2019年5月29日

ポリオ(40)-中央アフリカ共和国
ジフテリア-インド
麻疹(38)
  米国,カナダ,アイルランド,北マケドニア,ナイジェリア,マダガスカル
  フィリピン,ニュージーランド,中国
 エルシニア感染症-デンマーク,スウェーデン イタリア産ほうれん草

ポリオ(40)-中央アフリカ共和国
PRO/EDR> Poliomyelitis update (40): Central African Republic (MP,UK) cVDPV, WHO, RFI
Archive Number: 20190529.6493464
[1]
情報源 WHO AFRO 2019年5月25日
Bambari health district から,2例のワクチン由来ポリオウイルス感染例 cases of vaccine-derived poliovirus が報告された。The index case は急性弛緩性麻痺 acute flaccid paralysis [AFP] の症状を発症したが,the 2nd case は症状のない,発端となった症例の接触者 an asymptomatic contact of the index case である。2人はいずれも,その数が 8000人と見積もられている国内難民であり,ウイルスが感染伝播するリスクは高い。2人ともワクチンを接種していなかった。この地域のワクチンのカバー率50% であり,治安状況がアクセスを困難にしている。
[2]
情報源 Journal du Cameroun.com 2019年5月29日
中央アフリカ共和国保健相が,国内の the districts of Bambari (center) and Bimbo (south) で 2件のポリオ感染が確認された the existence of 2 polio outbreaks と,28日ラジオで発表した。患児らには重症の弛緩性麻痺があり,患児らの便検体検査の結果,ポリオウイルス感染が疑われていると述べた。この地域の多数の小児に,下肢の麻痺症状が見られるとしている ... ポリオウイルスの発生に加え,同国内では 2019年のこれまでに,hepatitis E in Bocaranga in the country's north west and yellow fever in the central region of Sibut の,合わせて 3件の流行が確認されている。
[3]
情報源 Reuters 2019年5月28日
中央アフリカ共和国で 2例のポリオウイルス感染が報告されていると,28日 the World Health Organization が明らかにした。24日に WHO に報告されたこれらの症例は,パキスタンやアフガニスタンで現在流行している野生株ウイルスではなく,"vaccine-derived" polio によるものとされている ... the Global Polio Eradication Initiative の最新のデータでは,2019年に 10 vaccine-derived polio cases : 8 in Nigeria, 1 in Somalia, and 1 in Democratic Republic of Congo が報告されている。Pakistan and Afghanistan は,24 cases of the wild type を報告している ... The risk of vaccine-derived polio cases を回避するためにできることは,経口生ワクチン live oral polio vaccines (OPV) -- which are highly effective, cheap, and easy to deliver but contain live virus -- から不活化ワクチン "inactivated" vaccines (IPV), which are not effective for fighting the wild type but contain no live virus に切り替えることである。
[4]
情報源 Reuters 2019年5月28日
およそ 3年前のナイジェリアでの最後の野生株ポリオウイルス確認がこの後くりかえされなければ,アフリカは来年 [2020] ポリオ排除を宣言できるかもしれない。WHO's Africa director は 28日,Africa's last case of wild polio が記録されたのは 2016年8月の Nigeria だったと述べた ...
Mod.MPP 注- the 3 media reports and short WHO AFRO report では,感染した症例から VDPVs が分離されたように書かれているが,genetic studies and confirmation from a reference lab の結果はまだ示されていない。患者の年齢,性別,検査結果の情報が期待される。重要な疑問として,分離されたポリオウイルスが遺伝学的に相同なのか,2 separate outbreaks といえる程度に相違するものなのか。また ([2] において) 2症例が one in Bimbo and the other in Bambari と述べられていることにについての疑問もある。難民となる前に同じ場所に住んでいたのでなければ,the AFRO report 後に,新たに確認された the addition of a 2nd case of AFP ということになるかもしれない。興味深いこととして,5月初旬の a media report from MSF (Médecins sans Frontières Doctors Without Borders) に,治安が不安点なため数年間(医療サービスから)切り離されていた a community in the south east part になんとかアクセスし,この地域でワクチン接種活動を開始した,とある。これは,これまでサービスを受けられなかったコミュニティへの新たなアクセスを意味し,それらの場所では相当期間にわたって,目立たない形で,かなりの a VDPV の感染循環が起きていたことが示唆される。また CAR は,この 12ヶ月間に何度も multiple outbreaks of cVDPV2 が発生しているコンゴ(民)と国境を接している点も重要である]
地図 the prefectures of the Central African Republic (CAR):Bimbo is located in Ombella-M'Poko prefecture, near to Bangui (the capital city). Bambari is located in Ouaka prefecture. 
関連項目 (39): Pakistan, Nigeria, politics of health 20190525.6487360

