20170114.4764991
 情報源 Global Times 2017年1月13日
the Brazilian state of Minas Gerais で少なくとも 30人が黄熱 yellow fever により死亡し,感染が疑われる患者が 110人に達したと,12日保健当局が明らかにした。州保健当局者 the state's Secretariat of Health は,死亡した 30人のうち 10人の死因は黄熱と確定され,他の死者もすべて黄熱検査は陽性だったと述べた。この 1週間で患者数が 48人から 110人に増え,アウトブレイクは勢いを増しているように見える。

● A型肝炎 ドイツ
PRO/EDR> Hepatitis A - Germany: (Berlin) MSM
Archive Number: 20170114.4763116
 投稿者 独・Medizinisches Infektiologiezentrum Berlin,Martin Obermeier 2017年1月12日
ベルリン Berlin, Germany で,20例を超える急性 A 型肝炎ウイルス感染 cases of acute hepatitis A virus infection が報告されており,2016, week 46 [week ending 18 Nov 2016] の the 1st cases 報告後,徐々にその数を増やしている。多くが 20~46歳までの男性同性愛者 MSM (men who have sex with men) である。われわれの施設でもこの 2日間 (10 and 11 Jan 2017) に 3 cases を確認し,the local public health department に報告 [weeks 51 and 52 2016; in German, dated 4 Jan 2017] した。

● 伝染性紅斑 英国
PRO/EDR> Erythema infectiosum - UK: (England)
Archive Number: 20170114.4766027
 情報源 Bristol Post 2017年1月12日
Slapped cheek outbreak at primary school as pupils kept away from class
リンゴ病のアウトブレイク an outbreak of the virus 'slapped cheek' により,North Somerset [England] の小学校では児童らが自宅待機となっている。第5病,または伝染性紅斑 fifth disease or erythema infectiosum とも呼ばれ,通常は 4~12歳の小児が罹患し,両頬に赤い発疹が現れると,まるでひっぱたかれた slapped ように見える。Y
eo Moor Primary School in Clevedon では,過去数週間にわたってアウトブレイクが発生し,多数の生徒らが授業を受けられない状態となり,保護者らに注意を呼びかけるメッセージが送られている。ウイルスに感染した小児は約 10人で,ほとんどが 1年生であるが,上級生の生徒数人も感染した。Kennaway Road にあるこの学校では,しょう紅熱のアウトブレイク 1 confirmed outbreak of scarlet fever も確認され,North Somerset Council public health team に報告されている。

● リーシュマニア症,皮膚 ホンジュラス
PRO/AH/EDR> Leishmaniasis, mucocutaneous - Honduras
Archive Number: 20170114.4765474
 情報源 Rare Disease Report 2017年1月13日
ホンジュラスからニカラグアにまたがるジャングル the jungle of Mosquitia の奥深くにある,the "City of the Monkey God"として知られる,紀元前 1000~1500年の遺跡 the ruins of Ciudad Blanca の探検隊の 1人が ... 探検の数ヶ月後に,サシチョウバエ a sand fly に刺された後がいつまでも治らないことに気づき,もう 1人の隊員も同じ症状があった。医療機関を受診し,皮膚リーシュマニア症 a virulent strain of leishmaniasis と診断された。それから数ヶ月間に,隊員の約半数に感染の初期症状が現れ,治療を受けることとなった 

● ハンタウイルス アジア

PRO/AH> Hantavirus - Asia (02): overview commentary
Archive Number: 20170114.4765047
 投稿者 ベルギー・University of Leuven,Belgian Hantavirus Reference Centre,Jan Clement, Veroniek Saegeman and Marc Van Ranst 2017年1月13日
[Mod.TY コメントに対し] もし,いずれの結果も基準値以内であったとされる通常検査 the "routine laboratory investigations" の中に,血小板数検査や(省略される事も多い)試験紙による尿タンパク検査が含まれていたなら,入院から数時間以内に担当医は重要な手がかり an important 1st clue を手にしていたはずだ。血小板減少がなく,(しばしば大量だが通常非常に一過性の)タンパク尿が認められない場合は,おそらくハンタウイルス感染の症例ではない [1]。
臨床症状について言うと,いわゆるハンタウイルス肺症候群 "hantavirus pulmonary syndrome" (HPS) と腎症候性出血熱 "hemorrhagic fever with renal syndrome" (HFRS) との境界線は非常にあいまい getting more and more blurred になってきていて,これら 2つの疾患は臨床的にかなりオーバーラップする,とのエビデンスが積み上がっている [2-4]。大西洋を二分する with a persistent trans-Atlantic dichotomy,これらの宗派 these denominations(HPS と HFRS のこと)は,特に経験の浅い医師,疫学者,医学生らにとって,間違いやすい誤標記 confusing misnomers であると,再度指摘しておきたい。さらには,インドには,急性腎障害と急性呼吸促迫症候群 both acute kidney injury (AKI) and ARDS のいずれも引き起こし,死亡する可能性のある,これまでに知られていなかったハンタウイルス a hitherto unknown hantavirus の存在が疑われている。the 2 fatal Indian hantavirus cases は,ELISA and western blot 検査で "Puumala virus (PUUV)-like" であり,インドには PUUV は存在しないことから,おそらく unknown hantaviral pathogen による交差反応 cross-reacting だと考えられる [5]。
以前から HFRS とほとんど見分けがつかない病気 contender としてレプトスピラ症 Leptospirosis があり,時にハンタウイルスと重複して感染することさえあるが,あまり考慮されていない事実である [6]。Muju virus (MUJV) も,another zoonotic contender で,韓国内で発見された 4種類の齧歯類媒介性ハンタウイルスの 1つである。他の Korea are Hantaan virus (HTNV), Seoul virus (SEOV), and Soochong virus が HFRS の原因とされているのに対し,MUJV はこれまでヒトに対する病原性が報告されたことはないが,われわれは 1990年代の早期から韓国内で MUJV (or rather "PUUV-like") human infections が確認されていることを知っている。実際,韓国のげっ歯類 the royal vole (_Myodes regulus_) 由来のウイルスの遺伝子 the genome of MUJV の解析 fully sequenced により,PUUV, harbored by the bank vole (_My. Glareolus_) や日本の the grey red-backed vole (_My. Rufocanus_) が保有し同様にこれまでのところ病原性がない non-pathogenic とされている,Hokkaido virus (HOKV) という名前の a PUUV-like virus との,遺伝学および発生学的関連性が認められた。MUJV には,韓国内 different provinces での地域特異的な発生 distinct geographic-specific clustering があり,系統発生学的解析により,MUJV and HOKV はPUUV と共通の祖先を持つことが示されている [7]。より正確な理解 A better understanding of the taxonomic classification and pathogenic potential of MUJV には,細胞培地での分離が必須だが,まだ成功していない。
上記[番号]は参考文献(一部)
4. Hemorrhagic fever with renal syndrome in the new, and Hantavirus Pulmonary Syndrome in the old world: Paradi(se)gm lost or regained? Virus Res. 2014:187:55-58. doi: 10.1016/j.virusres.2013.12.036.
5. First evidence of fatal hantavirus nephropathy in India, mimicking leptospirosis. Nephrol Dial Transpl 2006; 21: 826-7.
関連項目 Nepal (Kathmandu) ex South Korea 20170112.4759264

