2017年2月25日

◎ 毒グモ咬傷 オーストラリア ジョウゴグモ
インフルエンザ ワクチン Eurosurveillance new A/H3N2 clade
髄膜炎菌性髄膜炎 トーゴ,W型 WHO

● ハンタウイルス感染症 パナマ
PRO/AH> Hantavirus update - Americas (19): Panama (LS)
Archive Number: 20170225.4864834
 情報源 TVN noticias [in Spanish] 2017年2月24日
the Los Santos province の保健当局 Regional Health Director は [Fri 24 Feb 2017],2017年の地域内では初のハンタウイルス感染症例を確認した confirmed the 1st case of hantavirus fever。この the Tonosi area in Los Santos [province] 在住の 75歳の患者は,治療により安定した状態にある ... The hantavirus cardiopulmonary syndrome [HPS] は,パナマにおいては,16年前に国内中央部で初めて確認された,新興疾患である。
写真 The rodent host of Choclo virus is the pygmy rice rat (_Oligoryzomys fulvescens_)

● 黄熱 ブラジル PAHO/WHO
PRO/AH/EDR> Yellow fever - Americas (25): Brazil PAHO/WHO
Archive Number: 20170225.4864916
 情報源 WHO Emergencies preparedness, response, Disease Outbreak News (DONs) 2017年2月24日 厚労省検疫所 FORTH より
Yellow fever - Brazil
2月23日付で汎米保健機関(PAHO)より、アメリカ大陸での黄熱の発生状況に関する情報が更新された。
アメリカ大陸での黄熱の発生状況
2017年第1週から第6週までに、ブラジル、ペルー、コロンビア、ボリビアで黄熱の疑い患者と確定患者が報告されている。
ブラジルでの発生状況の概要
2016年12月始めから 2017年第6週までに、黄熱患者 1,336人(確定患者 292人、破棄 124人、疑い患者および調査中の患者 920人)が報告され、215人(確定患者101人、破棄5人、調査中109人)が死亡した。死亡率(CFR)は、確定患者で 35%、疑い患者で 12%。疑い患者と確定患者が感染した可能性の高い地域は 6州; バイーア州(9人)、エスピリト・サント州(177人)、ミナス・ジェライス州(1,008人)、リオ・グランテ・ノルテ州(1人)、サンパウロ州(10人)、トカンティンス州(2人)。一方、確定診断された患者は、エスピリト・サント州(42人)、ミナス・ジェライス州(246人)、サンパウロ州(4人)の3州に分布している。ミナス・ジェライス州では、疑い患者と確定患者を合わせて 84%が報告された。しかし、この州の 4つの行政地域では 2017年第3週にピークを迎えた後、患者の発生は減少の傾向にある。第3週には、これら全地域を合わせて、この週だけで約 360人の患者が報告された ... 確定患者のうち、86%(252人)は男性で、81%が年齢 21歳から60歳の範囲だった。確定死亡者については、84人がミナス・ジェライス州で、3人がサンパウロ州で、14人がエスピリト・サント州で発生していた。疑い患者と確定患者を合わせた死亡率は、高い順に、サンパウロ州で 75%、ミナス・ジェライス州で 34%、エスピリト・サント州で 33%だった。
2017年2月22日までの黄熱に関する最新の疫学情報によれば、ヒト以外の霊長目での集団感染の発生が新たに 236件報告された。流行の開始以降では、合計で 883件の動物での集団感染の発生が報告されている。ヒト以外の霊長目における集団感染は、連邦直轄地区と、アラゴアス州、バイーア州、ゴイアス州、エスピリト・サント州、マットグロッソ・ド・スール州、ミナス・ジェライス州、パラナ州、ペルナンブーコ州、リオグランデ・ド・ノルテ州、リオグランデ・ド・スール州、サンタ・カタリーナ州、サンパウロ州、セルジッペ州、トカンティンス州から報告されている。
これまでには、ブラジル以外のアメリカ大陸の国や地域から、現在の流行の発生に関連した黄熱患者は報告されていない。しかし、PAHO/WHOは、現在調査中の動物での流行発生は、ブラジルが国境を接している(ボリビアとパラグアイと国境を接する)マットグロッソ・ド・スール州,(アルゼンチンと国境を接する)サンタ・カタリーナ州,(ウルグアイとアルゼンチンと国境を接する)リオグランデ・ド・スール州、(アルゼンチンとパラグアイと国境を接する)パラナ州で調査が続けられており、国境を接する国々、特に共通の生態系をもっている地域に、ウイルスが拡がるリスクのあることを繰り返し述べている。
現在の黄熱の発生における感染伝播のサイクルが変化する可能性は残されているが、現段階で、集団感染の発生における伝播にネッタイシマカが関与している証拠はない。

