2023年4月27日

バイオハザード状況 スーダン

● マラリア 米国,リベリアから 死亡
PRO/EDR> Malaria - USA: imported, ex Liberia, fatal
Archive Number: 20230427.8709737
 情報源 The Kansas City Star 2023年4月24日
アイオワ州の14歳の中学生がマラリア malaria により死亡した。少年は8年ぶりに訪れた母国のリベリアからアイオワ州の自宅に帰国した2週間後に発病した。マラリアと診断されアイオワ市小児病院 Iowa City Children's Hospital に搬送されたが22日に死亡した。The U.S. Centers for Disease Control and Prevention によると米国内のマラリア感染例の大部分 "the vast majority" of malaria cases が,サブサハラアフリカと南アジアへの旅行者で,毎年全米で約2000例のマラリア感染が確認されている。2020年,世界中で2億4100万例の患者と,うち62万7000例の死亡が発生している。
[Mod.LXL- ... 母国の友人や親戚を訪ねる "visiting friends and relatives (VFR)" は渡航医学の患者の一定割合を占めている。(移住するまで)育った環境において,マラリアが主な発熱疾患の原因であることは知っていても,米国などのマラリア非常在地域に移住した後,寄生虫血症により与えられていた免疫が減弱することは理解されていない。(母国への)渡航前のアドバイスを受けたり予防内服を行うことが少ないことが問題であると,1990年から指摘されていた。マラリア予防内服に関しては,特にサブサハラアフリカ地域に帰国する VFR's にとって,高コストの受診や薬剤,米国医師への信頼度の低さなどから,Knowledge, Attitude and Practice (KAP) は適切ではない。マラリア予防内服薬として atovaquone-proguanil が好まれるが,熱帯熱マラリアの標準的治療 the WHO-recommended and global standard of care for treating 薬は artemisinin-based drugs であり,米国内での入手状況や薬価に大きな相違があるため,アクセスのばらつきを生んでいる。アフリカや他のマラリア常在国から米国への移民は最近増加傾向にあるにもかかわらず,VFR's の帰国後の発熱患者の初診時の鑑別診断としてマラリアは十分に理解されていないことが,診断や治療の遅れにつながっている]

● バイオハザード状況 スーダン
PRO/AH/EDR> Biohazard situation - Sudan: (KH) national laboratory, WHO warning, conflict zone
Archive Number: 20230427.8709724
[1] 情報源 Reuters 2023年4月25日
スーダンの首都ハルツーム Sudan's capital, Khartoum において生物学的危機の発生リスクが高まっている a "high risk of biological hazard"と25日 the World Health Organization が明らかにした。内戦の一方 one of the warring parties が,麻疹,コレラ,その他の危険性のある病原体が管理されている検査機関を選挙した。the National Public Health Laboratory にアクセスできず,確認ができない状態にあると,スーダンからのビデオメッセージで述べられた。いずれの勢力が占拠したかについては言及を避けている ... 
[2] 情報源 Al Jazeera 4月25日
UN officials have said that one side in the Sudan conflict has seized control of a national health lab in the capital of Khartoum that holds biological material, calling it an "extremely dangerous" development ... 
[Mod.MM- The National Public Health Laboratory, Khartoum, is the national referral lab for all Sudan ... ]
[Mod.JH- As Mod.MM notes above, there is significant risk of release of, or exposure to, biological agents whenever labs possessing such materials become encircled in a conflict zone, ... 緊急事態の対処法を事前に検討する必要性など]

● ハンタウイルス ボリビア
PRO/AH/EDR> Hantavirus - Americas (18): Bolivia (CB)
Archive Number: 20230427.8709718
 情報源 Los Tiempos [in Spanish] 2023年4月25日
the Villa Tunari municipality in Cochabamba [department] における新たなハンタウイルス感染例 a new case of a hantavirus [infection] について保健当局 The departmental Health Services (SEDES) が25日報告した。現在入院中のこの26歳の患者は回復しつつある。the National Center for Tropical Diseases (CENETROP) in Santa Cruz において確定診断された。
[Mod.TY- 以前のボリビアのハンタウイルス感染例の,ウイルスの詳細情報は明らかにされていない。the lowland Amazon basin of Bolivia であることから,げっ歯類の宿主 _Calomys laucha_, the small vesper mouse, and _C. callosus_, the large vesper mouse とする Laguna Negra viruses もしくは _C. laucha_ and _Oligoryzomys microtis_,  the small-eared pygmy rice rat が保有する Rio Mamore virus と考えられる]
参考項目 2020
Hantavirus - Americas (02): Bolivia (CB) 20200124.6914213

● 炭疽 ロシア
PRO/AH/EDR> Anthrax - Ukraine: (ZP) human, Russian troops digging trench
Archive Number: 20230427.8709701
[1] 情報源 Rakurs [in Ukrainian] 2023年4月25日
the Zaporizhzhia region において塹壕を掘る作業中のロシア兵が炭疽 anthrax に感染したと Melitopol 市長が25日に明らかにした
[2] 情報源 Wiadomosci [in Polish] 4月25日
ロシア兵が誤って炭疽感染のブタの埋葬地に塹壕を掘り,炭疽に感染したと述べられている ... 

● 鳥インフルエンザ デンマーク,家きん H5N1
PRO/AH/EDR> Avian influenza (75): Europe (Denmark) poultry, HPAI H5N1
Archive Number: 20230427.8709738
 情報源 Social News XYZ 2023年4月27日
デンマーク国内の鳥インフルエンザアウトブレイク発生により3万羽のニワトリが処分されることになったと,獣医学食品当局 the Danish Veterinary and Food Administration (DVFA) が明らかにした。ウイルスが確認されたのは首都コペンハーゲンCopenhagen の南西約188km にある Augustenborg の農場の大規模室内飼育のニワトリの群れと伝えられている