2017年10月13日

ペスト セーシェル,マダガスカル
トリパノソーマ症 チリ
ハンタウイルス 米国 MMWR

● 腸管出血性大腸菌 EHEC ノルウェー
PRO/AH/EDR> E. coli EHEC - Norway: RFI
Archive Number: 20171013.5378981
 情報源 Folkehelseinstituttet 2017年10月6日
8月以降,公衆衛生研究所 the Norwegian Institute of Public Health では,4人の患者から同じ型の大腸菌 the same variant of the bacterium _E. coli_ O157: H7 を確認している。8月中旬,The Norwegian Institute of Public Health に大腸菌 _E. coli_ O157: H7 infection に感染し,溶血性尿毒症症候群 Hemolytic Uremic Syndrome (HUS) を発症した,Møre og Romsdal 在住の小児患者が通報された。さらにそれぞれ Hedmark, Buskerud and Hordaland に在住する 3人の成人でも,the same bacterial strain を確認した。各患者の居住地が異なる reside in different counties ため,National Institute of Public Health が協力して調査を行った。現時点で,共通の感染源は明らかになっていない。

● ペスト セーシェル,マダガスカル(2件)
セーシェル
PRO/AH/EDR> Plague - Seychelles (04): poss. local spread
Archive Number: 20171013.5379530
 情報源 Medical Xpress 2017年10月13日
多数の死者が発生しているマダガスカルから波及したと考えられるペストが疑われる 2例の患者 suspected cases of plague が確認されたことを受け,セーシェル政府当局は 13日,各学校に休校を指示した。保健省は,この 2人の患者と接触した 320人について監視を行っている。ペストが疑われる症状のある合計 12人が,入院の上,抗生物質の治療を受けている。少なくとも 18日まで再開しないと発表されている。1週間前にマダガスカルから帰国した 1人を含む 2人の初期検査でペスト感染の可能性があると,保健省が明らかにした。確定診断のための検体が,the Institut Pasteur (in France)に週末送付するとしている。患者の中に Anse Boileau Elementary School on the main island of Mahe 小学校の生徒の 1人が含まれ,全校生徒に抗生物質が配られた 

マダガスカル
PRO/AH/EDR> Plague - Madagascar (18): fatal
Archive Number: 20171013.5378893
[1] 新たな感染例 New Madagascar Case Numbers
 情報源 Government of Madagascar [machine trans.] 2017年10月12日
全国で 35 districts においてペストアウトブレイク the plague epidemic が確認され,合計 561 reported cases of plague, including 415 pulmonary forms, 145 bubonic forms, and another unspecified case が報告されている。全体として,死者は 57 deaths となり,全国の致死率 a national case fatality rate of 10.2% (the ratio of deaths to the total number of cases reported)である。
The rapid rise of cases of _Yersinia pestis_ infection with a predominance of pneumonic plague (415/561 - 74%) is quite worrisome.
Date / Cases / Deaths
14 Sep 2017 / 28 / 5
30 Sep 2017 / 73 / 17
3 Oct 2017 / 194 / 30
5 Oct 2017 / 258 / 36
7 Oct 2017 / 343 / 42
8 Oct 2017 / 387 / 45
9 Oct 2017 / 449 / 48
10 Oct 2017 / 500 / 54
11 Oct 2017 / 561 / 57
The dates above are the day before each report was released.
The number of new cases per day, which appears to be increasing, starting on 5 Oct 2017 is:
5 Oct 2017 - 32
7 Oct 2017 - 43
8 Oct 2017 - 44
9 Oct 2017 - 62
10 Oct 2017 - 51
11 Oct 2017 - 61
[2] 抗生物質の感受性 Antimicrobial Sensitivities of Current _Y. pestis_ Isolates
 情報源 Pasteur Institute Madagascar [machine trans.] 2017年10月13日
ペスト菌の各種抗生物質に対する感受性のモニター Monitoring the susceptibility of strains of _Yersinia pestis_ to different antimicrobials は,a priority for the success of the National Program for the Control of Plague にとって重要である。現在発生中の菌 the emergence of strains について,the National Program が推奨する治療薬のストレプトマイシン streptomycin とスルフォナマイド sulfonamides に対する,感受性の低下や耐性,および,代替薬(テトラサイクリン tetracycline, シプロフロキサシン ciprofloxacin, クロラムフェニコール chloramphenicol)による治療についても評価を行っている。今シーズン開始以降,the 11 isolated strains 分離株について,これらの抗生物質に対して感受性を有すること sensitive to these antimicrobials を確認している。これらの菌株は Miarinarivo, Moramanga, Mahajanga, Tsiroanomandidy and Andramasina で分離された。
関連項目 Madagascar (17): South Africa (ex Madagascar) RFI 20171012.5375932

