2023年3月31日

黄熱 ボリビア
食品由来トキシン 韓国 チェリートマト

● 黄熱 ボリビア
PRO/AH/EDR> Yellow fever - Americas (05): Bolivia (SC)
Archive Number: 20230331.8709270
 情報源 EJU [in Spanish] 2023年3月30日
19年ぶりに黄熱感染例 a positive case of yellow fever が the department of Santa Cruz で記録された。検査により国内感染例 This autochthonous case が確認された。the Puerto Suárez Regiment の Mutún に配置され軍務に就いていた17歳男性だった ... 3月23日に発熱,不快感を発症したが様子を見ていたところ,4日後の27日に再び発熱と共に腹痛と倦怠感があり,the Príncipe de Paz hospital in Puerto Suárez 病院に入院し,合併症が認められたため,the [department] capital of Santa Cruz に搬送された。血行動態が不安定で,肝臓と腎臓の異常が認められ,気管内挿管が必要となった ... 最後のアウトブレイクが発生した2014年の致死率は40%だった ... 
[Mod.TY- ボリビアの低地 lowland areas に黄熱ウイルスは常在している。11 Feb 2019 に発症し確定診断されたワクチン未接種の17歳男性の症例の,想定された感染地域は Villa Tunari, Cochabamba department であり,リスク地域とされていた。その前の感染例は the province of San Ramon, Beni department in 2018 で報告されている。それより前の5年間にボリビア国内で5例の感染が確認されており,ほとんどが La Paz department で発生した。
上記の投稿で黄熱ウイルスがネッタイシマカにより伝播されるとされており,これは都市部での感染サイクルでは正しい。しかし今回の単発の症例は,森林型伝播 sylvan (forest) transmission with _Haemagogus_ and _Sabethes_ vector mosquitoes である可能性が高い。単一例ではあるが,間違いなく森林での循環があり,都市部のアウトブレイク発生につながるおそれがあり,早急にワクチン接種などの対応が必要]
参考項目 2019
Yellow fever - Americas (04): PAHO/WHO, Bolivia, Brazil, Peru 20190307.6355499

● サルモネラ菌感染症 米国 小麦粉 
PRO/AH/EDR> Salmonellosis, st Infantis - USA: flour
Archive Number: 20230331.8709269
_Salmonella_ Outbreak Linked to Flour
 情報源 CDC 2022年3月30日
Fast Facts
Illnesses: 12
Hospitalizations: 3
Deaths: 0
States: 11
Recall: No
Investigation status: Active
CDC ほか関係各局が,サルモネラ菌感染症アウトブレイク a multistate outbreak of _Salmonella [enterica_ serotype] Infantis infections の原因となった食品について調査を行っている。Epidemiologic data により,菌の汚染のある小麦粉により発病したことが示されている ... 
Epidemiologic Data
As of 30 Mar 2023, 12人のアウトブレイク菌 the outbreak strain of _Salmonella_ 感染が11州で確認されている。(map) 
発症日は from 6 Dec 2022 to 13 Feb 2023 である。 (timeline)

● 炭疽 ロシア ヒトへのワクチン接種
PRO/AH/EDR> Anthrax - Russia (06): (CV) human vaccination
Archive Number: 20230331.8709268
 情報源 TASS [in Russian] 2023年3月30日
3月に炭疽感染例 cases of anthrax infection が確認された the village of Staroe Aktashevo in Chuvashia において,第1弾の住民へのワクチン接種が行われた。the Tsivilsky central regional hospital of the republic 地域病院が30日に発表した。A mobile FAP (paramedical and obstetric station) チームが同村に入り住民に接種し,畜産施設の労働者にも接種が行われたと説明された。獣医師,精肉施設,皮革や羊毛の製造,猟師,農業,毛皮,と畜などの従事者への接種が計画されている ... 20日-30日の間隔をあけて2回の接種が行われ,その後は1年おきの接種となる。
[Mod.MHJ- 接種の必要性に疑問を投げかけていたが強行されることになっている。ウシのと畜によるたった3人の皮膚炭疽でごく軽症で済んでいる]
 
● Q熱 スイス
PRO/AH/EDR> Q fever - Switzerland: (VS) human, goat
Archive Number: 20230331.8709265
 情報源 Nau [in German] 2023年3月30日
Upper Valais で複数の Q熱感染 Several cases of Q fever have が発生しており,地域の医師 The canton doctor はインフルエンザ様症状があれば医師を受診すること,妊娠女性は症状がない場合でも念のため血液検査を受けること,を勧めている。the region between Visp and Brig において合計6例の Q熱が診断されたと,the canton of Valais が30日に発表した。1群れのヤギの保菌が確認されている。the affected goat herd の疾患は現在 under control されている ... 

● 原因不明の神経疾患 カナダ 化学物質暴露疑い
PRO/AH/EDR> Undiagnosed neurologic illness - Canada: (NB) possible chemical exposure RFI
Archive Number: 20230331.8709254
 情報源 CTV News, The Canadian Press report 2023年3月29日
a resident of Moncton, New Brunswick である40歳女性は,2020年夏頃から原因不明の神経症状 symptoms of a neurological disorder of unknown cause を経験し始め,a mystery brain illness の患者グループ a group of New Brunswick patients に参加している。しかし州政府は新たな神経障害は発生しておらず,患者らは既知の疾患の症状としている。3月28日に仲間らと州政府を訪れ,環境中のトキシン environmental toxins -- とりわけ除草剤 the popular weed killer glyphosate と神経症状との関連項目 を調査するよう求めた。1月に主治医が州政府当局に,症状と除草剤の関連を調べる新たな調査を要請している ... 

