2022年1月21日

COVID-19(25)米国 nocebo effect ユニバーサルワクチン

● サル痘 コンゴ(民)
Date: 2022-01-21 22:26:53
Subject: PRO/AH/EDR> Monkeypox - Africa (02): Congo DR
Archive Number: 20220121.8701015
 情報源 Outbreak News Today 2022年1月20日
[The following report provides a summary of monkeypox cases for 2021.]
保健当局は新たに,過去 2週間の 2例の死亡例を含む 189例の患者を報告し,2021年の年間症例数は 3087 cases with 83 deaths (case fatality rate [CFR] 2.7%) となった。2020年の報告数 a total of 6257 suspected cases including 229 deaths (CFR 3.7%) の半数以下であった。
関連項目 2021
Monkeypox - Africa (10): Congo DR (MN) 20211210.8700185

● ハンタウイルス チリ
PRO/AH/EDR> Hantavirus - Americas (04): Chile (LG,NB)
Archive Number: 20220121.8700987
[1] Los Lagos
 情報源 Biobio Chile [in Spanish] 2022年1月18日
16日,Majllin in the Los Lagos region の,ハンタウイルス hantavirus 感染が疑われていた男性 1名が死亡した。the Astillero sector が感染した地点の疫学調査を行っている。15日の迅速検査の結果は陽性だった。
[2] Nuble
 情報源 Biobio Chile [in Spanish] 2022年1月12日
12日,2022年の the Nuble region における初めてのハンタウイルス感染による死者が報告された。29歳の男性で,the Andes area of the region において趣味のつりをしたあと,感染した。7日,the Herminda Martin Clinical Hospital で死亡した。
 
● 告示 Hospital for Tropical Diseases monthly centenary lectures
 情報源 Hospital for Tropical Diseases via Eventbrite 2022年1月21日

● 髄膜炎菌性髄膜炎 英国 B型

PRO/EDR> Meningitis, meningococcal - UK: (England) students, sg B
Archive Number: 20220121.8701008
[1]
 情報源 Hull Daily Mail 2022年1月19日
イングランド England の学生の間で,B型髄膜炎菌感染例 Meningitis B cases among students が急増しており,プレパンデミックレベル pre-pandemic levels を超えたと,英国保健当局 the United Kingdom Health Security Agency (UKHSA) が発表した。小児期に国民のほとんどがワクチンを接種されているにもかかわらず,B型髄膜炎菌 Meningococcal group B bacteria は死亡するおそれのある疾患となっている。学生,とりわけ大学生に感染の危険があることを示すデータである,と説明されている。2021年9月から11月までの間の髄膜炎症例の 41.5%15歳から19歳の年齢層であったが,2018年と2019年の割合はそれぞれ 11.8% と 14.3% にとどまっていた。
急増の原因として,COVID-19 に対するロックダウン解除後の,人々の感染対策の緩みがあげられている...
[2]
 情報源 Meningitis Research Foundation 2022年1月19日
2021年9月までの髄膜炎菌性疾患の発生は歴史的な低さだったが,2021年秋にティーンエイジャーと若年成人の症例数が急増しており,UKHSA data によれば,cases in 15-19 year oldspre-pandemic levels を上回るとされている。そのほとんどが meningococcal group B (MenB) 感染によるものとされている。対照的に meningococcal group W (MenW) はわずか just 6% of cases であり,2021年9月から11月までの期間中 MenY or MenC の症例はは確認されなかった。すなわち,ティーンエイジャーを対象として 2015年に開始された the MenACWY vaccination programme により,これらの菌による疾患の発生率は低く抑えられた状態が継続している ... 確認されたすべての症例のうち,cases among the 15-19 and 20-24 age groups from September to November 2021 において,85% (22 of the 26 confirmed cases) は college and university students だった。the MenACWY vaccine の有効性は保たれているが,乳児を対象に導入された routine MenB vaccine は,症例数が少ない teenagers and young adults MenB disease ワクチン接種の対象となっていないため感染する可能性がある。
[Mod.ML- 現在の英国の MenB vaccine 接種スケジュールは,生後 8週と 16週となっており,12か月の時点で a MenB vaccine booster and MenC vaccine を受けることになっている。さらに 14歳で serogroups A, C, W and Y (MenACWY) に対するワクチンが接種される。英国で Meningococcal B vaccine 接種が導入されたのは 2015年9月で,乳児の感染 cases of invasive MenB disease が 72% 減少した。しかし,2021年秋の英国内で。ティーンと若年成人の間で group B meningococcal disease を中心とする髄膜炎菌感染症の増加が発生した。大学入学時の MenB vaccine 接種勧奨は妥当かもしれない。
参考文献 An increase in group B invasive meningococcal disease among adolescents and young adults in England following easing of COVID-19 containment measures. SSRN. 2021] 
関連項目 2021
Meningitis, meningococcal - UK (02): (England) college students, RFI 20211111.8699590