ジフテリア-インド
PRO/EDR> Diphtheria - India: (KL)
Archive Number: 20190529.6493463
情報源 The Hindu 2019年5月29日
Parassala [ケララ Kelara 州都で,州内第 2の人口を有する Thiruvananthapuram の南 34 km にある,人口 3万人あまりの町] の 10歳男児が,ジフテリアが疑われる症状 suspected diphtheria or tonsillitis のため SAT Hospital 病院に入院し,検査でジフテリア diphtheria 陽性と確認された。Kattakada の 21歳の学生 college student が 1月に検査陽性となったのに続き,2019年の 2例目の患者となった。男児は 22日に入院し,合併症を起こさず回復し 1-2日後に退院となっている。病院関係者によると,患児は 1期の接種を完了していたが,5歳時に受ける the booster dose of DT (diphtheria tetanus) vaccine 追加接種は受けていなかった ... 男児には抗ジフテリア毒素 the diphtheria anti-toxin が用いられ,家族全員にはエリスロマイシン予防投与 erythromycin for 10 days と追加接種 the Td vaccine as prophylaxis が行われた。

麻疹(38)
  米国,カナダ,アイルランド,北マケドニア,ナイジェリア,マダガスカル
  フィリピン,ニュージーランド,中国
PRO/EDR> Measles update (38)
Archive Number: 20190529.6492078
[1-6] 米国
 summary. 26 states report measles cases
情報源 KOBI-TV NBC5 2019年5月27日
 New York state, public health travel ban, New Jersey
情報源 North Jersey Record 2019年5月28日
 (King county, Washington state)
情報源 King County: Public health news and blog 2019年5月25日
A King county resident が麻疹検査で陽性と確認された。
All exposure locations in King county, including those from previous cases, are updated  
 (Auburn, King county, Washington state)
情報源 Kiro7 news 2019年5月19日
A 6th case of the measles now in Auburn [Washington] 。16日,40歳代女性が複数の公共の場所で他者を麻疹ウイルスに暴露させた可能性がある。
 (Sierra county, New Mexico)
情報源 Farmington Daily Times 2019年5月23日
州内ではおよそ 4年ぶりの麻疹感染例を確認。
 (Massachusetts)
情報源 Boston 25 news 2019年5月26日
25日,保健当局が a case of measles was diagnosed in a child in Massachusetts と明らかにした。2019年,州内で 2例目。
[7] カナダ (New Brunswick)
情報源 The Globe and Mail, The Canadian Press report 2019年5月26日
 ... Health officials in New Brunswick は,2 new cases of measles in the province, bringing the number of confirmed cases to 5 と明らかにした。いずれも the Saint John area の症例で,新たに 2例が確認されたのは 25日。Kennebecasis Valley High School ハイスクールでのアウトブレイクの既知の症例に関係していた。
[8] アイルランド: measles and mumps updates
情報源 Outbreak News Today 2019年5月21日
20日のアイルランド保健当局 the Ireland Health Protection Surveillance Centre (HPSC) からの最新情報によると,年初以降,59 measles and 1224 mumps cases が報告されている。an outbreak of measles が Donegal in 2019 で宣言されている。
[9] 北マケドニア
The situation of measles in the Republic of North Macedonia in 2018-2019 23 May 2019
情報源 Institute for Public Health of the Republic of North Macedonia 2019年5月29日
2018年12月の流行開始から 今月23日までに,1625 cases of measles in the Republic of North Macedonia が報告されている。the entire territory of the Republic of North Macedonia にアウトブレイクが宣言されている。居住地をもとに 23 towns での感染が確認されており,925 cases from Skopje, Kumanovo 189, Tetovo 136, Struga 112, Kicevo 56, Veles 40, Gostivar 42, Ohrid 25, Gevgelija 19, Debar 27, Prilep 10, Stip 11, Prilep 10, and in other cities less than 10 cases were registered. The highest incidence is registered in Skopje (149.8/100 000, Struga (165.1/100 000, Kumanovo 132.5/100 000) が確認されている。
[10] ナイジェリア (Borno state)
情報源 Outbreak News Today 2019年5月26日
国連保健機関の当局者は,ナイジェリアで 2019年初以降,all 36 states and the Federal Capital Territory (FCT) において大規模な麻疹感染流行が発生していると述べた。2万9千例近い患者と 89例の死者が報告されており,その半数以上が Borno state (15 237) の患者となっている ...
[11] マダガスカル: cases decreasing
情報源 Outbreak News Today 2019年5月25日
WHO は,マダガスカルの麻疹流行は,2月以降減少傾向が見られるとしている。2018年9月から2019年5月までの 8ヶ月間に,145 136 cases が報告され,14歳以下の感染が最も多かった。1万9千例に合併症が見られ,909人が死亡した。
[12] フィリピン: WHO UNICEF Philippines: measles outbreak situation report 11, 27 May 2019
情報源 WHO UN Children's Fund 2019年5月27日
2017年後半に Mindanao で始まった現在の流行により,2018年に 20 827 cases with 199 deaths が報告された ... measles outbreaks in 5 regions (region NCR [National Capital Region], III, IVA, VI, VII) に 7 Feb 2019 アウトブレイクが宣言されたが,患者は all 17 regions から報告されている。 
Current situation
Between 1 Jan and 11 May 2019, 34 950 measles cases including 477 deaths were officially reported through the routine surveillance system from the DoH, with a case fatality rate (CFR) of 1.37% (see table 1 --available at the source URL above).
[13-14] ニュージーランド
 (Lower Hutt, Wellington)
情報源 1 News Now 2019年5月24日
18日の Lower Hutt [Wellington] のパーティーの約 80人の出席者の 1人が麻疹に感染していた
 outbreak update
情報源 Outbreak News Today 2019年5月27日
オークランド保健当局 The Auckland Regional Public Health Service は,年初以来 71 例が確認されていると明らかにした。全国では 158 measles cases year to date が報告されているが,147人はワクチン接種が不完全だった。
[15] 香港
情報源 South China Morning Post 2019年5月28日
香港の the Gucci outlet 隣のショップの店員が新たに感染していたことが判明し,2019年のこれまでに確認された症例は 75例となった。2018年は 15例,2017年は 4例だった。
[16] Vaccination
情報源 The Economist, Science and Technology 2019年5月25日