● 狂犬病 フランス スリランカから,インドネシア,アルジェリア
PRO/AH/EDR> Rabies (42): Africa, Asia, Europe, human, animal
Archive Number: 20171013.5379441
[1] ヒト,フランス スリランカから
 情報源 The Connexion 2017年10月11日
リヨン Lyon の病院に,スリランカ旅行中に迷子の子犬から狂犬病 rabies に感染した,10歳の男児が入院中である。The Institut Pasteur で,8月に受けた咬傷により同ウイルスに感染したことが確かめられた。受傷後,一切予防措置や治療を受けておらず,フランスでも受診していなかった。1日に脳の腫脹による症状が現れ,嚥下困難,精神錯乱,パニック症状などが認められるようになった。受診した the hospital centre at Villefranche-sur-Saône (Rhône)の医師が, the hospital in Lyon への救急搬送前に狂犬病と診断した。到着直後から状態は悪化し,心停止となったため,直ちに入院となった ... 他者への感染の可能性は低いが,念のため,友人,家族,担当医師らにワクチンが接種されている。また,同少年が滞在したスリランカのホテルに宿泊中の旅行者らに注意喚起が行われた。
[2] インドネシア,バリ
 情報源 Bali Discovery Tours 2017年10月7日
バリ島 the Village of Bebetin, Buleleng, North Bali の 32歳男性が,現地のイヌに 2度の咬傷を受けた後, 6日,the Buleleng General Hospital で死亡した。ガイドの仕事をしていたこの男性は,死亡する 2日前に,排尿困難を訴え受診した。カテーテル挿入後,外来通院患者として自宅に帰っていたが,その日のうちに呼吸困難のため,再診となった。親族によると,3日前に 6か月の子犬に足首を咬まれたが受診しなかった。さらに,その 6か月前にもイヌにより受傷し,そのイヌは死後狂犬病検査が陽性であることが確認されていた。にもかかわらず,男性はワクチンを接種していなかった
[3] アルジェリア Tizi Ouzo, human, animal
 情報源 L'expression [in French] 2017年10月5日
2010年から2017年までに the Tizi Ouzou University Hospital に報告された狂犬病感染患者の43 % が,the district of Boghni で確認されていることが,4日報告された ... このほか the Ouacifs, Azazga, Larbaa n'Ath Irathen and Ouaguenoune でも報告されている。the province of Tizi Ouzou での記録は,2017年の 1例を含む 9 cases of human rabies だった。50 % の患者が,ワクチンを接種されていない飼育動物 unvaccinated domestic animals が原因だった

● トリパノソーマ症 チリ

PRO/AH/EDR> Trypanosomiasis (Chagas Disease) - Chile: increase, northern Chile coast
Archive Number: 20171013.5379199
 情報源 Economia y Negocios [In Spanish] 2017年10月8日
2010年から2015年までの間に,シャーガス病症例 cases [Chagas disease] が,ボリビアからの移民を中心に 2倍に増えた。最も患者が多く報告されている地域は Calama である。the coast in Antofagasta の多数の住民が集まって,海藻の1種の the huiro などを採取することが,シャーガス病感染伝播のリスクを高めている。チリ北部の常在する a 'vinchuca' (a triatomine bug,サシガメ) の刺咬により感染する。トリパノソーマ the _Trypanosoma cruzi_ parasite の感染のあるほ乳類から吸血することで,ベクターは感染する。医療関係者らは,the coast of the 2nd Region の海藻採りの人々の間で感染が増加すると懸念している。この地域は,one 'vinchuca' species の 生息地域 the natural habitat で,海辺の鳥類やほ乳類のフンが落ちている。an endemic triatomine がいる海岸近くにたくさんの人々が集まることで,感染の機会が急増するとしている