● ラッサ熱 ナイジェリア(2件)
PRO/AH/EDR> Lassa fever - West Africa (07): Nigeria (BA)
Archive Number: 20170225.4864837
 情報源 Daily Trust 2017年2月24日
Bauchi state において新たに発生したラッサ熱アウトブレイク a fresh outbreak of Lassa fever により,4人が死亡した。州保健当局者 The state commissioner of health が 24日明らかにした。1人が今も治療中であり,1月以降,5人の感染が確認されている。死亡した 4人が確認されたのは,Bauchi, の2人 Alkaleri and Ganjuwa の各 1人 (local government areas of the state) である。Ganjuwa local government の 1人が現在治療を受けている。

PRO/AH/EDR> Lassa fever - West Africa (06): Nigeria
Archive Number: 20170225.4862689
[1] 全国 National overview
 情報源 Weekly Epidemiological Report, Nigeria Centre for Disease Control, Nigeria Federal Ministry of Health 7 (05) 2017年2月20日
ラッサ熱アウトブレイク The Lassa fever outbreak は現在,9つの州での発生が確認されている: Ogun, Bauchi, Plateau, Ebonyi, Ondo, Edo, Taraba, Nasarawa and Rivers。week 6 2017 においては,新たに 13 new suspected cases from 7 LGAs in 7 States が報告されている。Lassa Fever and other VHFs についての検査学的調査で 4 Lassa Fever positive cases が確認された。1名の死亡が報告されている(Case Fatality Rate for the week among suspect cases: 8 percent)。ナイジェリアでのアウトブレイク発生は December 2016 (week 49)であった。累積で合計 196 suspected cases が報告され,これまで 53 cases が検査で確定診断され,5 cases が probable に分類されている。31 deaths が報告され,26 in confirmed cases and 5 in probable cases となっている。全症例数に対する致死率は 20.4 %で,all confirmed/probable cases に対しては 53.4 percent となっている。ナイジェリアでは例年,乾期にラッサ熱患者が増加する ... 今年 [2017], all probable or confirmed cases の詳細な疫学情報を収集している。
1.0 Thirteen (13) suspected cases of Lassa fever with four (4) lab. confirmed and 1
death (CFR, 8 percent) were reported from 7 LGA (7 States) in week 5, 2017.
1.2. Laboratory results of the 13 suspected were 4 positive and 4 negative for Lassa fever and other VHFs [viral hemorrhagic fevers] while 5 pending.
1.3. Between weeks 1 and 5 (2017), 107 suspected Lassa fever cases with 18 lab confirmed and 10 deaths (CFR, 9.4 percent) from 20 LGAs (10 States) were reported.
1.4. Between weeks 1 & 52 2016, 921 suspected Lassa fever cases with 109
lab-confirmed and 119 deaths (CFR, 12.9 percent) from 144 LGAs (28 States & FCT) were reported compared with 430 suspected cases with 25 lab-confirmed and 40 deaths (CFR, 9.3 percent) from 37 LGAs (14 States & FCT) at the same period in 2015.
1.5. Investigation and active case search ongoing in affected states with coordination of all response activities by NCDC and support from partners.
[Mod.TY- ナイジェリアでは endemic の状態が続いており,Lassa fever は今も深刻な問題となっている。ウイルスのヒトへの感染は,保有宿主である齧歯類のマストミス the multimammate mouse (in the genus _Mastomys_ 写真) またはその排泄物との接触により起こる。また,感染防御対策を行っていない医療施設でも,患者の血液その他の分泌物を介して感染が発生する。自然界でのラッサ熱対策は,ナイジェリア全域および周辺に生息する齧歯類宿主のコントロールにかかっている。個体数減少のためには,村レベルでの積極的な取り組みが欠かせず,そのためには駆除専門家による支援を受けながらの市民教育が必要となる。齧歯類の家屋内への侵入防止と,厳重な食品類のカバーが,感染防止に役立つ。完全な駆除は現実的ではないだろう]
[2] Cross River state:Premium Times 2017年2月23日
22日,Calabar, capital of Cross River State で 22歳の女性 1名がラッサ熱により死亡したことが確認された。Benue State で発病したこの患者は,初期治療が行われた病院から Eburutu Barracks clinic in Calabar に紹介され,さらに the Navy Hospital, Calabar, で数日間治療が行われた後に移送された the University of Calabar Teaching Hospital で死亡した。検査により,ウイルス性出血熱で死亡したと確認された ...
関連項目 (05): Nigeria (NA) 20170215.4842179