エルシニア感染症-デンマーク,スウェーデン イタリア産ほうれん草
PRO/AH/EDR> Yersiniosis - Denmark, Sweden: spinach, ex Italy
Archive Number: 20190529.6492672
情報源 Food Safety News 2019年5月28日
50例以上の患者が確認されている,デンマークとスウェーデンのエルシニア感染症アウトブレイクに,ほうれん草 fresh spinach が関係していた。デンマークの研究機関 Statens Serum Institut, a public health research institute in Denmark が,国内で 20例の感染を報告している。1例に入院治療が必要だった。スウェーデン保健当局 The Public Health Agency of Sweden も 37 confirmed cases を報告している。2019年3月,20例の cases of _Yersinia enterocolitica_ [infection] 賀宴マーク国内で確認された。年齢は 2から 74歳だが,多くが 20-30歳だった。Hovedstaden, Sjaelland, Syddanmark, Midtjylland, and Nordjylland のデンマーク国内各地で発生した。症例対照調査で,イタリアからのほうれん草との関連が示唆されている。2019年3月,デンマークのほうれん草はほとんどがスペインまたはイタリアから来ていた。特定のバッチは確認されていないため,産品の検査は行われていない ... ほうれん草が購入されたのは,Netto およびスウェーデンのスーパーチェーン店だった。3月以降は患者は確認されていないため,問題の食品はすでに市場にはないとみられている。原因菌は _Yersinia enterocolitica_ serotype O3, biotype 4 で,遺伝学的検査ですべての患者が同一の菌 the same bacterial strain に感染したと確認されている ... デンマークでは年間約 400例のエルシニア感染 _Yersinia enterocolitica_ cases a yearが確認されるが,2018年は 366例が報告されている。スウェーデンにおいては,2019年3月以降にエルシニア症例の増加が始まっており,国内全域で 37例が確認された。いずれの患者の自宅にもほうれん草が残されていないため,食品の検査は行われていない。スウェーデンでは年間 200-300例と比較的まれな疾患である。過去のアウトブレイクは,生または調理不十分な肉の摂取と,調理済み野菜 ready-to-eat vegetables の汚染が原因であった。3-7日間の潜伏期間後,fever, diarrhea, and abdominal pain in the right lower part of the abdomen の症状が見られる。

原因不明のウイルス,カボチャ-バングラデシュ
PRO/PL> Undiagnosed virus, pumpkin - Bangladesh: (RP)
Archive Number: 20190529.6492518
情報源 Dhaka Tribune 2019年5月27日
Thakurgaon [district] pumpkins カボチャが,mosaic と呼ばれるウイルスの病気の被害を受けている。

ダニ熱-オーストラリア ウシ
PRO/AH/EDR> Tick fever - Australia (02): (NS) cattle
Archive Number: 20190529.6491782
情報源 Northern Star 2019年5月27日
the Northern Rivers region においてこの数週間に 5頭のウシがダニ熱 tick fever で死亡した。3 cows on a property in the Tweed and 2 on a holding in the Lismore area の死亡が確認されている。

ホスフィンガス中毒-アラブ首長国連合 死亡
PRO/AH/EDR> Phosphine gas poisoning - United Arab Emirates: fatal
Archive Number: 20190529.6491781
情報源 Khaleej Times 2019年5月27日
Al Nahda において,隣のアパートで使用された,使用が禁止されている殺虫剤により10歳の男児が死亡したと,警察が明らかにした。24日に死亡したこのパキスタン人家族の少年の ... 隣のアパートの住人は,殺虫剤を噴霧してドアを閉めた後,バカンスのため国外に出国している。使われた殺虫剤は,居住区域での使用が禁止されている aluminum phosphide だったとの情報がある ...