● ネオスポラ(寄生虫)英国 ウシ
PRO/AH> Neospora caninum - UK: (England) cattle, prevention
Archive Number: 20220121.8701002
 情報源 BBC News 2022年1月19日
2021年春に the [New Forest] National Park に放牧したウシ 38頭のうち,18頭のウシが子どもを失った。検査によりいずれもネオスポラに感染していた。ウシの寄生虫で,イヌの糞便からも検出される ... 原文参照願います。

● アフリカ豚熱 タイ,マレーシア
PRO/AH> African swine fever - Asia (05): Thailand (BM,NP), Malaysia (SK) domestic, FAO
Archive Number: 20220121.8700997
 情報源  FAO - African swine fever situation in Asia & Pacific update, 2022 2022年1月20日
1. Thailand reported ASF outbreak for the first time.
2. Malaysia reported the first detection of ASF in Sarawak State in January 2022, affecting 3 backyard farms in Durin, Sibu.

● COVID-19(25)米国 nocebo effect ユニバーサルワクチン

PRO/AH/EDR> COVID-19 update (25): USA masks, nocebo effect, universal vacc, WHO
[1] 米国: distribution of N95 masks
 情報源 CIDRAP (Center for Infectious Disease Research and Policy) 2022年1月19日
バイデン大統領は 19日,全米の保健センターおよび薬局で 4億枚の N95 マスクを配布することを明らかにした。18日に 1家庭あたり月に最大 4個の無料検査キットを無料でオーダー可能との発表に続くニュースとなった。N95 マスクは政府の戦略的備蓄から配布されるもので,適切に使用すれば空気中の粒子の 95%以上が濾過されるという ... The CDC Nowcast は,米国の 99.5% of new COVID-19 cases をオミクロン変異株の患者が占めると推定し,過去の変異株に比べて感染緑芽強いため,再びマスク着用が義務化された。
Almost 1 million child cases
From [6 Jan to 13 Jan 2022] 全米で 981 000 child COVID-19 cases 報告され,前週に比べ 69% 増加した。
COVID-19 infection, vaccines both protect against delta
19日の CDC の報告 its Morbidity and Mortality Weekly Report によると,デルタ株 the delta variant に感染した患者は,それ以前に COVID-19 に感染したり,ワクチンを接種したりしていれば,感染既往が無くワクチンも未接種の場合に比べ,良い結果が得られた fared better。この調査は New York and California の患者らについて 2021年5月から11月までの期間に実施され,当時はいずれの州でもデルタ株が優位であった。6月にデルタ株が優位になるまでは,ワクチン接種のみで感染のない人に比べ,既存の感染のある人々の(再)感染率の方が高かったが,2021年10月初旬までに,過去の感染歴のある人の感染率が,ワクチン接種のみ(感染歴なし)より低くなった,とされている。[COVID-19 cases and hospitalizations by COVID-19 vaccination status and previous COVID-19 diagnosis -- California and New York, May-November 2021. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. ePub: 19 January 2022. doi: 
著者らは,オミクロンの場合には適応できない,とも述べている。The CDC COVID Data Tracker によると 63% of Americans are fully vaccinated against COVID-19, 75.1% have received at least one dose of vaccine, and 38.7% of vaccinated Americans have received a booster dose.

