2022年2月15日


● レプトスピラ症 フィジー 洪水関連
PRO/AH/EDR> Leptospirosis - Fiji: fatal, flood-related
Archive Number: 20220215.8701482
 情報源 Food Safety News 2022年2月15日
フィジー Fiji で過去 1ヶ月半のあいだに 11人がレプトスピラ症 leptospirosis のため死亡した。15日保健当局者 Fiji's Permanent Secretary for Health が,死者の多くは 16歳から 35歳までの年齢で,最も若い患者は 6歳だったと述べ,1月以降合計 74例が確認され,さらに多くの臨床診断例があると説明した。最近の洪水 the recent floods のあと,the Western Division でレプトスピラ症による入院が増え,治療の遅れがよくない結果につながっていると述べた ... 皮膚の傷や目鼻口を通じ細菌が侵入することが原因であるが,汚染のある水の飲用も感染につながるおそれがある。 
参考項目 2020
Leptospirosis - Fiji: (CE, NO) USA travel alert 20200928.7819377

● 肝炎 インド
PRO/EDR> Hepatitis - India: (JK) susp, waterborne, RFI
Archive Number: 20220215.8701476
 情報源 Greater Kashmir 2022年2月14日
a locality of Jawahar Nagar area of Rajouri town において,黄疸のアウトブレイクが疑われ,幼い子どもを持つ親の間で不安が拡がっている。当局による水質調査などが行われている。

● マラリア スペイン 熱帯熱

PRO/AH/EDR> Malaria, P. falciparum - Spain: (AN) RFI
Archive Number: 20220215.8701477
 情報源 Outbrealk News Today 2022年2月15日
アンダルシア政府当局 The Andalusian Government は,昨年 12月の the Quirónsalud Campo de Gibraltar private hospital, in Algeciras (Cádiz) での出産後に,マラリア malaria を発症した女性患者について調査を行っている。女性は,いずれのマラリア発生地域 endemic の国にも渡航していなかった。公衆衛生当局は,何らかの理由で医療施設内での感染が発生したとの見方を強めている。医療器具が熱帯熱マラリア the _Plasmodium falciparum_ parasite で汚染されていたと説明している。病院側はこれを否定しており,病院内または院外で女性を刺咬した蚊が感染源としている。この女性は 2021年12月末に入院し,出産中に様々な合併症に苦しんだがその後改善し,母児ともに速やかに退院となった。しかし,(退院の) 3日後に不快感 complaining of discomfort を訴え救急室を受診した。診察 the scans の結果問題はないとされ帰宅を指示された。その数日後に再び同院を受診し,発熱,痛み feveraches, and pains の症状があり,マラリアと診断された。女性の状態は悪化しており,集中治療室に入院し治療を受けた結果,回復したと,病院広報は説明している。当初,出産時の出血に対して行われた輸血が感染の原因とみられていたが,献血された血液のサンプルの検査で否定された。スペインでは数十年前から献血された血液すべてについて,マラリアを含む感染症に対する様々な検査が行われている。専門家 The researchers は蚊が感染源とみており,通常は冬季に姿を消すが,some warm areas of the province of Cádiz 地域では一部蚊が (冬の間も) 生息し続けている可能性があると述べている。この仮説に対して保健当局は,スペインでもっとも多くみられるハマダラカ the most common _Anopheles_ species in Spain である _A. atroparvus_ は,三日熱マラリア原虫 _Plasmodium vivax_ など他のマラリアのベクターで,熱帯熱マラリア原虫 the _P. falciparum_ malaria 伝播しない,と反論している。蚊族による感染の可能性を支持する根拠を得るためには,熱帯熱マラリア原虫を感染伝播する種類のハマダラカ mosquitoes of the genus _Anopheles_ を,昆虫学的調査で確認しなければならない,とされている。
[Mod.EP- a malaria-infected _Anopheles_ mosquito による感染との仮説の可能性はかなり低い highly unlikely。熱帯熱マラリア原虫が蚊族の個体内で成長するためには,人体外での生育期間 the extrinsic development period である 8日間を通して最低気温が 20℃である必要がある。[当該地域の ?] 12月の夜間の平均気温は 12℃であることから,蚊媒介性感染は除外される。もしもこの女性がマラリア感染のある熱帯アフリカで生まれ育ったのであれば,数年間にわたって潜在性感染があり,妊娠によって顕性感染となった可能性はある。そして最後に,そして最も可能性が高いのは,院内感染である。ProMED でも 2017年のイタリアでの感染例を報告しており,同じ病院内で同時期に入院中であった,1人がマラリア感染の 2人の患者の間で院内感染があり,遺伝学的な証拠により証明されている。Algeciras の病院で,同じ時期にマラリアで入院していた患者や,マラリアが疑われる職員がいなかったか,調査する必要がある。]
関連項目 2017
Malaria - Italy (04): fatal case, genetic analysis: 20171104.5424421