◎ 毒グモ咬傷 オーストラリア ジョウゴグモ

PRO/AH/EDR> Toxic spider Bite - Australia: funnel web spider
Archive Number: 20170225.4864792
 情報源 BBC 2017年2月24日
世界で最も危険な毒グモの刺傷を受けたオーストラリアの 10歳の少年は,12本の抗毒素 anti-venom による治療を受け,命を取り留めた。これまでで最も多量の抗毒素が使用された 1例となった。父の納屋掃除を手伝っているときに,ジョウゴグモ a funnel-web spider に指を刺された。何度もけいれん発作を起こして,散瞳し,口から泡を吹いた。毒が拡がらないよう,シャツを駆血帯代わりにして縛り,急いで病院に向かった。捕獲したクモを the Australian Reptile Park near Sydney に提出し,現在毒素抽出作業 a venom-milking programme が行われている。many funnel-web species にとって,2月と3月が繁殖の最盛期となる。
The small and deadly funnel-web spider:
 - 材木や低木の下や腐った樹木などの湿った場所を好む,漏斗の形の巣を作る
 - 40 species あり,すべてが危険というわけではない
 - The Sydney Funnel-web Spider が,記録されている死亡や重症例に最も多く関係するとみられる。
 - ときに水泳用プールに落下することがあり,水面下でも 30時間以上生存可能である。
 - 毒素 Their venom により,心停止?heart collapse,神経系および消化器系への影響,呼吸困難をきたすことがある。
 - オーストラリアではこれまでに 13 recorded deaths from funnel-web spider bites が報告されている
- 抗毒素療法 an anti-venom programme が開始されて以降,死者は発生していない。
[Mod.TG- The Australian funnel-web spiders は Atricinae, a subfamily of spiders in the funnel-web family of Hexathelidae である。この特殊な亜科のメンバー All members of this particular subfamily はすべて,オーストラリア原産である。最も危険で致死性なのはこの仲間だが,ジョウゴグモ funnel-web spiders はすべて危険と考えた方がよい。すべての人が,クモを見分けることができるわけではないからである。ジョウゴグモは,世界中で最も死亡する可能性の高いクモに含まれる。光沢のある黒または茶色のクモで,メスに比べ,オスの方が小型であることが多い。頭部と体幹部は,わずかに有毛性である。多くは,from Tasmania to north Queensland にかけてのオーストラリア東岸および高地の湿性森林地域に生息する。シドニー近郊 Sydney suburbia における funnel-web spiders の生息域は,北は the moist upland forest areas of the Hornsby Plateau から,南は the Woronora Plateau の地域で ... western Sydney and the Cumberland Plain の乾燥した平地には,funnel-webs は少なく,the foothills of the Blue Mountains では再びその数が増す。the Sydney region に多い 2種類の funnel-web species として - the Sydney Funnel-web Spider (_Atrax robustus_) and the Southern Tree-dwelling Funnel-web Spider (_Hadronyche cerberea_) がある。