[2] Nocebo effect

 情報源 CIDRAP (Center for Infectious Disease Research and Policy) 2022年1月19日
COVID-19 vaccine clinical trials ワクチン臨床試験において,プラセボを投与された参加者の 1/3以上が,頭痛,倦怠感などの副反応を訴え,the "nocebo effect" と考えられることから,初回接種後の副反応報告全体の 76% 実際は副反応ではない可能性があると,18日の JAMA Network Open 掲載のメタアナリシスで示された。[Frequency of adverse events in the placebo arms of COVID-19 vaccine trials. A systematic review and meta-analysis. JAMA Netw Open. 2022;5(1):e2143955. doi:]
Beth Israel Deaconess Medical Center (BIDMC) in Boston および米独の研究者らが,2021年7月までに発表され,22 802 vaccine recipients and 22 578 placebo recipients が参加したランダム化臨床試験についての 12件の論文について解析を行った。The nocebo effect は,薬剤やワクチンを投与された臨床試験の被験者が,そういう副反応が起こると予測することだけで起こる...
Lower AE rates with placebo after 2 doses
全身性の副反応は,プラセボ群の第 1回目接種後では 35.2% に認められ,最も多かったのは頭痛 (19.3%) と倦怠感 (16.7%) であった; after the 2nd dose では,頭痛の報告は 16.2% で倦怠感は 14.9% となった。一方,ワクチンを接種された群では,1回目接種後に 46.3% of vaccine recipients が何らかの全身性副反応を報告した。2回目接種後,placebo group の副反応報告は低率 (31.8%) であったが,ワクチン接種群では高率 (61.4%) だった。局所の副反応(接種部位の痛みなど)についてはそれぞれ,16.2% of placebo recipients and 66.7% of vaccine recipients after the 1st dose and 11.8% and 72.8%, respectively, after 2 doses との結果であった。
nocebo responses について,1回目接種後は 76.0% of systemic AEs and 24.3% of local AEs であり,2回目接種後は 51.8% of systemic AEs and 16.2% of local AEs となった。
1回目接種後の重症度 severity grades は同じであったが,2回目接種後はワクチン接種者でより中等度~重度の副反応が報告された。
Results could help address vaccine hesitancy
In a BIDMC press release, the researchers said that nocebo responses are common in randomized clinical trials. 
ワクチンの臨床試験の参加者らに配られるパンフレットには,一般的な副反応である頭痛や倦怠感について書かれている。