● 原因不明の死亡,野生動物 インド
PRO/AH/EDR> Undiagnosed deaths, wildlife - India: (GJ) sambar deer, zoo, FMD susp, RFI
Archive Number: 20220215.8701475
 情報源 Times of India Times News Network (TNN) 2022年2月14日
Sayaji Baug zoo 動物園で飼育されていた 13頭のインド最大のシカ Sambar deer が,3週間のあいだに次々に死亡した。園関係者は,口蹄疫 foot-and-mouth disease (FMD) が発生していた,と述べている ... 

● 鳥インフルエンザ セネガル,カメルーン
PRO/AH/EDR> Avian influenza (46): Africa (Senegal, Cameroon) wild, poultry, HPAI H5N1, OIE
Archive Number: 20220215.8701462
[1] セネガル Senegal (Saint-Louis): great white pelican, HPAI H5N1
Highly pathogenic avian influenza viruses (poultry) (inf. with), Senegal
 情報源 OIE-WAHIS (World Animal Health Information System) 2022 2022年2月14日
感染開始時期 25 Jan 2022
前回流行時期 1 Feb 2022
病原体 Highly pathogenic avian influenza virus,Serotype: H5N1
Outbreak location: Pelican nesting box (0.58 ha of surface) at the Djoudj National Bird Park, Ndiaye Mberess, Dagana, Saint Louis.
種/個体数/感染/死亡/廃棄/と畜/ワクチン接種
Great White Pelican (_Pelecanus onocrotalus_): Pelecanidae-Phaethontiformes / 11563 / 883 / 758 / 0 / 0 / 0
Affected populationGreat white pelican (_Pelecanus onocrotalus-). Out of 758 dead animals, 754 young animals and 4 adults.
[2] カメルーン Cameroon (Ouest): poultry, HPAI H5N1
Highly pathogenic avian influenza viruses (poultry) (inf. with), Cameroon
 情報源 OIE-WAHIS (World Animal Health Information System) 2022 2022年2月14日
感染開始時期 29 Jan 2022
前回流行時期 27 Mar 2017
病原体 Highly pathogenic avian influenza virus,Serotype: H5N1
Outbreak location: Kongso-Bamengoum, Bafoussam 3, Mifi, Ouest,farm
種/個体数/感染/死亡/廃棄/と畜/ワクチン接種
Affected population: these are 52-week-old laying hens. The birds are kept in buildings with an automatic water distribution system.

● 麻疹 アフガニスタン
PRO/EDR> Measles update (03): Afghanistan, WHO
Archive Number: 20220215.8701472
 情報源 WHO Disease Outbreak News 2022年2月10日
アフガニスタンにおいて麻疹 Measles が endemic となっている。2019,2020年に一旦減少していたが,2021年にはすべて地域で患者数が増加している。
From 1 Jan 2021-29 Jan 2022, 35 319 suspected measles cases were reported in Afghanistan, of which 3221 (9%) were laboratory-confirmed by IgM-ELISA in the 7 reference laboratories (1 national and 6 regional).  ... 
The most affected provinces, with the highest number of reported cases (confirmed and suspected) are Balkh, Ghazni, Helmand, Kandahar, Kabul, Paktika, and Paktya.  ... 

● クリミアコンゴ出血熱 モーリタニア

PRO/AH/EDR> Crimean-Congo hem. fever - Africa: Mauritania
Archive Number: 20220215.8701355
[1] 情報源 Le Matin [in French] 2022年2月14日
13日,モーリタニア保健省 The Mauritanian Ministry of Health から,2月はじめの 2例のクリミアコンゴ出血熱 cases of Crimean-Congo hemorrhagic fever の確認が発表された ... 
[2] 情報源 Al Akhbar [in Arabic] 2022年2月13日
公衆衛生当局者 Director-General of Public Health が 13日の会見で,a Nouakchott hospital および国内のもう 1カ所の病院からの,2例のクリミアコンゴ出血熱感染例の報告があったと明らかにした。この 2例は同じ地域の患者で,1つの自治体 the governorates 内の牧畜地域 a pastoral area と説明されている。モーリタニアでは毎年 1ないし2例が報告されており,動物との接触のある職業に就く人々であることが多い。
[Mod.- The 1st case が先週報告 (https://nouakchot.com/article/24753; in Arabic) されている。西アフリカでのヒトの感染のほとんどが,モーリタニア西部からの報告である。1983年にはじめて報告された患者は,Selibaby, Guidimakha region でラクダとウシを飼育していた。その後,the Trarza region でヒツジと関連する症例の報告があり,2003年には a major outbreak, involving 35 persons in Nouakchott, along with secondary infections among hospital staff(院内での 2次感染), and sporadic reports from Brakna and Hodh Elgharbi regions が報告された。2015年のリフトバレー熱アウトブレイク中 during a Rift Valley fever outbreak in Mauritania の調査で,6/184 (3.3%) samplesmostly from the southern part of the country が。CCHF viral RNA 検査で陽性だった。動物の調査でも,高い感染陽性率が示されている。この地域での Most cases of CCHF は,12月から7月までの長い乾期に報告されている]