● マレーバレー脳炎 オーストラリア
PRO/AH/EDR> Murray Valley encephalitis - Australia (05): (NS)
Archive Number: 20230331.8709256
 情報源 ABC (Australian Broadcasting Corporation) News 2022年3月28日
Key points:
- the south of New South Wales において50代の男性1名がマレーバレー脳炎 Murray Valley encephalitis [MVE] の治療中
 - the 2nd human case of the mosquito-borne virus recorded in NSW this year [2023]
- Authorities say the number of cases recorded among sentinel animals is "concerning"
the state's Riverina region の50代男性が,1月から2月にかけての期間に感染し入院中である。
Victoria 州では2月以降3人が死亡している。
この男性はその後退院となった。
関連項目
Murray Valley encephalitis - Australia (04): (VI) fatal 20230307.8708785

● 食品由来トキシン 韓国 チェリートマト
PRO/EDR> Foodborne toxin - South Korea: cherry tomatoes
Archive Number: 20230331.8709250
 情報源 The Chosun Ilbo [朝鮮日報・日本語] 2023年3月30日より
韓国でミニトマトを食べて嘔吐する人が続出…原因は新品種に含まれる成分だった
韓国で最近、ミニトマトを食べて嘔吐する事例が相次いで報告されている問題で、韓国食品医薬品安全処(食薬処)が緊急調査を実施した結果、忠清南道地域で栽培される新品種のミニトマトから検出された「トマチン」という成分が原因だったことが30日までに分かった ... 食薬処と専門家が原因を調査した結果、忠清南道論山市 Nonsan City, South Chungcheong Province の一部農家で栽培されている新品種のミニトマトに問題があったという ... 
食薬処は、問題のトマトに「トマチン」と呼ばれるグリコアルカロイドが含まれた状態で出荷されていたことを確認した。専門家によると、トマチンは熟す前のトマトに含まれる成分で、弱い毒性があるという。トマトが熟して赤くなればこの成分は消失するが、問題のミニトマトにはトマチンが残っている状態だったことが分かった。
トマチンには、がん細胞などの発達を抑える抗がん効果もあるが、多量に摂取すると腹痛、胃腸障害、嘔吐などの症状が表れる。
忠清南道の農業関係者は「冬の低温の影響で、ミニトマトが低温状態で保管されたためトマチンが残っていたとみられる」と説明した。食薬処は一時的な出荷制限などの措置を検討している。
[Mod.TG- トマチン Tomatine (sometimes called tomatin or lycopersicin) は a glycoalkaloid で,トマトの茎と葉に含まれ,実の部分の濃度はずっと低い。純粋のトマチン Chemically pure tomatine は常温・大気圧において白色の結晶固体である。しばしばポテトに含まれるソラニン the glycoalkaloid solanine と混同される。トマチンは真菌,微生物,昆虫,草食動物からトマトの樹を守るのに役立っている可能性がある。トマチンのようなグリコアルカロイドの主な作用は2種類に分けることができる:細胞膜の破壊とアセチルコリンエステラーゼ酵素 acetylcholinesterase 阻害である。たとえば害虫 the Colorado beetle やカタツムリなどに対する防御作用を担い,また真菌へのバリアーにもなっている。ヒトに対して考えられるリスクが公式に調べられたことはなく,NOAEL (No Observed Adverse Effect Level,許容濃度) も設定されていない。唯一,実験動物における毒性の研究があり,ソラニン中毒と同様の,嘔吐,下痢,腹痛,意識障害 confusion,脱力 weakness,抑うつなどの急性症状が認められた。一般的にトマチンは,ソラニンなど他のアルカロイドに比べて,ほ乳類に対する中毒症状は弱いと考えられている。ヒトが通常量 moderate amounts のトマチンの摂取しても,はっきりとした中毒症状は起こらないと思われる。グリーントマトのピクルスやフライ the widespread consumption of "pickled green" and "fried green tomatoes" および高濃度 (in the range of 500-5000 mg/kg of dry weight) トマチン・トマトhigh-tomatine tomatoes (ペルー原産品種 a variant of L. esculentum var. cerasiforme, better known as the "cherry tomato", indigenous to Peru) を摂取すれば強い症状となることは銘記すべきである (Extracted from WIKIPEDIA)

● 鳥インフルエンザ 英国 動物園
PRO/AH/EDR> Avian influenza (57): Europe (UK) zoo, bush dog, 2022
Archive Number: 20230331.8709263
 情報源 iNews 2023年3月29日
イングランドの動物園のヤブイヌ among a pack of bush dogs の間で鳥インフルエンザ感染が伝播した可能性がある。2022年11月に合計10頭の bush dogs が死亡し,an isolated event とされていた。後ろ向きの検体採取により死亡した動物から The H5N1 avian influenza virus が検出されたと,the UK Health Security Agency (UKHSA) が明らかにした ...