[3] ユニバーサルワクチン Universal coronavirus vaccine

 情報源 National Geographic 2022年1月19日
1本で many SARS-CoV-2 variants が予防できるワクチンの開発競争が行われている。ワクチンや製薬メーカーは,オミクロンのような新たな変異株が新興するたびに製造方法を見直さなければならない状況にある。2021年12月,ワクチン製造メーカーがオミクロンに特異的なワクチン製造に言及したが,the University of Virginia Medical Center の専門家は,オミクロンが最後の変異株となるわけではなく,変異し続けることは明らかであり,COVID-19 さらにはすべてのコロナウイルスに対する,ユニバーサルワクチンが必要と述べた。
多くの研究が,SARS-CoV-1 and SARS-CoV-2, and some SARS-like bat viruses などが属し,動物からヒトに種を越えて感染する能力を有する sarbecoviruses を対象に行われている。動物モデルでの初期実験では有望な結果が得られていると,some SARS-like viruses に対するユニバーサルワクチンを開発中の the California Institute of Technology の構造生物学者 structural biologist Pamela Björkman が述べた。
One vaccine, multiple coronaviruses 
複数のコロナウイルスおよびその変異株に対し,広範囲の免疫反応を誘導することが目標である。
最も進んだ段階にあるのは,ヒトでの第 1相臨床試験を行う the Walter Reed Army Institute of Research の研究者らによるワクチンである。インフルエンザのユニバーサルワクチン製造のための技術を転用し,サッカーボール状のナノ粒子の24面体に the original SARS-CoV-2 spike protein スパイクタンパクのコピーが取り付けられている。サルでの研究 Peer-reviewed research で,SARS-CoV and SARS-CoV-2 and its major variants (excluding omicron, which was not tested) を中和し,動物細胞への侵入をブロックする抗体の産生が認められた。多面体のナノ粒子上のコロナウイルス・スパイクタンパクが,多重的に整然と呈示されることで,免疫が刺激され,相当広範囲の防御作用が誘導される,と説明されている。現在,第 1相臨床試験のデータが解析中である。
もう 1つのユニバーサルコロナウイルスワクチン開発の試みは,外部からの侵入物に対する免疫反応の一部として抗体が結合する際の,緩徐に進化し(変化の少ない),遺伝学的・構造的に類似するウイルスの領域をターゲットとするもので,T 細胞と呼ばれる体内の免疫細胞が関与する。たとえば a pan-coronavirus vaccine の開発に取り組むある研究者は,コロナウイルスが宿主細胞に進入するのを助けるスパイクタンパクの一部である,融合ペプチド領域 the fusion peptide region を狙っている。あらゆるコロナウイルスにおいて,この領域はきわめて保存され extremely conserved among all coronavirusesほとんど変異がないと述べられている。a SARS-CoV-2 fusion peptide を用いてこの理論を証明するためのブタでの実験を行い,porcine epidemic diarrhea virus と呼ばれる(SARS-CoV-2 と)異なるコロナウイルスに対する,ワクチンによる一定の感染防御作用を示した。
一方で,the spike protein's receptor-binding domain (RBD,スパイクタンパク受容体結合ドメイン) と呼ばれるより特異的な対象にも着目し,スパイクのこの部位に抗体が結合することで SARS-CoV-2 の宿主細胞への侵入が阻止される。変異を生じ変異株が生まれる場所でもある。ワクチン開発のため,SARS-CoV-2 のほか,コウモリから分離されたコロナウイルスなど 8種類のウイルスの RBD proteins が,60面のナノ粒子上に取り付けられた。このワクチンをマウスに接種したところ種々の抗体 diverse antibodies が産生され,追加実験により,このワクチン製造に用いられなかった種のコロナウイルスも含めた,several SARS-like viruses の感染を阻止した。動物の免疫システムが複数のコロナウイルスに共通の形状 common features 認識したもので,複数のウイルスから選択したピースをちりばめたワクチン mosaic vaccine は,新たなウイルスや変異株が新興した場合にも有用であるかもしれないと述べられている。現在ヒトへの接種を目指している。
the Duke Human Vaccine Institute の研究者も the RBD に注目しているが,すべてのコロナウイルスに対するワクチン a pan-SARS-like virus vaccine 作成のため,きわめて特異的な部分 a very specific part を狙う。2020年前半のパンデミック開始期から,SARS-like viruses を不活化させる抗体を追求している。冷凍保存された SARSSARS-CoV 感染)から回復した患者と,COVID-19 の既感染患者の細胞内の抗体を調べ,DH1047 と命名された強力な抗体を発見した。この抗体はいずれの患者の細胞内にも発現し,SARS-CoV-2 variants を含む様々のコウモリやヒトのコロナウイルスを接種したマウスの感染を阻止した。さらに詳しく調べたところ,この抗体は異なるコロナウイルスのスパイクタンパクのレセプター結合部位 the spike protein's RBD において,同じ小部分に結合することが判明したため,ワクチンのターゲット部分に決まった。多数の同部位 multiple copies of this SARS-CoV-2 RBD piece をナノ粒子に付着させサルに接種する実験で,ワクチンにより,SARS-CoV-2 だけでなく,他のコロナウイルス感染に対しても防御作用が示された ... SARS-like viruses 以外に,MERS and other more distantly-related coronaviruses 等に対する有効性についても解明の努力が続けられている。
[参考 Universal coronavirus vaccines -- an urgent need. NEJM. 15 Dec 2021. doi: ]
[4] WHO: daily new cases reported (as of 19 Jan 2022)
 情報源 WHO 2022年1月19日https://covid19.who.int/table
 Grand total: 332 617 707 (3 156 986) / 5 551 314 (6889)
[Data by country, area, or territory for 19 Jan 2022]
[5] Global update: Worldometer accessed 19 Jan 2022 21:37 EST (GMT-5)
 情報源 Worldometer 2022年1月19日
Total number of reported deaths: 5 583 850
Total number of worldwide cases: 339 486 288
Number of newly confirmed cases in the past 24 hours: 4 193 723
[A 7-day series of cumulative totals reported by countries, territories, and reporting entities]
関連項目 
COVID-19 update (24): USA home tests, Europe & Asia action, omicron, WHO 20220119.8700977