漏斗状のクモの巣のある巣穴 Funnel-webs burrow は,岩の下,朽ちた丸太の中や下,地面の割れ目などの,湿気が多く,涼しい場所にある。庭においては,岩,生い茂った低木を好み,まれではあるが芝生などの開放空間でも発見される。a Funnel-web's burrow の最も特徴的なサインは,入り口から放射状に広がる,不規則な形態のシルク状の網目 the irregular silk trip-lines で,この trip-lines が,獲物,仲間,(クモにとっての)危険をクモに知らせてくれる。雨によって巣が流されると,オスは網(クモの巣)を修復するため,活動性が増す。漏斗状の巣は非常に乾燥に弱いため,湿度の高い場所を好む。夜間に活動することが多い。1年中,土を掘り返した時に巣穴 Funnel-webs in burrows に出くわす可能性がある。毒素による死亡例 recorded funnel-web envenomation deaths はすべてオスのクモによる-なぜか?これには,クモの行動パターン,毒素の化学的性質,さらには集団内の規則 even colonial politics が関係している。1年のうちで暖かい季節 (11月から4月まで)の夜間に,オスはメスを求めて巣穴 burrow の中を動き回る。ガーデン内を動き回るオスが,家屋やガレージ内で発見される。the male Sydney Funnel-web Spider の毒は非常に毒性が強い。male spider venom には,Robustoxin (d-Atracotoxin-Ar1) と呼ばれる特殊成分が含まれていて,ヒトとサルの神経系には等しく深刻な影響を与えるが,他の哺乳類には影響しない。メスの毒 female Sydney Funnel-web Spider venom にはこの成分がないことが,メスの刺傷による死亡がないことの説明となっている。しかし,funnel-web species のすべての種で,このような性差による毒性の大きな相違があるわけではない。the Commonwealth Serum Laboratories のチームが,the Sydney Funnel-web Spider に対する抗毒素 An antivenom が初めて臨床用に開発したのは 1981年で,これ以降,死亡例は発生していない。これと同時に同研究チームは,刺傷 funnel-web bite 例に対する,圧迫/固定による救急処置 the compression/immobilization 1st aid technique の効果を実験的に確かめた。研究に用いられたクモ毒の多くは,the Australian Reptile Park 内で行われた毒抽出活動 a funnel-web venom milking program を通じて得られたものが提供された。抗毒素は,他の危険なジョウゴグモにも有効で,さらに cases of mouse spider envenomation の治療でも有効だった。各市および地域の主要病院には,Antivenom が保管されている。抗毒素の使用が可能ではあるが,クモ毒の注入 funnel-web spider (and mouse spider) envenomation に対して,正しく速やかな救急措置が最も大切であることに変わりはない。推奨されている救急措置は,ヘビによる咬傷と同じく,圧迫と固定で,できる限り素早く行うことが必要である。圧迫固定により表面の組織が締め付けられ,筋肉の動きが制限されることにより,リンパ液の流れ(による毒の拡散)が停滞する。クモによる刺咬の部位は四肢であることが多い。刺咬があったらすぐに,圧迫包帯を巻き,足首の捻挫の時のようにしっかりと,刺咬部位から上に四肢の全長に巻き付ける。四肢が動かないよう,副子も使用する。なるべく患者を刺激しないようにしながら,医療機関を受診する。できれば,クモの種類が特定できるよう捕獲する ... 出典]