● マラリア 南アフリカ
PRO/EDR> Malaria - South Africa (05): Kruger National Park
Archive Number: 20171013.5379198
 情報源 Lowvelder 2017年10月12日
国立公園の管理当局 Krüger National Park management からマラリア malaria に関する注意喚起がなされている。最近, Mpumalangas Ehlanzeni District Municipality において複数の感染が報告されたことを受け,公園は訪問者らに予防策を講じるよう呼びかけている。1日前の 11日に,Krüger National Park 公園南側も含めて,複数例の患者が報告されている。10月にマラリアシーズンが開始し,3月と4月に感染のリスクが最も高くなる。

● ブルセラ症 米国
PRO/AH/EDR> Brucellosis - USA (14): (TX) raw milk, B. abortus vaccine, poss 2nd case (TN)
Archive Number: 20171013.5376527
[1] 情報源 Dallas Morning News 2017年10月11日
薬剤が効きにくい菌 a drug-resistant strain と生の乳製品が関係するとして回収を行っていた,テキサス州の流通業者が販売を再開した。調査により,K-Bar Dairy's herd の 2頭のウシが,ミルクの中にブルセラ菌 _Brucella_ bacteria を排出していた。この菌は,感染のあるウシやヤギの生ミルク中で検出されることがある。ヒトでの感染は,未殺菌の乳製品の摂取によることが多い。以後の検査で,K-bar's milk または製造機器から新たな細菌が確認されなかったと,the Texas Department of State Health Services が 11日に明らかにした。
CDC News Release from 15 Sep 2017 regarding the episode
[2] EpiCore Report
 情報源 EpiCore Global Surveillance Project 2017年10月12日
テネシー州の医療施設 Regional One Medical Center in Memphis, TN の患者の培養検査で,9月1日頃にブルセラ菌 _Brucella_ (species not known) が確認された。検査機関のスタッフが同菌に暴露したと,the CDC に報告された; ただし,この人物に健康上の被害は発生していない。1人に対して予防内服が勧められたが,拒否された did not accept it。

● レプトスピラ症 米国
PRO/AH/EDR> Leptospirosis - USA (06): (PR) fatal, flooding
Archive Number: 20171013.5378718
 情報源 Center for Infectious Disease Research and Policy (CIDRAP) 2017年10月12日
20日のハリケーン Hurricane Maria が過ぎ去ったプエルトリコは,停電と大規模な洪水 extensive flooding を経験し,多くの人々が自宅と医療機関を受診する機会を失った ...
the Associated Press (AP)によると,プエルトリコの首長 governor of Puerto Rico は 11日の会見で,レプトスピラ症 leptospirosis により 4人が死亡し 10人の患者が発生したと述べている

● 腸管出血性大腸菌 EHEC 英国 O157
PRO/AH/EDR> E. coli EHEC - UK (04): (IW) O157, unpasteurized milk
Archive Number: 20171013.5378555
 情報源 BBC 2017年10月13日
ある農場の殺菌処理がされていないミルクにより,3人が大腸菌 _E. coli_ に感染した。The Isle of Wight のこの患者らは,溶血性尿毒症症候群 hemolytic uremic syndrome の治療を受けている。ほか 4人の感染者らは回復したと Public Health England が明らかにした。感染源とされたのは,Briddlesford Lodge Farm near Newport である。9月25日以前に Briddlesford Farm で購入された生のミルクは廃棄するよう勧告されている ... The outbreak の原因菌は the _E. coli_ O157 strain と確認されており,2016年3月にスコットランドで 3歳児が死亡する原因にもなった