● 薬物中毒 ドイツ 薬物混入アルコール飲料
PRO/AH/EDR> Poisoning - Germany: (BY) spiked champagne, fatal
Archive Number: 20220215.8701466
 情報源 DW 2022年2月14日
ドイツ検察当局は 14日,Bavaria の集団でおきた中毒は,Ecstasy が混入されたシャンパンの飲用が原因と発表した。13日夜,the Bavarian city of Weiden のレストランで,何かが混入した飲み物 contaminated drinks を摂取したあと,52歳男性が死亡し,ほか数名が重篤な状態となった。初期の捜査によると,発病者全員が,注文した同じ瓶に入った飲み物を飲んだ後,中毒症状を発症した。警察と救急が駆けつけたとき,多くが床に倒れていた。33歳から 52歳までの合計 8人が複数の病院に搬送され,このうち 52歳の男性が当日夜に死亡した。残りの患者らは危機を脱し,現在治療を受けている。通常シャンパンには含まれていない物質が瓶内から検出され,中毒を引き起こす毒物であった,と検察当局者が説明した。シャンパン内に認められた相当高濃度の中毒物質Ecstasy であったとした上で,混入経路は今のところ不明と述べた。過失致死の疑い? ... 
[Mod.TG- Ecstasy is MDMA(FDA.
"3,4-methylenedioxy-methamphetamine (MDMA) is a synthetic drug capable of altering mood and perception (awareness of surrounding objects and conditions) ... ]

● 鳥インフルエンザ 米国 家きん
PRO/AH/EDR> Avian influenza (45): Americas (USA) poultry, mixed flock, HPAI H5N1
Archive Number: 20220215.8701469
[1] Kentucky (Fulton County): chicken
 情報源 Reuters 2022年2月14日
ケンタッキー Kentucky 州の商業的養鶏場 A commercial chicken flock のニワトリが,高病原性鳥インフルエンザの検査で陽性になったと,14日当局者が述べた。全米養鶏業の脅威となっているアウトブレイクの拡大が続いている。
[2] Virginia (Fauquier County): mixed flock
 情報源 USDA Animal and Plant Health Inspection Service (APHIS) 2022年2月14日
農務省 The United States Department of Agriculture's (USDA) Animal and Plant Health Inspection Service (APHIS) は,2つの州において高病原性鳥インフルエンザ highly pathogenic avian influenza (HPAI) が発生したことを確認した: a flock of commercial broiler chickens in Fulton County, Kentucky, and a backyard flock of mixed species birds in Fauquier County, Virginia ... 

 エボラ ウイルスの残存

PRO/AH/EDR> Ebola update (01): virus persistence
Archive Number: 20220215.8701465
 情報源 Science Translational Medicine 2022年2月9日
原著 Ebola virus persistence and disease recrudescence in the brains of antibody-treated nonhuman primate survivors. Science Translational Medicine. 2022; 14 (631): eabi5229; doi: 10.1126/scitranslmed.abi5229.
標準的治療であるモノクローナル抗体ベースの治療との関連性を含め,免疫特権臓器immune-privileged organs,全身の免疫系から隔絶されている臓器のこと]にエボラウイルス Ebola virus (EBOV) が残存し再発することの宿主病原体決定因子は,未だ解明されていない。新たな研究において,モノクローナル抗体治療により急性エボラ感染症から回復後の「非ヒト霊長類」の脳室系で,繰り返しエボラウイルスの残存が確認されたと報告された。残存ウイルスは,重症脳炎などの致死的な再発につながった ... 
[Mod.LK- 参考 Eurasia Review ]
関連項目 2021
Ebola update: Congo DR (NK) outbreak declared over, WHO 20211217.8700334