● VX 化学兵器 インドネシア 訂正;マレーシア(2件)
PRO/AH/EDR> VX chemical weapons - Indonesia: fatality, correction: Malaysia
Archive Number: 20170225.4864442
20170225.4863549 でインドネシアとしたのは誤りで,記事にあるとおり,事件が起きたのはマレーシアである。

PRO/AH/EDR> VX Chemical weapons - Indonesia: fatality
Archive Number: 20170225.4863549
 情報源 BBC 2017年2月24日
北朝鮮のリーダーの義兄弟である金正男が,強毒性神経作用物質により殺害された 

● インフルエンザ WHO ワクチン new A/H3N2 clade

PRO/AH> Influenza (05): WHO global update, vaccine effectiveness, new A/H3N2 clade
Archive Number: 20170225.4863942
[1] WHO:Influenza update - 283 (based on data up to 5 Feb 2017)
 情報源 WHO Surveillance and monitoring, influenza updates 2017年2月20日
 厚生労働省検疫所 FORTH より
北半球温帯地域では、インフルエンザの活動が高まりを続けていたが,東アジア、ヨーロッパの多くの国々では、流行のピークを迎え、下降に転じていることが報告されてきた。世界全体で、インフルエンザA(H3N2)が流行している。これまでのところ、ほとんどのインフルエンザ・ウイルスの特徴は、北半球インフルエンザシーズン(2016-2017)で使用されているワクチンに含まれる成分に照らして、遺伝的に類似していた。最近の抗ウイルス薬への感受性試験では、採取されたウイルスはほとんどすべてが、抗ウイルス薬ノイラミニダーゼ阻害剤に感受性を示した。
 ●北米,ヨーロッパ,東アジア,西アジアでは、インフルエンザA(H3N2)が流行 ... ●南アジアでは、インドとスリランカで、インフルエンザの活動が急激に高まっており,主にインフルエンザA(H1N1)pdm09次いで、インフルエンザBとインフルエンザA(H3N2)が報告されている。
 ●東南アジアでは、インフルエンザの活動は低い状態。
 ●アフリカ北部では、インフルエンザの活動がピークを迎え,インフルエンザA(H3N2)ウイルスとインフルエンザBウイルスの検出が報告された。
 ●アフリカ西部では、ガーナで、インフルエンザBウイルスの検出が続いている。
 ●カリブ海地域の国々と中米では、活動が全般的に低い状態。しかし、プエルトリコでは、インフルエンザA(H3N2)が、流行期の警戒レベルを越えて留まっている。
 ●南米熱帯地域,南半球温帯地域では、オフ・シーズンのレベル ...
[2] Seasonal Vaccine Studies-Europe
 情報源 Eurosurveillance 2017年2月23日
スウェーデンとフィンランド Stockholm County, Sweden, and Finland において,シーズン the 2016/17 influenza season 開始前に,人口に基づく研究 population-based cohort studies を用いた,検査で確認されたインフルエンザに対するワクチンの有効性をモニターするシステム Systems for register-based monitoring of vaccine effectiveness (VE) against laboratory-confirmed influenza (LCI) in real time が立ち上げられた。Stockholm and Finland のいずれにおいても,week 52, 2016 に流行早期 an early epidemic of influenza A(H3N2) のピークを迎えた。during weeks 48 to 50 の時点ですでに,65歳以上の年齢層における有効性解析 analyses of influenza VE で,約 50 % の比較的良い効果 moderately good estimates が認められたが,その後 2017年第2週までに急減し,28 and 32 percent in Stockholm and Finland, respectively となった。ワクチン接種からの経過期間を考慮した,感受性解析 The sensitivity analyses では,暦上もしくはワクチン接種からの時間のいずれでも,明らかな現象は示されなかった。ワクチンを接種された患者から採取された検体のほとんど Most (68 percent) が,the 3C.2a1 subclade with the additional amino acid substitution T135K in haemagglutinin (64 percent) or to subclade 3C.2a with the additional haemagglutinin substitutions T131K and R142K (36 percent) に属するものだった。調査期間中に,これらの変化が見られる検体の割合が増加した。この置換は,ウイルスの抗原性の変化と有効性低下の一因となった可能性がある。考えられるもう 1つの原因として,高齢者でのワクチンによる免疫獲得能の低さがある。特に高齢者に対して,より改良されたワクチンが望まれる。