● ハンタウイルス 米国

PRO/AH/EDR> Hantavirus - Americas (52): USA (TN, NV)
Archive Number: 20171013.5377661
[1] Tennessee
Notes from the Field: Multiple Cases of Seoul Virus Infection in a Household with Infected Pet Rats -- Tennessee, December 2016-April 2017.
 情報源 MMWR 2017;66:1081-1082 2017年10月12日
2016年12月,テネシー Tennessee 州の 18歳の女性が,発熱,悪寒,食欲不振,嘔気,血尿の症状を発症した。およそ 1週間後に医療機関を受診し,ウイルス性疾患と診断された。検査の結果,クレアチニンのみ異常高値(1.27 mg/dL; normal = 0.60-1.10 mg/dL)であったが,無治療で後遺症を残すことなく回復した。2017年1月,ラットの飼育家や飼い主らのソウルウイルス感染流行 an outbreak of Seoul virus infection が発生し ... テネシー州保健当局 the Tennessee Department of Health は患者が飼育していたラットと Seoul virus-infected rats に関連性があったと報告した ... 2017年4月後半,女性の 38歳の母親が,数日間続く発熱(受診時 40.3℃),食欲低下,倦怠感,息切れのため,救急受診し,検査所見として,クレアチニンの軽度上昇(1.13)と軽度の血小板数減少(14万3千)を指摘され,Seoul virus immunoglobulin M and immunoglobulin G 抗体が陽性であると確認された。
[2] Nevada
 情報源 KOLO 8 2017年10月11日
ハンタウイルスに感染した,A Washoe County resident が死亡したと,郡保健当局 the Washoe County Health District が明らかにした。2017年の 2例目の感染 the 2nd case of hantavirus で,Washoe County ではこれまで,1年間に複数の感染が確認されたことはなかった。患者が多数の齧歯類を見たと述べていた,the south Reno area の閉鎖空間 an enclosed area, garage, barn or shed で感染したとみられている。郡内でハンタウイルスによる死者が発生したのは,1995年以来。

● ダニ媒介性脳炎 スイス,コメント
PRO/AH/EDR> Tick-borne encephalitis - Switzerland (02): comment
Archive Number: 20171013.5379703
 投稿者 Steve Berger 2017年10月11日
スイスのダニ媒介性脳炎発生率 Rates (per 100 000) of tick-borne encephalitis [TBE] は,2000年以降やや増加傾向となり,現在,周辺国の中で最も高くなっている 1
関連項目 Tick-borne encephalitis - Switzerland 20171010.5371714

● ヒトメタニューモウイルス インド,コメント
PRO/EDR> Human metapneumovirus - India (02): (WB) comment
Archive Number: 20171013.5378647
 投稿者 Stephen Berger 2017年10月12日
10月時点で the Gideon database には 57 331 prevalence- and seroprevalence surveys の記録がある。human metapneumovirus in India のデータを以下に示す。
ニューデリー New Delhi の 5歳以下の小児の 60 % が seropositive toward human metapneumovirus であり,55歳までに 80 % 以上に達する(2011 publication)。

● 炭疽 ナミビア
PRO/AH/EDR> Anthrax - Namibia (07): (Bwabwata Natl Park) hippopotami, OIE
Archive Number: 20171013.5379463
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2013; 26(01) 2017年10月13日
Anthrax, Namibia, Recurrence of a listed disease
感染開始時期 2017年10月1日
前回流行時期 2017年4月
原因菌 Bacillus anthracis
新たな感染流行 (1)
Outbreak 1 (01/ANTH/2017): Mahango, Mbwabwata National Park, Mukwe, Kavango East: Natural park
種/頭数/感染数/死亡/廃棄/処分
カバ Hippopotamus: Hippopotamus amphibius(Hippopotamidae) / / 109 / 0 /0