● カーフェンタニル過量摂取 米国

PRO/EDR> Carfentanil overdose - USA (PA): fatality, alert
Archive Number: 20170114.4764919
 情報源 Times Online 2017年1月12日
the Beaver Falls area において,2016年11月に薬物の過量摂取 a drug overdose により死亡した人物は,フェンタニル fentanyl の 100倍,モルヒネmorphine の 1万倍の強力な作用をもつオピオイド opioid の,carfentanil の検査が陽性を示した。米国内でこのゾウの鎮静薬 the elephant tranquilizer による患者が確認されたのは初めてと,郡当局者 Beaver County Coroner が述べた。動物に対してこの鎮静薬 the tranquilizer を使用する際には,動物園職員 zoo officials は必ずペアで作業し,防護衣 protective gear で身体を完全にカバーする。致死性の高いこの薬物をレクリエーションで使用 [乱用?] する人もいるので, all 1st responders [最初に救急対応に当たる人?] は必ず手袋とマスクを着用することを強く奨めている。2016年オハイオ Ohio 州で,ヘロインにこの薬物を混ぜて使用した例が数例あったと,ペンシルベニア州保健当局 the Pennsylvania Department of Health が述べた。今回の過量摂取による死亡例 The Beaver Falls (Pennsylvania) area overdose death は,(使用例としても)州内で carfentanil が関係する初めてのケースと思われる。砂 1~2粒分の微量でも,ヒトの致死量となる。また必ずしも飲み込む必要もない ...
[Mod.TG- どうやってこの薬物を入手したのだろう?
the Drug Enforcement Agency (DEA), several warnings have been issued]

● ウシ乳頭腫症 ケニア
PRO/AH/EDR> Bovine papillomatosis - Kenya: (BA)
Archive Number: 20170114.4766220
 情報源 The Standard - Kenya 2017年1月12日
Mogotio [Baringo County] の農夫らが,保有するウシに発生した皮膚の病気に対する当局の調査を求めている。皮膚のほか,目や口,気道にも感染する病気で,Elsama Ravine の獣医官はランピースキン病 lumpy skin disease と述べた [要コメント参照] ...
[Mod.AS- 上記 URL の情報に添えられているのは,子牛の serious cases of bovine papillomatosis の写真である ... 原文参照願います]

● アフリカ馬疫 南アフリカ
PRO/AH/EDR> African horse sickness - South Africa: (NC) susp., RFI
Archive Number: 20170114.4765668
 情報源 ABC News (South African Broadcasting Corporation) 2017年1月11日Kuruman [Kalahary region] においてアフリカ馬疫が疑われる症例 a suspected case of African Horse Sickness [AHS] が報告され,農業当局 the Northern Cape Department of Agriculture が,ウマに対する検疫の通達 A quarantine notice on horses を行った。町の周囲 30 km 圏内のウマとロバの異動が制限される ...

● Diphyllobothrium nihonkaiense,サケ 米国
PRO/AH/EDR> Diphyllobothrium nihonkaiense, salmon - USA: (AK)
Archive Number: 20170114.4765522
 情報源 USA Today 2017年1月13日
日本海裂頭条虫 The Japanese broad tapeworm, aka Diphyllobothrium nihonkaiense による感染は,これまでアジア太平洋沿岸の魚類に限られていたが,科学雑誌 the CDC's [Centers for Disease Control and Prevention] Emerging Infectious Diseases journal で掲載の研究によると,アラスカ Alaska 州で捕獲された野生のサーモンからこの寄生虫が発見されたと CNN が伝えている

● 馬ヘルペスウイルス 米国,英国
PRO/AH/EDR> Equine herpesvirus update: USA, UK (England)
Archive Number: 20170114.4764990
[1] 米国
- Kentucky
情報源 The Horse 2017年1月12日
- Louisiana
情報源 Daily Racing Form 2017年1月11日
- California
情報源 The Horse 2017年1月11日
[2] 英国- England
情報源 Horse and Hound 2017年1月12日