[原著タイトル Mid-season real-time estimates of seasonal influenza vaccine effectiveness in persons 65 years and older in register-based surveillance, Stockholm County, Sweden, and Finland, January 2017. Euro Surveill. 2017;22(8):pii=30469. DOI: http://dx.doi.org/10.2807/1560-7917.ES.2017.22.8.30469]
[Mod.UBA- この研究では,感染循環するインフルエンザウイルスに対するワクチンを毎年接種することが,インフルエンザ疾患予防の最良策であると結論づけられているが,その有効性 VE には大きな違いがあり,シーズンによって,とりわけ influenza A(H3N2) が優位な年は,特に高齢者や医学的にリスクのあるグループに対する感染防御効果が,極めて低かったり,ほとんど認められないことがある[< DOI: 10.2807/1560-7917.ES.2016.21.43.30381 PMID: 27813473>]。加えて,あるシーズンにおける有効性評価 VE estimates in a given season であっても,評価が行われる時期が,流行早期~中期か,末期かによって,異なることもあり,多くの場合,シーズン末期の評価が低くなる [< DOI: 10.2807/1560-7917.ES.2016.21.16.30201 PMID: 27124420>]]
[3] Emergence of a new A/H3N2 subclade in London, United Kingdom
 情報源 Eurosurveillance 2017年2月23日
2016年12月以降,インフルエンザによる入院が急増する結果となった,a large influenza A(H3N2) outbreak についての分子学的研究について報告する。ヘムアグルチニンの解析 haemagglutinin (HA) sequences では,複数のクレードの共循環 co-circulation of multiple clades (3C.3a, 3C.2a and 3C.2a1) が示された。変異株 variants のほとんどが,新型 a novel subclade (proposed as 3C.2a2) に分類された; the HA protein タンパク内に,4カ所の固有のアミノ酸置換 unique amino acid substitutions と,a potential glycosylation site の欠失が認められた。これらの変化により,抗原性 the H3N2 strain antigenicity に変化が生じた可能性がある。
[原著タイトル Emergence of a novel subclade of influenza A(H3N2) virus in London, December 2016 to January 2017. Euro Surveill. 2017;22(8):pii=30466. ]
[Mod.UBA- 著者らは,the 2016/17 influenza A(H3N2) virus epidemic の 早期からの高い活動性は,同じく the subtype H3N2 が優位であった the season 2014/15 のそれに似ているとしている。During the 2014/15 season では,欧州内の most influenza A(H3N2) infections が,新たなサブグループ the new genetic subgroup 3C.2a 内の,antigenically drifted virus variants によるものだった。われわれの London A(H3N2) viruses に関する遺伝学的解析では,複数のサブグレード multiple subclades (3C.3a, 3C.2a1 and proposed 3C.2a2) からの,drifted variants の共循環 ongoing co-circulation が継続していることが示されている。2カ所以上の抗体結合部位で 4カ所以上が置換されていることから,抗原性が変化したウイルス an antigenically different virus であることが予測される。'この新興したサブグレードのウイルス the emerging subclade 3C.2a2 viruses において,アミノ酸置換 S144K とともに,糖化部位 an N-linked glycosylation site (N122D) の欠失がみられることから,抗原性ドリフト antigenic drift の可能性があり,現行シーズン中のさらなるモニターが必要である。ロンドンにおいてウイルスのドリフト London of the rapid emergence of genetically drifted influenza A(H3N2) viruses が観察されたことにより,医療施設内での患者および職員間での感染の急拡大の可能性が予想される。地方および全国でのインフルエンザの動向を監視する方法として,新興インフルエンザウイルス株の新たな手法 next generation sequencing による解析が加えられた]

