ProMED-mail 情報: 2023年6月26日

Oz virus　日本

ロッキー山紅斑熱　メキシコ

●　Oz virus　日本

PRO/AH/EDR> Oz virus - Japan: discovery, hosts, 1st human fatality

Archive Number: 20230626.8710768

[1] Virus hosts

　情報源 Emerging Infectious Disease (EID) 2022年2月

原著タイトル Zoonotic Infection with Oz Virus, a Novel Thogotovirus. Emerging Infectious Diseases. 2022;28(2):436-439. doi:10.3201/eid2802.211270.

Abstract

Oz virus はダニから分離された新型トゴトウイルス a novel thogotovirus で、マウスの致死性感染症の原因となる。日本国内のヒトおよび野生哺乳動物について、virus-neutralization tests and ELISAs を用いた血清学的検査 serosurveillance of Oz virus infection を行った結果、

Oz virus may be naturally infecting humans and other mammalian hosts.

The Study

during 2013-2019 に山口県内の24人のハンターと、捕獲された240匹の野生動物 (40 Japanese macaques [_Macaca fuscata_、ニホンザル], 124 wild boars [_Sus scrofa_、イノシシ], and 76 sika deer [_Cervus nippon、シカ]_) から血清を採取し、自然界での Oz virus 感染について検討した。

（ウイルスが初めて発見された）愛媛県と山口県は地理的に近接し自然環境も類似していることから、初期調査は山口県のサンプルを使用した。

To test for the presence of Oz virus antibodies（抗体検査）in the serum samples,

we performed a PRNT80 (80% plaque-reduction neutralizing test) using Oz virus (Table 1).

ヒトについては、8.3% of the serum samples で中和抗体 Oz virus neutralization (VN) antibodies; VN titers were 1:40 and 1:80. が確認された。

野生動物では、serum from 47.5% of macaques（サル）, 60.5% of wild boars（イノシシ）, and 73.7% of sika deer（シカ）in Yamaguchi had Oz virus VN antibodies (Table 1).

Conclusion

全国的調査 Our nationwide surveillance of Oz virus infection in Japan の結果、多数の動物が抗体 Oz virus antibodies を保有していることが示された。しかし、富山県と栃木県のイノシシは抗体を保有していなかったことから、日本国内の北部および東部地方にはウイルスが分布していない可能性がある。

日本の南部および西部地域のヒトの感染源となる主なダニの種類は、この地域で多く見られることから _Amblyomma testudinarium_ であり、ウイルス感染動物の分布とダニの生息域が一致するとみられる。加えて山口県内のハンター2名が抗体検査で陽性となり、マウスの脳内へのウイルス接種が致死性となることから、人獣共通感染症としての詳しい調査が必要と考えられる。

[Mod.TY－参考資料 Characterization of a novel thogotovirus isolated from _Amblyomma testudinarium_ ticks in Ehime, Japan: A significant phylogenetic relationship to Bourbon virus. Virus Res. 2018;249:57-65.

ダニのウイルス保有についての調査にも関心がもたれる]

[2] Human case: fatal

　情報源 The Japan Times 2023年6月23日

茨城県の70代女性がダニ刺咬後 the Oz virus に感染し、昨年心筋炎により死亡していたと、23日厚労省 the health ministry が明らかにした。このダニ媒介性ウイルスについては、野生動物とヒトの感染が報告されていたが、世界で初めての死亡例の報告と考えられている。報告によるとこの女性に海外渡航歴はなく、2022年夏に発熱、倦怠感、関節痛の症状で医療機関を受診していた。肺炎が疑われ抗生物質が処方されたが症状が悪化したため、筑波メディカルセンターに入院した。入院時に右大腿部の付け根の皮膚で吸血中の硬ダニが発見され、約1ヶ月後に心筋炎のため死亡した。国立感染症研究所によると、the Oz virus は2018年に愛媛県内の硬ダニ、学名 _Amblyomma testudinarium から発見された。このウイルスに対する抗体が、千葉、岐阜、三重、和歌山、山口、大分の各県のサル、イノシシ、シカで確認されていた。山口県内のハンター24人の血液検査でも、このうち2人が抗体陽性であったことから、過去に感染した可能性があると同省は述べている。現在まで、日本以外では The Oz virus は確認されていない。