● 鳥インフルエンザ,ヒト 中国
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (25): China (SD, GX), H7N9
[1] 山東省 Shandong Province
 情報源 FIC (Flu Information Centre/Flu in China) 2017年2月25日
Tengzhou city of Zaozhuang 棗荘 city in Shandong province から 22日,a human H7N9 case が報告された。この男性患者は,19日に発熱があるため Tengzhou city worker's hospital に入院し,Tengzhou city people´s hospital に移送された。状態は安定している。
[2] 広西荘族自治区 Guangxi Case
 情報源 FIC (Flu Information Centre/Flu in China) 2017年2月25日
The Guangxi Zhuang Autonomous Region から 24日,a human H7N9 AIV case が報告された。平楽県 Pingle county of Guilin city 在住で,自宅で飼育していた病気のニワトリとの接触歴がある。危険な状態となり死亡した。Guangxi Region は 3 human H7N9 AIV cases since 2017 を報告している。
関連項目 human (24): China (JX), H7N9, control measures 20170224.4861044

● 髄膜炎菌性髄膜炎 トーゴ,W型 WHO

PRO/EDR> Meningitis, meningococcal - Togo: fatal, emergence of serogroup W
Archive Number: 20170225.4863648
 情報源 WHO Emergencies preparedness, response 2017年2月23日
厚労省検疫所 FORTH より
Meningococcal Disease - Togo:
2月23日にWHO(世界保健機関)から公表された情報によると、トーゴから髄膜炎菌感染症の発生が報告されている。2017年1月1日以降、死者17人を含め、髄膜炎の疑い患者 201人が 19の保健行政地区から報告された。第2週には、高原地域の一部にある Akebou 地区で髄膜炎患者 4人が報告されたため、警報が発令された。第4週には、患者が 9人で、住民 100,000人あたりの患者発生率が 12.4人となり、流行は警報レベルに到達した。2017年1月2日から 2月12日までに、髄膜炎の疑い患者は 48人で、そのうち 3人が死亡したことが報告された(死亡率6.3%)。このうち、PCR法検査により 14検体で髄膜炎菌血清群W型が確認された。高原地域では、同国の他の 3つの地域とともに、2014年12月に(髄膜炎ワクチンの1つ) MenAfriVac の大規模な予防接種キャンペーンが行われ、その効果の下にあった。トーゴは、アフリカの髄膜炎ベルト地帯の一部であり、毎年、髄膜炎患者と死亡者が記録されている。2016年には、この国の北部地方で髄膜炎菌血清群 W型による流行の発生が記録されている。2016年に、合計で患者 1,975人と死亡者 127人が報告された。

● A 型溶連菌,侵襲性 ベルギー,死亡
 投稿者 ベルギー・National Reference Center of Belgium,Erlangga Yusuf 2017年2月23日
Increased group A streptococci submitted to the National Reference Center (most recent isolates received on 13 Feb 2017):
2016年12月以降 the National Reference Centre (NRC) for beta-hemolytic streptococci には,例年に比べて多い,72例の溶連菌感染症例 a higher number [of] invasive group A streptococci (GAS) [also known as _Streptococcus pyogenes_] isolates が報告されている。GAS による,Streptococcal toxic shock syndrome (STSS), necrotizing fasciitis, and puerperal fever or sepsis には報告義務があるが,地方研究所から the NRC への,分離菌の提出は義務ではない。72 _S. pyogenes_ strains が確認されたのは,4 cases of STSS, 6 cases of fasciitis, 3 cases of meningitis, and 59 cases of sepsis received at the NRC である。この 3か月間に,侵襲性溶連菌感染症の患者 11人が死亡しており,このうち 3例は 3歳未満の乳幼児だった。(前年までの年間感染患者数は) 17 (in the whole year 2013), 14 (2014), 19 (2015) and 29 (2016) だった ... これまでのところ,疫学的関連性 known epidemiological link は認められていない。

● 鳥インフルエンザ アイルランド HPAI H5N8
PRO/AH/EDR> Avian influenza (59): Ireland, HPAI H5N8, swan
Archive Number: 20170225.4864529
 情報源 Irish Farmers Journal 2017年2月24日
Co Galway において今週 [week of 19 Feb 2017],合計 3羽のトリの鳥インフルエンザウイルス the H5N8 virus 検査が陽性となったと,農業当局 the Department of Agriculture が報告した。Clondroon Lake in Milltown, Co Galway で発見された,野生のオオハクチョウ The wild whooper swans であると,24日明らかにされた。国内で高病原性鳥インフルエンザと診断された野鳥は 12羽となった。これ以前の 2月に Co Derry の野生のスワンの感染 one Northern Irish case が確認されたことにより,クリスマス以降,すべての地域 all provinces で感染の発生が確認されている ... 2016年12月23日から 12週間継続されている移動制限がこのまま続けば,the precious label を失うことになる放し飼い飼育業者ら free-range producers にとって,St Patrick's Day [Fri 17 Mar 2017] の祝日は節目となるだろう。

● Marteilia refringens ノルウェー,ムール貝
PRO/AH/EDR> Marteilia refringens - Norway: (HO) mussels, 1st rep, OIE
Archive Number: 20170225.4864174
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database) 2017年2月23日
Infection with _Marteilia refringens_, Norway,First occurrence of a listed disease in the country
感染開始時期 2017年2月22日
病原体 _Marteilia refringens_
新たな感染流行 (1)
Outbreak 1(2017-1): 11507 Agapollen, Bremnes, Bomlo, Hordaland: pond
Water type: salt water
種/頭数/感染数/死亡/廃棄/処分
ムール貝 Blue mussel (_Mytilus edulis_) / 2 (scale 0 to 5) / 2 (scale 0 to 5) / - / - / - / - / -
Affected population: 野生および養殖ムール貝 The mussels that were sampled are wild and found in the aquaculture farm with flat oysters, _Ostrea edulis_.