固い骨格をもち約3-4mmのダニは、屋内のダニとは種類が異なり、森林や藪で発見されることが多い。

今回のケースから死亡例を含め重症化する可能性がある、一方、抗体を保有するヒトが確認されていることから、無症候性または軽症例となる可能性も考えられると説明されている。

[Mod.TY－ Oz virus is a virus belonging to the genus Thogotovirus in the family Orthomyxoviridae. (感染研の報告) 入院時にそけい部のダニ A post-engorged tick が発見されているが、他のダニ媒介性重症疾患 severe fever with thrombocytopenia syndrome (SFTS、重症熱性血小板減少症候群) などの除外が必要である。不幸にして心筋炎で死亡し、血中および尿中で Fragments of Oz virus が確認され、感染研での追加検査が行われ、Oz virus infection と診断された。

This report indicates that the Oz virus infection was laboratory confirmed, apparently by PCR that detected virus (RNA) fragments.]

●　ロッキー山紅斑熱　メキシコ

PRO/AH/EDR> Rocky Mountain spotted fever - Mexico: (BN) fatal

Archive Number: 20230626.8710797

　情報源 Yahoo! [in Spanish] 2023年6月23日

Tijuana においてリケッチア症の症例が有意に増加していると、保健当局者 the secretary of health in the entity が明らかにした。the Los Santorales area in Mexicali ではありふれている very common ものの、新たに the eastern part of Tijuana and in some neighborhoods in Ensenada が重要な感染源となっているとのべた。どの程度の拡がりがあり、どれくらい野犬がいて、どれだけゴミが放置されているかを調べなければならない、と述べた。これらの要素が病気を伝播するダニの繁殖に関係する ...

2023年の上半期だけで2022年の年間発生数とほぼ同数となっている possible cases について当局は調査を開始した。リケッチア症による16例の死亡が確認されており、9例が in Tijuana (the majority in the eastern zone), 6 in Mexicali, and 1 in San Quintín で発生している。多くが小児であるとして注意を促した。

参考項目　2022

Rocky Mountain spotted fever - Mexico: (CA) fatal, children 20220603.8703648

●　腸管出血性大腸菌　英国

PRO/AH/EDR> E. coli EHEC - UK: (Wales) nursery school children

Archive Number: 20230626.8710794

　情報源 Daily Post 2023年6月25日

園児2名の大腸菌感染 an _E. coli_ infection が確認されたことを受け、A North Wales school、Ysgol Pen Barras in Ruthin が nursery and reception-aged children の受け入れを見合わせることになった。患児と濃厚接触があった園児は Public Health Wales に便検体を提出するよう求められている。Public Health Wales が通園する小児2名の感染について調査中であると明らかにしている。26日と27日は休園となる。園内で感染したことを示す証拠はない。

●　鳥インフルエンザ　日本

PRO/AH/EDR> Avian influenza (98): Asia (Japan) poultry, self-declared freedom from HPAI, WOAH

Archive Number: 20230626.8710799

　情報源 Xinhua 2023年6月20日

全国で1770万羽が処分された鳥インフルエンザについて、日本の農水省が free of avian flu と発表したことが20日報じられている。同省から提出された検体を基に The World Organization for Animal Health が19日にウェブサイト上で Japan's bird-flu-free declaration を掲載したと NHK が伝えた。4月7日の北海道・千歳市の養鶏場でのアウトブレイク発生以降、鳥インフルエンザは確認されていないとして、全国の養鶏場の同ウイルスの清浄化が確認されたと述べられている。

日本では2022年10月から2023年4月までに、過去最悪の鳥インフルエンザ感染が記録された。

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2023年6月26日

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